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一音ごとにポジションを変えて歌うのは良くないです

 先日、テレビを見ていて気づきました。世の中には、一音ごとにポジションを変えて歌う人がいるんですね。

 (プロアマ含めて)多くの人は歌う時に、そんなに極端に声のポジションは変えていきません。と言うのも、声のポジションと音色は関係が深く、頻繁にポジションを変えて歌えば、当然、頻繁に声の音色も変わってしましため、あまり声のポジション移動は行いません…ってか、そんなに細かく声のポジションを変えながら歌えるほど、みんなそんなに器用じゃないのです。むしろ、声の音色の統一を保つためにも、歌っている時は、なるべくポジションは固定して歌うべきなのです。

 でもね、一音ごとにポジションを変えて歌っちゃった人をテレビで見ちゃったんです。それもその方、ポピュラー系のプロ歌手だったから、二度ビックリでした。素人ならともかく、歌のプロがそんな事をするなんて…って感じでした。

 もっとも、一音ごとにポジションを変えて歌うなんて芸当は、素人ではできない、ある種のテクニックと考えれば、やっぱりプロの方じゃないと無理なのかな…とも思いました。

 一音ごとにボジションを変える理由は色々あるでしょうが、私が思うに2点の理由が考えられると思います。

 まずは、すべての音域で自分の声を最大限に張るため…です。やはり低い音域は太めの音色の方が声が張れるし、高い音域は軽い音色の方が声が張れます。すべての音域において、張り上げた声で歌いたくて、微妙にポジションを変えながら歌っている可能性があります。

 次に考えられるのは、たまたまその人が、声色と音程がリンクしている人だったのかもしれません。音程を音の高さではなく音色で覚えている人…って、たまにいるのですが、そういうタイプの人なのかもしれません。昔あった、メロトロンという楽器(磁気テープを用いた、アナログ再生式のサンプル音声再生楽器です)のような発声をしちゃう人と言うべきか、声まね、ものまねとして、歌を学んでしまった人…って感じなのでしょうか?

 まあ、ポピュラー系の歌手さんでしたから、どんな歌い方をしても、それは“個性”で片付けられてしまうわけで、それはそれで良いのですが、我々のようなクラシック声楽を学んでいる人は、彼のような歌う方って、絶対にしてはいけないわけです。

 確かに音色を変えながら歌えば、高音や低音は歌いやすくなり、発声しやすくなるだろうし、テクニックとして音色を変えて歌うのはアリだろうけれど、それを常態としてはいけないと、私は思うわけです。

 統一された音色で歌うのが、クラシック声楽の歌い方でしょ? でなきゃ、声種なんて意味ないしね。

 で、振り返って、私の発声はどうなのよ?って話ですが、流石に1音ずつポジションを変えるような技量はありませんが、技量が無い故に、低めのポジションで歌い始めるとか、歌っているうちに、どんどんボジションが下がっていくとか。音程が低めの旋律を歌うとポジションが落ちてしまい、それっきり高めのボジションで歌えなくなるとか…色々と問題を抱えていたりするわけです。

 私の場合は、何度もY先生から指摘されているように、腹圧の弱さがポジションを高めに維持することを困難にして、ポジションが落ちてしまう…という感じなんだろうなあって思うわけです。

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