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音程はお腹で取る

 分かりますか? 特に下降音形の場合、だらしなく下降する(そんな事をするのは私だけ?)のではなく、1音1音、しっかりお腹で支えながら下降しましょうってことで、それを称して「お腹で音程を取りましょう」ってことになります。

 「うつろの心」の11小節目(歌に入って3小節目」の「brillar la gioventu」の「la」の三十二分音符でファミレド[移動ド唱法]をスラーで下りてくる箇所がまさにソレ。[2008年9月24日一部訂正

 速さもそれなりにあるので、なんとなく雑に「ファミレド~」って下降してしまいがちなんですが、それではダメで、きちんと一つ一つの音が、たとえ時間的に短くても、きちんと音を正しい音程に当てていくために、きっちりお腹で1音1音支えて歌いましょうって注意されました。もっともなことです。

 フルートだったら、細かいスラーなんて、何も考えずに指だけ、パタパタパタパタと動かせばいいところなんです(それはちょっと言い過ぎ>自分)が、声楽だと、そこできちんと気合を入れて丁寧に確実にお腹で支えてゆきましょうってわけです。

 「うつろの心」はそれ以外にも、結構細かい音符(大抵は装飾音符ですが)が多いので、一つ一つきちんとお腹で音程を取りながら歌わないといけないので、お腹をいいかげんにして歌うことの多い私にとっては、いい課題の曲でございます。

 最近は、脱力をメインに頑張っている私なのですが、脱力を心がければ心がけるほど、息の支えとか、背筋の動きが気になる私です。

コメント

  1. sigma0201 より:

    息で支えて32分音符のスラー…
    テューバでやったのはチャイコフスキーの「1812年」の低弦部や、歌劇「ザンパ」序曲などが思い出されますね。
    ダブルタンギングも必要ですが、舌先のタンギングじゃ間に合わないのでまさにすとんさんおっしゃる通り「息で支えて腹筋で息を切る」ことが必須となります。

    私の場合は腹筋を使って「ファクッ」というパルスをマウスピースから先に送り込んでやるイメージでしたね。中学のときにマーチ「双頭の鷲の旗のもとに」の転調部分で苦労して身に着けたんだったかな?

    イメージとしたら、直径4~5cm、長さ1mくらいの太目の水道管を片手で持って片方の口を手のひらでポンと叩く、すると「ポン」といい音と空気パルスが反対側の口から出るでしょう。
    (やったことなければ30cmのアルミホイルとかラップの芯を2本つないだものでやってみてください)
    叩く手を素早く「ぽぽぽぽ」とやれば空気パルスも「ポポポポ」と出てきます。

    あれを自分の気管にイメージを置き換えてもらって唇から「ポポポポ」と舌を使わないタンギングで息を切ることができればいいんじゃないかな、と自分は考えております。
    …うまく伝わりますかなー?

  2. すとん より:

    >sigma0201さん

     はい、伝わります。まさに太目の水道管をポポポポポ~っとやるイメージです。それをやるために、どれだけ自分の背筋の運動性を良くし、どれだけ背筋の筋力を強くするか…。そこが勝負だと思ってます。

     一応、お分かりだと思いますが、今日の記事は、声楽の話なんです。イタリア古典歌曲の歌い方の話。とは言え、管楽器と声楽はともに息で音楽を作るという点は同じなので、テクニックも共通している部分があります。もちろん違う部分もあるのですが…。でも、ジャンルが違う人からの、思いもかけず核心を突いた助言話は、得ることが大でおもしろいです。

     おそらくフルートであれば、当該箇所にはスラーもかかっているので、フィンガリングで克服できる箇所だと思うのです。でも、声楽ですから、フィンガリングではなく、専ら“腹式呼吸”で乗り越える話になってしまうのです。おもしろいでしょ。

     呼吸の件は、やはりチューバでも、水道管のイメージを使うんですね。おもしろいです。キング先生(私の声楽の師匠)もよく、水道管とか、太い筒とかでイメージを伝えようとします。

     記事のカテゴリーはきちんと分けてますが、毎日トップページで記事を読んでいる方には、フルートと声楽の違いが時折分かりづらい事になっているようですね。申し訳ない。次回からは気をつけます。

     でも、声楽と管楽器って、違うように見えて、結構通じ合う部分もあるので、両方に(浅くですが)足を掛けている私には、とてもおもしろい関係なのです。

     蛇足。フルート奏者からソプラノに転向する人って、案外多いですよお~って噂話を聴いたことがあります。噂話なので、真実は知りませんが、まさにありそうな話だなあと思います。だって、結構テクニック的に共通している部分も多いですからね。

  3. あゆみ より:

    え!lagio ventu じゃなく brillar la gioventu (若さ輝く)ですよ。ブリッラ−ル ラァァァ(ファミレド)ジョベントゥのはずだけど。昔習った曲なのでうろ覚えだけど。

  4. すとん より:

    >あゆみさん

     あ~? あ! 本当だ、譜面見ながら書いたのに、間違えてるよ。あゆみさん、正解! 訂正させてもらいます。ありがとうございました。

     しかし、譜面見ながら書いたのに、間違えるってどうよ>自分

     それに、この曲、しっかり辞書ひいて、全部の単語確認してるのになあ…。根本的なところで、イタリア語が分かってないから、こういう間違いをすると思うと、ちょっと悲しいです。

