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声楽の効用 その8[最終回] インナーマッスルが鍛えられ、ちょっとした体操の代わりになる

 この連載も、間にラ・フォル・ジュルネが入ったりして、最近はなんかグダグダになってきたので、終わらせることにしました。やっぱり連載ってのは、ある程度の期間内に集中的にやらないとね…。ちなみにこの「声楽の効用」シリーズは「その他」のカテゴリーにまとまっていますので、過去ログをご覧になりたい方は、そちらでどうぞ。

 さて、声楽の効用の最終回ですが、やはりオジサン目線では「声楽をやると健康になる!」と言いたいです。

 声楽って、実は運動量があります。もちろん、スポーツほどではありません。また、体を鍛える側面もありますが、だからと言ってムキムキの筋肉マンになれるわけでもありません。

 声楽で鍛えられるのは、主に呼吸を司る筋肉と体を支える筋肉。手足を動かす筋肉ではなく、俗に言う「インナーマッスル」という奴が鍛えられます。

 これが結構きます。良い声を出すには、うまい具合に体を緊張&弛緩させていかなければいけません。また普段は使わない筋肉を使わなければいけませんから、最初は筋肉痛との日々も待っていますし。あと、見た目以上に疲れます(笑)。いやあ、全身で声を出すって、やっぱり“全身運動”だなあと思います。マイクの偉大さをヒシヒシと感じます。

 でも、そうやって体を鍛えて行けば、肺活量も驚くほど増えるし、姿勢も良くなる。立ち仕事も全然苦でなくなる。結構いいです。あと、姿勢もよくなりますよ。

 そうそう、声楽家には恰幅の良い人がかなりいるけれど、あれはこの適度な運動量が原因ではないかしらと思います。そこそこの運動は体を目覚めさせるもの。歌うとお腹が減ります。しかしいくら体を使うとは言え、やはりスポーツほどではありませんから、そこでスポーツ選手並に食べてしまうと…、結果は見え見えです。

 姿勢が良いと若々しく見えるし、しっかり呼吸ができるのは、生きる基本です。だいたい人間、弱ってくると声も弱くなります。あれは呼吸の問題でしょうね。だから、呼吸筋を鍛えると、人間たるもの、弱々しくならないのです(最後の部分は暴論かもしれません)。

コメント

  1. soran より:

    声楽は心身にいいと聞いていたので
    いつかは(老後?)は声楽を楽しみたいと思っていました。やはり、体にいいですかぁ。
    普段、背中や横隔膜、喉を意識することなんてないですから、意識するってだけでも体によさそう。
    声を出す(大きな?)というのは私の場合、ストレス解消にいいです。

    そういえば、声楽のジョイントコンサートの楽屋である方が「声楽家の練習は奇声を発しているから通報されやすいんだよォ!はっはっは」なんて仰っていました。それを聞いて、「・・・かも。」と思ったわたくしであります。ピアノの練習も同じですね。曲には聞こえない、飛びの練習あたりなんかは不快な音の羅列
    ですよね。「やかまし~ィ!」ですよね。きっと。
    高3の時、50メートル離れた隣家の子どもに「おばちゃんち、やかましいなぁ~」って言われた。( 」´0`)」オォーイ、高3だぞぉ、おばちゃんじゃないぞぉ~

  2. すとん より:

    >soranさん

     声楽が体に良いことは私が保障します。鍛練ですから、最初のうちは筋肉痛などに悩まされるかもしれませんが、決して激しい運動ではありませんし、呼吸とか姿勢維持とかの、より元気に生きるための筋肉を鍛えてゆきますので、老後にバッチリかもしれません。

     実際、合唱などをやっているジイさまバアさまたちの元気なこと、元気なこと。あれは毎週、大声出しているからだろうと思ってます。実際、死ぬまで元気なお年寄りがたくさんいるのが合唱界ですからね。

     奇声は…確かに毎日あげてます。システマチックな音列でなくても、声がある程度できてくるまでの歌は、やはり騒音でしょうし、音がきちんと取れていない段階での歌唱も同様でしょう。鍵盤叩けば、常に正しい音程で(ある程度)美しい音が鳴るピアノとは、そこらへんが根本的に違います。練習不足や未熟なままの歌唱は騒音にしかなりません(涙)。そういう意味では、弦楽器の練習風景に近いかもしません。

    >高3の時、50メートル離れた隣家の子どもに「おばちゃんち、やかましいなぁ~」って言われた。

     私も小学生の頃、近所の八百屋さんでバイトしていた、女高生のお姉ちゃん捕まえて「おばちゃん!」って呼んでいましたよ。おばちゃんこと女子高生は、いつも苦虫つぶしたような顔をしていたけれど、今になってみれば、ひどい言い方だったんだなあと反省。でも、男子小学生から見れば、女子高生も友達のお母さんもほとんど一緒に見えるから、やっぱり“おばちゃん”なんだと思う。

  3. みるて より:

    ほんとうに、声楽はインアーマッスル鍛えられますよね。
    筋肉痛も体の内側がいたくなります、わたしは。。。

    そして、奇声。。。ねぇ(笑)
    わたしは、普通の人が聞いたら絶対絶対声楽の練習をしているとは思えない「音」を出してます。
    ええ、声にすらなってません(爆)
    しゃっくりしたり、
    うなったり、
    唇震わせたりしています。
    楽しく歌えたらいいですよね。

  4. すとん より:

    >みるてさん

     そうそう、体の内側の筋肉が痛くなりますね。私はよくレッスンの時に、脇腹から腰にかけての深いところが釣ります。あと、頭の中が筋肉痛になります。歌を始めるまでは、想像もしなかったところが痛くなるから、不思議ですね。

     うなるのと、クチビルを震わせるのは、見当がつきます(低音の練習と滑舌を良くする練習でしょ)が、しゃっくりは一体なんのため? もしかして、スタッカートの練習? 違うかな?

    >楽しく歌えたらいいですよね。

     ほんと、ほんと。他人が聞いたら騒音に聞こえるような練習も、当人にとっては、案外楽しかったりするから、これも愉快ですね。

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