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笛先生とひさしぶりの時を過ごしました

 長浜ホールを一路、後にした私たちは、本日の笛先生のライブ会場である、横浜中田にある、ウルウルフォーという住宅地の真中にあるダイニングカフェに行きました。公式ホームページはこちらですが…最近は更新されていないみたいですね(汗)。

 しかし、ほんと、便利な世の中になりましたね。お店までiPhoneのマップを利用して行ったのですが、おそらく私、iPhoneがなければ、お店にたどり着くことは出来なかったんじゃないかなって思いました。それくらい、知らないとたどり着けないタイプのお店でした。いやあ、未だガラケーを使っていて、スマホにする理由がよく分からないとお嘆きの皆さん、マップがあるだけでも、スマホはガラケーの100倍、利用価値がありますって。

 さて、私たちがお店に到着したのは、時間的にちょうど良い感じの頃で、バンドはすでにリハーサルを終え、そろそろ本番を開始しようかなって時でした。私たちは、到着時刻に自信が持てなかったので、事前に席を予約していたため、きちんと座れましたよ、ラッキー。もっとも、予約席は、ドラムスの真ん前でしたが(ドンマイ)。

 本日のバンドは、フルートの笛先生がバンドリーダーで、その他に、ピアノ・ジプシーギター・ウッドベース・ドラムス(ただし、スネアとハイハット&トップというこじんまりとしてドラムスセットでした)という組み合わせのバンドでした。

 演奏曲目は、いわゆるモダンジャズをメインに、いかにも笛先生らしく、ボサノヴァあり、ショーロあり、サンバありと、ブラジルテイストたっぷりのステージでした。演奏自体は、第一部は、バンドの皆さんが一曲ずつテーマを提案して演奏するという、セッション形式で、第二部は私たちゲストをメインにしたセッションタイム。第三部はお客さんからのリクエストを元に…やっぱりセッションをすると言う、セッション、セッション、セッションという、なかなかに聞き応えのあるステージでした。特に、第三部で演奏した、ハービーマンの「カミング・ホーム・ベイビー」は、もう~最高でした。バンドもノリノリだし、先生のフルートもすごくジャズってたし、この曲を聞けただけても至福でしたよ。

 ジャズセッションって、ポピュラー音楽の究極のカタチ、なのかもしれないなあって思いました。実に、クラシック音楽からは、遠いところにある音楽です。ペラ1枚の楽譜で、10分以上もスリリングでご機嫌な音楽を演奏しちゃうなんて、クラシックオンリーな方々には想像もつかない世界だろうなあ…。

 ちなみに、ゲストミュージシャンは、元生徒さんの私(たぶん、この日、一番ヘタッピな出演者:汗)と、同じく元生徒さんの女子中学生さんと、プロのジャズ・ヴォーカリストさんと、プロのアコーディオン奏者さんでした。実は他にも元生徒さんは来ていたのですが、皆さん、フルートを持参しないでライブに来てました(ず、ずるい!)。

 第一部と第三部のバンド演奏は、もちろんスゴかったし、楽しかったけれど、第二部のゲストタイムもなかなか面白かったですよ。ヴォーカルさんは、以前から先生のライブでお見かけしていた方ですが、ボサノヴァ曲とジャズ曲を一曲ずつ歌ってくれましたが…いいですねえ…。クラシックの歌手とは、一味も二味も違っていて、アンニュイな感じでいいんですよ。こういうのを聞いちゃうと、クラシックもいいけれど、ジャズヴォーカルもいいかも…って思ってしまうんですね。

 アコーディオンの方は、もう半端なく良かったです。バンドと一緒に演奏してくれたり、ギターとデュエットをしてくれたり…たぶん4~5曲やってくれたと思いますが、アコーディオンが入るだけで、音楽がなんとなく、フランスっぽくなるのが面白いです。笛先生はブラジルっぽい音楽をする人なので、今回のライブは、ほんと、国際色豊かでおもしろかったです。

