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ライバルって必要?

 芸事の上達のためには、ライバルって必要でしょうか?

 音楽であれ、スポーツであれ、勉学であれ、地方在住の人間は、何事も地方で学んでいるため、同じ年月をかけて学んでいても、都会で学んでいる人とは、どうしても差がついてしまう…というのは、よく聞く話です。これは、都会には良い先生がいる事と、都会には生徒さんの数が多いため、優秀な生徒も大勢いて、そのため、地方よりも都会の方が、色々な点で競争も激しく、相対的にレベルが高くなるからだと言われています。だから、地方で学んでいる者が、上を目指そうと思った時は、適当な時期を見計らって都会に出てくる事が必要だ…とも聞きます。

 たぶん、それって、嘘ではないと思います。特にトップレベルを目指しているなら、そうなんだろうなあと思います。都会どころか、モノによって、海外留学が当然って感じでしょう。少なくとも、クラシック音楽の世界では『どこの学校を卒業したか』も大切ですが『どこの国に留学したのか』も、その奏者の実力を図る上で、大切なファクターだったりします。

 これらは「朱に交われば赤くなる」って考え方です。優秀なライバルたちに囲まれた方が、断然実力アップするじゃ~んって事ね。
 
 
 でもね、私のような、趣味でユルユルの学びの場合はどうなんだろ。ライバルって必要なのかな? 都会に出ないとダメ? 留学しないとダメ? …なわけ、無いよね。
 
 
 私の基本的な考えは「昨日の自分に今日は勝つ」です。だから、憧れの対象、つまりアイドル(笑)などはいますが、別にライバルとか「あいつには負けたくない」とか思う対象はいません。

 だから皆さん、私の背中をどんどん追い抜いちゃってください(笑)。

 そんな事を言っちゃう私は「人生色々、人間も色々。人と比べても仕方ない」ともつぶやきます。だって私は『負けず嫌い』なんかじゃないもん、むしろ『損して得取れ』タイプの人だから、負けるのは、もちろん悔しいけれど、でもワリと平気です。

 だってさあ~、声楽に関して言えば、私はテノールだから、ソプラノやバリトンと比べて仕方ないし、オッサンだから若者やオバチャンたちと比べても意味がないし、アマチュアだからプロ歌手と比べるなんて、おこがましいと思ってます。

 フルートだって、吹奏楽未経験者だし、フルートアンサンブルって奴も敬して遠ざけているし、別に誰かに聞かせるアテも無しでフルートを学んでいるだけです。

 だいたい、オッサンなんだよ。成長どころか、老化をしている最中なんですよ。

 そんな私ですから「ライバルとか仮想敵国って必要なのかな? 少なくとも私個人にはいらないよなあ」と思ってます。私には欲が無いのかもしれません。でも、向上心って奴は、持っているつもりです。

 歌が上手くなりたい。フルートの腕前も上達したい。ダンスだってスイスイ踊れるようになりたいです。だけど、○○さんよりもうまくなりたいとか、上達して人々の関心を集めたいとか、そういう野心はありません。おとなしいものです。

 確かに、一人で、のほほんと練習しているよりも、ライバルと互いに切磋琢磨するのが上達の近道、という事は理解します。例えば、スポ根まんがにはライバルの存在は不可欠でしょう。いや、それどころか、ジョーには力石が、アムロにはシャーが、古代進にはデスラーが不可欠でしょう(例えのキャラが古いなあ~)。

 でもね、私はマイペースでユルユルとやりたいのよ。だから、私にはライバルは要りません。

 だけど、本当にマイペースなだけでは、先細りになってしまうのも事実。今の私の状況的には、ヴァイオリンがそんな感じだもの。ライバルはいらないけれど、私の脆弱なモチベーションを維持するためには、何かが必要です。

 その“何か”は…もしかすると、それこそ“ライバル”なのかもしれません(笑)。ライバルと腕前を競うなんて気持ちはサラサラ無い私ですが「彼は○○まで合格しているのに、私はまだ△△だ!」と言うのは、私の気持ちを強く焦らせます。

 な~んだ「負けず嫌いじゃない」とか言いながら、結構“負けず嫌い”じゃん。

 …どうも、私は、勝負の勝ち負けには執着しないのだけれど、バスに乗り遅れるのは、イヤなタイプの人間のようです。そんな私のモチベーションを維持し、適宜刺激を与えてくれるためには、ライバルが必要なのかもしれません。

