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物欲が無くなりました

 …一時的な事かもしれませんが(笑)。

 あ、これはもちろん、限定された話です。それも、ヴァイオリン限定の物欲です。何となく、ヴァイオリン関係のものが、あまり欲しくないのです。いらないというのではなく、満ち足りているって感じかな?

 先日、アルタスフルートフェアに行った時、フルートはもちろん試奏してきたし、棚にあるフルートたちをしげしげと眺めてはタメイキをついたりと、まあ、いつもの事をしてきたわけです。

 …次にフルートを買うとしたら、どんなの買おうかな?…

 私には、いつも、こういう気持ちがあります。まあ、財布は寂しいのに、ほんと、物欲まみれですね。

 その足で弦楽器売り場に行って、まっすぐレジに行って「ヴィジョン(ヴァイオリンの弦です)をください」と言って、店員さんが弦を持ってくるのを待って、お金を支払って帰って来ました。ヴァイオリン売り場に行ったのに、ヴァイオリンを眺める事もなく、弓を眺める事もなく、小物の類や、ヴィジョン以外の弦を眺める事もなく、ただ、弦の指名買いをして、お金を支払って帰って来ました。

 いやあ、ヴァイオリンに関する物欲というか、興味がトンと無くなりました。なんか、自分でも、清々しい気分です。これは一体どうした事でしょうか?

 フルートは、マジで、次のフルートが欲しいです。三本目のフルートが欲しいです。

 だからと言って、現在の楽器に不満があるわけではありません。いや、むしろ、大満足しています。大満足をしているし、愛しているけれど、もう一本、別のフルートが欲しいです。買うなら、どんなフルートがいいか、常に妄想しています。それくらい、フルートが欲しいです。物欲まみれです。

 ところが、ヴァイオリンは、なんか、そういう気持ちになれないんですよね。

 現在の楽器に満足しているかと言うと、実は微妙です。現在の楽器は好きです。でも不満はありますよ。音量とか響きとかに物足りなさを感じます。それと、いかにも安物(ってか、オモチャレベル?)だし、人前で弾くチャンスは、今はありませんが、そういうチャンスの時に、今の楽器だと、かなり恥ずかしいかも…という気持ちはあります。

 だから、ちゃんとした職人さんの作った楽器の方が絶対にいいと思うし、そういう楽器が手に入ったらうれしいと思うものの、今、そういう楽器に興味がわかないんです。だから、ヴァイオリン売り場に行っても、ショーケース一つ眺める気分になれないんです。休日に、わざわざヴァイオリン屋さん巡りをしようと言う気にならないのです。

 弓もそう。私の弓は、たかがカーボン弓。安物…とは言いたくないけれど、客観的に言えば、やっぱり安物。オールドフレンチ弓とまでは言わなくても、もっとちゃんとした弓に対する憧れくらい、あっても良さそうだけれど、それも無い(笑)。

 ヴァイオリンって、色々と消耗品があるじゃないですか? 例えば、弦であったり、例えば、松脂であったり。そういう小物に凝る人とか、色々と試してみる人っているじゃないですか。私も本来は凝り性だし、そういう方面にはまってもいいのに、今回は全く、そういう気配がありません。

 ヴァイオリンの弦は、最初に行った店で(スズキ君に対して)ヴィジョンを薦められたので、そのままに継続使用しているし、松脂も色々あるのは知っているし、不満がある(なんか弓に上手く付いていない様な気がします)のに、そのまま、最初に薦められたピラストロの「シュヴァルツ」を黙って使っています。ヴィジョンにしてもシュヴァルツにしても、ミヤマやカヅノに最適かどうかは分かりませんが、他を試そうという気が起こらないのです。

 肩当てをプラ製から木製に変えたあたりで、急にヴァイオリン関係の物欲がしぼんでしまったようです。

 私の中では、ひとまず、ヴァイオリン学習環境、完成…って感じなのかな? いわゆる一つの“コンプリート”状態? 安い中華ヴァイオリンを素人が仕上げた“なんちゃってヴァイオリン”に、手ごろなお値段のカーボン弓を組み合わせ、安いヴァイオリンケースと、(高級弦の中では)安いヴィジョンと、安い木製肩当てで満足しちゃったみたいです。

 いいのか~! それで!!

