さて、話は昨日の続きだったりします(笑)。
ピアノの先生の中には、かたくなに「ホンモノのピアノでないとダメです」という人がいらっしゃいます。この“ホンモノのピアノ”というのは、生楽器である、グランドピアノとアップライトピアノの事を指す事は、昨日確認しました。つまり、ピアノの先生は、生楽器である、これらの楽器を購入しなさいと薦めるわけです。
で、親としては考えるわけです。…どうして電子ピアノじゃダメなの? これだってピアノの一種でしょ? 安いし、調律などのメンテも不要だし、ヘッドフォンを使えば好きな時に好きなだけ練習できるし、ご近所に気を使いながら時間を気にして練習させなくてもいいし…。それに親だって働いているわけだから、どうしても仕事から帰ってから娘のピアノの練習につきあうわけだけれど、そんな時間にピアノなんて弾かせられないし…。それにだいたい、ウチの子、今はピアノ習いたいって言っているけれど、いつまで続くか分からないし、なのに、そんなモノに高いお金は出せないよ。
…なんてね。
ムチャというか、ワガママと言うか、親である自分たちの都合しか考えていない言い分だけれど、全く無視していい事ではないと思います。なにしろ、誰にだって生活はあるわけだからね。
多くの親にとって、我が娘はかわいいモノです。昭和の親たちのように、娘にお金をかけてあげたいのはヤマヤマなんです。しかし、平成の若い親たちは、昭和の親たちほどお金を持っているわけじゃありません。自分たちの親たちから引き継いだモノがあるので、物質的には豊かな生活が送れますが、収入的には結構厳しいのが実情です。
狭い住居、厳しい生活費。それに今どきの子どもの習い事って、一つとは限りません。学校が終わった後、スイミングに行かせたり、書道やお花を習わせたり、塾にだって行かせないといけない。その上でピアノです。
さらに親の本音として、娘にピアノを習わせるのは良いとしても、別にプロのピアニストにするつもりなんて、サラサラありません。そこは昭和の親たちとは違うのです。
昭和の親たちは「あわよくば、我が娘がプロのピアニストになって…」と夢見たものですが、平成の親たちは現実を知ってます。音大に進学するのに、どれぐらいの費用がかかるのかとか、音大を出たところでプロの演奏家になれるのは、ほんの一握りの人だけだとか、プロの演奏家になったところで、金銭的に恵まれるのは、さらにもっと一握りの人しかいないとか…。つまり、音大出たって、それだけじゃ食えないって知っているんです。せいぜいが頑張ったところで、街のピアノの先生に成れれば、上出来なくらいです。でも、それだって少子高齢化の現在、職業としては、先細りは必定です。
そういう現状を踏まえれば「ウチは娘をピアニストにするほど裕福じゃないよ」と言うのが、親の本音でしょ。「プロにするつもりがないんだから、あんまり本格的にするのもどうなんでしょ…?」という思いが心をよぎるのも事実です。
だから娘にピアノを習わせるとしても、別にピアノという楽器を習わせるのではなく、幼児期から音楽に親しませるのが目的だったりします。結果としてピアノが弾けなくても、実は全然かまわないのです。ただ、ピアノを学ぶ事で、将来、音楽に親しみ、歌でもギターでもキーボードでも弾ければ、それで良し。いや、カラオケでちゃんと歌える程度でも、御の字だったりするんです。
なにしろ、学校の音楽の授業だけでは、不十分ですからね。歌ひとつ満足に歌えるようにはならないのが、学校の授業だって事、親たちは知ってますからね。
大半の子はプロにならない。習わせる親だって、自分の子をプロにしたいなんて思っているわけじゃない。でも、わが子に教養としての音楽は学ばせたい。そのためにピアノ教室に通わせるんです。
その程度の意識の親だから、先生に「ホンモノのピアノを購入してくださいね」と言われても、ついつい「電子ピアノじゃダメ?」って思っちゃうわけだし、わざとうっかりしたふりをして、電子ピアノを購入しちゃったりするんです。
だってね、いくら愛する我が娘のためとは言え、アップライトピアノを購入できるほど、家計に余裕はない(涙)…そんな事が頭をよぎるのです。なにしろ、ローンを組んでピアノを買ったとしても、その三カ月後には娘がピアノに飽きて辞めてしまうかもしれないじゃないですか? 弾かなくなったピアノのローンを払い続ける事になるかもしれない…そんな想像だって、今の親はするんです。
だから最初は電子ピアノで…、もしも娘が喜んでピアノを学び続けてくれれば、その段階で、電子ピアノからアップライトピアノやグランドピアノに買い換えてもいいんじゃない? …なんて事を、今の親は考えるんです。
それじゃあ、ダメなんですか?
