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アクート、いっぱ~~つ!

 声楽のレッスンに行ってきました。

 例によって、発声練習から。とにかく、今の私の課題は、高音発声ですよ。

 フレーズ単位で、半音ずつ上に上がっていく練習を繰り返します。途中で力んだり押したりしたら、やり直し。声が前に行っても、やり直し。半音上がるたびに、頭の後ろを一段ずつ開いていく感じで行います。

 最高音がGになるあたりから、声を出す感覚が変わってきました。なんか、それまでとは違う場所にいるような気がしてきます。そして「行くぜ、行くぜ、行くぜ~」って感じになってきて、あるところで、パッカーと頭が開いて、中から鳩が飛び出してくる感じになります。これが、たぶん、アクートです。力むこともなく、押すこともなく、その直前まで弱々しく歌っていたのが、扉が開くもんだから、いきなりピャ~~って感じで楽々と声が出ちゃいました。

 「ほら、Asが楽々と出たでしょ」
 「あれ、ほんと!?」
 「だから、すとんさんはAsを出すポテンシャルはあるって事。あとは、Asの成功確率を上げていくだけ…」
 「なるへそ」

 確かに楽々と声は出ましたが、代償もそれなりに大きくて、その後は、ちょっと咳き込んでしまい、しばらく歌えませんでした。いきなりのアクートで、ちょっとノドを痛めたようです。

 アクートなんて、だいたいが人間業ではない(笑)ので、初級者が一日にそう何発も出せるものではありません。今回は一発だけだったけど、Asが出たから、それで良しです。とにかく、アクートは、極度に体力を消耗するし、まだアクートに慣れないないカラダには応えます。まるでコンボのあとの映司君のようです。

 とにかく、アクートの感覚はつかんだ(?)ので、あとはそれを忘れないうちに、再現して定着させていくだけです。とにかく、一歩前進です。ステージクリアです。

 しかし、このアクートをマスターしちゃえば、上の方はどこまでも出るような気がします。何というか“今まで垂れこめていた暗雲がいきなり晴れた”ような感じです。どこまでも高く登っていけそうです。

 あ、そうそう。息の支えが通常の声とアクートではちょっと違う事に気づきました。アクートでは、かなり下の方で支えないとダメみたいです。いわゆる“下腹部”ってところね。だから、ここを鍛えていかないと、アクートは歌えません。

 それと、高いところに登っていく時も、引っくり返る直前のような腑抜けた声で登っていく方が良いみたいです。力押しは厳禁。とにかく、脱力ですよ、脱力。ヘナヘナ声で上がっていって、音程がアガルにつれて、どんどん声の出口が小さくなるけれど辛抱して、アクート領域に入る少し前あたりから、ジラーレして、声を後ろに持っていって、アクートでパカ~っと開いて歌う。…やり方は分かったけれど、再現性に乏しいのが残念なところです。

 …背中とか下腹部とか内腿の筋肉に、とても負荷がかかります。

 でもまだ二月だね。発表会の六月までには、このアクートを百発百中にしないと(汗)。

 さて、アリアです(笑)。

 とりあえず、短調部分は、まあ色々あるけれど、なんとか歌えたかな~って感じでしたが、転調した後がダメダメ。ただ、以前よりも、ダメになるところがドンドン後ろになってきているので、上達はしている感じです。

 ダメになる理由ですが…

 1)疲労
 2)無駄な力み
 3)カラダがあっちこっち閉じる
 4)高音が届いていない

 …こんなところでしょうね。

 とにかく、まだまだ脱力が必要です。曲の始めの方で、いい気になってfを出すと、必ずツケがまわって、その後がダメになります。ちょっといい感じで歌えたとしても、自分の分と言うのも守って、決していい気にならない事が大切かな?

 ここでもやはり、脱力ですね。リラックスです。とにかく、脱力しつづけられれば、疲労は回避できるし、無駄な力みもなくなるわけです。しかし、力を入れるのは意識的に行えるので簡単ですが、力を抜くのは、本当に難しいです。

 カラダが閉じてしまうのは、下手くそだからですね。仕方ないです。練習を重ねて、カラダが閉じないようにしないとね。

 高音は…アクートをマスターする事が急務です。ファルセットなら楽に歌えますが、合唱じゃないので、それでは意味がありません。きちんとアクートで歌わないとね(汗)。とにかく、アクートの成功率を上げていかないと…。

 …やっぱ、合唱のテノールとソロのテノールの一番の違いは、アクートを自分のものにしているか否かってところかな? 高いところが歌えないとテノールはダメだけれど、ファルセットで歌えても、ソリストは意味ないもんなあ…。女々しい歌声はテノールには不要だもんね、漢臭いぶっ太い声で歌わないとあきまへん。

 それにしても、アリアも早く暗譜しないと(汗)。アリアがある程度、形になってくれないと、歌劇団で歌う「乾杯の歌」の準備に取りかかれません。ま、あの歌は「人知れぬ涙」よりは難易度が低いので、ちょっと安心しています。

コメント

  1. Marcy より:

    勉強になります(・ω・)

    自分は今ミックスボイスを自力で鍛えてるんですが、クラシック歌唱のアクートはすごく参考になります(*^ω^*)

    どうしても共鳴腔をガッツリ確保して声を鼻腔に飛ばそうとするために口を縦に大きく開けるので、顎が力んじゃって・・・まだまだ修行が足りんですね(`ω´)

  2. すとん より:

    >Marcyさん

     ヴォーカルテクニックって、目に見えないので、色々と難しいですね。ポピュラーヴォーカルの方は、アクートではなく、ミックスボイスとかヘッドボイスとかを鍛えるようですが、ミックスボイスとアクートはどこが同じでどこが違うのかって尋ねられると、私には全然分かりません。同じ人間のやる事ですから、共通項もたくさんあるんだろうなあ…程度ですね。

     ただ、ハードロックのハイトーンはアクートに通じるものがあるんじゃないかと思ってます(違う?)。

     お互い、目指す道は違っていても、頑張って行きましょう。

  3. Marcy より:

    ほんと歌は奥が深いですよね。
    理屈ではわかっていても結局ひたすら練習して身体で覚えるしかないですもんね。
    歌ってスポーツなんだなぁ…ってつくづく思います。

    アクートとミックスボイスって、高音発声の技術としては多分同じものなんだと思います。
    ただジャンルの違いによる歌唱法の差があるので響きは変わってくるんでしょうけど。
    ロックの高音とR&Bの高音でも違いますしね(´ω`)

    海外のハードロックやメタルの高音は確かにアクートだと思います!
    たぶんアクートから首の下の響きを少し減らした感じ(?)だから、軽いけど芯も詰まってる感じだし響きも単なる高い声と違って心地良いんでしょうね、きっと(^^)

    すとんさんのブログってほんと勉強になることがいっぱい書いてあって楽しいです♪
    自分は腹から出す発声が少し自信がないので、口から声が抜けないようにして喉より上の共鳴で声量を稼ぐように歌ってるんですが、これがきっとジラーレなんでしょうね(正しくはジラーレみたいな何か?)

    ありがとうございます!
    お互いいつまでも楽しく歌っていけるように脱力ながら頑張っていきましょう(笑

  4. すとん より:

    >Marcyさん

     おそらく、歌は、どんなジャンルであれ“基本の基”はみんな一緒だと思います。と言うのは、同じ人体という楽器を使っている以上、人体の効果的な活用法という点では、何をどうやっても同じにならざるをえないと思います。ただ、応用編というか、ジャンルごとの特性まで考え出すと、色々と差異が生じてくるのだと思います。

     最近の私が思うのは、マイク使用を前提とした発声か否かという事。ホールに響く声とマイクのりの良い声って違うんじゃないかな? って思うんですよ。でも、これが“違う”と分かれば、逆に“同じ”部分も見えて来るのだろうと思います。Marcyさんが書かれていらっしゃるように、おそらくは、響き、つまり声の倍音の使い方の違いに、そのヒントがあるような気がします。

     まあ、気がするだけで、その先についての考えは、まだ何もないんですけれど(笑)。

  5. Marcy より:

    声を使うという根底は一緒ですもんね。
    声優さんや、俳優さんや、アナウンサーだって最近はボイトレするみたいですし、なんか「声」をそこまで幅広く活用しちゃう人間てすごいなぁとか思っちゃいます(笑

    声楽だと元々はマイクは使わずに歌ってたんですもんね。
    あ、今も使ってないですか?
    やっぱ声量と響きは段違いですよね。
    また声が綺麗だし♪
    テナーの方のアクートでのロングトーンとか聴いてるとそれだけで感動しちゃいますもん。

    ポップだと拡声機器ありきの発声ですから、やっぱそこら辺からも違いが生まれてきますよね。
    最近では「ポップには複式は必要ない」といったトレーナーさんも多いようですし。

    そう、今現在、低域倍音に興味津々なんですよ(笑
    声楽の真似事とかもしていろいろ模索してるんですが、その発声だとどうしてもG4から先は低域倍音が着いてこれないようで・・・普通に歌う分には違和感なく越えられるんですが(汗
    たぶん響きを上に集めすぎちゃってるんでしょうけど、その状態から胸にも音を響かせるとフラットしちゃうんですよね(笑

    あと、マイクやスピーカーって、拾いやすい・拡張しやすい周波数がメーカーによって変わるみたいで、声楽・ポップに関わらず、マイクを通すと全然違う声になったり割れたりする人もいるみたいです。

    たぶん、電話で声が変わる人と変わらない人がいるのもそのせいなんでしょうね。

  6. すとん より:

    >Marcyさん

     歌手に限らず、声で勝負するプロの方の声って、みなさん、うっとりするほど素敵な声の方ばかりですね。私もああいう声に生まれたかったなあ…と妄想することがあります(爆)。

    >最近では「ポップには腹式は必要ない」といったトレーナーさんも多いようですし。

     …かもね。ミュージカルはともかく、アイドル歌謡などは、腹式呼吸をすると却って変になるかもしれませんね。そこは、ジャンルの特性と言うか、求められているものの違いって奴でしょう。

    >そう、今現在、低域倍音に興味津々なんですよ(笑

     胸声(チェスト・ヴォイス?)を充実させると良いのでしょうが、あまり声を胸に集めすぎると、今度は頭声が出づらくなります。あと、身体的な問題もあって、ある程度ガタイが大きくないと、低音の倍音は出づらいと聞いた事があります。ま、頭声も難しいですが、胸声も難しいですね。

    >マイクを通すと全然違う声になったり割れたりする人もいるみたいです。

     クラシック声楽の場合は、普通にマイクを使うと、声の倍音が出過ぎて、だいたい声が割れるそうです。マイクはかなり遠ざけるか、ゲインを下げて使うそうですが、それじゃあ、マイクを使っている意味があまりないですね(笑)。

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