今年最後のヴァイオリンのレッスンに行きました。今回から、篠崎教本を使ったレッスンとなりました。ま、教本を使う理由は、ジャズだ何だと言う前に、まずはヴァイオリンの基本的なことをしっかり身に付けましょうという事です。教本が終わったら、またジャズに戻りましょう、って事です。
実は、私って教本大好きなんです。いや、教本が好きと言うよりも、教本が進んでいくのが好きです。なんか「ああ、習い事しているなあ…」って感じがするんですよね。課題をクリアしていくごとに充実感を感じるタイプの人間なんです。だから教本を使えて、うれし~のです。
ま、とにかく、はじめましての“篠崎教本”です。
まずは第1番の解放弦の四分音符の練習から。「四分音符が短い!」という、いきなりのダメ出しでした。四分音符は一拍なんだから、二拍の頭まできちんと鳴らさないと一拍になりません…ですね。ヴァイオリンはギターとかピアノとかの減衰系の楽器ではなく、音のコントロールが最後まで出来る持続系の楽器でした。たかが四分音符ですが、きっちりコントロールして演奏しないといけませんね。投げっぱなしはアカンのです。そういう意味では、今まで、四分音符をイイカゲンにやってました。反省。とにかく、音価に注意してやってみて、合格です。
第2番。解放弦の二分音符の練習。注意点は第1番と同じ。音価どおりにしっかり弾きましょう。合格。
第3番は…ヴァイオリンに目印をつけましょう…ですが、すでにテープを貼ってありますので、これもOKです。
第4番。左手の押さえ方。指の屈伸運動は大切です。OKだけれど、当分の間は、この第4番の練習を続けてくださいと言われました。特に、鋭く強めに指を動かすこと。ギターのハンマリングオンの要領です。
第5番。解放弦の全音符の練習。注意点は第1番と同じ。合格。
第6番。解放弦の四分音符の練習。ここからは、しっかりとメトロノームを入れて練習です。メトロノームに合わせてやってみるのですが、なんかしっくり来ない…。原因を考えてみるに、1)音の立ち上がりが悪い。2)リズムのウラを感じられない。この二点が原因と分かりました。
そこで音の立ち上がりに気をつけながら(つまり、弓の引き始めの初速を速くする)やりました。これで“音の立ち上がり”に関してはOKです。しかし“リズムのウラ”は依然と感じられません。
そこで、歌いながらヴァイオリンを弾くことになりました。歌うと言っても、難しいことではありません。リズムを歌うのです。メトロノームに合わせて、足でリズムを刻み(表拍です)、その裏拍を口で「トッ! トッ!…」と歌います。つまり「ズン(足踏み)・トッ・ズン・トッ・ズン・トッ・ズン・トッ…」ってやるわけです。これをやりながら、第6番をヴァイオリンで弾くだけです。
…難しいです(涙)。ええ、ノンビートで歌わずにメトロノームに合わせて弾くだけなら、何とかなるものの、足でリズムを刻み、口で裏拍を歌い、腕は初速をつけてヴァイオリンを弾く…本来は簡単なはずなのに、この作業は、実に難しいです。かなり手こずりましたが…なんとかクリアできました。たかが、四分音符にこんなに苦労するとは…合格。
第7番。解放弦の二分音符の練習。やっている事は第6番とほぼ同じだけれど、今度は弓の使い方の指示まで加わるので、その通りの弓使いでないとダメです。第6番までは中弓でしたが、この第7番は全弓なんです。第6番同様にかなり苦労しましたか、何とかクリアで合格になりました。
第8番&第9番。解放弦で四分音符と二分音符の混在練習。もちろん歌いながらやります。音価通り、弓の指示も守って練習です。弓元使ったり、弓先使ったり、全弓使ったり、ああ、難しい。しかしなぜ、私は、四分音符や二分音符に今更ながら苦労しなければいけないのか…、いい年したオトナなのに(涙)。ああ、四分音符や二分音符を今までどれだけナメていたことか…。これも苦労の末、合格でした。
第10番は重音の課題ですが、これは不合格。しばらくの間、毎日練習するように言われました。重音、難しいです。
第11番&第12番。いよいよ左手で弦を押さえます。左手と右手のタイミングをバッチリ合わせるように言われました。また、単音のはずなのに、しばしば隣の弦に触れて、違う音も聞こえちゃうので、きちんと単音は単音として、きれいな音で弾くようにも、注意されました。…これも裏拍のリズムを歌いながらやりました。ああ、私はやっぱり、裏拍が苦手かも。ノンビートでやるなら、なんてことない課題なのに、裏拍を歌いながらだと、すごく苦労しましす。
今回のレッスンでは、ひとまず、ここまです。続きはまた来年です。
ちょうどヴァイオリンのレッスンが終わる頃、ケーキを持って、笛先生が登場しました。