もっとも、娘が喜んでピアノを学び続け、やがて小学校も高学年になって「私、将来、音大に行って、もっともっとピアノの勉強がしたい」と言い出したとして、親はそこで生ピアノを娘に買い与えるかと言うと…そういう親もいれば、そうでない親もいます。
おそらく、娘さんが普通に勉強ができる子なら「あなたもそろそろ中学生になるんだから、ピアノばかり弾いてないで、塾に行って、もっと勉強に励みなさい」って言うんですよ。で、ピアノを買い換えるどころか、ピアノを辞めさせたりします。それが普通の親だったりするんです。
ただ、ピアノは得意だけれど、勉強の方はカラッキシと言う子もいます。
この場合、これは失礼な話で申し訳ないけれど、学校現場ではよくある話なんです。そういう勉強が苦手な子の場合、ぶっちゃけ、親としては、いわゆる馬鹿学校に行かせるくらいなら、音大に行かせてもいいかなって考えるものです。つまり、進路の保険としてのピアノだね。こういう場合、娘のピアノ学習の応援はするし、生ピアノだって買い与えるだろうし、音大受験まではOKだけれど、それでもやっぱり、プロになって欲しいわけじゃないんです。あくまでも、娘に美しい学歴を与えたいという親心なんだね。
てなわけで……そんな事情を踏まえて、親の立場から話をすれば、鍵盤の数の足りないキーボードは、まあ論外としても、最初は電子ピアノでピアノを学んでもいいんじゃないの? って言いたくなりますよね。
お屋敷とか御殿とか宮殿に住んでいるならともかく、日本の(特に都会の)住宅環境を考えれば、電子ピアノでも可にしておかないと、日本のピアノ業界そのものがダメになってしまうよ。
「すべてのジャンルはマニアが潰すと思っている」とは、新日本プロレスの新社長の木谷高明社長の名言です。新日本プロレスは一時期、斜陽も著しかったけれど、会社の身売り、社長の交代で、ここ数年、グングン成長を遂げているのです。この社長さん「コアなユーザーがライトなユーザーを拒絶していたがために、プロレスが衰退していった面もありました」と述べてます。
ピアノの世界も「ホンモノのピアノでないとダメです」と言い続けていると、やがては日本のピアノ音楽そのものが衰退しちゃうかもしれませんよ。先生として、こだわる気持ちは、痛いほど分かるけれど、親として、そこまではこだわれないという気持ちも分かります。
ちなみに我が家の場合。娘ではなく息子なんだけれど、ピアノ習わせてます。いわゆる“ピアノ男子”です。高校受験だけれど、今でもレッスンに通わせています。なぜなら、勉強が全然得意ではないからです(涙)。まあ、そのピアノも上手とは言えないので、ピアノ科で音大は無理だろうけれど、歌だけはそこそこ歌えるので、万が一の切り札として「音大進学」というカードだけは持たせてやりたいと思ってます。これも親心なんだよ。
でも、やっぱり、息子がプロの音楽家になる事は、大反対なんだけれどね。
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コメント
プロ反対なのかもしれないけど、参考までに。
バークリー音楽大学(USA)
Berklee college of music
http://www.berklee.edu/
クラシックだけが音楽じゃないわけで。
コンテンポラリーなメソッドに触れるのも人生の中では良いかも。
とても楽しく拝読しました。
ピアノ教師として、親御様の気持ちを知ることができ興味深かったです。
「ホンモノのピアノでないとダメです」とおっしゃる先生にも
色々な先生がいらっしゃることでしょう。
電子ピアノを買うご家庭のお子さんには、
私はピアノを教えません、という場合は、
A案:電子ピアノではなく、ホンモノピアノを買って、弟子入りする。
B案:電子ピアノでもOK、という先生を探し当てて、弟子入りする。
ピアノもスポーツも勉強も、成功の要素は、努力・才能・親・運。
才能はあった、努力もした、しかし、残念ながら、
運に恵まれず、(あるいは、親に恵まれず?)
