スポンサーリンク

無人島に持ってゆきたいCD ベスト3(オペラ編)

 お盆休み特別企画で~す。

 要するに「すとんの究極のお薦めCDベスト3(オペラ編)」というわけです。この後に「声楽曲編」と「器楽系クラシック編」と続けて、最終的には「すとんの究極のお薦めCDベスト10」になる予定です。

 一応、お薦めの基準を示しますと…。

 1)とにかく大好きなCD。評論家が何と言おうと、好きで好きでたまらないCDであること。当たり前の基準ですな。

 2)実際にCDを私すとんが所有していること。何しろタイトルが「無人島に持ってゆきたい」なので、他人に借りて聞いたものではなく、現物を所有していることが肝心です。

 3)現在廃盤でもOK。何しろ現物を持っているわけですから。一応輸入盤があればアマゾンへのリンクもしてますが、ない時はごめんなさいネ。

 4)組物でも1枚と数える。レンタルCD屋さんと同じ発想ですね。

 「ベスト3」とか「ベスト10」とか言っても、登場順と順位は関係ないです…というよりも、順位付けは特に考えてません。クラオタは何かと言うと、すぐに順位付けたがりますが、演奏者の気持ちを考えると、順位付けなど私にはできません。ただ、今の私が「無人島に持ってゆくなら…」という状況の時に「選ぶならコレかな…」程度の話です。

 来年になったら、ピックアップするCDも変わっているかもしれませんしね。

 それでは始めます。で、今日はオペラ編です。

 まずはこれです。

クライバーの「椿姫」
   作曲:ヴェルディ
   指揮:カルロス・クライバー
   管弦楽:バイエルン国立管弦楽団
   ヴィオレッタ:イレアーナ・コトルバス(ソプラノ)
   アルフレード:プラシド・ドミンゴ(テノール)
   アルフレードの父:シェリル・ミルンズ(バリトン)

 定盤すぎてごめんなさい。でも、いきなり国内盤は廃盤ですよ、参りましたね。もう我が国では、オペラはDVDの時代なのかもしれませんね。とりあえず輸入盤でリンクを貼りました。でもね、曲といい、演奏といい。私、このCDが大好きです。特に、悲しくて、はかない感じのコトルバスのヴィオレッタが大好きです。

 「椿姫」と言うと、やはりマリア・カラスを外せませんが、私の中のヴィオレッタはコトルバスなので、たとえカラスと言えども、なんか違和感を感じるほどです。それほど、このCDが好きということですね。オペラ初心者にもお薦めできます。

 あえてこのCDの欠点をあげると、テノールのドミンゴが立派すぎることかな? ここのテノールは、少し頼りなげの歌唱が求められていると思うし、ドミンゴも頑張って頼りなげに歌っているものの、やはり声がかっこ良すぎて…。残念です。その点以外には、不満はありません。

 次はこれです。

カラヤンの「カルメン(新盤)」
   作曲:ビゼー
   指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン
   管弦楽:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
   カルメン:アグスネ・バルツァ(メゾ・ソプラノ)
   ドン・ホセ:ホセ・カレーラス(テノール)
   エスカミーリョ(闘牛士):ホセ・ヴァン・ダム
   ミカエラ:カーティア・リッチャレッリ(ソプラノ)

 カラヤンの「カルメン」でも、レオンタイン・プライスの歌う方ではなく、バルツァの方です。

 実は、これには悩みました。「カルメン」は無人島に持ってゆきたいCDなので、すぐに曲は決まったのですが、具体的なCDを決める段階で、これにするべきか、あるいはマリア・カラスの「カルメン」にするべきか、最後の最後まで悩んだ結果、総合的な判断でこれに決めました。

 このCDは、まず主役を歌うバルツァが最高。バルツァの歌うカルメンは、カラスよりも、ずっと下品で、アバズレで、そしてタフでしたたかな女です。物語をグイグイ引っ張ってゆく女です。

 対するテノールのカレーラスがまたまた最高。カルメンに翻弄され、巻き込まれ、人生を棒に振る、そんなダメ男を見事に歌ってます。とりわけ、テノールの名アリアである「花の歌」は絶品。ppの美しいことと言ったら、そりゃもう…。

 闘牛士のダムの歌唱も立派。ミカエラのリッチャレッリも立派…なので、困っちゃいますね。ミカエラは立派というよりも、か弱い感じでないといけないのですが、リッチャレッリのミカエラは少々気丈な感じがしてしまいます。ここがこのCDの弱点かな?

