合唱って、今の時代、若い人たちに人気が無い、いわば“高齢者の趣味”なんですよ。そこに衰退理由の幾ばくかは間違いなく存在します。
合唱の中心は高齢者である
近視眼的な発想ですが、たとえ若い世代の加入がなくても、高齢者の中から新たに合唱を志す人たちが増えていけば、いずれは衰退してしまうとしても、当面の間は合唱も安泰のはずですが、現実は、若い世代同様に、高齢者の初心者の新加入はなかなかありません。
その理由は、今の高齢者って、案外忙しくて、合唱をやっている暇がない人が多いからです。
まず、日本全体が貧しくなって、ご隠居とか有閑マダムと呼ばれる人たちが減りました。皆さん、高齢になっても働き詰めで、なかなか趣味に時間を使っている余裕が無いのです。無論、合唱している暇もありません。
おまけに人々のライフスタイルも少しずつ変わっていき、結婚や出産が年齢的に遅くなり、その結果、子育てが終了する頃には、親の介護が始まり、親の介護が終わる頃には、ぼちぼち自分が要介護(?)となり、とても趣味を楽しむ時間も体力も無くなってきたのです。
そんな中、僅かな余暇時間が出来たとしても、そこで行うのは…合唱や歌ではなく、運動系の趣味です。何しろ、高齢者はカラダを動かさないと、すぐに弱ってしまいますからね。元気な高齢者は、ジムに通ったり、ウォーキングに励んだりと忙しく、とても合唱にまで手が回らないのです。
そんなわけで、団員が増えず、現状維持が精一杯で、アップアップの合唱団って多いと思いますよ。
そんなわけで、メンバーの大半が高齢者で、運営に携わる中心メンバーも高齢者なんて合唱団は、掃いて捨てるほどたくさんあります。仕方のない事ですが、そこにも問題はあります。
高齢者が集まるところって…なんとなく昭和チックになりがちです。
昭和の人って、よく言えば働き者で、仕事や作業をみんなで分け合うのって…苦手でしょ? すぐに仕事を一部の人たちで抱えちゃうんです。その方が効率がいいって考えてしまうのかもしれませんが、それを続けていると、一部の人たちばかりが疲れてしまいます。それで運営陣がパワーダウンし、それが全体に波及して、合唱団全体から覇気が失われていきます。これって大問題でしょ?
それが進んでしまうと、運営陣とその他の一般団員とが分断されてしまい、少しのほころびから、合唱団の運営がこじれてしまいます。運営陣からすれば「自分たちがこれだけ頑張って支えているのに、なぜあの人たちは逆らうのか?」と思うし、一般団員からすれば「運営の連中は独断的で、合唱団を私物化して、我々の話なんて、これっぽっちもきいてくれない」と文句を言い出すわけです。まあ、よくある話です。
恵まれた事に、その合唱団に若い世代の人がいれば、彼らは、そんな昭和のノリについていけなくなってしまいます。そして、感情的に離れてしまうわけです。
ああ、人間関係って、ほんと、難しいですね。
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