成功しなかった、
栄光にたどり着けなかった、という例もありましょう。
ホンモノのピアノだけが正解であって、
電子ピアノでお茶を濁すくらいなら、
ピアノは諦めるべし、というのは、極端な話であり、
ご家庭の経済事情に次第では、電子ピアノで音楽に触れるのも、
長い人生では有益なことであろう、と私は思います。
ああ、また、つらつら書いてしまいました。
(/_\;)
>>>ホンモノのピアノだけが正解であって、
>>>電子ピアノでお茶を濁すくらいなら、
>>>ピアノは諦めるべし、というのは、極端な話であり
あ、これは、別にすとん様やコメンテーター様のご意見ではなく、
もし、そういうお考えの方がおられたら、という仮定の話です。
うち、生ピはないけど、電子ピアノがありますよ。小さいころ、ピアノが習いたくて親にせがんだけどとても経済的にムリなことは子供心にもわかりまして、早々にあきらめました。それでもずっとひきずってきて、ここへきて電子ピアノの急激な進化にびっくり。
これはもうピアノもどきとか、ピアノに似せた電子楽器、ではなくて立派な別の鍵盤楽器だ、と思いました。軽くて場所取らない、音色選別なんてお茶の子さいさい。ときにはバロックチェンバロに、ときには教会のパイプオルガンにも変身できる新型鍵盤楽器だと思います。
最近のピアノの先生のお宅には、グランドピアノもちろんですが、電子ピアノがちゃんとそなえてあるんですよ。どんなに防音しっかりしてても深夜に生ピをそれなりにガンガンは弾けません。デジタルなら深夜でも心置きなく譜読み指練ができます、アーティキュレーションなどは昼間にガンガンやればいいんです。最近の子供や大人のピアノ技術があっという間にすごくなったのは深夜デジタルピアノのおかげ、もあるのではないでしょうか。
以前、アマチュアですが、即席のオケの2ndフルートに手を挙げ、ベートーヴェンのピアノコンチェルトに参加したことがあります。
まずは、簡単な合わせ。
その時のピアノの方も、バリバリと弾かれてました。
さて、来日られたプロのピアニストさんが、アマチュアと交流と言う感じで
しばらくしてから、その場に現れ、
【A】の音をポーンと鳴らした瞬間、鳥肌が立ちました。
たった1音…
場所はとあるプロオケの合奏室ピアノはスタインウェイです。
あの時のロマンティックな音が今も耳に残っています。
電子ピアノは、弾く人によって音色の違いは現れるのだろうか、とストンさんのお話しを読みながら考えていました。
娘にピアノをせがまれた事がありますが、住宅事情と経済面から買いませんでしたが。
楽しく読ませていただきました。
でも1個抜けてる気がして、ちょっと残念。
電子ピアノとピアノの大きな違いはアクションと呼ばれるものがあるかないかなんです。
ピアノの鍵盤をゆっくり押すと、途中で引っかかるところ、あるでしょ?
