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名前の漢字くらい、常用漢字に従おうよ

 主に名字に多いのですが、名前の漢字に異体字(同じ漢字だけれど形が違うもの。“国”に対する“國”や“圀”のような関係にある漢字)を使っている方が大勢いらっしゃいます。これ、正直、微妙に迷惑です。
 皆さん、多少なりとも、ご自分の名前にこだわりを持っているわけで、自分の氏名を自分が思っている漢字で表記してほしいと願う気持ちは分からないでもないですが、漢字によってはコンピューターで簡単に表示できない名前もあるわけです。
 手書きの時代は、どららの線を長くするとか、点をどこに打つとか、そんなものはどうにでもなったわけですが、パソコンの時代になると、そんな簡単な話ではありません。要は、そのフォントがあるかないかなんです。
 私は他人の名前を取り扱う事の多い仕事をしているのですが、以前は、そういう人がいると、もう泣きながら、いちいち外字を作成していました。だって、当時のパソコンはJIS第二水準の漢字までしか扱えなかったもの。
 JIS第二水準までの漢字だと、日常生活の文章を作成する分には問題なかったけれど、異体字を使った名字などは、まだまだ使えない漢字も多くて、ほんと、どうにもなりませんでした。仕方がないので、あの頃の私は、恨み言をブツブツ言いながら、無い漢字に関しては、外字として、それらの文字のフォントを、一つ一つ作っていましたよ。ほんと、迷惑、大迷惑でした。
 今は、JISもだいぶ拡張されましたし、ユニコードも使えるようになったので、異体字に関しては、だいぶ楽ができるようになりました。かなり珍しい異体字であっても、変換で出てるようになりました。しかし、それでもユニコードに無い漢字を使っている人が、まだまだいます(感覚的には1/50人ぐらいかな…)。
 もうそうなると、日本語は諦めて、中国や台湾の漢字フォントを漁ります。そうすると、見つかる事もあります。つまり、外国語由来の漢字を使っている人がいるわけです。日本語の漢字ならともかく、外国語の漢字フォントの中から目的の漢字を漁るのは、結構時間がかかります。微妙に迷惑な話です。
 しかし、外国語由来の漢字の中からも見つからない漢字を使っている人も、たまにいらっしゃる(感覚的には1/500人ぐらい?)んです。どうやら、これは本来は誤字のようなのです。ご先祖様、あるいは昔の戸籍係さんが、誤字のまま名字として登録してしまったわけで、それがそのままになっているんです。
 さすがに誤字はどこを探しても見つかるわけがありません。そうなると、仕方がないので、呪いの言葉を吐きながら外字を作ります。21世紀なのに、令和になったのに、外字作成だよ。もう、嫌になってしまう。
 自分の名前にプライドをもって、こだわる気持ちは分かりますが、名前って、本来は社会的な記号なんだよね。自分と他人を区別するための記号であって、記号である以上は、分かりやすくて使いやすくて判別しやすいものがベストです。個性的な漢字を含んだ名前は、分かりやすくないし、使いやすくもないです。まあ、他人との判別はとてもしやすいですが…。
 名前は社会的な記号なんだから、ある程度は使いやすさを考えてほしいと思います。何しろ、名前ってヤツは、自分が使うよりも、他人に使わせる方が多い記号でしょ? ならば使用者の他人様に対する配慮がもう少しあってもいいんじゃないかと思わないでもないんです。
 名前の漢字ぐらい、個性を出すのは止めて、素直に常用漢字に従おうよ。常用漢字がイヤでも、せめてユニコードの範囲に収めようよ。わざわざ外国語のフォントを漁らないと見つからない漢字は微妙に迷惑だし、担当者に涙を流させながら外字を作らせるような名前は鬼迷惑です。
 名字の漢字は、結婚や離婚の時に申請すれば、すぐに変更できます。そうでなくても、家庭裁判所に申し出れば変更できます。あなた自身は、個性的な名前でかっこいいと思っているかもしれませんが、そのおかげで泣いている人もいるって事を、心の片隅に覚えてほしいと思ってます。
 私自身も、かつてはユニコードに無い漢字を使った名字でしたが、結婚した時に常用漢字の範囲内の漢字に変更しました。それが自分のためであり、社会のためでもあると思ったからです。

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