フルートのレッスンに行ってきました。
とりあえず、いつものように、先生と姉様と三人でロングトーン練習をしました。軽くチューニングをしている時に「吹きすぎ!」と注意され、さらに「クチビルじゃなくて、お腹!」とも注意されました。確かに、最近、また手抜きでお腹をサボりながらフルートを吹いていたかもしれない…。
音程に関しては、反射板を直してもらった事もあって、そりゃあ、バッチグーでした。楽器の調整って大切ですね。
で、ミニヨン・エチュードの11番は…不合格。おぉ、今回こそは合格できると思っていたのに…。自分なりに、結構、バッチリのつもりでしたし、先生も今回で上げちゃうつもりだったのに、不合格になりました。
ひとまず、指が回らないとか、音が止まるとか、そういう問題ではなく、フルートのテクニック上の問題とか音楽的な問題とかで、不合格になりました。
まずはタンギングとか息の問題で注意を受けました。特に激しいのは、スタッカートが付いている部分。これは無自覚なのですが、スタッカートの部分をタンギングのみならず、イチイチお腹で息を切って演奏しているので、息は出しっぱなしで、タンギングだけでスタッカートを表現するように言われました。これは(私には)難しい…頑張らないと。
息は波打っているので、一つのフレーズは一息で吹いているように感じさせるように、素直な息遣いでフルートを吹くように言われました。うう、これも難しいです。
音楽的な問題としては、フェルマータの処理。私の吹き方では、次に続くフレーズのアウフタクトのように聞こえるけれど、これはあくまで別フレーズとして、フェルマータの後に音楽が続かないように吹くこと。ボコ・ピウの部分のテンポ変化が中途半端(つまり、もっと速くしましょうって事)。二回目のプリモ・テンポに入る部分の、ブレスとかリタルダンドの具合(両方とも譜面には書かれていません)も、私のやり方では音楽的に唐突で不自然だと言われました。あと、相変わらず、メロディと伴奏の吹きわけが不十分だとも言われました。
次回までに、これらの問題をクリアできるか、私は!
ま、やるしかないので、やります。頑張ります。
「この曲は時間がかかってますね。きっとあなたには難しい曲なんでしょうね。でも、この曲をいい加減にして前に進んでしまうと、次に似たようなタイプの曲と出会った時に、また同じ失敗を繰り返してしまうわけだから、欠点は確実につぶしていかないとダメですね。もう少し頑張りましょう」と言われました。
そして励ますつもりだったのでしょうね「ほんと、人は様々ですね。難しい曲を簡単に吹いちゃうような人でも、意外に簡単の曲でつまづいたりと、普段は簡単な曲に苦労している人が、たまたま難しい曲をあっさりと吹きこなしたり…ほんと、人は様々ですね。色々なタイプの人がいるものです」とおっしゃいました。
ですから「先生から見て、私はどんなタイプの生徒さんですか?」と尋ねてみました。
「君は、音がキレイなんです。とても、キレイ。でも、息がダメ。息が途切れ途切れ、ちゃんと流れていないのです」と言って、私の吹きマネをしてくれました。確かにカッコ悪いなあ…。どうやら、ジャズフルートの癖が抜けきれていなくて、未だに無意識になると、1音1音、アタックをかけて吹いているんですね。それも無意識にやっているから、なんか中途半端でカッコ悪いのです。いっそ、ジャズスタイルで吹いた方がカッコいいくらいな中途半端さです。
つまり、私はブレスコントロールが、クラシック系フルーティストとしては、かなり稚拙って事ですね。
ちなみに、美点としてあげられた「音がキレイ」だって、私の手柄ではなく、単純にアルタスフルートそのものが美音フルートなだけですし…。とにかく、息ですね、息。
今回の雑談は、フルートの傷の話です。
私のアゲハには、実は大きなヘコミ傷があります。かなり大きくて、アゲハを見ると、誰もが気付くくらいに、大きな大きなヘコミ傷が頭部管の先っぽについてます。実は私が勢い良く、頭部管を机の角にぶつけて作っちゃったヘコみ傷なんですね(涙)。まあ、人間で言えば『眉間の傷?』って感じのヘコミです。『愛と誠』の誠くんのような傷です(って分かる?) まあ、持ち主である私は、そんなヘコみなど、ほとんど気にしてませんが、アゲハを見る人見る人が気にするんですよ。
