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無人島に持ってゆきたいCD ベスト4(器楽系クラシック編)

 器楽系クラシックは、実はあまり得意な分野ではありません。ので、趣味モロ出しです。ごめんね。ある意味、私の趣味がよく分かるチョイスかもしれませんな。

 では、始めます。

ムターの「メンデルスゾーンのヴァンオリン協奏曲」
   作曲:メンデルスゾーン
   ヴァイオリン・ソロ:ムター
   指揮:カラヤン
   管弦楽:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

 まず前提として、私はこの曲が大好き。で、私は作為的なくらいにロマンチックな演奏というのが、実は大好き。でも音が悪いのは苦手。

 そんな私のメンコンのチョイスが、このムター盤。この頃のムターはまだ17歳。まだまだ少女の演奏です。おそらくはカラヤンの言いなりに演奏していたんじゃないかな? ヴァイオリニストの意志を感じさせる演奏ではなく、ひたすら美しい音色をコッテリとたっぷりと奏でる…このあたりに神経集中って感じの演奏です。

 カラヤンが苦手って人には、きっと見向きもされないCDだろうなあ…。だって、1から10までカラヤン臭い演奏だもん。実にあざといのよね、演奏が。でも、そのあざとさが素人受けしたわけでしょ。私は素人だもん、特にこの分野は苦手分野だし…。そんな私は(ムター盤と言うよりも)カラヤン盤をチョイスするのは、ある意味当然だよね。

 メンコンにロマンチックなものを求める人には、このディスク、良いと思います。

ヘブラーの「モーツァルのピアノ協奏曲第20番」(旧盤)
   作曲:モーツァルト
   ピアノ:ヘブラー
   指揮:ガリエラ
   管弦楽:ロンドン交響楽団

 ヘブラーはモーツァルト弾きとして一時代を作った人なので、20番もたくさんディスクがあるみたいだけれど、私が薦めるのは1965年録音の古い奴。当然、廃盤かと思っていたら、なんと廉価盤でありました。驚き。この演奏は、元々はLPで聞いて、すぐにツボにはまり、それこそ盤面がすり切れるくらい聴き込みました。

 CD時代になって「モーツァルトピアノ協奏曲全集(これは現在廃盤)」が出たので、えいやあと買い揃えました。いわゆる大人買いです。20番以外の曲ももちろん大好き。同時に出た「モーツァルトピアノ・ソナタ全集(これも現在廃盤)」も当然買いました。もう、私にとって、モーツァルトのピアノと言えば、ヘブラーの演奏しか考えられません。

 演奏は、コッテリ、ロマンチック系の演奏です。はっきり言って『あざとい』演奏です。ある意味、今、流行りのアカデミックな演奏の対極にある演奏と言ってもいいでしょう。その証拠と言ってはなんだけれど、アマゾンのレビューでの評価は最低になってます。最低…結構! 他人が最低の演奏だと評価しても、私はこれが最高の演奏だって信じるよ。自分のゴーストを信じられなくて、なにが趣味というものなんでしょうか。

 ああ、しかし私はなんて「あざとい」演奏が好きなんだ。ある意味、安っぽい、素人くさい好みだけど、そんな自分が結構好き。だって、CDの音楽聞いて、ロマンチックな気分になれるなら、こんな安上がりな幸せってないでしょ。大好き>自分。

 最近のモーツァルト演奏に、何か物足りなさを感じるなら、この手の、ちょっと古い、19世紀の香りのする演奏がいいっすよ。コッテリしたモーツァルトに出会えますよ。

ベームの「モーツァルトの交響曲第40番」(ベルリン・フィル盤)
   作曲:モーツァルト
   指揮:ベーム
   管弦楽:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

 ベームの「モーツァルトの交響曲40番」にはウィーン・フィルとの演奏もあり、一般的にはそっちの方が評価は高いですね。今でも主に販売されているのはウィーン・フィルとの方。でも、私はこっちのベルリン・フィルとの方が好きだな。

 ベームのモーツァルトは、やはり、コッテリ、コテコテ系のロマンチックな演奏です。で、このベルリン・フィル盤も当然、コッテリ、コテコテ系です。ウィーン・フィル盤もやはり濃厚でコテコテなんですけれど、ベルリン・フィル盤ほど私の心にはきません。 

 実は、最初に聴いたのはウィーン・フィル盤の方。まずはそれで「ベームの40番っていいなあ」と思いました。ベルリン・フィル盤は後から聞きました。普通は最初に聴いたものが良ければ、それが決定盤になるはずなのに、この曲に関してはそうではありませんでした。モーツァルトの40盤は、ベーム&ベルリン・フィルで決定です。

 あ、ちなみに40番は、私のお気に入りとしは、晩年のワルター&ウィーン・フィルというのもあり、こちらも捨てがたかったのですが、録音の古さで却下。やっぱりいくら名演奏でも、録音が古すぎるとねえ…。

スメタナ四重奏団の「モーツァルトの弦楽五重奏曲第4番」
   作曲:モーツァルト
   演奏:スメタナ四重奏団+スーク

 悲しい! ロマンチックな演奏とは、この演奏のことだろう。悲しさもここに極まれり、と言った感じに悲しいです。もちろん、曲そのものが悲しみを誘うけれど、元々悲しい曲を、こんなに感傷的に演奏するなんて、うれしい反則でしょう。

 さらに言うと、この演奏、悲しいと同時に、ちょっとドロ臭いです。スタイリッシュとか都会的とか言う言葉とは、ちょっと遠いかな。ここまで、古くてロマンチックな演奏を薦めてきましたが、このディスクは古くて、と言うより、泥臭くてロマンチックな感じです。「あざとい」というより「あつかましい」って感じかな? そう、あつかましい演奏だと思うよ、これ。

 あつかましい演奏って、聞いてて、疲れるよね。この演奏も疲れます。全然、癒されません。音楽に癒しを求めない人向きかな? なにしろこれも、コッテリ系ですから。ラーメンに例えると、背脂系の演奏ですね。悲しい背脂? なんか、書いていて、わけ分からなくなりました。

 と言うわけで、私のお薦めのクラシック系器楽曲は、以上のとおり。つまり私は「ロマンチックなモーツァルトが好き」という結論ですね、はい。

 あ、フルート音楽が、一曲も入っていない。な、なんたることだ~!

コメント

  1. Cecilia より:

    すとんさんの趣味がわかりました。
    こってり系がお好きなのですね!
    これから気をつけておきます。(笑)

  2. すとん より:

    >Ceciliaさん

     そうなんです、自分でもあんまり自覚していなかったのですが、私はこってり系の音楽が好きなんですよ。

     それなのに、フルート吹いているんですよ。自分でも不思議で不思議で…。だってフルート音楽って、大半がアッサリ系じゃないですか。いやむしろ、フルートが前面に出た段階で、どんな音楽もアッサリ度を増すと言うか。

     だから、今回のお薦めCDにフルート音楽が入らなかった理由は、きっとそこなんだろうなあと思います。アッサリ系の楽器が好きなのに、聴く音楽はコッテリ系という、なんともちぐはぐなのが私です。

     そういう矛盾を抱えたまま生きているから人間なんだよな。

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