 オーケストラも盛大に鳴り響き、派手な印象で、いかにも「カルメン」って感じのCDです。これもオペラ初心者にお薦めできますね。

 最後はこれです。

ショルティの「魔笛(旧盤)」
   作曲:モーツァルト
   指揮:サー・ゲオルグ・ショルティ
   管弦楽:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
   夜の女王:クリスティーナ・ドイテコム(ソプラノ)
   パパゲーノ:ヘルマン・プライ(バリトン)
   タミーノ:ステュアート・バロウズ(テノール)
   ザラストロ:マルッティ・タルヴェラ(バス)

 同じショルティの「魔笛」でも、スミ・ジョーが夜の女王を歌っている新盤ではなく、ドイテコムが歌っている方です。

 とにかく、ドイテコムの夜の女王と、プライのパパゲーノです。これにつきるCDです。これだけ書いたら、もうそれで十分って感じのするCDです。とにかく、ドイテコムの超人的な歌唱とプライの名人芸。もう、これだけでお腹一杯になれるCDです。

 もちろん、他の歌手たちにも、これと言った弱点はありません。皆さん、美声だし、端正な歌唱スタイルだし、キャストの力量のバランスもグッド。あえて弱点をあげると、録音が古いかな…ってところでしょうか? 録音自体は優秀な録音だと思いますが、いかんせん、時代の好みというのがあって、空気感が少し昔っぽいのが弱点と言えば弱点かな?

 以上が、私すとんが無人島に持ってゆきたい、オペラのCD、ベスト3でした。イタリアもの、フランスもの、ドイツものと、案外バランスいいなあ、ワシ。

 もちろん、これ以外にも、大好きなオペラのCDはあるのだけれど、それはまた次の機会に。特に大好きな、マリオ・デル・モナコのCDが1枚も入らなかったのは残念。ああ、残念。

 でも、こうして見ると、さすがオッサン、やっぱり選択するCDが少し古いですな。若手の現役のオペラ歌手のCDも聴くのだけれど、なかなかどうして、ベスト3となると、入りづらいですね。

 明日は、声楽曲編です

[2008年9月17日追記] ココログのサービスに「帰って来た トラックバック野郎」というのがあるのですが、おもしろそうなので、この記事をトラックバックとして送ってみました。「トラックバック野郎」って何? って方は、こちらをどうぞ。

コメント

  1. Cecilia より:

    コトルバスのヴィオレッタは女性のアリアばかりのCDで聴いたような・・・。
    ドイテコムの夜の女王もそうですね。
    定番であっても通して見たものは少ないです。
    バルツァのカルメンは是非見てみたいです。
    カレーラスがホセですし♪
    確かにミカエラがリッチャレッリってきつすぎますよね!
    うちにあるDVD(カルメンがオッター)のミカエラはなかなか好みの雰囲気で声なのですが、体格が良すぎるのが残念!
    そういえば最近姉が仕事でベルリンに行って「エレクトラ」を観たそうですが、バルツァが出ていた・・・と言っていました。(うらやましすぎる・・・)

    朝方の夢になぜかすとんさんが登場していました。
    私の想像とは全く違うお顔でしたが・・・。

  2. すとん より:

    >Ceciliaさん

     バルツァ&カレーラスのカルメンはDVDにもなってますね。DVDの方は指揮がレヴェインで、エスカミーリェがサミュエル・レイミーです。

     映像で見ると、カレーラスのホセはまさに、はまり役って感じですよ。DVDの方も、私は好きです。

     このDVDは、私の中では、マゼール指揮の映画版(珍しくドミンゴが情けない演技をやってます)と甲乙付けがたく感じています。…映画化されたオペラって、大好きなんです。

  3. あゆみ より:

    始めまして。松尾先生のページからこちらのブログを見つけここ2,3日で一気に読ませていただきました。
    とてもお勉強になり楽しく読ませていただきました。私もフルートを遊びで始めて半年・・・最初は似たようなことで悩んでいたものだと。(ちなみに声楽も以前やってました。)
    コトルバスの全曲版はLPレコードだった時代に持っていました。はかなげ(少々暗い声)なところがぴったりですが、やっぱり私はカラスが好き!カラスならもうもう何でもよいのです!
    私は関西なのですが関西でベルカントを指導してくださる先生が見つからないのでうらやましい限りです。(以前はドイツ式で習いました)
    フルートの楽器買い替えも私も悩みまして先生を楽器やに引っ張って行きあれこれ試奏していただきました。Y社に限っていえば全部洋銀の8万くらいのものでも頭部のみ銀の20マン弱のものもほとんど買い換える意味ないと思ったほど違いありませんでした。全部洋銀から「変わった」と思えるのは40万の全部銀のもの・・・これは音色の柔らかさが一目瞭然というほど違いました。頭部だけ銀のモデルでもメーカーにもよると思います。
    私は結局ムラマツにひかれているのでそっちにするかもしれませんが・・・・。

  4. すとん より:

    >いらっしゃいませ、あゆみさん

     実は先日、またフルートの試奏に行ってきました。今度はグレード別の吹き比べなどをしたので、詳しくはそのうちアップする記事をご覧になっていただくとして…。

     全部洋銀から管体銀までは、多少の音色の変化はあるものの、やはりそれは微々たる違いで、一番大きな違いは、総銀かそうでないかという違いだと思います。その点は、あゆみさんと同意見です。

    >私は結局ムラマツにひかれているのでそっちにするかもしれませんが・・・・。

     ムラマツ、いいですね。ここのメーカーの欠点は“高めの価格設定”ですね。それ以外には特に大きな欠点はないと思います。ですから、財布に余裕があって、楽器と自分の相性さえ合えば、最高だと思いますよ。

     私もムラマツ、好きです。

    >私はカラスが好き!カラスならもうもう何でもよいのです!

