フルートのレッスンに行きました。
姉様と一緒の、いつものロングトーンから練習が始まりました。前回は、途中で落ちて叱られたので、今回は最初っから最後まで、気を抜かずにしっかりと吹きました…ので、落ちませんでした。やったね(当たり前か!)
今回、ロングトーンを吹きながら思った事があります。私のフルート、高音Eの音程がかなり高いんですね。上行音程の時はアゲアゲ気分で吹いているので、さほど気にならないのですが、下降音形だと、この高めの音程が気になる…と言うか、一瞬「??? 間違えた?」って思ってしまって、パニクってしまって落ちる…と言う事になっているようです。そう言えば、いつも、この高音Eのあたりで落ちるんだよなあ…。
私の吹き方が悪い…んでしょうが、ちょっとシャクに触ります。で、ググってみたところ『Eメカ無しのフルートは、たいてい高音Eの音程が高めになる』んだそうです。ああ、構造的特性って奴ですね(…“欠陥”とはあえて言わない:笑)。あぁ、仕方がないかな~、そういうものとして受け入れましょう。
今日は気合を入れて吹いたせいでしょうか、先生から「今日は音程、いいじゃない!」って誉められましたよ。なんか、うれしいです。
さて、アルテです。懸案のミニヨン・エチュード10番ですが…やっと合格いたしました。だって、ノーミスで吹いたんだもん。スラーに気をつけ、タンギングもしっかりしたもん。強弱や音楽的な抑揚だって、たっぷりつけたもん。めいっぱい音楽を膨らまして、笛で歌ってきたもん。これで「不合格」って言われたら、私、お暇いただくしかないじゃない…でしょ?
「…でも、所々、中音Ebの運指が違ってたね、気付いてた?」 うう、気づきませんでした(汗)。言われてみれば、そうだったかもしれない…。
「しっかりした音だし、キレイな音なんだけれど…、ちょっと地声っぽいかな? もう少し裏声っぽい感じで、吹けないかな?」 地声? 裏声? あれ、声楽のレッスンだっけ? いやいや、フルートのレッスンのはずだけれど…。
私が「???」な顔をしていたので、先生がフルートを吹き始めました。「(フルートを吹く)これが地声のような吹き方で(フルートを吹く)これが裏声のような吹き方。違いは…分かるでしょ?」 はい、よく分かります。先生は地声、裏声って言ってますか、私のイメージでは、胸声と頭声の違いに近いです。だから“裏声”と聞いてファルセットを思い浮かべたら、たぶん間違いです。
「裏声で吹く…という事は、フルートをやさしく吹けばいいわけですね」
「違うよ、フルートはいつでもしっかりと吹くこと。フルートは、息をたくさん吹き込むと地声になって、息は少なめで息のスピードを速くして上げると裏声になるんだよ。中音Cisあたりから、裏声で吹くといい感じになりますからね。ぜひ、そうしてください」 ラジャーです。
結局、合格はいただきましたが、先生の目で見ると、まだまだ足りないところはあるようですが「現時点でこれぐらい吹ければ、まあ良し」という観点で合格をいただいたみたいです。ううむ、ううむ…。
10番を合格したので、またまた、先生と一緒に10番を吹いてみました。吹き終えて「一緒に吹くと、裏声で吹くことの大切が分かるでしょう?」 確かに、息を吹き込みすぎて、地声っぽい音色になると、音が壊れますね…。気をつけないと。
考えてみると、私は、声楽でも習い始めてから数年は、常に息をめいっぱい使って歌ってました。息を押さえて歌えるようになったのは、ごくごく最近の事です。たぶん、フルートも同じように上達していくのかもしれない。今は、ついつい目一杯息を使ってしまうけれど、やがて、息をセーブしてフルートを吹けるように…ならないとダメだよね。
次回はミニヨン・エチュードの11番です。さっそくH先生が模範演奏をしてくれました。ありがたいですね。それにいい音色です。
この曲では、Dトリルキーを使いますので、その使い方を習ってきたよ。それと「この曲を三拍子で吹く人が多いけれど、これ、四拍子の曲だからね。しっかり四拍子を感じながら練習してきてくださいね」と言って、この曲を三拍子で吹いた時と、四拍子で吹いた時の両方を模範演奏してくれました。H先生の有り難い事は、何か教えてくださった時に、必ず模範演奏をしてくれて、具体的に違いを教えてくれるところです。『百聞は一見にしかず』ですからね、本当にありがたい事です。
合わせてストップしていた、アルテ15課の方も進みます。今度は第3章の後半、A-durのロングトーンと、1番「音階準備練習」が宿題に出ました。「メトロノームの72の速度でしっかりと練習してきてくださいね」 ラジャーです。