実はヴァイオリンレッスンの前日、笛先生から緊急連絡が入って、私のフルート(アゲハ)を先生に貸し出したのです。そこで、アゲハの返却[ピカピカに磨かれて帰って来ました]&お礼をしに来てくださったというわけです。
昨日のライブの直前、いきなり先生のフルートが音が出なくなり、かと言って、ご自宅までサブ楽器を取りに帰る時間もないし「さあどうしましょう…」と言う時に、ライブ会場の近くに私が住んでいる事を思い出して、連絡をくださったので、取るものもとりあえず、楽器をもって駆けつけた…という次第でした。
で、実際のライブでは、アゲハに、ご自分のフルートの頭部管(パウエルです)を差して使用されたそうです。
「どうでした?」と尋ねたところ、やはり色々と違っていて、最初はちょっとアレレという感じがしたそうです(そりゃ、そうだよね)。一つはアゲハのボディだと音の立ち上がりが、かなり速いのだそうです。二つ目は、高音がピャ~と出すぎちゃうのだそうです。おそらく、この違いは、客席で聞いている人には分からないくらいの違いなんでしょうが、演奏する立場になれば、ちょっと焦ってしまう違いでしょうね。
アルタスはアルタススケールという、独自の音律設計がされているので、その感想も聞いてみたところ、まず「普通に吹くと、音が全部高くなる」のだそうです。ですから吹きながら(楽器を手に入れて、すぐに本番のステージだったんです)少しずつ頭部管を抜いたり、音を曲げたりして、調整したのだそうです。そして、全体的なピッチがだいたい当たったところでも、やはり各音的には、ほぼすべてに渡って、ちょっとずつピッチが違うので、それを修正しながら吹かないといけなかったそうです。とは言え、それも一晩吹けば、慣れる程度の違いだったそうですが、慣れない楽器で、いきなりのライブで、とても苦労なされたようです。
ま、とにかくアルタスのボディで吹くのは始めてだったので、色々と戸惑った…ってわけです。
そこで、先生に、昨日のように、アゲハにパウエルの頭部管を差して、一曲お願いしてみたところ、気安く応じてくださいました。
うむ、頭部管はいつもの頭部管ですから、いつもの聞き慣れた先生の音になるはずですが、実際のところ、聞こえる音は、かなりアルタスっぽい音でした。いや、むしろアルタスそのものって音でした。特に中高音になると、まるで先生ではない、別人の演奏のように聞こえました。フルートの音色って、かなりボディに左右されるという事が分かりました。奏者にとっては、頭部管が変わるとガラリと音が変わる印象ですが、観客からは、ボディが変わるとガラリと音が変わったように聞こえます。へへ、これっておもしろいな。
と言うわけで、アゲハは無事にお仕事を終えて、私の手元に戻ってきました。お礼にケーキをいただいちゃったよ。おいしかったです。感謝感謝です。
コメント
アルタスのスケールはA=442〜445HZくらいまでOKな設計だと思います。440〜442HZ設計の楽器に慣れた方が吹くと、妙に全体のピッッチが上がってしまった感覚を受けると思います。特に右手方向の音が普通に吹いてしっかり合う(ぶら下がらない)はずです。パウエルで実は修正して吹いている音が修正不要なので、その違和感はけっこうあったということですね。でも、逆よりは良かったのでは?
フルート本体はスケールを決めるだけじゃなく、音色のかなりの部分を作っていますね。頭部管はきっかけ造りとしての役割は確かに大きいですが、しっかり楽器を鳴らせる人が吹くほど、本体の特徴が浮き彫りになるかと思います。
>Sonoreさん
>しっかり楽器を鳴らせる人が吹くほど、本体の特徴が浮き彫りになるかと思います。
おそらく、そうなんでしょうね。不慣れな人間は、頭部管はとりあえずとしても、管体をしっかり鳴らすと言うのは、なかなかに難しい事です。管体をしっかり鳴らせないレベルの人間にとって、頭部管の交換は実に有意義なのでしょうが、管体をしっかり鳴らせるレベルの人間にとっては、頭部管のみならず、管体込みで、色々な事を考えていかないといけなのでしょう。
あるフルート職人の方(アルタスの方ではありません、念のため)が、フルートの音色に一番影響を与えるのは、メカの素材だと教えてくれた事がありますが、さもありなんかもしれません。
アルタスは、ヨーロッパ市場の要望を満たすため、ピッチをかなり上げても平気なように作られていると聞いた事があります。それがこういう事なのかもしれません。修正の有無も含めて、その楽器の特徴だと私は思います。複数のメーカーの楽器を取っかえ引っかえに吹いている方が時々いますが、そういう方って、きっと、かなり器用なんでしょうね。笛先生もかなり器用なタイプの人だと思いますが、私は不器用なので、あまり他メーカーのフルートに浮気は出来ないなあ…と思いました。