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楽譜が読めないと、音楽を始めてはいけないのか?

 知り合いと話していて、こんな事を聞きました。

 「私は、本当は吹奏楽をやりたかったんだけれど、楽譜読めないから、やんなかったんだよね」

 もちろん、中学校あたりの部活の話です。楽譜読めないから吹奏楽をやらなかった? そんな馬鹿な! と思うと同時に、そう考える人もいるんだな…とも思いました。それにこんな話は、今回が初めてではなく、機会あるごとに、ちょくちょく聞きます。

 楽譜が読めないと、音楽を始めてはいけないのでしょうか?

 もちろん、楽譜は読めないよりは読めた方が絶対にいいです。これは断言しますが、じゃあ読めないからと言って音楽を始めてはいけないのか言えば…それはちょっと違うような気がします。

 まず、乱暴な話ですが、音楽をポピュラー音楽と日本伝統音楽とクラシック音楽の3つに大きく分けて考えてみます。

 ポピュラー音楽に関して言えば、楽譜は読めた方が良いですが、読めなきゃ読めないなりにやれます。実際、プロミュージシャンにだって楽譜の読めない人は大勢います。楽譜の読み書きよりも、コードが分かる方が大切だし、耳コピできるほど耳が良い事の方が全然大切です。各種教則本も、楽譜が読めない事を前提に書かれていたりしますし、楽譜が読めない事が音楽を始められない理由にはならないと思います。

 日本伝統音楽に関して言えば、楽譜が読めなくても全く問題ないと思います。と言うのも、日本伝統音楽で使われる楽譜は、いわゆる五線譜ではないので、音楽を始めると同時に、その音楽で使われる楽譜の読み書きを習うからです。なので、楽譜(五線譜)が読めないからと言って音楽を始められない理由には、なろうはずがありません。

 さて、クラシック音楽ですが、このジャンルの音楽は、楽譜が読めることが演奏の前提にあると思います。なので、楽譜が読める事は必須です。しかし、最初の段階から、バッチリ楽譜が読めなければいけないのかと言えば、そうではないでしょう。

 誰だって、最初は初心者です。出来ないのは当たり前です。だから楽譜は読めなくて当たり前なのです。音楽を学びながら楽譜を読めるようになれば、それでいいのです。最初から楽譜が読める必要はありません。

 というわけで、一般論として、音楽を始めるにあたって、楽譜が読めなければならないという事はなく、楽譜が読める事が前提の音楽であっても、それは音楽を学びながら楽譜の読み書きを学べばいいだけの話で、楽譜が読めなくても、音楽を始めたいという志があれば、どうにでもなるはずです。

 だから、私の知り合いのように、中学生レベルの吹奏楽で楽譜が読めないからと言って、吹奏楽を始めなかったというのは、吹奏楽をやらなかった理由に「楽譜が読めなかったから」という言い訳をしているだけで、本当に吹奏楽をやりたかったのなら、楽譜が読めなくても、吹奏楽の世界に飛び込んだと思います。

 要はやる気の問題で、やる気がそれほど無かった事を楽譜が読めない事に、問題をすり替えて、言い訳をしていただけね。

 一般論としては、楽譜が読めなくても音楽を始めていいとは言えるのだけれど、オトナが趣味として、吹奏楽とか合唱とかを始めるとなると、話は少しややこしくなるかもしれません。…と言うのも、あなたが入団したいと思う団のレベルによって、そのあたりが変わってくるからです。

 たとえ趣味とは言え、オトナの団体ともなると、目指しているレベルがあります。団員は皆、ある程度の演奏力があり、新人にも即戦力を期待しているような団に、楽譜が読めない人が入るわけにはいかないでしょう。

 しかし、音楽は二の次で、親睦優先の団体なら、新人歓迎だし、楽譜が読めない人にも親切な対応があるので、そういう団体なら、楽譜が読めなくても入団できます。

 これから音楽を始めたいという、割と真面目に考えているオトナに対しては、親睦系の団体は合わないでしょう。となると、楽譜が読めないとチャンスが得られませんから、まずは楽譜の読み書きくらいでできる必要があるでしょう。

 もっとも、楽譜の読み書きができる団体は、そもそも音楽経験がある程度ある事を見越していますし、経験者しか入団できないケースも多々あります。ならば、その団体に入る前に、音楽経験を積む必要があるわけだし、個人レッスンを受けておく必要だってあるかもしれません。

 オトナになってから、音楽を真面目に始めるのって、実は大変な事なのかもしれませんね。別にプロになるわけでもなければ、音大に進学するわけでもなく、ただただ個人の興味関心だけで真剣に音楽を学ぼう…というのは、周囲に理解してもらいづらいし、何より世間の俗事が真面目な学びの妨げになりやすいし…ねえ。

 

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