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プラハ国立歌劇場の「魔笛」を見てきました その1

 当地で年に1~2回行われる、海外の歌劇場の引っ越し公演に行ってきました。今回やってきた歌劇場は、プラハ国立歌劇場でございます。一応、誰もが知っている一流の歌劇場ですね。おまけに、モーツァルトとプラハという都市は関係深いのに、そのプラハの歌劇場でモーツァルトのオペラを上演してくれるとは、これまた楽しみが倍増でございます。

 上演演目は、私の大好きな「魔笛」。そりゃあ楽しみでしかないですな。

 なのに、妻がアキレス腱断裂なんて事をしてくださいました。なので、一時はチケット代がもったいないけれど「魔笛」を見るのをやめようかとも思いましたが、いつもムチャばかりする妻は「アキレス腱が断裂していても、見に行く!」と宣言したので、とりあえずオペラを見に行くことにしました。

 私の出演したクラシックコンサートの翌々日の話でございます。

 まあ、クラシックコンサートの方は、無料コンサートだし、客も少なくて、どこもここも空いているし、会場のスタッフの人の心にも余裕はあるし、時間もルーズだし…というわけで、たとえ車椅子でもなんとかなる…という判断で行って、あれだけ苦労したのです。ちなみに、そちらは小ホールだったんですけれどね。

 さすがにオペラとなる、今度は大ホールでの上演。有料公演だし、客はたくさん(ほぼ満席)だし、あっちにもこっちにも人がたくさんいて、普通に歩くのも大変なのに、車椅子での移動なんて、互いに迷惑でしかないし、会場のスタッフの人も大忙しだし、時間は待ってくれないし…おまけに、席は指定席で、それも真ん前真ん中真っ正面という、見るには一番よく、車椅子での進入が一番困難な奥まった席なんです。

 さすがに今度は、私一人では介護できません。ってか、私自身が怪我人なので、妻の面倒を見てやれないので、今回は息子君を助っ人に頼みました。

 ちなみに、私の怪我とは…仕事と家事で、あまりに疲労が重なって、疲れでフラフラになってしまった仕事の帰り、駅の階段を降りていたら、突然意識を失って、膝から崩れるように倒れて、階段の踊り場(石畳です)にニードロップをかまして負傷した程度の軽傷です(笑)。

 ま、意識を失った…と言っても、あんまり疲れていて、マブタが重くて重くて…つい歩きながら睡魔に襲われただけだし、睡魔に襲われた瞬間にカラダがガクッって脱力して、バランスを崩して階段から落ちただけの話。落ちたと言っても、おそらくたったの一段程度、落ちたぐらいです。

 でもね、右ヒザから落ちたんだよ。痛いの痛くないのって、年甲斐もなく、絶叫してしまいました。しかし残念な事に、周囲には誰もいなかったので、同情されることも介抱される事もなく、ただただ落ちてしまった階段の踊り場で、見苦しくのたうち回り、のたうち回ったあげくに、さらに下へと階段落ちをやってしまったくらいです。全身痛かったはずですが、ヒザが痛すぎるので、全然平気でした(ピース)。

 しかし、階段から落ちたついでに車道まで転がり出たのに、よく車にひかれなかったものだと、我ながら感心しちゃいます。

 痛むヒザを抱えて、ウ~ウ~うなりながら、しばらく道端にうずくまっていたら、やがて痛みが引いてきたので「よし!」と気合を入れて、立ち上がって帰りました。別に出血しているわけでもなければ、腫れているわけでもないし、触れば激痛だけれど、触らなければ全然問題ないので、何も無かった事にしました(うっかりヒザ立ちすると、声が出ちゃうほどに痛みますが)。まあ、普通に歩く程度なら支障はないのですが、車椅子を押すとちょっとヒザが痛みます…そんな程度の怪我人です。

 「病院行かないの?」と妻に言われましたが、これ以上の医療費負担はごめんだし、だいたい病院に行ってもレントゲンを取って湿布をもらってお終いだったら、行く意味ないし…という事で、保存療法にする事にしました。

 まあ、柔道をやっていた頃は、これくらいの怪我なら、ツバつけて治していたから、大丈夫でしょう(笑)。

 あと、いつもヒザに痛みがあると、それが覚醒剤(笑)の役割を果たすので、都合いいんです。とにかく、最近は、疲れ切っていて、いつでも眠い人なのですが、ヒザが痛いと、ちょっぴり眠気も遠ざかりますので、痛みもなかなか便利なものです。