それがとても重要なんですよね。
そこで音がするので、電子楽器のように鍵盤を深くまで抑える前に音が出てしまう楽器で練習すると、ピアノの音色を変える技術が身につかないんですよね。
アップライトとグランドピアノの大きな違いのひとつはハンマーの形状です。
グランドピアノとアップライトのハンマーの可動範囲が大きく違うんですよね。
アップライトの方が可動範囲が広い。
なので、トリルなどはアップライトで練習してもグランドピアノになると精度が変わってしまうんです。
これらの理由プラス、経済力と広さなのでしょうね、ピアノ。
もしプロにならずともきちんと楽器としてのピアノに重きを置くならばやっぱり本物のピアノがいいのかなとおもます。
ひょっとこさん、お久しぶり
うん、身内がプロになるのは反対です(笑)。でも、どうせなるなら、クラシックよりもポピュラーの方が食えそうだなって思ってます。それに、クラシックだと音大を卒業しないと日本ではダメだけれど、ポピュラー畑なら腕一本の部分があるので、本当になりたければ、いずれなってしまうだろうから、親が止めても無駄だしね。
バークリーは良いみたいですね。知り合いで、そこを出た人がいて、バークリーについて、色々な話を聞いた事があります。楽しい学校のようですね。もちろん、その方は、現在はプロの演奏家として活躍していて、よくテレビで見かけます。たぶん、名前を書けば、誰でも知っているレベルの知名度の方なんですが(笑)。
けやきピアノ教室さん、いらっしゃいませ。
いやあ、好き勝手な事を書き散らしております。まあ、もっと意識の高い親御さんもいらっしゃるかと思いますが、親と言うものは、子どもを人質に取られているので、先生の前ではなかなか本音が言えなかったりします。私の意見が典型的な意見とは限りませんが、こんな事を考えている親が少なからずいるんだなあって思ってくれれば、幸いです。
operazanokaijinnokaijinさん
ピアノを習う子を持つ親にとって、この“電子ピアノ問題”って、結構根深い問題だろうと思います。
十分に広いお屋敷と、グランドピアノも買い与えられる経済力があれば、何の問題もないのでしょうが、日本では、狭い家に住んで、キツキツの生活をしていても「わが子には良い教育を与えたい」と願い親たちがいて、そういう親たちが「電子ピアノじゃダメなの?」って思いがちなんです。
でも、電子ピアノできちんとピアノが学べるかと言うと、その“きちんと”のレベルで、学べますとも学べませんとも言えるのが、悩ましいところですし、教えるなら、高いレベルに到達するだろうという望みをもって教えるものですから、ついつい求めてしまうわけです。
>成功の要素は、努力・才能・親・運。
本人の力でどうにかなるのは「努力」だけってのが、残念ですね。でも、世間なんて、残酷だけれど、そんなもんかもしれませんね。
だりあさん
ウチも電子ピアノですよ。習い始めが某大手楽器店系列の教室だったので、遠慮なく電子ピアノにしました。もしも先生に何か言われたら「でも、そちらのメーカーの製品ですよ」と言おうと思ってましたが、結局何も言われませんでした。
次に息子がついたピアノの先生からは「家では電子ピアノでいいですよ。その代わり、レッスンに来たら、ガンガングランドを弾いてもらいます」と言われて、ロクに練習してなくても、グランド弾くためだけにレッスンに通っている息子くんです。
>最近の子供や大人のピアノ技術があっという間にすごくなったのは深夜デジタルピアノのおかげ、もあるのではないでしょうか。
それは絶対に無視できないと思います。子どもはともかく、大人の方は、電子ピアノの人、多いんじゃないかな? ってか、電子ピアノじゃないと練習できないんじゃないかな?
はるさん
>電子ピアノは、弾く人によって音色の違いは現れるのだろうか
現れません。現れたら、不良品です(笑)。工業製品ですからね、誰が弾いても同じ音が出来るように調整されています。むしろ、電子ピアノは、誰が弾いても同じというのが、魅力の一つだと思います。
ほんと、ホンモノのプロの方は、たった1音弾くだけでも、心を奪われるような美しい音色を叩き出すものだと思います。私も似たような経験をしたので、分かります。
ピアノもCD演奏だけではなく、きちんとホールに行って、プロの生演奏を聞くものだと思います。CDに録音されないモノが生演奏にはあるし、その録音されない部分って、一流のプロになればなるほど、たくさんあるんだと思います。
>娘にピアノをせがまれた事がありますが、住宅事情と経済面から買いませんでしたが。
息子がピアノを買ってくれと言ったら「バイトでもして、自分で買え!」と言うつもりです(笑)。
ミルテさん
アクションの違いですか…たしかに私、気にしていませんでした。抜けてましたね(汗)。たしかにグランドには、途中で何やらひっかかる部分がありますが、電子ピアノは途中でキーが重くなる感じがありますが、やっぱりグランドとは違う感じがします。
最近の電子ピアノは、グランドピアノのハンマーアクションを組み込んで、弦を叩くのではなく、スイッチを入れる構造のモノも多数あるようです。これだと、グランドを弾いているような感覚で電子ピアノを弾けます…って事ですが、私はこのタイプの電子ピアノを弾いたことがないので、よく分からないのですが、実際のところはどうなんでしょうね。あるいは、サイレントピアノなどは、ホンモノの生ピアノのキーアクションを利用して電子音を再生してますが、あれもどうなんでしょうね。
たぶん、似ているけれど、やっぱりかなり違う感じになってしまうんじゃないかと思ってます。なにしろ、人間の指先って、ものすごく繊細ですから、わずかな違いでも大きく感じてしまうと思いますし。
>グランドピアノとアップライトのハンマーの可動範囲が大きく違うんですよね
それって小さいようで、決定的な違いじゃないですか?
