前回の「水替え編」の続きです。前回の記事はこちらです。
さて、金魚を飼うための水槽の水には、バクテリアが必要ですという話をしました。
では、バクテリアというのは、どこにいるのかと言うと、最初はいません。自然発生します。自然発生したバクテリアは、どこにいるかと言うと、水槽の砂利の中や濾過器のフィルターの中にたくさんいるそうです。もちろん、水槽の水の中にもたくさんいるそうですが、砂利やフィルターに巣を作っているとかいないとか。
で、このバクテリアさんたちが、アンモニアを始めとする水中に溶け込んだ糞尿を食べて、亜硝酸塩にしてくれるそうです。この亜硝酸塩というのは、アンモニアほど毒性は高くないのですが、やはり金魚に無害とは言えない物質なので、さらにこの亜硝酸塩を食べて硝酸塩にしてくれるバクテリアの発生を待ちます。硝酸塩は、一応、金魚には無害な物質なんだそうです。しかし、いくら無害とは言え、水の中が硝酸塩だらけになってはあまり良くないので、この硝酸塩を取り除けると、水替えが不要になるのですが、それがなかなかに難しいので、水替えという作業に及ぶわけです。
理屈の上ではこうなります。だから、バクテリアがウヨウヨいる水槽ならば、水替えは不要って事になりますが、実際は、なかなかそううまくいかないので、水替えをせざるをえません。
しかし、水替えは金魚にとって負担になりますので、できれば回数を少なめ、また一回に取り替える水量もできるだけ少ない方がいいので、なるべくバクテリアを発生させましょう。
では、次にバクテリアの発生方法ですが…基本的に自然に発生するので、それを待ちます。必要なものは、タネと光と糞尿です。
タネはバクテリアのタネ、つまり親となるバクテリアの事です。こいつは基本的に空中に漂っているので、こいつが水槽の中に落ちて、繁殖してくれればよいのですよ。それが待ちきれない人は、近所の川や池の水(がキレイなら、それ)を汲んできてもよいでしょう。雨上がりの水たまりの水も濾過してあげればグーですね(煮沸しちゃダメだよ)。
光は光っている事よりも、暖かい事に意味があります。つまり“熱”の供給という意味で光が必要です。ある程度の温度がないとバクテリアも生き物なので繁殖しないからです。
エサは、バクテリアのエサという意味で、一般的に糞尿です。金魚を飼うのですから、金魚の糞尿を好むバクテリアが欲しいのですから、ここで用いるべきは、魚の糞尿です。…が、これが一番の難敵かもしれませんね。つまり、飼い始めの水槽でバクテリアを発生させるためには、パイロットフィッシュが必要ってことです。パイロットフィッシュ? つまり、“尊い犠牲者”って奴です。「金魚を大切に育てるために必要なバクテリアを発生させるために、まだバクテリアが十分に発生していない水槽に金魚を投入する」ってわけで、当然、パイロットフィッシュはツライ環境に置かれるわけです。なんか矛盾してますね。
そうやって、バクテリアたっぷりの水が、水槽に必要なんです。まるで、老舗に伝わる秘伝のダシのようなものかもしれません。
だから、水替えの時に、この秘伝のダシにも相当する、大切なバクテリアちゃんをきちんと残すために、考えながら水替えをしないといけないのです。
コメント
うわー
大変ですね バクテリアって市販されていないのですか?
椎茸さん
>バクテリアって市販されていないのですか?
一応、売ってるよ。ただね、金魚とか熱帯魚の専門店ならともかく、ホームセンターあたりじゃ入手困難だし、安くないし、売っているバクテリアが水槽に合っているかどうかも微妙だし…。なにしろ、一番水槽に合っているバクテリアは、その水槽で自然発生したバクテリアだし…。そういう意味で市販のバクテリア剤は、ちょっと初心者には手が出しづらいと思う。でもね、金魚飼育に慣れてきて、バクテリアの扱いにも慣れてくると、バクテリア剤も便利だよ。上手に使っていくと、バクテリアの補充が簡単になるから、ある程度慣れてきたらお薦めです。
なんて言う私自身、色々と試してみて、ようやくウチの水槽に合うバクテリア剤を見つけたので、今はそれを使っているけれど…。で、ウチは、シマテック社の『PSB』というバクテリア剤を補完的に使っているよ。ここに入っているバクテリアは、光合成をするバクテリアなんだそうだけれど…どうなんでしょ?