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声のポジションとヴァイオリンのポジションの関連性について

 最近、歌の練習していて、ふと思った事があります。それは、声のポジションって、ヴァイオリン(弦楽器一般でも同様ですね)の左手のポジションと同じようなものなのかもしれないなあ…って事です。

 弦楽器の左手のポジション、いわゆるローポジションとか第1ポジションとか言うのが、まずは基本だと思います。ヴァイオリンでもギターでも、このローポジションだけで2オクターブほどの音域があり、たいていの曲のメロディはこの範囲で弾けます。しかし、曲によって、もっと広い音域を必要としたり、もっと高い音を要求しますので、そういう時は、左手全体をボディ側に移動して演奏するわけです。これがハイポジションであり、第2~ポジションだと思います。ある程度、楽器が扱えるようになると、必須のテクニックです。

 ローポジションとハイポジションでは、単に扱える音高が違うだけでなく、少しずつですが、音の音色が変わってきます。解放弦の使用の有無というのもあるでしょうし、同じ音高でも、太めの弦で鳴らした音と短めの弦で鳴らした音は自ずと違います。あと、弦は太さによって材質が変わるのですが、ポジションを変える事で、欲しい音を鳴らすために違う弦を使用することだってありますが、そうなれば、当然音色が変わります。

 もちろん、ハイポジションはローポジションよりも、色々とテクニック面で難しいです。

 そんな事が、実は声楽の声のポジションと似ているなあと思いました。

 人の声の音域って、本来、そんなに広くないと思います。普通は1オクターブからせいぜい10度くらいでしょうか? それは、小学校の音楽の時間で取り上げる歌が、五線の下のドから上のミの10度にだいたい収まっている事からも想像できます。この音域なら、まあ、歌うにしても、それほどつらいものではありません。しかし、この音域が外れてくると、発声するのに、努力と忍耐と訓練が必要になってきます。

 私はテノールなので、上の音域について考えますが、ミよりも上の音は、それ以下の発声と基本的なフォームは同じものの(むしろ変えてはいけない)、声そのものの出し方と言うか、声の通り道は変わってきます。これを、キング先生は“ポジションを変える”と言うのですが、最初はこれがよく分かりませんでした。

 ポジションを変える事が具体的にどんなものなのか、よく分からず、色々と試行錯誤をする中で、ダメやヨシをもらいながら、少しずつ「こういう事を言うのかな…」と推測できるようになってきました。そうして、なんとなく分かってきた事は「声のポジションを変えるって、弦のポジションを変えるのと同じ感覚かな」って思うようになってきました。

 ポジションを変えないと高い音が出ないのは、その高い音がポジションの守備範囲ではないからです。なのに、ポジションを変えずに高い音を出そうとするのは、無理やりに指を伸ばすの等しく、それには無理もあるし、当然不安定になったり、音程がぶらさがったりします。だから、高い音を安定して出すためには、弦楽器ならば、左手のポジションをスウっと変えることで、高い音が出やすくなります。それと同じ事が声にも言えるのではないかな? ただ、声の場合は、弦楽器と違って、そのやり方が目に見えないのがやっかいな点でしょう。

 ポジションを変えていくと、高い音が出しやすくなる一方、今度は低い音が出にくくなります。これはその低い音かポジションから外れてしまうからです。ですから、外れてしまった音を無理やり歌おうとすると、ポジションそのものが元の低いポジションに戻ってしまいます。

 また、ポジションが変わると、同じ音程の音でも(若干)音色が変わってきます。だから同じ音程の音を聞いても、どのあたりのポジションで歌っているかは、すぐに分かります。

 そんなふうに考えて行くと、高い音を出そうとして、力付くで変な声になるのは、弦を押さえるのがうまくいかなかったり、弓を押しつけすぎていたりするのと通じるかなって思うし、声が引っくり返るってのは、思わず触っちゃいけない弦に弓が触れて音が出てしまった感じなのかなって思ったりします。

 頭声とか胸声とか、チェストヴォイスとかミックスヴォイスってのも、このポジションの違いのことなのかな? って時々思います。

 この考え方が、正解かどうか分かりません。単なる私の誤解かもしれませんが、私は今、こんなふうに考えていますって事なんです。

 しかし、弦楽器なら左手を移動する事でポジション移動が可能ですが、声の場合は、ポジションを移動するために、どこをどういう風に動かせばいいんだろ? これが実に分かりません。“声の当てる場所を変える”とか“声を後ろに廻して出す”とか“アタマの奥をドンドン開けていく”とかは、そういう事なのかな? いや、違うのかな? 肝心な事が、全然分かりません。

 おそらく、その辺りの感覚って、極めてパーソナルなもので、それぞれが自分で探って捜していかないといけないのだろうという予感がします。

コメント

  1. めいぷる より:

    ばよりんは視覚で理解出来るので良いなぁ…と常に羨ましく思います。

    フルートにも、そのポジションが存在しますね。
    意識する程でも無い、他の方法を取るの(圧倒的に多い)、という選択肢もありますが、、私の師匠はポジション重視系です。

    >ポジションを変えていくと、高い音が出しやすくなる一方、今度は低い音が出にくくなります。これはその低い音かポジションから外れてしまうからです。
    >ポジションが変わると、同じ音程の音でも(若干)音色が変わってきます。だから同じ音程の音を聞いても、どのあたりのポジションで歌っているかは、すぐに分かります。

    フルートもまったく同様です。

    ばよりんの音色が微細に変わるようにフルートの音色も微細に変わりますよ。 ただ、すとんさんのおっしゃる事同様、その感覚を掴むまでが大変なんですけどね。大まかなガイドは有っても個々の体は違いますから。

  2. すとん より:

    >めいぷるさん

     あ、やっぱり、フルートにもポジションはあるんだ! 私は薄々、ポジションのようなものがありそうだな…と思ってました。ただ、それこそヴァイオリンのように目に見えるわけではないので、自分の中で???だったんですよ。ほら、なにしろ、声楽ですら、この感覚に至るまで、真面目に取り組み始めてから、こうやってブログに書けるほど自覚できるようになるまで、かなりかかってますからね。おそらくフルートでそれが実感できるまでは、まだまだかかりそうです。

     ま、私の場合は、声楽とフルートでは、かなりの部分のテクニックを共有しているので、声楽でポジションの移動が楽にできるようになれば、おそらくそれと前後して、フルートでもポジション移動ができるようになるのではないかなって思ってます。

     そこは、声楽、管楽器、弦楽器と、全然違うものを同時並行で学んでいる者の強みと言うか、一見バラバラに見えるものが私の中で有機的につながって、それぞれ互いに補強しながら、私の中で実を結んでいるわけで、その道一筋の人とは、成長の仕方が違うのです。…っ、ちょっと我田引水ですね(汗)。

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