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発表会、さて後半です

 休憩中に客席に行って、録音機の電池を交換します。今までは、自分の歌を録音するために、自分の出番の少し前の曲から録音していましたが、今回は頻繁に舞台に出るので、客席を出入りしている余裕がないので、発表会全体を録音してしまう事にしました。まあ、発表会全体を録音…と言っても、それをまるごと保存するのではなく、自分たちの部分だけを取り出して保存はしますが、他の人の分はすぐに捨ててしまいます。だって、そうしないとHDDの容量がもったいないじゃん。
 それはさておき、発表会全体を録音するとなると、録音機の方の容量は大丈夫なのですが、電池がもたない事が経験的に分かっているので、休憩の時間を使って、電池の交換を行いました。
 電池も取り替え、後半の舞台に備えて楽屋に控えていました。後半は、自分の出番に加え、いよいよ今回客演するテノールのI先生が2曲ほど歌うので、それは聞き逃してはいけないと思い、先生が歌うたびに、舞台袖から生歌を聞いていましたので、ほんと後半は忙しかったんですよ。
 I先生が歌う姿を近くからまじまじ見て分かった事は…ノドが見事なくらいに脱力されている事と、その分、しっかり声を支えていらっしゃる事です。ううむ、レッスンのたびにY先生に注意されている事を、I先生はしっかりやっている…。Y先生に注意されて(でも出来ていなくて)いる事をしっかりやるだけで(これほどかどうかは別として)しっかり歌えるんだなあ…と良い見本を見せていただきました。
 今回、ノドが痛いのも、リハーサルの時に、声の支えを軽視してノドで歌ってしまったからだし、ああ“脱力と支え”って、ほんと大切だわ。
 それにしても、I先生のカツーンと出る高音は、なぜあんな事が出来るのかは、全く分かりませんでした。打ち上げの席でヒントをいただこうと思っていたけれど、I先生は打ち上げには出られなかったので、結局聞けずじまいでした…が、教えてもらったところで、すぐに出来るわけでもないから、それはそれで良しとしました。
 とにかく、脱力と支えの両立が大切だなって学べた事が、今回の収穫です。あとは、それをどう自分の中で習慣化して、血肉にして、実践していくか…です、それが実は難しいのだけれど。
 さあ、3曲目の順番が近づいてきました。この箇所では、私の前に妻が歌うので、私は舞台袖で妻の歌を聞きます。妻が歌っている時は、もちろん我々のピアニストさんも一緒に舞台に行くので、公式ピアニストさん(つまり、我々以外の方の伴奏を一手に引き受けているピアニストさん)は休憩となります。我々の出番がまんべんなく散らばっているのは、舞台構成上の都合もありますが、我々の出番は、同時に、公式ピアニストさんの休憩時間なわけで、もしも我々が自分たちのピアニストさんを連れてこなければ、公式ピアニストさんは、2時間近くに渡るすべての曲を一人で伴奏しまくるわけで、そりゃあ体力的に大変だよね。仕事とは言え、かなりきついですね。なので、ポツポツと我々が歌う事で、公式ピアニストさんは、休憩が取れるだけで、休憩の回数や時間が少なくても、休憩があるだけで、だいぶ違うでしょうね。
 妻の歌唱が終わり、いよいよ私の最後の出番となりました。
 曲は、ドニゼッティ作曲「愛の妙薬」より「Una furtiva lagrima/人知れぬ涙」です。うーむ、どうだろ? 実はこの音源が一番アップしたくなかった音源なんですね。だってね、こんな出来だもの。いやあ…練習段階では、もう少しマシに歌えるかなって思っていたんだけれど、本番ではこんな感じです。ノドの脱力に気をつけていたのはいいとしても、大切な息の支えが足りなすぎるんだよね。ああ、やらかしちゃったなあ(涙)。Y先生がおっしゃるには「本番では、練習の時以上にカッコつけて歌おうとして失敗しがちなんだよね」との事です。まさに、その通りです(涙)。やっちまったなあ…。
 ま、これが今の私の実力です。いやあ、現実を直視するって、心に刺さるなあ。
 さて、とにかくやり終えました。歌い終えました。出来はともかく、心は満足です。
 歌い終えたら、さっさと着替えて、急いでホワイエに行きました。だって、発表会が終演してしまったからです。せっかく来てくださった方を待たせちゃいけないからね。すっ飛んでホワイエに行きました…ので、録音機の回収を忘れてしまいました(汗)。私、ほんと、よく録音機の回収を忘れてしまうのだけれど、今回も回収し忘れてしまいました。片付けをしていたY先生が見つけてくださったので、事なきを得ましたが、そうでなければ、今でもホールに置いてあるかもしれない(汗)。
 とにかく、ホワイエに行って、お客さんたちにご挨拶をして、お話をして、誉めていただきました。こんな歳になっても、誉められるとうれしいですね。私は“誉められて伸びるタイプ”ではないので、誉めてもらえなくても、全然平気と言えば平気なのですが、それでも誉められて嬉しくないわけないです。次も頑張ろうって思います。次と言えば…1ヶ月後のクラシックコンサートなんだけれどね(汗)。
 発表会も終わり、打ち上げに行って、ためになる話、どうでもいいい話をたくさんして、門下の結束ってヤツを深めてきました。次の発表会ではオペラの抜粋版をみんなでやろう!と盛り上がりましたが、さてどうなるでしょうか? 実際にオペラをやるとなると、色々と越えなきゃいけないハードルが生じるんだね。でも、私的にはオペラをやりたいです。以前、ボエームをやった時は、大変だったけれど、すごく楽しかったからね。もしもオペラをやるなら、どんな演目であっても、私は頑張るし、きっとすごく楽しめると思うんだ。
 「高音へのアプローチが変わりましたね」とF先生に言われました。自分的には自覚はないし、実際本番ではコケちゃったので、これで良いのかどうか自信はないのだけれど、練習段階では、だいぶ楽に高音が出せるようになりました。このやり方が自分に合っているのなら、もっと突き詰めて安定して使えるようになりたいです。
 それにしても発表会、楽しかったです。所詮は、旦那芸の道楽でしか過ぎないのだけれど、それで人生が充実するなら、そこに越したことはないと私は考えています。ちっともストイックではないのですが、それでも真面目に取り組んでいるつもりです。だって、真面目に取り組まないと楽しくないじゃん。
 来年の発表会にも参加できるといいなあ。それにはまず、健康第一だよね。

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コメント

  1. ショウ より:

    発表会お疲れ様です!
    とても綺麗な歌声で、ノドに力が入っているようには聞こえませんねー
    また、是非聞かせて下さい!

  2. すとん より:

    ショウさん
     いやいや、基本的にノドの脱力を目指して歌いましたが、それでもところどころに力が入ってます。いやあ、まだまだな私です。でも、これで諦めずに、継続して頑張って上達し続けていくつもりです。はい。

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