>もしプロにならずともきちんと楽器としてのピアノに重きを置くならばやっぱり本物のピアノがいいのかなとおもます。
それは同意します。なので、息子のためには電子ピアノしか買い与えなかった私ですが、もしも私自身がピアノを学ぶなら、グランドを買っちゃうかもしれません。息子は…欲しければ、自分でグランドピアノぐらい買いなさい!
現在は,デジタル音源が発展途上であることが状況を複雑にしている気がします。
何しろ,数十年前のデジタル音源は,無機質で平坦な音しか出せなかったのに,今では弦楽器や管楽器を生の発音と見間違うほどの再現性を実現しつつあります。
そのため,電子楽器は,10年経つと時代遅れの代物になり価値がなくなってしまうことが問題なのです。
だから,何十年経っても時代遅れにならないアナログ楽器を,財産的な意味も込めて購入する傾向があるように思います。パソコンや携帯電話のようなデジタル機器は数年で価値はなくなるのに対し,和楽器の笛なんか古い方が価値が高いんですもの。こういう状況って幸福なのか不幸なのか?
私は幼い頃からピアノを習っていました。
実家にあったのは、ちょっと鍵盤が重いアトラスのアップライト。
短大で音楽を学び、音楽教師になって、
職場ではグランドピアノを弾いていました。
でも、結婚して退職し、主人に電子ピアノを買ってもらいました。
そして十年以上が過ぎ...。
友人に、歌のレッスンの伴奏を頼まれました。
自宅の電子ピアノで練習し、いざ、歌の先生のお宅へ。
先生のお宅のピアノは、グランドピアノ。
全く、思うように弾けませんでしたね。
アップライト、またはグランドピアノを弾くのに必要な筋肉が、
電子ピアノを弾くのには全く必要ないからです。
電子ピアノは、軽く押せばそれなりに良い音が鳴りますからね。
ちなみに、職場を退職する前に、
半年ほどピアノをあまり弾かない期間がありました。
そのあとピアノのレッスンに行ったら、先生に
「筋肉が落ちてる...」と言われました。
約20年ピアノを弾き続けて鍛えた筋肉も、わずか半年で落ちてしまうのですよ。
追伸
短大の同期生、
成人式の振袖はいらないから、と言って、グランドピアノを買ってもらった、
と聞きました。
但し、狭い部屋に入れても音響が悪いので、グランドピアノの意味がない。
グランドピアノ用に、はなれも建ててもらったそうですよ。
susanouさん
>電子楽器は,10年経つと時代遅れの代物になり価値がなくなってしまうことが問題なのです。
確かにそのとおりだ!
