見に行ったのは、この前の土曜日。横浜で『ダブル世界前哨戦』って奴を見てきました。メインの選手は、亀田大毅選手と亀田和毅選手。つまり、あの“亀田三兄弟”の次男坊君と三男坊君の試合です。
私、格闘技は好きなんですよ。私自身、柔道黒帯の腕前だし、ケンカ上等な人だし、何より、殴られる痛みを肌身にしみて知っているので、格闘技はどんなものであれ、我が事のように感じられるので、見ていて、気合の入り方が違うと言うか、シンパシーの感じ方が他のモノとは違うわけです。まあ、アマチュア歌手が声楽家のコンサートを、アマチュアフルーティストがプロフルーティストの演奏会を見に行くようなものです。
今回は、ひょんなところから、試合にご招待されてしまったので、なかなか良い席(リング正面のアリーナ席。“リングサイド”と呼べるかどうかは微妙だけれど、血反吐がギリギリ飛んでこない程度の距離の座席に座ってました。いやあ、私がこんな前に座っていると、後の人たちに迷惑で迷惑で(ごめんね)。テレビ中継があったらしいけれど、私の後頭部が写っていたりして(そりゃナイか…)。
しかし、ボクシングの生試合って、初めて行ったけれど、客層がまた独得で面白かったですよ。場所は、横浜の体育館でしたが、まず入場前に会場を取り囲んでいた自由席目当てのお客さんたちが、独得のオーラを持っている人たちばかりでした。例えて言うと…大阪の下町のオッサン(大阪の人、ごめん)って感じの人が多くて、なんか私が普段生活している場とは、違う文化の方々がウジャ~っていました。
私は指定席だったので、会場に早めに到着したのだけれど、その群衆を見て、思わず近所のお店でお茶を飲んで時間を潰してしまったくらいです。いやあ、あそこに混ざる勇気はないわ…。
でも、ボクシングってスポーツは、ああいう人たちが支えているんだなあって思いました。クラシック音楽と違うのはもちろんだけれど、野球とも違うし、マリンスポーツとも違うし、競馬などのギャンブルとも、ちょっと違うわけで、でもなんとなく納得できるような『ああ、ボクシングを見に来たんだなあ…』って感じでした。
彼らをやり過ごしてから、私は入場したのですが、会場の中の、お高い座席周辺の雰囲気も独得でした。
男性は、いかにも『格闘技が好き!』ってタイプの人たちばかりでした。小柄な人が多かったです。まあ、お客さんに小柄な人が多かったのは、今回の主役の亀田兄弟が小柄だからからかもしれません。だって小柄な人たちは、小柄な選手たちに自分を重ねやすいし、応援しがいもあるでしょうからね。その中に混じった私は、まるで相撲取りみたいでした(笑)。
一方、女性は『私、格闘技なんかに、興味なんてカケラもないの~』ってタイプの人が、それはもう~ウジャウジャいました。いや、格闘技どころかスポーツ全般に興味なさそうな人がたくさん。露出の多い服にピンヒールで髪はマキマキしている派手めな感じの人がたくさんいました。いかにも『格闘技好きな彼氏に連れられてやって来ました』って感じです。
ボクシングを生で見る層って、こんな感じなんだな(勉強になりました)。
試合は4試合やりました。入場した時に、パンフレットをいただいたけれど、それを見て、その日の勝者をすべて予言できた私です。実際、試合経過も予想通りで笑っちゃいました。
そんな私でも予想できなかったのは、2試合終わった段階で、3試合目に行く前に、チャリティーショーと呼ばれるショータイムがあった事。これは、生で見に行かないと分からないよね。
内容は、最初は歌謡ショー。よく知らないプロ歌手がカラオケで2曲歌ってました。中盤は、この日、試合に出場しない“お兄ちゃん”こと亀田興毅選手が出てきて、司会をしていた歌手とのトークショー。最後は、オークションで、亀田三兄弟にちなんだグッズを販売(?)していました。三男の和毅選手が練習で使ったグローブ、次男の大毅選手が練習で使ったヘッドギア、長男の興毅選手が趣味で描いた赤富士の油絵でした。各選手の人気具合がよく分かる金額で買われていたよ。
で、チャリティーショーの後は、和毅選手の試合が行われ、最後のトリは大毅選手の試合でした。そうそう、亀田兄弟の試合からは、白人美人女性がラウンドガールをやってました。その女性が、選手なんかよりも、アタマ一つ大きいのが、なんか妙な感じでしたよ。
大毅選手は、相変わらず弁慶のコスプレをしていたし、試合終了後は歌ってました。まあ、エンタメとして「頑張っているなあ…」とオジサンはちょっぴり好感を持ちました。なんであれ、若者が一生懸命やっているのは、オジサン好きなんです。
でもね、実は私、三男の和毅選手がちょっぴり気に入りました。二人のお兄ちゃんたちと比べると、地味なボクシングスタイルなんだけれど、キレとスピードがあったし、全身使ってボクシングをしているのはいいなあって思いました。興毅選手のような(いや、それ以上に)強い選手に育ってくれるといいなあって思いました。
それにしても、日本のボクシング選手って、自分でパンチを打ちながら「シュッ!」とか効果音を付けているんですね。景気づけなのかな? 格闘技としては、効果音を付けるよりも、無言でパンチをした方がいいんじゃないかと思うんだけれど、それじゃあ、エンタメとしてはダメなのかな?