 ああ、矛盾だらけの人間だなあ。

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コメント

  1. funkyhassy より:

    いつも楽しく拝見しております。フルートの試奏、購入のプロセスなどが特におもしろかったです。

    当方はその昔フルートをかじったまま、33年のブランクが続いておりましたが、昨年再開した者です。

    私もライバルはおりません。
    フルートを楽しむ上ではむしろライバルと競争するような刺激を求めたくないと思っています。
    負けて口惜しい思いをするのがわかっているので、そこから逃げているのかもしれませんが、もうメキメキ上達する年齢ではありませんからね(笑)。

    先日、高音域のスケール練習で、どうしても狙っているテンポに音がはまらなくて苦しんでいました。
    何度もトライしながらテレビで観た新村理々愛さんの華麗な演奏を思い出しながら、「くっそー、負けてたまるかー」とがんばったら狙いどおりにはまるようになりました。
    天才少女は、もちろん事実上のライバルではありませんが、心の中での仮想ライバルとして練習に成果が出たので、以後私のライバルはと聞かれたら新村理々愛さんですと答えることにしました。

  2. すとん より:

    funkyhassyさん、いらっしゃいませ。

     おぉ、大先輩さんですね、こちらこそ、よろしくお願いします。

    >フルートを楽しむ上ではむしろライバルと競争するような刺激を求めたくないと思っています。

     ああ、なるほど。そう言われてみると、私も実はそうなのかもしれませんね。競争は…若くて血気盛んな時なら、楽しめましたが、今は無駄に血圧が上がるだけで、それほど楽しいものではありません。なにしろ、競争と言うのは、勝っても負けても、健康によくない(笑)。

     新村理々愛さんはすごいフルート奏者さんですね。私はなぜか、この方と工藤重典氏は、毎年、どこかで生演奏を聞くチャンスに恵まれている(なぜでしょ?)のですが、新村氏は毎年毎年、着実に腕前を上げている事が分かります。先日、聞いた時には「この人には吹けない曲ってあるのかな?」って思ったほど、とにかくパワフル&テクニカルでした。この方、まだ高校生なんですが、すでにこれだけ演奏できて、仕事もあって…音大に行く必要があるのかしら?って思います(でも、きっと、某G大に行くんでしょうね…)。

     それにしても、彼女が仮想ライバルですか? それは強敵ですね。でも、仮想ライバルって発想はおもしろいです。私も仮想ライバルを設定しようかな?

  3. 白雪 より:

    すとんさんの矛盾って何だか私もわかるように思うのです。
    何故って私も老化への道をまっすぐ下っていますし(笑)、もう若くなくて、今更音大へいくわけでもなく(当たりまえ) 、一人の趣味でユルユルの学びだからです。

    個人レッスンなので、ライバルどころか他の人の演奏も聴いたこともなく、今は誰かとアンサンブル出来るような腕もなく・・・

    私ももう誰かと競って勝ちたいとは思わないです。
    でも、やはり一人だと何だか寂しい、誰か一緒にやれる人がいたら、レッスンの話で盛り上がったり・・

    あ、ライバルよりも私の場合は仲間がほしいのかもしれないですね~
    これって典型的オバサンカルチャーで、レッスンより帰りのお茶のほうが楽しいとか?
    それもまたいいのですが、前の楽器ではこれが何だか疲れて嫌になった経験もあります・・

    でも、自分はフルートやってこの先いったいどこへ行こうとしてるのか、たどり着く先の目的は何か・・一時期は上手くなったら施設訪問とか考えたこともありましたが、これも何となく向いてないかもしれないです。

    すとんさん、フルートアンサンブル敬遠ですか・・
    私はいつかせめてフルートアンサンブルの片隅にでも入れてもらって、下手でもお邪魔にならないように音を控えめにして~なんて思ってはいるのですが。

    何だかよくわからないコメントになりました。すいません

  4. おぷー より:

    多分、海外留学でレベルの高い学校に行った方が良い、と言うのは、
    横の繋がりを作る目的もあると思います。音楽家にとって、コネはやはり
    大事なものですからね。
    どの学校に行っても、懸命に勉強しなくちゃいけないのは、全く同じです。
    ホント、ライバルは自分ですよね。
    私もそう思って頑張ってマス。

  5. すとん より:

    白雪さん

    >すとんさん、フルートアンサンブル敬遠ですか・・

     フルートアンサンブルも吹奏楽もパスです。私は、あくまでもソロ志向です。ソリストとしてピアノ伴奏で演奏するのがベストだけれど、決してアンサンブルそのものが嫌いというわけじゃないので、ジャズバンドでフルートを吹いてもいいし、アマオケに入ってフルートを吹いてもみたいです。あ、オーケストラって、吹奏楽と違って、管楽器は基本的にソリストだからね(!)。

    >あ、ライバルよりも私の場合は仲間がほしいのかもしれないですね~

     うん、その気持ちはよく分かる。私の場合、フルートは“ぼっち”だけれど、歌は“ぼっち”じゃないからネ。歌劇団の仲間がいて、月1で重唱したり、ミュージカルの稽古しているし、妻は常にデュエットの相方で、よく一緒に歌っている。だから、仲間はいるんだ。

     フルートの仲間がいらない…とは言わない。笛先生に師事していた頃は、たまにジャズバーに行ってセッションをしていたし、たまにネットのフルート友達とオフをする事だってある。歌は歌で楽しいけれど、フルートはまた別の楽しみがある。ただ、一日は24時間しかないし、生業だってあるわけし、趣味も多すぎるので、フルートまで手が廻らないと言うのが本音です。

    >自分はフルートやってこの先いったいどこへ行こうとしてるのか、たどり着く先の目的は何か・・

     私も一時期、それで悩みました。当時の先生は「一緒にボサノヴァをやりましょう」って言ってくださった。ボサノヴァ、悪くないでしょ? ショーロでもいいし(笑)。今は、特にフルートの行き先は考えてません。『とりあえず、腕を磨きましょう』って感じです。今の先生は「一緒にバロックをやりませんか」って誘ってくださってます。ははは、古楽ですか?

     とにかく、何をやるにしろ、まだまだ腕前が足りないので、まずは腕を磨く事を優先してます。腕前が上がった時に、何をやるべきかは、きっとその時が来れば分かるんじゃないかな…なんて思ってます。

  6. すとん より:

    おぷーさん

     横のつながり…そうですね。音楽に限らず、大学というところは、勉強する場でもあると同時に、人脈を作る場でもありますからね。まして、人と人とのつながりの中でキャリアを積み上げていく音楽家にとって、ハク付けと同時に人脈作りのための留学って、大切なんだと思います。

     日々、老化と戦っている私にとって、昔の自分というライバルは、かなり強敵です。なにしろ、相手は、今の私よりも若いんですからね(笑)。若い人間と戦って勝ち続けるのは、ほんと、容易な事ではありません。そのために、日々、切磋琢磨しないと…、大変なんだよねえ…。

  7. 私あたりなんかですと趣味でやっているので
    誰かと競う必要はないのですが、それでも同じくらいの実力の人が
    身近にいると・・・競わないまでも刺激となりますよね。

    また、同じ音楽が好きでも好きな作曲家とかも結構違うと思うし、
    そう言う所とかも・・・実力は似たりよったりでも面白いかも
    しれないと思っています。

    ピアノの場合は独奏だったからライバルはもとより、
    他の生徒さんとの交流はなかったんですが、
    フルートの場合はアンサンブルがありましたので、
    ライバルでは無いですが一緒に音楽に取り組む事は
    とても刺激になりました。

    >昨日の自分に今日は勝つ

    素敵なことですよね。
    やはり上手くなりたくて練習していますから、
    ライバルはいなくても昨日の自分には勝ちたいですものね。

    ひとまず私の場合は、「楽しむ」事と「長く続ける」事を目標として
    取り組んでおります。

    長く続けるには、経済的にも安定してないといけませんし、
    何よりも長生きしなければならないので・・・結構そっちの
    ハードルが高いのはちょっとアレなんですけどね(笑)

  8. すとん より:

    神楽坂さん

     そうそう、趣味であって、誰かと競う必要はなくても、やはり上達は、したいですよね。上達するからこそ、楽しめるという側面ありますもの。

     経済的安定と長生き。確かに、今のご時世、色々と難しいです。私も長生きの方は、あまり自信がありません。ひとまず、今は健康ですが、元々短命の家系ですし、肥満体である事は否定できません。どうしても、太く短く…の方向を考えちゃいます。今を精一杯生きて、楽しんでいきたいです。で、結果として長生きだったら…超ラッキー! って事で(笑)。

     それに趣味で楽しく生きていた方が、案外、長生きできるかも…ですしね。

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