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ボエームのフィナーレ部分の演技プランについて

 ボエームの音合せに行きました。今回のピアニストさんは本番のピアニストさんで、コレペティさんです。コレペティさんですから、歌にもガンガン、ツッコミを入れてきます。私もあれこれコレペティさんに直してもらいました。

 さて、実は冒頭からいきなりなんですが…私、音合せに遅刻しました(汗)。いやいや、遅刻しているという自覚はなくて、練習場に向かっている最中に、先生から電話を頂いて「時間ですけれど、どこにいます?」なんて言われちゃいました。いやいや、まだ練習時間まで、だいぶあるじゃないですか? 余裕を持って家を出ているはずですが…。

 どうやら、連絡の行き違いとか記憶違いとか、そういうモノがあって、私が思っていた開始時間よりも45分ほど早く音合せが開始されていたわけです。

 釈然としない気持ちも若干あったものの“遅刻厳禁”が人生のテーマである私にとって、もう自殺したくなるような大きな失敗をしてしまったわけで、ほんと、帷子川に飛び込んでやろうかと思ったほど、気持ちを凹ませながら、音合せの会場に向かいました。結果として…15分遅刻となりました。

 音合せ会場に着くや否や尋ねられた事は「第四幕のフィナーレに演技を付けますか?」という事です。どうやら、私の気持ち1つで、この部分は衣装を着て演技をしながら歌うのか、演技なしの棒立ちでの演奏会形式になるのか、譜面台を立てて楽譜ガン見で歌うのか…それらのいずれかになるんだそうです。

 と言うのも、この部分の演技で一番大変なのがロドルフォだからです。だから、ロドルフォ役の気持ち次第で決めるんだそうです。

 そりゃあーまあ、演技のないオペラはない…と私は思っているので、即答で「演技しますよ」と答えましたので、さっそく動きと演技の打ち合わせに入りました。

 まず決まっているのが、シーンの最初の人物配置。ロドルフォは出て行った友人たちを見送り、ミミはベッドに伏せています。この人物配置から歌が始まります。ここからショナールが“che avvien?/どうした?”と言って部屋に駆け込んでくるまでの五分程度の部分に関する演技については、ロドルフォ(私)とミミ(妻)の二人きりのシーンなので、私たちにお任せとなりました。

 そこから先は、その他の人たちも演技にからんでくるので、きちんと動きや演技を決めました。

 まず、ショナールが“che avvien?/どうした?”と駆け込んできた時のロドルフォは、ベッドの奥側にいて、そのまま演技を続けます。やがてムゼッタとマルチェッロが戻ってくるので、彼らに気づいた演技をして、ムゼッタに“Riposa/休んでいるよ”と答えて、ムゼッタと入れ替わりにマルチェッロの方に歩き出します。その後、しばらく、舞台奥でマルチェッロと何やら話し込んでいる演技をします。

 ミミが“sei tu che me lo doni?/あなたね、これをくれたのは?”と歌ったところで、ムゼッタのすぐ側に行き、ムゼッタの“Si/そうよ”でムゼッタと入れ替わって、ミミの枕元に行きます。ミミが“Grazie/ありがとう”と歌ったら、大泣き(?)をし、そのまま枕元で泣き崩れます。そのままずっとミミから視線を外しておき、ミミが死ぬところは見ないようにします。

 ミミが死んだ後、それとは気づかぬまま、マルチェッロに向かって“che ha detto il medico?/医者はなんて言ったんだ?”と言って、ミミのそばから離れて、フラフラとマルチェッロの側に行きます。

 ムゼッタが“Mimi e un angelo del cielo/ミミは天上の天使です”と歌ったところでムゼッタのすぐ側に行き“Io spero ancora/僕はまだ望みを持っている ”と言います。そこにコリーネが後ろからやってきて“Come va?/どうだい?”と尋ねてくるので、コリーネではなく、客席を向いたまま“Vedi? Etranquilla?/分かるだろ? 落ち着いているよ”と答え、そこからマルチェッロとショナールのいる方を振り返り見ます。彼らのただならぬ様子を見て、不安にかられるロドルフォ。“Che vuol dire/どういうことなんだ”から始まるセリフを次第に興奮しながら言い“Cosi…/それで…”と言って、その場に泣き崩れます。それをきっかけにピアノが鳴り、マルチェッロのセリフがあって、ミミのいるベッドの枕元に駆け寄って“MImi!”と2回叫んで、客席に向かって泣き崩れる。

 …とまあ、こんな感じの動きと演技をするわけですが…覚えられるかな?

 ちなみに、第一幕のオープニングの方は、今のところは、演技なしの楽譜ガン見のコンサート形式で歌う予定となっています。まあ、オープニングに関しては、音楽そのものが込み入っている上に、これに演技を付けるとなると…1回とか2回とかの練習でどうにかなるものではないという事情もあります。まあ、私的に言わせてもらうと…譜面を見て歌えるなら助かる…というのが本音だったりします。いやあ、ほんと、オープニングの箇所は、音楽が複雑で面倒なんですよね。

 とにかく、歌と演技を暗記しない…ね、頑張りますよ。

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