     分かる分かる…。実は、私もカラス大好き。と言うか、声楽をやっている人でカラスを無視できる人はいないと思います。それくらいカラスって、すごい歌手だと思うし、本物の歌姫で、本物のディーヴァだと思う。

     最近、テレビなどで若手(?)のちょっと売れているポピュラー系の女性歌手を『歌姫』だとか『ディーヴァ』だとか言って、持ち上げるのを見聞きします。そう言っている人にカラスの歌を聴かせてやりたい気分になることがあります。

  5. あゆみ より:

    こんにちは。ヴァルツアのカルメンも昔買ったものが見つかり昨日聞きました。(抜粋版ですが)抜粋なので主要な場面だけしか聞いていないですが女女したカルメンでよかったです。ヴァルツアの声が女らしい声だったのが意外でした。今まで聞いたものではもう少し暗めの声だったのですが、おそらく役作りなのでしょう。

    フルート楽器選びの記事楽しみにしています。うちの先生によると総銀を吹きこなせると(鳴らすのに息がいるらしい)どんな素材でも吹きこなせるから早いうちに総銀で練習した方がよいそうです。確かに9Kは鳴りやすいから女性や高齢者向けなどいいますね。私もがんがん練習したいですが何せ時間がなく思うようにされえないのがイライラの種になってます。防音室(アビテックス)にしてますがやはりフルートはうるさいので晩10時が限界ですし・・・。

  6. すとん より:

    >あゆみさん

     色々とフルートを吹いてみて思ったことは、初心者のうちにきちんとした笛で練習することは、後々のことを考えると、とても大切なことだと思うようになりました。「きちんとした笛」であって別に高価な笛という意味ではありません。

     可能なら、信頼のおけるメーカー品で総銀のリング式で練習できたら良いでしょうね。でも、現実問題として、初心者の練習用フルートにどれだけのお金をかけられるかと言った難問があります。

     もっとも私の場合は、大人なので“大人買い”という必殺技があるにはなるのですが…、大人買いは自分にダメージが強い技なので、なかなか使えません。

     ちなみにウチはアビテックはないので、夜8時を練習終了の目安にしてます。

  7. あゆみ より:

    うちのアビテックスは発売当初くらいに買った年期が入ったものですが、このごろは防音室のレンタルもやってるみたいですよ。管や声楽なら広さは必要ないので安いのではないでしょうか?

    フルートなんですが、私の先生によりますとある程度レベルが上がらないと自分の好みの音(もちろん自分の持ってる音の範囲で)がわかってこないとのこと・・・なのでビギナーの段階で(私もビギナーだけど)大人買いされるならこれもレンタルの方がよいのではと思います。吹き込んでるうちにその楽器が気に入れば残りの期間の分を払えば自分のものになりますもの。

  8. すとん より:

    >あゆみさん

     アビテックいいですね。でも私、無音室とか無響室とか、実は苦手なんですよ。大学で聴覚の勉強もやっていたので、研究室レベルの無音室のお世話になってましたが、それがトラウマになっているみたいです。それにデブだから、狭いところキライだし…。

     てなわけで、防音室導入ではなく、早めに練習を切り上げる生活を選択しました。あと、本当にアビテックを導入したら、私、家族との触れあいも何も無しで、ずっと音楽の練習をしちゃいそうで…それじゃあ、ダメじゃんってことです。

  9. YOSHIE より:

    今月、ムービープラスで『魔笛』(オペラ映画?)やってますが、御覧になられました??・・・・まだならオンデマンドで・・・では、“I’ll be Bach !!”(え〜と、ミエミエの受け売りの受け狙いです…)

  10. すとん より:

    >YOSHIEさん

     へえ、ムービープラスで魔笛をやっていましたか。チェックすらしてない(汗)。映画版だとしたら、スウェーデン語版と英語版の二種類の作品が作られていたと思います。スウェーデン語版は名作と誉れが高いですが、あいにくと見たことがありません(だって、スウェーデン語なんだもん)。英語版の方は最近製作されたもので、こっちは劇場へ行って見ました。

     映像による魔笛だと、私は80年代に収録された、サヴァリッシュ指揮のバイエルン歌劇場版がお気に入りです。サヴァリッシュという指揮者が好きなのと、こっちは原語歌唱(ドイツ語)だしネ。

タイトルとURLをコピーしました