 でも、個人的に一番ドギモを抜かれたのは、女子中学生さん。小学生の頃から笛先生の元でフルートを学んでた子なんだけれど、やっぱり、その頃からやると、腕前も半端じゃないねえ…。バッハのソナタと、ショーロの曲をやってました。それも、軽々と…。将来有望なフルーティストさんだなあ。

 ってなわけで、このメンバーの中で、私がステージに上がるのは、ほんと、はばかられましたよ。えっ! 私でいいの? 場違いじゃないの? って感じですが…“1回の本番は、百回の練習に勝る”ってわけだし、誰のためでもなく、笛先生のために演奏するんだから…と気合を入れてステージに立ちました。

 もちろん、私は一人じゃ演奏できませんので、バンドの皆さん、ピアノとベースとドラムスの方にご協力いただいて、「夜のストレンジャー」という、いつもセッションって言うと、私が演奏する曲をやりました。これ、元歌は、シランク・シナトラね。アドリブ部分は練習してみたけれど、どうもうまく閃かなかった事もあって、最初のテーマを私が演奏して、次の変奏部分はピアニストさんにおまかせする事にして、最後にちょっとだけテーマを変形させて私が演奏してお終いって事にして、やってみました。

 ひさしぶりにジャズバンドに遊んでもらったわけですが……すっごく楽しかったです。それに演奏自体も、なかなか良い感じだったし…。残念なのは、うっかりして録音し忘れた事です。ああ、この演奏は絶対に録音しておきたかったなあ…。ああ、ああ、残念残念。

 社交辞令半分だろうけれど、演奏が終わって、笛先生が「すとんさんはフルートの才能がある人で、この人は、最初からキレイな音でフルートを吹いていたんですよ。クチビルがフルート向きの人なんですねえ…」とアナウンスされていました。なんか、先生に人前で誉められると、こそばゆいですね。でも、私的には“キレイな音”と誉められるよりも、少しでもいいから、今よりも軽快に指が廻る様になった方がうれしいのですが…世の中は、そううまくはいかないもんです。あ、あと、演奏を誉めてもらいたかったなあ(生意気言って、ごめんなさい)。

 それにしても、1年ぶりに聞いた、笛先生のフルートは素敵だったなあ…。私はやっぱり、この先生のジャズフルートが好きです。ある意味、私にとって、フルートの原点だもんなあ。

 先生が、ヒイロ先生や沖縄のミュージシャンたちと録音したという、最新アルバムをいただきました。これがまた、すっごく良いのですよ。ただ今、ヘビロテ中ですが、ジャズ・フルートっていいよねえ…。

 ライブが終わって、先生からお土産として、天然モノのモズクをいただきました。天然モノ…そう、笛先生がご自身で収穫されたものです。美味しかったよ。ちなみに、モズクはまだまだ天然モノがあるそうなんだけれど、海ぶどうは沖縄開発の過程で、天然モノが無くなってしまったそうで、現在市場に出まわっている海ぶどうって、すべて養殖モノなんだそうですね。へえー、知らなかったよ、沖縄在住ならではのマメ知識だね。

 先生が次にこちらに戻ってくる時は、レッスンしてもらう約束をしました。で、レッスンで曲を見てもらって、その曲を持って、ライブに行って、一緒にセッションをする…と、ライブがもっともっと楽しめるってわけです。

 なんか、音楽的に、お腹が一杯になった一日でした。

 そうそう、書き忘れるところだった。ウルウルフォーのピザは、とてもとても美味しかったです。生地もソースも自家製との事で、本当に美味しかったんですよ。

 帰り道、妻が「次のセッションには私も参加したい…」って言い出しました。よほど、ライブが楽しかったんでしょうね。「でも、何をするの?」と尋ねたら、私がフルートを吹いている時に、その隣で歌を歌いたいのだそうです。

 確かに私がジャズでやる曲は、元が歌の曲がほとんどだから、メロディに歌詞はあるわけだし、歌うことも可能だけれど…あなたにジャズヴォーカルができるのかな? クラシックっぽく歌ったら、興ざめなんだよ。「だから、ポピュラーヴォーカルをやってみたいのよねえ…。だって、私は楽器はできないもの」なんだそうです。ポピュラーヴォーカルねえ…、キング門下から離れた事もあるわけだし、そういう方面に行くのも、悪くないよね。

