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私は『カラオケ★バトル』が大好き!

 最近、な~んとなくハマっているテレビ番組があります。それはテレビ東京系列で放送されている『カラオケ★バトル』でございます。もっとも“ハマっている”と言っても、レギュラー放送を毎週おっかける程のファンではなく、たまに放送されるスペシャルだけを見ているという、なんとも中途半端なファンでございました。

 …と言うのも、私が好きなのは、いわゆる色々なジャンルのプロの方々がカラオケという同じ土俵同じルールで競い合うのが好きなのであって、別に子どもののど自慢やカラオケ自慢のアマチュアの歌は、どちらかと言うと苦手だからです。まあ、偏見なんだけれどね。

 同じ歌と言っても、クラシック声楽やポピュラーソング、ジャズや民謡や演歌じゃあ、それぞれ発声方法も違えば、歌のテクニックも違うわけです。本来は同じ土俵に上げちゃいけないくらいに違う歌なんだけれど、それらを無理やり同じ土俵に乗せて、統一したルールで格付けしちゃうわけだから、これが面白くないわけないです。

 いわば、格闘技で言えば、何でもありの総合格闘技みたいなものだからね。これが面白くないわけないんです。元関取対キックボクサーとか、空手家対プロレスラーとかね。ほら、ワクワクするでしょ?

 だから私は上手なプロたちが競う『カラオケ★バトル』が好きなのであって、子どもやアマチュアの歌を好まないのは、彼らはいわば“カラオケ”という同じ競技の中で戦っているからです。彼らの歌にはバックボーンの違いもなければ、テクニックのバリエーションも無いからね。ただただ、カラオケの上手さを競っているだけでしょ? それは私の好みとは違うのです。

 で、ジャンルの違う、本来ならば交わるはずのないプロ歌手たちを判定する統一ルールってのが、カラオケの精密判定ってヤツです。つまり、機械判定ね。人間の好みや感情やしがらみなどが一切加わらない、極めてフェアな判定方法です。だからこそ、ジャンルの違う歌手たちの判定ができるわけです。

 この機械による判定って、フェアと言えばフェアだし、極めて公平なんだろうけれど、聞いていて、かなり不満が生じるのも事実です。と言うのも、人間が判定していたら、低評価になってしまうだろう歌が高評価となり、逆に人間が聞いていたら、つい高い点を付けてしまいそうな歌に低評価(と言っても、番組に出てくる人たちは皆、超人的な高得点を取るので、その中での低評価であって、世間的には十分高評価なんだけれど…ね)を平気で付けてしまう事が解せないと同時に「機械で判定すると、こうなるんだなあ」と妙な納得をしてしまうわけです。

 機械は、音程とかリズムなどの正しさとか、適度の抑揚や歌唱テクニックの有無などをうまく聞き分けて採点しているようです。まあ、測定して数値化できるモノを採点しているわけです。でも、歌の要素には測定できない要素も結構あって、そういう要素はカラオケの精密判定からは除外されてしまうのですね。

 それは声の美しさであったり、滑舌の良さであって、エモーショナルな歌い方であったりする部分です。これらの要素は、人間が歌の上手さを判定する際には、かなり重要視される部分だけれど、機械で測定できない要素ですから、カラオケ★バトルでは、すっぽり抜け落ちてしまっていると思います。

 だから、聞いていて聞き苦しい声であっても高評価だし、感情のあまり入らない棒歌いであっても高評価を受けるわけです。そこらヘンは機械判定の限界かなって思います。でもまあ、すべてのジャンルの歌に通用する万全なルールなんて有り得ないのだから、今のカラオケの精密判定で、とりあえずは十分ではないかとも思っています。

 後、テレ東のマイクのシステムが、あまりに放送局ぽくって残念だなあと感じる時があります。特に、クラシック系の歌手の歌声がほとんど拾えていないのが残念。過入力で声が歪んでつまらない音色になっていたり、声の中に含まれている高い倍音(いわゆる、シンギング・フォルマントってヤツね)がほとんど拾えていなかったり、スタジオで生で聞いたら素晴らしいだろうと思われる歌声が、テレビだとやせ細った声でしか聞けないのは、放送だからだろうけれど、せっかくのハイビジョンなんだし、音声だって、もう少し高品位なモノで放送してくれたら感謝だよね。まあ、カラオケ★バトルはバラエティ番組だからね。マジな音楽番組、とりわけクラシック音楽番組レベルのものを要求してはいけないのだけれど、でも何とかならないからなあ…とは思うわけで、ちょっぴり残念です。

 でも、この番組、大好きですよ。ほんと、面白いです。

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コメント

  1. オデ より:

    その番組は見た事がないですが、私の友人で、ある特定の曲なら狙って100点を出せる人がいまして、実につまらない歌唱で機械の限界を感じます汗。
    あと余談になりますが、クラシック発声、とりわけオペラ発声の音色は電子楽器との相性が悪く、生声だとオーケストラを飛び越えて聴こえてくるような声量豊かなオペラ歌手や、パヴァロッティですらエレキやシンセが相手だと楽器負けしてしまうと以前習っていたボイトレの先生に言われて成る程と思った事があります。

  2. すとん より:

    オデさん

     機械好みの歌い方と、人間が好む歌い方って、たぶんかなり違うみたいです。で、いい得点を出すために特化した歌い方もアリだし、それも歌の巧さの一つだと思いますが…やはり人間が聞いて感激するような歌を歌いたいものですね。

     人間の声、とりわけオペラ歌手の声は、声の中にたくさんの成分(具体的には色々な周波数の声)が入っています。でも、マイクはそんなにたくさんの音は拾えないのです。ある一定以上に高い音はカットしますし、ある一定以下の低い音もカットします。ある一定以下の弱い音もカットします。これらはすべてノイズ対策なのですが、良い声にたくさん含まれている声の成分の大半がノイズ扱いされてしまうので、録音は生演奏に負けるのです。

     逆にマイクを使った時に立派に聞こえる声は、生声で聞くと大した事ないのが大半ですが、別にそれでいいみたいです。マイクを前提とした場合、生声は一つの素材であって、それに色々と電気的な加工を加えて美声にするのだそうです。

     まさに、マイクも楽器の一つであって、マイクの使用の有無も、音楽ジャンルの違いの一つだと思います。

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