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帝国劇場で「エニシング・ゴーズ」を見てきました その1

 先日、帝国劇場に行って、コール・ポーター作曲のミュージカル「エニシング・ゴーズ」を見てきました。まあ、今回の記事は、その前座話です(ミュージカルそのもの話は、いずれします:笑)。

 あるツテからミュージカルのペアチケットをいただいた私です。演目はコール・ポーター作曲の「エニシング・ゴーズ」。場所は帝国劇場。電車に乗って出かけないといけないので、普段なら妻を誘う私ですが、ただ今絶賛アキレス腱断裂中。仕方がないので、今回は息子君と二人で行くかと覚悟を決めていたところ、その、ただ今絶賛アキレス腱断裂中の妻が「あなたがミュージカルを見に行くなら、私も一緒に連れていって」と言い出しました。長い道中を考えて「いやあ、それは…」と言い渋っていたら、妻があれこれ調べて、手をまわして「車椅子のまま行っても、大丈夫」と言い張ります。

 まあ、その熱意に負けて、先日、妻と二人で帝国劇場に行ってきた私です。

 オヤジと二人きりだけれど、生のミュージカルを見に行けると、楽しみにしていた息子君は、ちょっぴり残念な思いをしたようですが、泣く子と怪我人には勝てません。息子君には、自分で稼げるようになったら、好きなだけミュージカルに行ってもらう事にしましょう。

 車椅子の人と二人でミュージカルを見に…と言うので、手荷物は少なめにしました。私はすべてを小さなリュックにまとめ、妻は肩掛けポーチにしました。普段なら、カバンを持ち歩くのですが、ただでさえ大きな荷物(車椅子とアキレス腱断裂患者)がいるので、その他の手荷物はなるべくコンパクトにした私です。もちろん、足は歩き慣れたゴム靴にしてあります。

 ゴロゴロと車椅子を押して、駅のエレベーターに乗って、JRの有人改札口に行き、そこでスイカのチェックを受けながら「電車に乗りたいのです」と言うと、何のアポもないのに、駅員さんがササッと動き出します。

 「どちらまで行かれますか?」

 「帝国劇場に行きたいので、有楽町かな?」

 「有楽町となると、乗り換えが必要になりますが、新橋駅での乗り換えでよろしいでしょうか?」

 「いや、新橋駅って、構造が複雑だったと思うし、車椅子を押して移動するのは、ちょっと勘弁って気がするので、東京駅で乗り換えることにします」

 「では、東京乗り換えで有楽町まで行かれる、という事でよろしいでしょうか?」

 「お願いします」

 と言うと、コンコースからホームまでのエレベーターを案内し、ホームに出たら出たで乗り込み口を指示してくれます。そこで、電車がやってくるまで一緒に待ってくれて、電車がやってくると、三つ折りになった見慣れぬ板を広げて、それを電車の入り口にひっかけます。すると、あっと言うまに、ホームと電車がゆるやかなスロープでつながれたではありませんか?

 「さあ、どうぞ」と駅員さんに促されるままに、車内に乗り込みました。案内してくれた乗車口は、シルバーシートのすぐ側。車椅子って、何気に座り心地が良くないので、さっそく妻をシルバーシートに移して、私自身もその隣に座って、車椅子を畳みました。車椅子って畳むと、ちょうど人間二人分の幅なんだね。よく出来ています。

 ちなみにシルバーシートは三人掛けなんだけれど、そこに黄色いゴム(?)で加工された棒がジャマ臭く生えているんだけれど、あれ、以前は「ジャマだなあ~」ぐらいにしか思っていなかった(私はこれまでシルバーシートに座った事ないよ:念のため)のですが、あれにつかまりながら立ったり座ったりできるわけで、あの黄色い棒は、何気に便利な棒なんですね。今回、妻も座席に座る際、あの棒を活用させていただきました。

 JRの客車、何気に優しい心遣いがあるわけです。いやあ、元気な時は、気づきませんでした。

 とにかく、電車なんてモノは乗っていれば、目的地につくモノです。

 私たちを乗せた電車は、やがて東京駅に着きました。東京駅に着いたら、私たちのすぐそばの乗車口付近に、東京駅の駅員さんが待っていてくれて、ドアが開くやいなや、すぐさま、さっきもみかけた、不思議な三つ折りの板でスロープを作ってくれました。

 そのスロープを使って電車を降りた私たちですが、そこから先も駅員さんが先導してくれました。最初に案内してくれたのは、ホームからコンコースに降りるエレベーターでしたが、そこがとても混雑していました。その多くは老人たちなんですが、年を取るとエスカレーターで下に降りるのもシンドイって事なんでしょうね。その有り様を見た駅員さんは「こちらは混んでいるようなので、別の道を案内します」と行って、ズンズンホームの端まで案内してくれました。??と思っていると、ホームの端にある金属柵を開けて、普段立ち入り禁止の区域に入れてくれました。どうも、そっちにもエレベーターがあるようなんです。

 そちらのエレベーターはかなり大きなエレベーターでした。おそらく業務用なんでしょうね。そのエレベーターで地下に降りると…なにやら不思議な光景が広がっています。

 その空間は壁も天井もすべてレンガで作られた空間です。行き交う人も、JRの職員さんばかり…どうやら、いわゆるバックヤードにやってきたようです。それにしても、全般的に暗く、レトロな雰囲気だし、電車も通っていないのに、線路があったり…もしかすると、ここは昔々の東京駅のホームだったところかしら? そして現在の東京駅は、その上に作られた駅なのかしら?

 なんて事を考えながら、そんなレトロな空間を移動する私たちです。まるでハリー・ポッターに出てくる魔法の駅のような中、再び業務用のエレベーターに乗って出てきたのは、山手線のホームの端でした。またもや、立ち入り禁止区域です。そこから、電車に乗り込む場所まで先導されて…やがて山手線がやってきたら、不思議な魔法の板を使って、山手線に乗り込ませてくれました。

 山の手線で有楽町の駅まで着いたら、当然のように、乗車口には有楽町の駅員さんが待ち構えていて、魔法の板を差し出して、電車からホームまで下ろしくれます。で、そのままエレベーターを経由して、有楽町の有人改札口まで案内してくれました。

 いやあ、JRさん。車椅子の扱いに慣れ過ぎ。実にスマートに、てきばきと、かゆいところに手が届くようなサービスをしてくれました。それにしても、行く先々で駅員さんが待機してくれるなんて、妻をそんなお姫様待遇しちゃダメでしょ。つけあがるよ(笑)。

 今回はここまで、続きはまた次回。

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