 ヴァイオリンって、本来、ブルジョワジーの楽器なのに、すっごく庶民的なレベルで満足しちゃっている私がここにいます。いやあ、カネ、かかってねーなー。

 だってサ、本来、ヴァイオリンってのは、お金がやたらとかかる楽器のはずなのに、私が使っているヴァイオリンセットの、極めて安価な事! ヴァイオリンなんて、フルートの3倍の値段してても不思議じゃないのに、約1/3だよ。あまりにお金がかからなすぎ。

 その、とっても庶民的なセットなのに、その上を欲しがらない私がいます。別にヴァイオリン(の値段)なんて、どうでもいいよ、とは思ってます。

 ただ、本当に、物欲がないんです。モノを買いたくないのです。むしろ、買い物に行く時間があったら、ヴァイオリンを弾いていたいです。つまり、物欲はないけれど、練習欲はあります。ヴァイオリンをバンバン弾いて、早く、一人前になりたいものです。

 もそっと、ヴァイオリンの腕が上達したら、物欲が出てくるかな? なんか、そんな気もします。

コメント

  1. アンダンテ より:

    おぉ。バイオリン系の物欲にまみれていると、非常に危険ですから、無くなったのはよろしいのではないでしょうか。練習欲だけは残って喜ばしいかぎりです。

    それにしても、フルートの物欲はますます磨きがかかって、三本目がほしいんですか?? それはそれでたいへんですね~

    私は大満足できるバイオリンを得て、今は肩当て以外に狙っているものは別にないのですが、ほんとはすごくすごく良いピアノが、輸入物グランドピアノがほしいです。物欲にまみれてます。でも、お金がないだけではなくて置く場所がありませんから安全です(^^;; バイオリン系やフルート系は物欲スイッチONになるとほんっっとに実行に移しちゃいますからね。。

  2. すとん より:

    >アンダンテさん

     もう、ヴァイオリン関係の欲は「いかに美しい音を出すか」という一点に集中している私です。とにかく、美しい音を出したくて出したくて、もう、そればかりに執着しています。

     …なんて書くと、いかにも私の音が美しそうに読めますが、実は全然そうではないのです(涙)。ロングトーンをすれば、大抵、隣の弦に弓が触れちゃって、アチャ~状態だし、たとえそうでなくても、なんか音が、ガリガリしていたり、ビリビリしていたりと、まあ、かなり低いレベルで戦っています。他にも、駒のそばで弾いて、ギャーとなったり、弓を斜めに弾いてグリグリグリ~ってなったり、1弦が裏返って、キャーって鳴ったり、それはそれは、退屈しないぐらい、変な音を出し続けてます。

     なので、美しい音を出したいのです。楽器全体が音に共振しつつ、高い倍音も低い倍音もそれなりに出揃った澄んだ音をヒャ~~って出したいのよ。いや、そんなに美しくなくてもいいや、雑味のない、普通の音でいいので、そういう音が出したいのです。

     今は、そこにこだわっているので、物欲にまみれている余裕がない、って感じなんです。ですから、ヴァイオリンに関しては、ひたすら練習練習なんです。もちろん「美しい音」には「美しい音程」も含まれています。これもまた、別の意味で難しいですね…。

     フルートは…次は俺様仕様のフルオーダーの楽器にしようと思っているので、その注文をするためにメーカーとか工房に行くのが面倒くさいという、現実的な障害のために“物欲実行スイッチ”を押さずに済んでます(笑)。

     いやあ、ほんと、声楽ってカネかかんないわ(しみじみ)。物欲が発動するスキマがないもんな。

  3. 河童 より:

    フルートの物欲・・・よーくわかります。
    私も今持っているフルートに不満は無い(と言うより腕を上げることの必要性を痛感している)のですが、パウエルのオーラマイト欲しい・高音域にゴールドのきらびやかさ欲しい・・・です。
    ただゴールドのキンキラキンは仏間のイメージが重なって敬遠します。
    宝くじあたったら、14Kゴールドにホワイトゴールドメッキかシャンパンゴールドメッキしてと妄想しています。
    頭部管も何種類かそろえて、その日の気分と曲に応じて使い分けるなんて
    (その前に腕を磨け・・・ですが)

  4. すとん より:

    >河童さん

     おぉ、パウエルのオーラマイト、私も欲しいです。

    >ただゴールドのキンキラキンは仏間のイメージが重なって敬遠します。

     いやあ、その視点は無かったなあ…。キンキラキンは仏間ですか? 私は江戸っ子の血が濃いので、単純に「キンキラキンはカッコ悪いなあ、やっぱ、いぶし銀が最高だよね~」という昔ながらの価値観なんですが、仏間ですか? そういう発想は無かったです。

     私的には、ゴールドはアリですが、キンキラキンではなく、くすんだ感じのゴールドの方がいいかな?

