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素人の発表会でよく耳にする歌曲 その2 「薔薇」

 さて、今回の「薔薇」もトスティ作曲の歌曲ですが、この曲はトスティの歌曲の中では珍しく、女性が歌うことが多い歌曲です…と言うか、テノールはあまり歌わない曲とも言えます。花の名前が曲のタイトルという事もあって、イメージ的には女性向けの歌曲?という気もしますし、実際、発表会等でもソプラノさんがよく歌っていて、実質的には、トスティ歌曲の中では、数少ない女性向けの曲という扱いになっています。

 という訳で、今回は、ソプラノの斎藤景さんが歌っているものを貼っておきます。

 今回の訳詞は、こちらのブログのモノです。

Una povera rosa è rinserrata
 哀れなバラは挟み込まれている
Nel tuo piccolo libro di preghiera:
 君の小さな祈りの本の中に。
Una povera rosa di brughiera
 荒れ野で積んだそのバラは
Che la lunga stagione ha disseccata.
 長い間に色あせている。

Chi te l’ha dato quel mesto fiore?
 誰がその悲しい花をくれたのか。
Qual ti rammenta sogno gentil?
 どんな優しい夢を君に思い出させるのか。
"Ahi," tu rispondi,
 ああ、君は答える
"Fugge l’amore!
 「愛は去って行く。
Fuggon le splendide sere d’april!"
 素敵な春の夕べは去って行く」と。

"Fugge l’amore!
 「愛は去って行く。
Fuggon le splendide sere d’april!"
 素敵な春の夕べは去って行く」と。

Or muta la contempli, e, d’improvviso,
 あるときは黙って見つめると思わず
Ti si vela di pianto la pupilla:
 君の瞳は涙に曇る。
Or, la baci, tremando, e disfavilla
 あるときは震えながら口づけすると
Su la tua fronte, un vivido sorriso!
 君の顔には明るい笑顔が輝く。

Chi te l’ha dato quel mesto fiore?
 誰がその悲しい花をくれたのか。
Qual ti rammenta sogno gentil?
 どんな優しい夢を君に思い出させるのか。
"Ahi," tu rispondi,
 ああ、君は答える
"Fugge l’amore!
 「愛は去って行く。
Fuggon le splendide sere d’april!"
 素敵な春の夕べは去って行く」と。

"Fugge l’amore!
 「愛は去って行く。
Fuggon le splendide sere d’april!"
 素敵な春の夕べは去って行く」と。

"Fuggon le splendide sere d’april!"
 「素敵な春の夕べは去って行く。
Fugge l’amore! "
 愛は去って行く」と。

 ううむ、歌詞を読んでみると、男性向けの歌のような気もしないでもありません…ってか、男性が女性に向けたラブソングでしょ、これ。そのうえ美しいメロディだし、私も歌ってみようかな…と思っても、トスティって名曲の宝庫なんですよね。この曲を歌うチャンスがあっても「いやいや、それよりも、こっちの曲やあっちの曲を歌うのが、先だな…」と思ってしまうわけです。つまり、テノールにとってはこの曲、歌う優先順位がかなり低くならざるをえないわけで、結果として、女性歌手がこの曲を歌っているのが目立ってしまうのだと思います。

 まあ、女性が主に歌うトスティ歌曲というのもあっていいので、この曲は女性の皆さん方にお譲りすることに致します(笑)。

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コメント

  1. 椎茸 より:

    女声だと、「O mio bambino caro」とか頻出な気がします。
    わたしは、歌うのも聴くのもそんなに好きではありませんが・・・

  2. 椎茸 より:

    ああ、「歌曲」のお話でしたか。失礼しました。そうですね、Tostiは多いと思います。Sognoなども多いかな?

  3. すとん より:

    椎茸さん

     Sognoは確かに多いですね(でも、今回、この曲は取り上げません。あしからず)。トスティは本当に多いですし、男性が発表会に出演していると、かなり多くの割合でトスティを歌っていますが…そもそも男性が発表会に出演している事自体が少ないので、発表会全体としては、そんなにたくさんトスティが歌われている…という印象にはならないのですね。

     つまり、それくらい、アマチュア声楽界では、男性歌手って珍しい存在だと言えるだと思います。まあ、合唱界でも似たような感じだそうで、伝統のある某大学も、元々は男声合唱団として歴史を始めたにも関わらず、時代の波に逆らえず、女声合唱団を併設したり、混声合唱団に組織替えをしたり、現在では女声団員が団の主体になってしまった…なんて話もチラホラですしね。

     日本では“歌う男子”自体が希少種なんだろうと思ってます。

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