プロレスは完全にショーなんだけれど、ボクシングもやっぱりショーなんだなって思いました(八百長って意味じゃないからね。マッチメイクがよく考えられているって意味ね)。でも、それはそれでアリだと私は思います。やっぱ、真剣勝負よりも、楽しくて安心して見ていられる試合の方がいいじゃん。わざわざ高いお金出してチケット買ったのに、ひいきの選手がやられる姿なんて、見たくないしね。
またチャンスがあったら、ボクシングを見に行ってもいいかな? でも次は、大きな選手の試合がみたいです。ミドル級とかヘビー級の試合ね。いやあ、だって、そうじゃないと、私、選手にシンパシー感じないもので…。大男同士で殴り合うのを見ると、絶対にスカッとすると思うんだよねえ。
↓拍手の代わりにクリックしていただけたら感謝です。
にほんブログ村
コメント
>大阪の下町のオッサン
↑
これ、朝から吹いてしまいました。
大阪に2年ほど住んでいたので、ちょっとわかります・・・。
「シュッ!シュッ!」とボクサーが自分で声を出してるのは、もしかしたら腹筋にはずみをつけるためかも!?
などと、推理。
真相やいかに。(´へωへ`*)
格闘技、私も好きです。
これぞ、真剣勝負って感じで。
K1は諸事情で衰退しましたが、アンディ・フグ、アーツ、バンナ、ホースト・・・
素晴らしかったなぁ・・・
ボクシングかぁ・・・井岡に注目かな。あいつ、いい。
もちろん、TVで観るだけですが、子どもの頃は、ジャンボ鶴田が好きだった(笑)
今は、エンターテーメント性の強いものは、あまり好きではないな。
ショービジネスかもしれないけど
やっぱり、そこはそれ、わからないようにやってよって感じで。
業界内部のことは、内部で処理してもらってみたいな。
よく、祖母が「見ぬこと清し」と言っていました。
殿方は、台所に入るべからず、見たら食事が、まずくなるみたいな時に(笑)
全部暴いて気持ちいいこと、うまくいくことってあまりないかも。
八百長も浮気も「見ぬこと清し」
見えても見ないふりってことかな・・・
もちろん、悪は悪だから時と場合によっては、断固戦うけど。
なにしろ、格闘技好きですから。。。
大相撲も始まって、ワクワクしている私です。
ん?男の裸が好きなだけかもしれない・・・(笑)
すずめおばさん
あくまでも“大阪の下町のオッサン”は、テレビなどで見かけるイメージであって、実際の大阪の方々とは違うと分かっていますが、そこは勘弁してもらって、ああいう感じの人がウジャ~っていたんですよ。そりゃあもう、一種独特なワールドを作ってました。
スポーツに限らず、各種イベントって、その世界のファンの方々が集まるわけで、どんなイベントに行っても、そこに集まる人々を見ているだけで、結構楽しめます。はい、私、人を見るのが好きなんですよ。できれば、会話してみたいし、知らない世界をのぞいてみたいと思うタイプの人なんですね。でも、それにしても、ボクシングのファンの方は、濃かったわ~。
>真相やいかに。(´へωへ`*)
うむ、ほんと、真相はいかに?の世界です。日本人五人ともやっていたし、外国人はやっていなかったので、日本ボクシング界独特の習慣のようなんですが、ほんと、なぜなんでしょうね。
ボクシングですか。
ボクシングって、2つ、ユニークというか、
不可解というか、異常というか、
そういう点があると思うのです。
1. 脳震盪を前提としている。
怖いと思います。
野球で、強打者を迎えて、ピッチャーが、
ここは1つ、豪速球で、相手に脳震盪を起こしてやろう、
なーんて思うことは、絶対に許されないのですが、
ボクシングは最初から脳震盪狙い。
こわーい。
( ̄□ ̄;)!!