今回の雑談は、地声のフルートの話から始まりました。この地声のフルートって、笛先生がよく言っていた「壊れた音」って奴と、たぶん一緒です。音量はあるけれど、耳にうるさく、割れ鐘を連想させるような音です。これを続けていると、楽器も調子を壊して、そんな割れ鐘のような音しか出せなくなります。
一方、裏声っぽい音と言うのは、涼やかで鈴の音を連想させるようなキレイな音です。ただし、音量的には大きくは感じられませんし、実際に音量は小さいのだろうと思います。この音色のままで大ホールで演奏するには…遠鳴りのするような吹き方をしないといけないのだろうと思います。それはそれで難しいイバラの道です。
「吹奏楽でフルートをやっていた子って、たいてい、地声っぽい音なんだよね~」
もちろん“吹奏楽”と言って、すべてをひと言でくくっちゃいけないそうです。やはり吹奏楽も、強豪校とそうではない学校があって、強豪校は楽器ごとにコーチを入れているところも多いので、そういう学校出身の子はしっかりしている事が多いけれど、そういうコーチのいない学校だと、先輩が後輩にデタラメ(!)ばかりを教えるので、大変な事になっている事も多いんだそうです。
「時々、学校の吹奏楽でフルートをやって、フルートが好きになって、周りから『上手だね』なんて言われるようになって、本人もその気になって『音大に進みたいです…』と言って、私の所に紹介されて来る子がいるんだけれど…そのほとんどが手遅れなんだよね」
「手遅れ?」
「そう、手遅れ。それこそ地声フルートが染みついちゃってね…。吹奏楽って、金管楽器やサックス、クラリネットが主役でしょ。そういう楽器に音量で対抗しようとしているうちに、地声が染みついちゃって、それが抜けなくなっているんだよね…。そういう子を直すのは本当に大変。テクニックを教えてあげる事はできるし、音大にも入れてあげる事はできるけれど、そんな音じゃあ、音大出ても仕事にありつけないからね。『残念だけど、君はフルートに向いてないよ』と言って、断る事にしているんだよ。だってあんな音じゃあ、プロは無理だもの。フルートが好きになって、音大に行きたかったんだろうけれど…ねえ。本当にかわいそうなんだよ。フルートで音大に行きたいなら、吹奏楽なんかやらないで、何もできない状態で来てくれた方が、まだマシなくらいだよ。一度、変な癖をつけると、それを直すのが、本当に大変なんだよ」
うわー、私も地声フルートが身に付かないように、気をつけないと。
「あなたは大丈夫ですよ。私がしっかり面倒みてあげますからね」 ありがたい事です、本当にありがたい事です。
学校の吹奏楽で身に付く変な癖は、地声フルート以外にも、色々とあるそうです。これは、先輩から後輩へ間違った奏法が伝えられる事もあるでしょうし、その間違った奏法を正してやれる指導者がいない事も原因なんだろうと思います。それに吹奏楽をやっている子は、自分が演奏することばかりに夢中になって、他のフルート奏者の演奏を聞かない(つまり、正解を知らない)事もあります。
何事もそうですが、良き道案内が必要って事なんだろうと思います。
それにしても、初歩の段階での音づくりって、本当に大切なんだなあ…。
↓拍手の代わりにクリックしていただけたら感謝です。
にほんブログ村
コメント
フルートにも裏声と地声があるんですね。
そして、裏声ってイメージ的に頭声に近い感じなんですね。
前の先生にもよく「頭の上から音を出すイメージで」と
再三言われていたのですが、やはり美しい音を出すという事は
そう言う吹き方になるのでしょうね。
そして、先生が替わって今の先生になってからは、
吹き方を変えたために地道なロングトーンばかり吹いてましたが、
先日のレッスンでようやく形ができはじめました。
そして、ようやく感覚が掴みかけたところで、今度は
「頭の上から音を出すイメージで」と、
新しい先生にもそう言う注文を付けられました。
やはりそこら辺は目指す所は一緒のようです。
それにしても、学校の吹奏楽あたりですと
よほどの名門校で無い限り各楽器ごとに違う先生が付くわけでないですし、
一人の先生が全ての楽器に通じているわけでもないですしね。
ちなみに小学校の時の吹奏楽ではテナーサックスを吹いてましたが、
レクチャーは、上級生が一週間程教えてくれただけです。
いわゆる音出しと音階練習のみでした。
それが終わると上級生の手は離れ、早速校歌の楽譜を渡され
その練習となりました。
サックスは新しい楽器なので音は出しやすいですけど、
フルートみたいに音を出すとっかかりがつかみにくい楽器だと
ブログの記事の様になってしまいがちですよね。
H先生のおっしゃるとおり、変な癖を付けてしまったら
それを修正する間に学生生活が終わってしまいそうですから、
かえってまっさらな状態で門を叩いた方が良さそうですね。
でも・・・せっかく音楽が好きで頑張ってきたのに
