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ありがとう、巣ごもりシアター

 コロナ禍の中、色々な音楽団体がネット配信をしてくれましたが、私が一番お世話になったのは、新国立劇場の巣ごもりシアターです。2020年6月26日までやってくれますが、毎週、オペラかバレエを1作品ずつネット配信してくれるという、とてもありがたい企画です。私は、オペラの配信を全部見ました/見る予定です。
 新国立劇場という、チケットがお高めの劇場の公演を無料で見せてもらえるわけですから、ほんと感謝しかないのですが、見せてもらって気づいた事もいくつかありますので、感謝とともに、それらのいくつかを書いてみたいと思います。
1)レベルが高い
 とにかくレベルが高いです。DVDで発売されるような、外国の有名歌劇場にトップ歌手を揃えて収録されたような公演と、技術的に比べても、決して見劣りはしません。極東の片隅のオペラ上演の歴史の乏しい歌劇場としては、地味にすごいことだろうと思います。
2)日本人だけでも良いのでは?
 公演にも寄るのですが、おしなべてどの公演も、外国人キャストが多いし、外国人スタッフも多いです。主要な配役はほぼ外国人で、日本人は脇役や合唱を努めています。日本の新国立劇場なのに外人の芝居を見るのは「何かな~?」って気がします。外国の歌劇場との共同制作のせいなのかもしれないけれど、日本人がないがしろにされているような気持ちがして、あまりいい気分ではありません。やっぱり、新“国”立劇場なんだから、キャストもスタッフも日本人だけでもいいんじゃないかという気がしますし、外国人を使うのなら、余人を持って代えがたい人気者や優れた才能の方(例えばカウフマンを主役にするなら「外国人だー」と文句言いません)を、ピンポイントで活用した方が良いと思います。日本にだって、人材は豊富にいるでしょ? なるべく日本人の歌手さんやスタッフさんを使うことで、日本人の雇用や活躍の場を守りましょうよ。税金で成り立っている劇場なんだから、そこはしっかりして欲しいです。
3)小難しい
 どの舞台も真面目に作られているなあと思う一方、どれもこれもなんか“小難しい”んです。歌唱や演技は合格点だけれど、演出は自己満足に走り、分かりづらいし、見ていて楽しくないです。ひねりすぎていて、オペラ通にしか楽しめないような演出は、今後の課題ではないでしょうか? もしかしたら「オペラなんて、誰も見てないんだから、好き勝手にやっちまえ」という気持ちが制作者側にあるのかな?というのが私の感想です。でもね…オペラって、エンタメですよ。娯楽ですよ。そこを忘れちゃダメじゃないかなって思います。新国立劇場には、税金だって投入されている(大切なことなので2度書きます)んだから、自分たちの趣味に走っちゃダメよ。良い意味で、もっと大衆に迎合した舞台づくりが大切だと、私は思います。オペラなんて、外国語で歌っていて、何を言っているんだか、よく分からないんだから、せめて演出は分かりやすくしてほしいです。
 なんて、ちょっとばかりダメ出ししちゃったけれど、基本的には感謝感激な私です。
 じゃあ今回の巣ごもりシアターを見て、次は新国立劇場に足を運ぶのか、あるいはDVDを購入するのか…と言うと、それはしないかもなあ…。やっぱり現地に足が気が進まない理由は、上にも書いたけれど、演出が小難しくてね、あんまり楽しくないんだよね。
 オペラって、夢々しいモノだと私は思ってますが、新国立劇場はそういう夢々しい舞台を作ろうとは思っていないみたいなので、そんな小難しい舞台には、高いお金は落とせないなあって思ってます。
 私はオペラファンだけれど、お金は大切なので、楽しめない舞台は高いお金を出してまで見たくはないです。それならば、私の好みの夢々しい舞台を見るために、シアターオーブや帝国劇場、劇団四季等でミュージカルを見るために使おうかなって思ってしまうくらいです。私がプロの舞台で見たいのは、勉強の成果ではなく、夢と魔法の世界なのです。だから生の舞台を見るとなると、海外歌劇場の引っ越し公演とか、日本のミュージカルになってしまうのです。ミュージカルの人たちは、ほんと頑張って夢々しい舞台を作っていらっしゃると思います。オペラの人も頑張って欲しいと思うわけです。

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