少し前にテレビで見たのだけれど、オーストラリアで、現地の貧民向けの炊き出しサービスに日本人の若者が列をなしてサービスを受けるのが恒常化しているというニュースがありました。つまり、若い日本人がオーストラリアで貧民化して溜まっているって話です。
どうやら、そこにいる日本人と言うのは、現地で生活している日本人ではなく、ワーホリ民の日本人なんだそうです。ちなみに、ワーホリ民とは、ワーキング・ホリデー・ビザを利用して滞在している人の事を言うようです。
ワーキング・ホリデー・ビザ? そんなものは私の若い頃にはありませんでしたが、今では普通に利用されているビザなんだそうです。年齢制限(18~30歳)と渡航先制限(決められた29カ国)がありますが、渡航先で観光しても良し、勉強しても良し、働いても良しという、かなり自由度の高いビザなんだそうです。ただし、期限は原則1年という短さです。「若い時に現地で働きながら世界を見てこい!」という趣旨のビザのようです。
これは良いビザですね。私が若い時は、そんなものはなく、勉強をするなら留学ビザしかなくて、これは原則労働が禁止されていたので、海外で勉強するとなると、国費留学か、お金持ちの子弟が親の金で全部賄うしか選択肢が無かったのですが、これを使えば、現地でバイトしながら勉強する事も不可能ではないので、貧乏な若者には良い制度だと思います。
とは言え、きちんとした見通しは必要てす。
今、日本は賃金が安い国です。海外の方が日本で働くよりも給料が良いのです。特にオーストラリアは、最低賃金が日本の倍以上なので、つまらない軽作業であっても、日本で稼ぐよりも圧倒的な高給でガッポガッポと稼げるので、ワーホリを使って、バイト目的にオーストラリアに行く若者が、ここのところ増えていたのだそうです。
問題は、いくら最低時給が高くて、軽作業でお給料ガッポガッポであっても、職に付かなきゃ、それも手に入れられません。SNS等の情報で、金目当てのワーホリ民が一挙にオーストラリアに向かったために、当然、後から来た連中は職にあぶれて、仕事にありつけません。バイト以外の目的もなく、ろくな滞在費も持たずに渡航した連中が、どうやら現地で貧民化しているようなのです。
自由度が高いという事は、自己責任の部分が大きいって事なんだな。
それにしても、現地の貧民向けの炊き出しに、日本のワーホリ民が世話になるのは、ダメだと思うよ。日本のワーホリ民が集まったために、現地の貧民さんたちが締め出されたり、食料が不足したら、それは大問題だと思うし、現地のボランティアの人たちだっていい顔はしないよね。
海外で食えないなら、さっさと日本に帰ってきなよ。それとも帰るお金も無いのかい?
このニュースを聞いて、かつて日本は、周辺の貧しい人たちが出稼ぎに来る富裕国だったのだけれど、今や周辺国に安価な労働力を提供する貧しい国にと変わったのだなあ…と思いました。
労働力が流出してしまう…それって、国力が下がる原因の一つで、日本という国は、経済的にあまり良くないスパイラルに入ったのかもしれません。
それにしても、ワーホリ。本来は若者の健全な育成目的のため、知見を広めるために用意されたビザだろうに、現状、短期の出稼ぎ用のビザに成り果てているわけだね。昔々「田舎じゃロクな仕事は無い! 東京に出て一発稼いでくるさ」と言って出稼ぎに出ていったお父つぁんたちと同じなわけだ。
そのうちに日本は、かつてのように労働移民を輸出するようになるのかな? でもかつては人口が増えすぎていたから、それもアリだったけれど、今は人口が減っているわけで、そんな状況で労働移民なんてしたら、亡国への坂道を転げ落ちるようなモンだぜい。
でもまあ、その頃は、私、死んでいるだろうから、特に問題は無いか。
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