合唱の衰退理由を深掘りしてみた　その２　人間関係がヤバい

　新しく若い人が入ってこないために、合唱団の平均年齢が上がってしまって衰退への道を歩んでいるという話は昨日しました。

　今日は現存している合唱団の規模が小さくなったり、数が減ったりしている事について書きます。

　その原因は…ずばり人間関係です。

人間関係がヤバい

　合唱って人が集まらないとできません。人が集まれば、人々の間に関係が生じます。その関係が良い関係なら問題は無いのですが、しばしば悪い関係を生み出し、こじれて、トラブルに発展して、結局合唱団が分裂したり解散したりする原因になってしまいます。

　これは合唱団に限った話ではないのかもしれません。

　例えば、合唱団がある程度大きくなると、どうしても派閥争いのような事が起きがちです。合唱団での争いと言えば、殴り合いのような分かりやすい争いはまず無く、多くは陰口や嫌がらせ、陰湿ないじめ等です。それで互いの派閥を削り合います。

　そんな派閥同士の争いも問題ですが、派閥が大きくなると、派閥内にも問題が生じます。と言うのも、派閥の中では、派閥の親分に気に入られないと、同様な陰湿ないじめが生じがちです。楽しく合唱をしているはずなのに、派閥の内外での陰湿ないじめのために、段々と合唱団内での居心地が悪くなっていきます。

　このように合唱以外の要因でゴタゴタが起こると、いじめの対象者だけでなく、それらを見ていた合唱が好きな人たちに嫌気が差して、合唱団を辞めてしまいます。そうやって、合唱団の規模が小さくなっていくわけです。

　また、いじめのような陰湿な悪意ではなく、お互いの目指すものの違いによって、もめごとが起こる事も、合唱団ではしばしばあります。私はそれを“ガチ派とエンジョイ派の対立”と呼んでいます。これは比較的若い合唱団で起こりがちです。

　ガチ派とは、真面目に合唱団の実力向上を目指している人たちです。真面目が故に、実力的に劣る団員には厳しくあたります。しばしば排除運動すら行います。また、新人を入団させる際も経験者しか入れたがりません。

　ところが合唱経験者なんて、今や希少種だし、若い世代にはなかなかいません。だから、どうしても新しく入ってくる人よりも辞める人の方が多くなり、合唱団が衰退しがちです。だったら、初心者を入れて、きちんと教育すればいいのに…と私は思いますが、そういう視点を持たないのが、ガチ派の人たちの特徴であります。おそらく近視眼的な考え方なんだろうなあ…。

　このガチ派と対立しがちなのがエンジョイ派です。エンジョイ派とは、人間関係が良好な事を重視する人たちで、しばしば歌の実力よりも気が合う合わないで団員を選びがちです。このタイプの人たちは、たまたま合唱をやっているだけの人たちで、合唱をやる目的も友達作りだったりするので、別に合唱をしなくても良い人たちなのです。

　一つの合唱団の中に、ガチ派とエンジョイ派がいて、この２つがうまく共存できないと…だいたい、ガチ派がエンジョイ派から逃げ出して、別のガチ目の合唱団を作ろうとする傾向が強いですね。こうして、合唱団って分裂していくんですよ。

　ガチ派の人たちが作った新しい合唱団は、人数不足でうまく活動できなってしまう事もよく見られます。また、残ったエンジョイ派の人たちは、こちらは核となって動く人がいなくなり、うまく活動できなくなってしまって、合唱団の活動自体を止めてしまいがちです。

　結局、共倒れなんだな。

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