 ああ、それにしても、楽しかった。

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コメント

  1. ネオワン より:

    コンサートの後に、こんな楽しみをしていたのですね。
    これで、声楽には一区切りをつけて、フルートをさらに磨きがかけられそうですね。
    奥様が歌って、すとんさんがフルートを吹かれる。いいですね。
    早く聴いてみたいです。絶対、事前に告知してくださいね。(笑)
    本当に充実した日々を送られている様子がわかります。
    (いろいろな葛藤もあると思いますが)
    これからも体をご自愛いただき、いろいろなことにチャレンジしてください。
    日曜日は、本当に本当に「お疲れ様」でした。

  2. フミエ より:

    昨日のコメントはスカッとスル―されてしまった私ですが(グス)
    めげずに書こうっと

    ジャズセッション  とても楽しそうなのに私には越えられない壁がある感じ
    ノリのよさと度胸と音楽的なひらめきが必要ですよね

    憧れはありますが、クラシック育ちの私はどうしても楽譜からはみ出せないですよ~
    とは言え楽譜の世界も奥は深いし、まだまだ勉強だ!
    すとんさんのガッツを見習って頑張ります

  3. すとん より:

    ネオワンさん

    >本当に充実した日々を送られている様子がわかります。

     いやあ、本当に、別れと再会と出会いが、この1~2週間のうちに、ドドってやってきまして、たぶん今、私の人生の中でも、大きな変動期に突入しているのではないかと思ってます。ほんと、色々と変わっていくのに、もう若くないわけですから、カラダがちょっとばかり悲鳴をあげ始めています。いやあ、何とかして、休まないと…。

    >絶対、事前に告知してくださいね。(笑)

     大丈夫? ジャズライブって、クラシック系のコンサートと違って、本当にこじんまりとした所でやる事が多いんですよ。交通の便が悪いし、夜更かしだし…。ま、どちらにせよ、笛先生は沖縄に帰られてしまったので、次にいらっしゃるのは…何年後かな? そうそう、簡単には帰郷されないので、次のライブは、いつの話になる事でしょうね。

     でも、今回の件で、ちょっぴりジャズ魂(って、そんな立派なモノじゃないですが)に火がつきました。やはり、ジャズもクラシックも、本番を踏んでないとダメになるもんですね。笛先生の前のバンドの方に相談して、地元のセッションライブに、定期的に出演してみようかしら…なんて、チラっと考えちゃいました。ああ、でもそんな事をしたら、忙しすぎてカラダ壊しちゃうか(爆)。

  4. すとん より:

    フミエさん

    >昨日のコメントはスカッとスル―されてしまった私ですが(グス)

     いやあ、申し訳ない。スカッとも、スルッとも、マルッとも、スルーするつもりはなかったのに、うっかりしました、ごめんなさい。先程、コメントを書きましたので、遅くなったけれど、それで勘弁してください。

     さて…

    >ジャズセッション  とても楽しそうなのに私には越えられない壁がある感じ。ノリのよさと度胸と音楽的なひらめきが必要ですよね

     ジャズとクラシック、同じ音楽とは言え、だいぶ種類は違いますね。一番の違いは、作曲家が一番なのか、演奏家が一番なのかって、ことでしょうね。

     ジャズでも楽譜は使いますが、まず楽譜どおりの演奏なんて、ありえません。私はよく楽譜どおりに演奏してしまうので、よく叱られました。「楽譜どおりの演奏なんてカッコ悪い」って言うのです。だから、ほんの少しでもいいから、楽譜からはみ出した演奏をするわけです。そのはみ出し方が絶妙なのが、カッコいい演奏なんですね。

     で、そのはみ出し方にもルールがあるんです。ルールのないはみ出し方は“デタラメ”だからダメなんです。ルールにも色々なルールがあって、どのルールをどの程度使って、はみ出していくか…これが“閃く”ってことなんですよ。今回は、全然閃かなかったんですよ。やっぱり、実践の場から離れてしまったのが一番の原因でしょうね。以前なら、なんとかなったのに…。