 と言うわけで、私自身も怪我人なので、今回、車椅子の介護は、メインは息子君が、息子君では難しいところだけ、私が車椅子を押すという事に行きました。

 今回も会場には事前に連絡を入れておきました。で、会場入りすると、偶然、スタッフの方と遭遇したので、さっそく話してみたところ、すぐに担当の人(実は知り合いだったりします)がやってきてくれて、打ち合わせ通り、秘密の入り口から会場入りしました。秘密の入り口…と書くと、なんかすごそうですが、実は、ここのホールはバリアフリーではないので、障害者や怪我人さんの動線が確保されていないので、あれこれ色々と考えて、通常使わないような通路や扉を使って、なるべく安全に出入りをしているだけなんです。

 まあ、最初からバリアフリーで作られていれば、そんな秘密の通路なんて要らないのですがね。

 ちなみに、今回はオペラなので、普段は作業着のスタッフの方々も、みなブラックスーツだったりします。あのブラックスーツはユニフォーム扱いなのかな?

 妻を座席に座らせたら、車椅子を片づけて、通常の入り口に行って、本来、入場の時にもらえるチラシの類をいただいて(係の人に怪訝な顔をされました)、パンフレットを購入して、開演を待ちました。

 周囲を見渡すと…お年寄りが多いですね。杖をついている方々がたくさんいますし、中には酸素ボンベを引きづっている方も少なからずいらっしゃいます。こういう方々にとって、バリアフリーではない音楽ホール(ってか多目的ホールなんだけど)って、使いづらいだろうね。

 普段元気な時は、階段も苦にせずに利用してますが、自分が怪我をしたり、車椅子の介護をしてみたりすると、世の中の建物ってのは、実に階段ばかりがあって、スロープって奴がなかったり、あっても急すぎたりする事か分かります。

 いや、何よりも、普通の道路自体がデコボコすぎるし、斜めすぎるし、歩道が無さ過ぎです。車椅子での外出って、結構怖いですよ。

 ん? 肝心のオペラの話に入る前に記事が長くなってしまった(笑)。では、オペラの話は、次回いたしましょう(爆)。

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コメント

  1. 椎茸 より:

    お疲れさまです。明日の感想記事も楽しみにしております(笑)
    こちらは昨日、新国立劇場でリゴレットを観てきました。
    公爵を演じたのは、韓国のウーキュン・キムさんという方で、朝青龍そっくり(本人も、日本でのインタビューではネタにすることもあるらしい)でしたが、素晴らしい美声でした。
    やはり、声がある人はすごい! と、感動して帰りました。

  2. すとん より:

    椎茸さん

     新国立はいいですね。私はまだ行ったことがないので、ぜひ行ってみたいのですが、なかなかチャンスがありません。一体、どんな感じなんだろ?

     歌手はやはり声だと思います。容姿とか演技力とか(肌の色や国籍とか?)も必要ですが、やはり声がいいのが一番ですね。それにしても、朝青龍にそっくりな歌手ですか…素晴らしく容姿に…というか、体格に恵まれた方ですね。

  3. だりあ より:

    こんばんは。
    >元気な時は、階段も苦にせずに利用してますが、自分が怪我をしたり、車椅子の介護をしてみたりすると、世の中の建物ってのは、実に階段ばかりがあって、スロープがなかったり、あっても急すぎたりする・・

    これ、痛いほどわかります。それでもご時勢なのか最近はこれまでスロープがなかった二段ほどの階段の端っこのほうに車いすが通れる幅のスロープがパパッと急造されたりしてます。でもけっこうな急坂になっているんですよね・・。もともと作る気がないところにムリして形だけ、というのはかえって危険なときもあるんですよね。雨の日とか冬場の凍結とか。日本のバリアフリーはまだまだって気がしますよね。やはり弱い立場の方がたからはなかなか声をあげられないのでしょうか。その立場に立ってみないと見えないこと、わからないことってありますよね・・・。すとんさんと奥様が、車いすでどんどん出かけて、車いすでの行動に不備なところにぶつかった時、どうぞひとこと申して声上げてください。そのひとことが何かを変えると思います。奥様どうぞお大事に。

  4. すとん より:

    だりあさん

     そうそう、急造のスロープって、本当に急傾斜なんですよね。いかにも車椅子に乗ったこともなければ、押した事もございません…って人の設計だなって思います。

     幸い、妻は怪我こそしてますが、健康ですし、なにやら退屈をもてあましているようなので、あっちこっちに遊びに行きたいみたいなので、可能な範囲で連れ出してやろうかと思ってます。妻もいつまでも車椅子に乗っているわけではないので、今は彼女の車椅子ライフを一緒に満喫してやろうかと思っている次第です。

     でも、家事労働はいいかげんに、免除してほしい気分です。すでに息子君は、料理を作るのに飽きてしまってますが、私は洗濯を飽きるわけには行きませんからね…、オトナの責任って奴です、ふう。

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