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リア充って何よ?

 最近、よく耳にする“リア充”という言葉、どんな人の事を言うのでしょうか?

 チャチャっとググってみたところ、リア充とは「現実生活(リアル)が充実している人」の事を言うそうです。うーん、まんまじゃん。

 ただし、語法として「私はリア充です」と言うのは痛い使い方(つまり、誤用)であって、「私は恋人がいないのでリア充ではありません」とか、妬ましさのあまり「リア充、爆発しろ」などと使うのが、言葉として正しい使い方のようです。つまり、リア充という言葉は自分に向けて使う言葉でなく、尊敬やら妬みやらの感情を込めて、他者に向かって使う言葉のようです。自分に向かって使う時は、あくまでも反対のベクトルを向けて、否定形にして使うようです。

 そういう意味では「金持ち」とか「インテリ」とか「イケメン」などと同列の言葉のようです。これらの言葉も、自分に向けて使ったら変でしょ? あくまでも嫉妬と羨望を込めて第三者に向かって使う言葉です。

 言葉の使い方はともかく、本質的な意味を考えてみるなら、リア充という言葉の意味、つまり『現実生活(リアル)が充実する』って、どういう事なのかと考えるチャンスになります。

 リア充という言葉は、そもそもがネットスラングですから、若い人間が多く使います。そのため、充実しているリアルとして、恋愛しているとか、きちんとした職業に就いているとか、派手な交友関係があるとか、幸せな家庭生活を過ごしている(これは女性限定かも)とかがあげられます。インスタグラムなどで、いかにも幸せそうな写真をアップしていたりすると、リア充であると思われるようです。

 つまり“リア充”って“幸せ”のこと? または“幸せな人”の事?

 リア充が幸せという意味なら「私はリア充です」という言葉が誤用と言うよりも、気恥ずかしさを伴う言葉である事が分かります。だって「私は幸せです」って言葉は、間違っていないけれど、正面切って使うには、なんか恥ずかしいものね。ついつい「こんな私が幸せで良いのかな?」とか思っちゃうでしょ。そんな感じなのでしょう。

 ならば「リア充、爆発しろ」は「幸せなヤツなんて、死んじまえ」と言った程度の僻みの言葉なんでしょうね。

 そんな自分が幸せで無い事を強調するために、反対語としての“リア充”という言葉を頻繁に耳にする時代になったと言うことは、それだけ不幸な人が増えている、あるいは、自分は不幸であると感じる人たちが増えている、って事なんでしょう。

 それにしても…不幸な基準がゆるいなあ…。恋人がいないとか、友達がいないとか、定職についていないとか…そんなモンで“不幸”なんだよ。難病に罹患して日々苦しみの中で暮らしているとか、愛する人を立て続けに亡くして悲しみのどん底にいるとか、貧しくて収入も無くて住む家も食べるものも無くて野良犬のような生活をしているとか…とは訳が違うのであります。

 つまり、リア充を否定する事で確認される不幸なんて、軽微な不幸であって、決してマジでもガチでもない、“なんちゃって不幸”なんだよなあ。そういう意味では「リア充、爆発しろ」とか言って人は、まだ本当の不幸を知らない…とも言えます。

 どちらにしても、グローバル・スタンダードで言えば、日本人なんて、みんな幸せなんだよ。そういう事なんだよね。少なくとも「リア充爆発しろ」なんて言っている人は、言えるだけ幸せってわけなんだな。

 若いうちは、貧しくて当たり前、恋人がいなくて当たり前、定職についていなくても全然平気。だいたい、自分が何者なのかも分からないのが“若さ”なんじゃないの? 何も持っていなくても、可能性をたくさん持っているのが若者でしょ? オジサンになると、あれこれ持っているけれど、若者しか持てない、可能性とか未来とか将来とかが、眩しくて眩しくて…ねえ。自分も昔は持っていたのに、一体それらはどこに行ってしまったんだろうなあ…とぼやくことしか出来ないんだよな。

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コメント

  1. ドロシー より:

    すとんさん、こんにちは。

    「リア充」と言う言葉は、あまり使わないかもしれないけど、SNSの影響である程度の年齢の方も「幸せ自慢」はできるようになっていますよ。
    大体、facebookのユーザーの平均年齢って、40~50代ですしね。
    男性も、1日だけ子供のために仕事を休んだだけで、「イクメン」気取りですし、プロフィールにも「2児の父」なんて書いていたりするのも流行っていますね。
    大して高級店でなくチェーン店のカフェやファミレスにいただけでも、野良犬のような生活をしていたとしても、演出次第ではそれなりに「リア充」アピールは可能です。ただ、「リア充、死ね」という人は、そこに気付いていない。つまり収入に関係なく、自己演出を楽しめるかどうかなのだと思います。
    すごい虚構の世界だと思いますが、個人的には、不幸自慢よりはマシだと思います。

  2. すとん より:

    ドロシーさん

    >ただ、「リア充、死ね」という人は、そこに気付いていない。つまり収入に関係なく、自己演出を楽しめるかどうかなのだと思います。

     そこで思い出したのが“偽装キラキラ女子”の存在。ツイッターとかインスタとかに存在するそうですが、いかにもリア充なアップをしているけれど、本当のリアルは地味な地方のOLさんって人たち。虚構と言えば虚構だけれど、遊びと割り切れば、まあそれもアリかな?って感じです。

     リアルであれ、虚構であれ、遊びであれ、どっちみち、ネットの嘘情報に踊らされる人たちのリテラシーが低いのが、いかんのだと思います。だって、やる奴はやるんだもん。

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