    >14Kゴールドにホワイトゴールドメッキかシャンパンゴールドメッキしてと妄想しています。

     いやいや、メッキをせずとも、14Kだと、それこそ混ぜるものを変えることで、無垢のホワイトゴールド管もシャンパンゴールド管もありますよ。メッキをするよりも、無垢の方が、絶対にいいって。

     ゴールドフルートなんて安いものじゃないんだから、散々ワガママを言った方がいいです(って、完全に妄想の世界の話ですね)。

    >その前に腕を磨け・・・ですが

     Me too っすね。

  5. Cecilia より:

    まず・・・前の記事の本番の演奏を聴きたいのですが、パソコンからいろいろ削除したせいかすぐに聞けません。
    聴ける環境を早く整えたいのですが、今の優先順位があってすぐにできません。
    聴けるようになったらコメントさせてください。(一ヶ月先になったりして・・・)
    とにかく素晴らしい本番だったようでご苦労様です。
    早く聴きたいです。

    ところでヴァイオリンですが、私ついに国産ヴァイオリンを買いました。
    ヨーロッパのものでなく国産ですけれど。(笑)
    とにかく鈴木君なら間違いはないだろう・・・と某オークションで8500円で落札ですよ~。
    それが先ほど届きました。
    No.300という学習用ですが、弓・ケース・松脂つきです。
    少々不安でしたが大丈夫でした。おまけにほとんど使ってないような状態できれいでした。
    なので音が若いですが。
    今までのよりずっと弾きやすいような気がします。
    でも案外今までのチャイナ娘、弾き込んだのでそれなりに音が良くなっていたんだなあとも感じています。

  6. すとん より:

    >Ceciliaさん

     なんと、スズキの300ですか! ありゃ、いいヴァイオリンでっせ、奥さん。

     私が先生から借りていた、スズキ君がその300です。借りていたのは、エージング[慣らし運転]済みの奴だったので、かなりいい音がしていました。Ceciliaさんのところに来た300君も、ちゃんと弾きこんでやれば、かなりのモノになるはずです。

     学習用と侮ってはいけないですよ、何しろ、メイド・イン・ジャパンですからね。少なくとも、私のところのミヤマよりも良い楽器です(笑)。とりあえず、大きな音量でガーガー弾いてあげるのが、エージングの第一歩ですよ。

    >今までのよりずっと弾きやすいような気がします。

     駒が高くないかな? スズキ君もそうでしたが、スズキバイオリンって、工房出荷状態で販売されているケースが多いそうですが、そのままだと駒がちょいとばかり高いんですよ。ですから、弾いていて指が痛くなるし、ハイポジションが弾きづらくなる(らしい:汗)です。私は指板の端での弦高が1弦で2mm、4弦で4mmになるように駒の高さを[自分で]調整しました。

     それにしても、スズキの300が8500円とは、いいお買い物ですね。うらやましいです。

     あ、私の発表会の音源は、別に逃げないので、あせらなくてもいいですよ。

  7. 通りすがり2号 より:

    ピアノに比べればやはりヴァイオリンはまだしも庶民的な楽器と思います、値段やスペースの点で・・・
    日本では何故かそのイメージが違いうかもしれませんが・・・他のとこでも書きましたが、ドヴォルザークはピアノはずっと触れなかったのに19世紀中盤という時代のボヘミアの田舎の宿屋の息子で、幼少期からヴァイオリンを弾いてました。単純に考えても木を削って弦をはるだけなのでピアノよりはずっと安いですし持ち運びが非常に容易ですから庶民的なはずです。

     客観的に見れば今でもオーボエやピアノより遥かに安いですし、ヴァイオリンはむしろ庶民的な楽器のはずです(ポップスの影響でこれだけ普及した、ギターなどと比べるとまたさすがに別かもしれませんが、1万円で手に入るのですから)。

     そういう、クラシックは高貴、ブルジョワというイメージを私は意外に庶民上りが多いロマン派の作曲家(マーラーやドヴォルザーク、ブラームス、ヴェルディなど。もちろん金持ち出身もいますが)の生い立ちを読んだり、意外に親しみやすい彼らの曲目を聴くことで払拭されていきました。
    ですから安いヴァイオリンで独学で多少なりとも理解を深めようとギコギコ弾いておりますw

     また地方住みの私(関東近郊ではなく北です)でもポップスのコンサートより安い値段で実演も結構聞けますので、クラシックの敷居が高いというのは幼少期からやるには親の見識や、高い楽器を買わされて言いなりになることによって必要になる経済力だと思います。あとは「20万以下のヴァイオリンは楽器ではない」という根拠のない見栄を捨てれば(NHKでストラディバリウスと普通のヴァイオリンの音色を隠してプロの音楽家に聞かせても当てられなかったということです)今の日本では意外にクラシックは庶民的かと思います。

     

  8. すとん より:

    >通りすがり2号さん

    >今の日本では意外にクラシックは庶民的かと思います。

     かもね。コンサートを聞くだけなら、ポップスよりも安価に行われているし、ジャズよりも身近な会場で演奏されています。ただ、演奏する側に回った時は、ポップスやジャズの方が、やはり庶民的と言うか、身近だと思います。

     クラシック系の音楽の場合、アマチュアが演奏できる場って、あまりありません。自分たちでグループを作って活動するか、習い事教室の発表会に参加する程度でしょう。経済的にも能力的にも庶民的とは言えないかも。その点、ジャズなら、フラっとジャムセッションに参加すれば、誰でも演奏できますし、ミュージシャンたちと仲よくなれば、ライブの助っ人としての声だってかかります。

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