     ちなみに私のイタリア語は、NHKテレビのイタリア語講座を常に三カ月程度で挫折する程度です。ダメっすね。でも、ドイツ語は一カ月もちません。フランス語は最初っからダメだから、これでもイタリア語は得意(大笑い)な方なんです。

     低いレベルの話で申し訳ない。笑ってやってください。

  5. sigma0201 より:

    あらごめんなさい。
    すとんさんがここで書かれてるのが声楽について、というのは読み取った上での発声に関してのコメントのつもりだったんですが、こちらも言葉足らずですみませんでした。

    私は、声楽は高校のときの音楽の先生が声楽の人で授業50分の30分はコールユーブンゲン、(残り20分は教科書)というところしか声楽はやってませんので人に何か伝えるところまではいかず、自分の言葉ではどうしても管楽器、それも金管主体の話になってしまいます。
    その先生に授業で音楽習って定時後は吹奏楽部の練習見てもらって、という高校時代でした。

    すとんさんおっしゃる通り、基本の息の支え方は声楽も管楽器も同じですが細部では異なる、ということはもちろん承知しております。
    と書きながらその先生に教わったおかげかどうか、私の中ではあんまり区別されていません。(ヲイヲイ)\(・・)
    高1のとき、2学期終わる頃までは私も立ち姿勢はだいぶ「手を当てて」直されました。私だけじゃなくクラス全員ですけど。
    最初は直されるとかえって苦しかったものですが2学期終わる頃には楽に歌えるようになったのを覚えています。でも高2になってもよく姿勢直されてる奴はいましたねー。
    呼吸法に関してはテューバ吹きだったせいか私はほとんど注意されませんでした。姿勢だけでしたね。

    あと私も「太い水道管」(もっと進むと土管=ドカーン!になりました)は高校の先生から教わった話でしてキング先生も「水道管」ということは声楽の先生って皆水道管や土管でイメージ伝えるんですかね?(笑)
    イメージとしては当時非常によく伝わりましたけど。

    私自身は演奏から離れてもう20年近く経ちますので現役で続けておられるすとんさんがうらやましいです。はい。

  6. すとん より:

    >sigma0201さん

     高校の授業50分のうち30分がコールユーブンゲンと言うのは、かなりうらやましいです。一般庶民にとって、音楽の基礎教養って、学校でしか身につけられませんからね。学校でしっかりやってもらえると、その後の人生が豊かになりますから。そういう意味では、私の場合、あんまり恵まれていなかったような気がします。なので、子供の頃は、(リコーダーはともかく)歌の歌えない子でした。

     音楽の授業に関しては、学校(というか、音楽教師)による差が(たぶん今でも)大きいのだと思います。特に公立学校の場合は、学校も先生も選べないので、これは全く運としか言えません。

     それはともかく…

     歌も笛も、私は再チャレンジ組ではなく、新規参入組なんですよ。歌は合唱を(大人になってから)ちょこっとだけやってましたが、合唱と声楽は、やはりかなり違う部分がありますので、一応別扱いに考えてます。

     新規参入組の立場から思うに、やはり学生時代に楽器や歌に親しんでいた人がうらやましくて仕方ありません。比べても仕方がないので比べませんが、やはり若い時でないと身につかない何かというのがありますからね。

     私は学生時代は柔道をやっていました。もう30年以上真面目に取り組んでいませんが、それでもたまに道着を着て、ちょっとした乱取り程度をすることはありますが、若い時に身につけたことって、案外、身体が覚えているものなんですよ。何も考えずとも、今だに受身は取れますし、(キレは鈍ってますが)技もポンポン出てきます。大人になってから始めた人とは、そのところは、やはり違います。

     歌や楽器も、おそらく同じようなことなんだろうと思うので、うらやましいと同時に、そういう人の話から学ぶことも多いです。

     ま、人生いろいろ、人それぞれ、ってことで。

  7. みるて より:

    「管楽器」の息と「声」の息はかなり近いようですよ。
    メトロポリタン歌劇場でも活躍しているマリエッラ・デヴィーア(ソプラノ)は発声がすばらしく美しいといわれているのですが、
    彼女の発声の美しさはご主人がトランペッターで発声を一緒にトレーニングしたり、アドヴァイスがあったからだといわれているんですよ。
    だとするとフルートも歌の上達に一役かっているんではないですか???

    早いパッセージほど喉では作れませんよね。
    難しいですが、わたしはそういうものこそリップロールで練習しています。
    お互いがんばりましょうね、歌。

  8. すとん より:

    >みるてさん

     歌も管楽器も、息の基本の“キ”という部分では、確かに共通する部分が多いと思います。歌ではそれなりに息もできているんじゃないか(?)と思っている私ですが、フルートになると実は全然ダメなんです。ってことは、つまり、息の支えという点に関しては、実はまだまだだということの証ではなかろうかと思ってます。もっとしっかり、練習に励まないと…。

     リップロールは、最近、たまに遊びでやってみるのですが、難しいですね。息のささえと、クチビル周辺の脱力が同時にできてないと、うまくできません。大きな声が出るわけではないので、ハミング同様、いつでもどこでもできる練習の一つですね。

     ハミング同様、毎日やれば、絶対いい結果がでそうな気がする、練習です。いやいやホントに、私も忘れなければ(ここが肝心)毎日やろうっと。

     ブログの印象では、フルートばかりやっているかのように見えますが、毎日、きちんと歌の練習もやってますよ(笑)。私の中では、「歌が専科、フルートは副科」ですからね。

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