で、その話を先生にしてみたところ、その傷を見せろと言うのです。
で、見せたところ、大きな声で「アッ!」と言いました。やっぱり、気になるんだね。
で、すぐに先生は頭部管のヘッドを外して、頭部管の中を見てくれて「…これなら大丈夫。問題無いよ」と言ってくれました。そう、このヘコみ傷は、反射板よりもずっとヘッド寄りなので、楽器としては全く問題にならないそうです。
まあ、私もそこは音には関係ないだろうと思って放置してました(笑)。
「傷がもう少し下だったら、直さないダメだったけど…」と言ってました。
「やっぱりフルートって傷ついたり、ヘコんだりしたら、直すべきですか?」
「外側だけの傷なら、問題ないけれど、ヘコみが内側まで来ていたら、修理に出して直さないとだめだね。まあ、あなたのフルートは、修理できるフルートだから、傷やヘコみは直せばいいけれど、世の中には修理できない楽器もたくさんあるから、なるべく傷やヘコみが付かないように気をつけないといけないね」
「修理ができないフルートって、どんなフルートですか?」
「メッキのフルートは、まず修理できないよ。だって、ヘコみを直そうとして叩くと、メッキが剥がれてしまうからね。あと、安いフルートもダメ。だって、楽器の値段に対して、修理代が高くて、見合わないから。それと、いくら修理できるフルートとは言っても、場所によっては修理できないヘコみもあるよ」とおっしゃって、ご自分のフルートを見せてくれました。おぉ、なんと、先生のフルートには、歌クチの向こう側の息が当たるあたりに、結構はっきりしたヘコみがあるじゃないですか?
「これは、まだ子どもが小さかった時の話だけれど、ある時、フルートをピアノに置いていたら、子どもがやってきて、フルートが気になったのだろうね、そのフルートに手を出してイタズラしそうになっていたので、注意したら、子どもがビックリして、その拍子に、ピアノの上にあった灰皿がフルートの上に落ちてきてねえ…」と言うわけで、付いてしまったヘコミなんだそうです。「自分の子どもがつけたキズだから、叱るわけにもいかず、かと言って、場所が場所だから修理もできず、仕方ないので、このまま使っているんですよ」との事です。しかし、実に大きなヘコみです。
世の中には色々な事があるわけだから、音に関係しないヘコみとか、外側だけについている傷とかサビとかは、あまり気にしない方がいいと言われました。
ま、私のアゲハのヘコみは、むしろ「すとんの楽器」という刻印のように考える事にしました。だって、このヘコみのおかげで、たとえ100本のフルートの中からでも、間違いなくアゲハを見つけ出すことができますからね。
でも、私のように、楽器のヘコみ傷すら気にしないという人間は、たぶん少数派で、普通の笛吹きさんは、楽器の傷どころか、自分の楽器を傷一つつけないように気をつけて、なおかつ、ピカピカに磨き上げるものです。
「あれも、善し悪しでね…。モノを大切にする心はとても良いのですが、楽器なんて、水分さえとって、指紋を拭き取っておけば、それでいいんだよ。磨きすぎると、むしろ楽器の調子が悪くなるんだよねえ…」とおっしゃってました。お手入れ用品のうち、特に某メーカーが出しているような、シルバークロスとかポリッシュとかワックスとか安価なオイルとかは“百害あって一利無し”とまで言い切ってました。理由を聞けば納得できますが、その理由はさすがにブログには書けないなあ…。とにかく、楽器のお手入れと言うのは、やればいいと言うのではなく、適切なやり方で適度にやるのが良いわけで、やりすぎちゃうと逆効果ってわけです。
ま、フルートなんて、使っているうちに、傷だらけになるは、サビて汚れてくるは…ってぐらいの気持ちでおおらかに過ごすのが、よろしいみたいです。
ああ、よかった。私はズボラだから、そんなに丁寧にお手入れしていないのですが、それがむしろ良いことだったと言うのは、いいですね。怪我の功名?って奴かな?