2. 道具が人間の能力を抑える働きをしている。
他のスポーツ、例えば、野球におけるバットやグローブ、
卓球、テニスにおけるラケット、というのは、
人間が素手でやる以上の働きをもたらしてくれる。
でも、ボクシングのグローブって、
素手を守る働きをするとともに、
素手でのパンチ力を弱めて、
相手に怪我をさせないようにもしていますよね。
( ̄~ ̄;)
これら2点が、他のスポーツに比べて、非常にユニークかな、と。
あ、私、ボクシング反対派ではありません。
シルベスター・スタローンのロッキー、
涙が止まりませんでした。
(T_T)
(⌒∇⌒)ノ”
おしまい
CuniCoさん
私は記事に書いた通り、エンタメ系の格闘技大好きだし、真剣勝負系のも好きです。ただ、それらを見る時に、私の心の中のスイッチを切り換えている事に、先程気づきました。たぶん、私の場合、エンタメ系の試合の場合は、選手を見たいんだと思います。一方、真剣勝負系の場合、見たいのは試合そのものであって選手じゃないんですよ。
これを音楽に当てはめるなら、分かりやすいです。演奏者目当てでコンサートに行く時は、演奏曲目なんて二の次じゃないですか? とにかく、憧れのプレイヤーの演奏が生で見れれば、別に何をやってくれてもうれしいわけです。一方、純粋に音楽を聞きたい場合、私の場合は、ミュージカルがそうなんですが、人によっては、現代音楽とか、子連れのファミリーコンサートなんかそれに当たるかもしれません。ラ・フォル・ジュルネも演奏者と言うよりも、音楽を聞きに行く感じかな。そういう音楽を聞きに行く時は、演奏者が誰であるかは、二の次三の次にしています。それと同じかな?
>よく、祖母が「見ぬこと清し」と言っていました。
ですね、見ぬこと清し…そうですね。いらぬ事に首を突っ込む必要はないのです。でも、さすがに21世紀は、情報の時代ですから“見ぬこと”は難しいですね。どうせ“見る”なら正しく見たいです。何事もそうですが、中途半端が一番いけない。情報弱者がバカを見る時代ですから、そこは賢く行きたいです。
大相撲ですか…そう言えば、生相撲は見たことない私です。チャンスを作って、生相撲を見に行こうかしら?
operazanokaijinnokaijinさん
ボクシングは、スポーツである前に格闘技ですよ。だから、選手の事を『アスリート』とか『プレイヤー』とは呼ばずに『ファイター』と呼びます。ファイター…つまり“戦士”です。
格闘技ってのは、基本的に“殺し合い”ですから(笑)。ただ、格闘技がスポーツ化していく段階で、防具とかルールとかが定められ、現在では“疑似殺し合い”にとどまるような工夫がされていますが、それでも根っこの部分で「相手をぶち殺してやる」ってのがある以上、怪我や事故は日常茶飯なわけで、脳震盪ぐらいは勘弁してやってください。
グローブとかヘッドギアは…ボクシングの場合、受け身が取れない以上、そういう制限は必要ですね。最近では、流派にもよりますが、空手も、ヘッドギア&グローブで乱取りやっていたりします。打撃系の格闘技は受け身がとれませんから、グローブは必要なんですよ。
スポーツと格闘技は、やはりかなり違いますよ。私は柔道をやりますが、本当の事を言えば、試合中は、相手の事をマジで殺してやろうと思って試合してます。チャンスさえあれば、床に叩きつけてやろう、腕を折ってやろう、首をしめて窒息させてやろう、と思ってます。いわゆる、殺気ギラギラって奴です。まあ、相手からも同じ臭いを感じますので、お互いさまですが(笑)。格闘技の場合、もちろん、決められたルールに従って試合をしますが、「スポーツマンシップに則って、フェアプレイで正々堂々と…」なんて思ってたら、大怪我しますよ。「やるか、やられるか」で行かないと、相手も自分も危険にしてしまうんです。
カラダが痛みを知っている分、他人の痛みもよく分かるようになるんですよ。なので、加減が分かるんですよ。加減が分かっているから、気合のこもった真剣勝負では、案外怪我が少なくと、どこか気が緩んでいる時は、うっかりしてしまい、怪我って起こるんですよね。