私はそこでカメラを思い浮かべます。デジカメは登場当時は、オモチャオモチャして、とても使い物になりませんでしたが、進歩発展向上の結果、今ではフィルムカメラを駆逐してしまいました。
楽器で同じ事が言えるかどうかは分かりませんが、電子楽器の進歩の結果は、どんな世界が待っているのでしょうね。ちょっぴり楽しみです。
おばさん(って、呼びかけるのは、ちょっと勇気がいります:汗)、いらっしゃいませ。
グランド購入の際に、離れも同時建築ですか? うーむ、グランドピアノって、本来はそういう層の方がお買い求めになるものなのかもしれませんねえ…。
人間って、怠けるとすぐにダメになっちゃうんですよね。数年かけて鍛えた筋肉も、少しの中断で衰えしまうのは…悲しいけれど真理です。でも、筋肉はすぐに衰えますが、神経の方はすぐには衰えませんよ。若い時にきちんとカラダに染み込ませて覚えたものは、なかなか忘れません。衰えた筋肉は鍛えれば復活します。神経の方はそう簡単には衰えませんから、その気になって、きちんと練習(リハビリ?)をすれば、きっと元通りに…ならなくても、頑張れば、きっと近づけます。
私のように、いい年してゼロから音楽を始めるわけじゃないのですから、なんとかなりますって。
ちょっぴり、うらやましいです。
ピアノの先生として、電子ピアノは「ダメ」とは言い切れません。
事実、私の生徒も半数は電子ピアノです。
susanouさんの
>電子楽器は,10年経つと時代遅れの代物になり価値がなくなってしまうことが問題なのです。
は、エレクトーン(電子オルガン)の世界はまさしくそうなんですよ。
ヤマハは最近、データの互換性を打ち出して新機種への導入を図っていますが、別にメーカーが新しいものを売りたいからというだけではなく、開発をしている方とお話すると電子楽器は基盤なども含めて開発していくから、古い機種をいつまでも作り続けることは難しいのだとか。
まぁ私は今エレクトーンの世界からは遠ざかっているので、それこそ10年近く前に聞いたお話なのですが。
つい最近ですが、楽器メーカーの方にお話を伺いました。
電子ピアノにはメリットも多くあるけれども、それでもできないことはやはりあると。
奏法的にはスタッカート。
(電子で普段練習している子がコンクールでばれるのはこのあたりだと)
あとはペダル。
私も生徒の指導をしてきて、思い当たる部分がたくさんありました。
電子ピアノのペダルはスイッチなので、微妙な踏み替えがぎこちない人が多いです。
あと、ミルテさんの回答がかなり私も言いたいことを伝えてくださっていますが、付け足すと電子ピアノでは「倍音」を感じることはできません。
楽器の構造上無理です。
電気的な処理をして倍音を出せる技術が遠い将来出来るのかもしれませんが、そこまでして生ピアノに近づける意味もないのではないかと思います。
先生方の中には、「電子楽器は楽器ではないという考え」の方も少なからずいらっしゃいます。それはもう仕方ないんですよ。嫌いなんじゃなくて、そういうものの存在はなかったことになっていらっしゃるので。好きの反対は嫌いではなく、無関心なのです。
ことなりままっちさん
>それでもできないことはやはりあると。奏法的にはスタッカート。
>あとはペダル。
知りませんでした。電子ピアノには、そんな欠点もあるんですね。電子ピアノは、すべて何らかのスイッチのオンオフで動作しているわけです。スイッチはどんなに頑張っても、所詮はスイッチでしかありません。そこは盲点でした。
>付け足すと電子ピアノでは「倍音」を感じることはできません。
単音での倍音は、サンプリングさえ上手に出来ていれば、かなりイケると思うのですが、問題は他の弦との共振から発生する倍音ですね。これはおっしゃる通り「楽器の構造上無理」ですね、どう考えても。シミュレートすれば出来るかもしれないけれど…おっしゃる通り、それはあまり意味のない事かもしれません。
>先生方の中には、「電子楽器は楽器ではないという考え」の方も少なからずいらっしゃいます。
でしょうね。少なくとも電子楽器は、いわゆる生楽器とは別種のものですが、楽器ではない…と言うのは言い過ぎだと思います。「私の好きなジャンルを満足いくほどに演奏できる楽器ではない」と言うなら、納得します。電子楽器が楽器でないのならば、現代のポピュラー音楽は、ほぼすべて音楽ではない事になってしまいます。そのような言説は、とても悲しい言説だと思うからです。
>好きの反対は嫌いではなく、無関心なのです。
だから、ポピュラー音楽をカウントしない…つまり“無関心”なんですね。なんか、悲しいなあ。