変な癖が付いてしまって挫折・・・はちょっと気の毒な気がしますよね。
裏声、と言うとわかりにくいですが、要するに音色を十分に気をつける意識を持つってことでしょうか。
私も、つい鳴らしてやろうと思うあまり、息をたくさんつぎ込んで、ばかでかい音を発することで一人悦に行っていることがあるようです。
楽器まで調子がおかしくなるのですか。
おかしくなる前に音色に気をつけてみるようにしてみます。
ちょっと新しい発見をしそうな予感がします。
ありがとうございました。
繊細な音は無骨で大きな音出すより難しいでしょ。
特に高音になればね。
そもそも息をやたら入れて音量が出るわけでもなく、
音が荒れてくると感じるけどね。
多くの場合、息を吹き込みがちだったり、
大音量系のフルートはダイナミックレンジは狭かったりする。
絹のような細い小さな音が出せなかったりする。
音にもその人なりのセンスがあって、
それこそ聴けば明らかだからね。
アート(芸術)だから。
吹奏楽の問題というより、
それに携わる人達のセンス、
バランス感覚の問題。
ある種の学校の先生は嫌がるかも知れないけど、
日本国国歌「君が代」のような曲の演奏、
結構勉強になると思うけど。
神楽坂さん
そうですね、頭声に近い感じだと私は思います。フルートの音域って、ちょうど女声のソプラノの音域なので「美しいフルートの音色」=「美しい女声の歌声」っというイメージが重なるのかもしれません。高声歌手はよく声を「頭のテッペンから出す」とか「目と目の間から出す」とか、もっともっとだと「後ろの首の付け根から出す」とか表現します。すべて、副鼻腔に音を響かせるためのイメージなんですが、フルートにもそのあたりが共通するのかもしれません(し、しないかもしれません)。が、やはりフルートの音色は、女声を目指すべきなのかもしれませんね。
>レクチャーは、上級生が一週間程教えてくれただけです。
たぶん、日本中の多くの吹奏楽部では、そんな感じなのかもしれません。フルートは音作りが難しいし、そこに時間がかかるというのに。四月に入部して、すぐに夏の大会の準備ですからね、基礎を固めている余裕が無いのが実状なのかもしれません。
音楽が好きで、フルートが好きで、でも変な癖が付いてしまったら、本当にかわいそうだと思います。日本の吹奏楽が構造的に抱える問題なのでしょう。私にも良い解決策は思い付きません。私の力で何とかできるのなら、何とかしてあげたいのですが…さすがに、これは無理な話です。
funkyhassyさん
>要するに音色を十分に気をつける意識を持つってことでしょうか。
いや、それだけではまだ不足していると思います。funkyhassyさんの次のコメントでひょっとこさんがおっしゃってますが“繊細な音”を求めていくって事なんだろうと思います。
フルートをしっかりと鳴らす事は大切な事です。しかし、フルートには、大きな音はいらないのです。大きな音はいらないけれど、ホールの隅々にまで聞こえるほどの、鳴り響く音は必要です。“大きくはないけれど、鳴り響く音”…それこそ、よく訓練された若いソプラノの、軽くて細い歌声のようなものなのかもしれません。
>楽器まで調子がおかしくなるのですか。
…らしいです。楽器も道具ですからね。奏者の癖に馴染んで、それに最適化されていくんだろうと思います。変な吹き方ばかりしていると、変な鳴り方しかできない楽器になるそうです。
…中古楽器などは、分かる人が吹くと、前の持ち主の癖や腕前やら得意の音楽ジャンルとか、様々な事が分かるといいます。ある意味、楽器って、奏者の分身のようなものなのかもしれませんね。
ひょっとこさん
>吹奏楽の問題というより、それに携わる人達のセンス、バランス感覚の問題。
ああ、そうかもしれません。それが吹奏楽だとより顕著に見えるだけで、吹奏楽そのものに固有の問題ではないですからね。たとえ吹奏楽でなくても、例えば私のような趣味のオジサンフルートであっても、センスが悪く、指導者が悪ければ、やはりぶっ壊れた音色でフルートを吹きかねませんからね。
それに、音量って分かりやすい罠です。なんか大きな音が出せると、それだけでエラいような気がするのも、人の心理かもしれません。でも、それは、おっしゃる通り、アートじゃない。
大きな音でフルートを鳴らしてイキがっているなんて、まだまだボウヤなのかもしれません(自戒です)。
>ある種の学校の先生は嫌がるかも知れないけど、日本国国歌「君が代」のような曲の演奏、結構勉強になると思うけど。
確かに“ある種の学校の先生”は嫌がるでしょうね(笑)。まあ「君が代」に代表されるような、繊細なメロディの曲(って、それこそ吹奏楽で演奏するような曲の真逆ですね)を練習すると良いでしょうね。「さくらさくら」とか「竹田の子守歌」なども、いい練習になると思います。