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虚栄心からは逃げられない

 声楽のレッスンのさらに続きです。次の曲は、プッチーニ作曲の「トゥーランドット」より「Non piangere, Liu!/泣くなリューよ!」です。
 この曲もリズムが難しいです。ただ、最初に2分音符が4つばかりピアノで叩かれますので、気を抜かずにしっかりと聞いていれば、テンポはつかめるので、気さえしっかりしていたら、何とかなるのです(…が、歌い出しの時は、アレコレいらない事を考えてしまって、イントロをなんとなく聞き過ごしてしまう私だったりします:汗)。
 メロディーに三連符や六連符が多用されていますので、そこは何となくではなく、きっちりとリズムを正しく歌う事。細かいところをいい加減に歌ってはいけないのです。音程は、常に高いところから声を回して取るようにする事。
 最高音がある“che non sorride piu!”は、出だしの“che”の発声に注意する事。次の“non”(ここに最高音Bがあります)を意識してしまい、つい“che”を発声する時にノドを上に引っ張りがちだけれど、それをやってしまうと“non”がBに届かない事になりがち。むしろ“che”の発声は、逆にノドを下に引っ張った方が良いのです。もちろん、次の高音に備えて、高めの倍音をたくさん出しておく必要はありますが、ノドはむしろ下に引っ張っておくのです。“che”でノドを下に引っ張り、それを保持したまま、次の“non”の前で、さらにノドを上に引っ張るのです。このやり方が最高音を楽に出せるやり方です。よく先生は「一度上に引っ掛けてから、下に引っ張る」という指示を出しますが、まさにこれがそうなのだなと思いました。
 次は、ドニゼッティ作曲「ランメルモールのルチア」の二重唱「Verranno a te sull’aure/そよ風にのって」です。今回は曲の後半部を歌いました。
 まず、この曲をどんなカットやバリエーションで歌うべきかですが、ひとまず、マリア・カラスがやったように歌う方向にしました。先生曰く「マリア・カラスがやれば、それが世界標準!」なんだそうです。ま、そうだよね。なので、マリア・カラスがカットした部分はカットし、マリア・カラスが歌わずに休んだところは休み、マリア・カラスが歌詞を変えた部分はカラスが歌った歌詞で歌う事にし、ちょこっとメロディを変えた部分もカラスがしたようにして歌う事にしたわけです。
 つまり、こんな感じ。
 この音源でのカラスのパートナーはディ・ステファーノだけれど、私的には彼ではなくタリアヴィーニの方を目指しています。
 ちなみに、最後の音は最高音Bだけれど(この音は、ここだけでなく曲中何度も出てきて厄介です)、最後だし、白音符だし、聞かせどころだし、だから歌う時につい虚栄心を発揮して、カッコつけて歌おうとして、ついついノドに力が入って、結果的に音程がフラットしてしまうわけです。それはもちろんダメなので、虚栄心を廃し、自分は高音を出すマシンであると思いこんで、虚心に発声しないとダメですよって言われました。ま、そりゃそうだね。でも私は人間なので、どうしてもカッコつけたがるんです。だってテノールだもん(笑)。

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