     ジャズはジャズで、やっぱり勉強が必要なんですよ。ふう。

    >すとんさんのガッツを見習って頑張ります

     ガッツ…あるかな? まあ、好奇心と向上心は、人よりもたくさん持っているつもりだから、そのあたりの事かな? だってサ、知らない事は知りたいし、できない事はやれるようになりたいし、他人が楽しんでいる事は自分でも楽しみたいじゃない。いいじゃん、もうオッサンなんだから、そういうエゴをむき出して生きていくのも(笑)

     がんばろ(何に?:笑)。

  5. はっチャン より:

    >すとんさん
    ジャズ・フルートで良いでしょ。
    なんたってフルート自体が持ち運びが便利!。
    何処にでも持参して演奏できますもんね~!。
    それに比べてテナー・サックスは重いくて肩がコリマス[E:coldsweats01]。
    先日、レッスンの帰りの[E:bar]ショットバーによってかるく曲を吹いて帰りました。
    あ、[E:bar]テキーラを一杯だけ飲みました[E:happy02]。

  6. すとん より:

    はっチャンさん

     そうそう、フルートは持ち運びが便利ですねよ。今回だって、声楽のガラコンサートの後に、ジャズセッションに参加するなんて、楽器がフルートだから出来たわけで、これが別の楽器、例えばテナー・サックスだったら…ゾッとします(笑)。ちなみに、声楽は楽器がないから荷物が小さいと思うでしょ? 声楽は基本的にフォーマルですから、衣装がかさばるんですよ(笑)。そのかさばる衣装に楽器をプラスなんて…オケの人たち(この人たちも基本的にフォーマル)は、ほんと、大変でしょうね。

     それにしても、ジャズの人は、お酒をよく飲む…という印象があります(笑)。

  7. フミエ より:

    (昨日のことは)いんです いんです ど~せ大したこと書いてませんし・・・ネチネチっと

    ・・・・・嫌がらせはこのくらいにして(笑)

    朝の忙しい時にありがとうございました
    ホントに大したこと書いてないのに、すとんさんからはいつも情報や知識が10倍返しでかえってくるのでつい楽しみにしちゃうんですよね~~

    歌に関する新展開の記事も期待してます!!

  8. すとん より:

    フミエさん

    >歌に関する新展開の記事も期待してます!!

     私はしばらくゆっくりと休もうと思っていましたが、週が明けたら、なんか色々と忙しくなってしまいました。ああ、歌の神様は私を休ませてくれないみたいなんです。ただ今、色々な事が水面下で動いていますので、カタチになったモノから、ブログでご報告させていただきます。

     本音で言えば、歌以外の可能性を模索してみたかったんですよ(マジです)。でも、歌の神様は、私にそんな時間的な余裕を与えてくれないんです。どうやら、歌の神様は、私にべた惚れみたいなんですよ(爆)。

  9. ひょっとこ より:

    歌の翼 Fonte Live 4/4 karin nakagawa 25 string koto
    http://www.youtube.com/watch?v=hQ7FjpgRWrE&feature=plcp

    ひとつの願い Fonte Live 3/4 karin nakagawa 25string koto
    http://www.youtube.com/watch?v=WR1yd28c5go&feature=plcp

    かりんの樹の下で Fonte Live 2/4 karin nakagawa 25 string koto
    http://www.youtube.com/watch?v=yqprDh5-YKo&feature=relmfu

    まあ、どうぞ、
    なにやらそのドロドロしたことなんて、どうでもいいや。

  10. ひょっとこ より:
  11. すとん より:

    ひょっとこさん

     いつも、グッドなタイミングで、グッドなミュージックをご紹介いただき感謝です。はい、全部聞きました。ついでにCDもポチしました。だって、こういう音楽好きだもの。ありがとうございます。これで、不眠症も多少は改善されるかな?

     しかし、ルパン三世の五右衛門の尺八の音が、実は中川氏が演奏しているフルートの音だったとは…! ええ~って感じです。

     しかし、こういうブラジル系の音楽って…好きだなあ。

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