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コメント
その昔、確か、ムラマツの雑誌に書いてあった記事。
ムラマツの店頭で、小さなドライバーセットが売られていて、
1セットお買い上げいただくたびに、数日後、
修理のご依頼がくる、と。
( ̄□ ̄;)!!
皆さん、ご自分でメンテするつもりで、でも、壊しちゃうんですね。
私の銀のフルートは、磨きなんて一切なしで、真黒です。
( ̄▽ ̄;)
1曲づつ丁寧に見てくれる先生…良いですね(^^)
私の弱点は呂律がまわらない所、かな~。細かいタンギングが苦手です。
練習、頑張ってくださいね♪
桜子が来るまで使っていた「み~や」は、足部管に凹み傷がありますよ。
いつつけたのかわからないのだけれど、「エクボ」だと思っています 笑
桜子は右小指のキィをぶつけて…サイズは小さな点レベルだけれどハッキリした凹みが。。。
こちらは「ホクロ」だと思っています 笑
どんなに大切に扱っていても、使えば傷が付くのは当たり前。
音に影響するような傷は別として、あまり細かい事は…気にし出すとキリがありませんからね~。
でも、そうですか。メッキが施してある楽器は叩けないのですね。
み~やも桜子もメッキちゃんだから、気を付けます☆
operazanokaijinnokaijinoさん
>1セットお買い上げいただくたびに、数日後、修理のご依頼がくる、と。
なんか分かるような気がします。キーの調整とか、自分でできそうな気がしますもの。でもきっと、ここを直すと、あっちが動き、あっちを直すと、向こうが曲がり…の連続で、ドツボにハマってしまうんじゃないかな? で、改めて、プロに修理依頼って感じかな?
プロって、難しい事をサラとやっちゃうので、つい素人目だと「簡単じゃ~ん」って思ってしまうのだけれど、ところがドッコイですね。たぶん、フルートの調整って、シビアで細かい仕事なんだろうと思います。
>私の銀のフルートは、磨きなんて一切なしで、真黒です。
私は外見はピカピカで、中身は漆黒で…なんてフルートが理想なんですが、なかなか難しいです。ちなみに私のフルートは、白濁系の錆び方をしてます。
やこさん
1曲ずつ丁寧はいいのですが、その代わり、進みませんよぉ(笑)。私は停滞していても割と平気なタイプですけれど、教則本をスタスタ進まないといられないってタイプの人には、ストレスが溜まるレッスンだと思います。
『エクボ』『ホクロ』…いいですね。ウチのも『額のキズ』ではなく『エクボ』って事にしてあげような。頭部管だし、歌口の比較的そばだし。その方がかわいいですね。
>メッキが施してある楽器は叩けないのですね。
メッキが剥がれなければ叩けるのでしょうが、万が一、剥がれてしまった場合を考えると、職人さんが二の足を踏んでしまうんだろうと思います。結局、修理と言っても金工ですから、ハンマーで叩いて、凹んでいるところは打ち出し、出っ張っているところは伸ばすんだと思います。金や銀はまだ柔らかいでしょうが、洋銀は硬そうですから、大変でしょうね。
私のムラマツADはうかつにも、足部管の先の黒く変色した部分を研磨スポンジで軽く擦ってしまい、その跡がひっかき傷になってしまいました。
で、修理のプロが使う「3M™ ターニシールド™ 銀みがき」をネットで購入して磨いてみたところ奇麗になりました。
一本で283gもあるので、他も奇麗にしたいところですが、パッドに付着させるリスク、キーの調整が狂うリスクを考えたら怖くてできません。
親子丼を作ろうとスーパーで三つ葉を100円分買ったら、やたらと余ってしまった状態です。
厳格な先生から音が奇麗だと褒められるなんて素晴らしいですね。
やはり、音楽は細かく分解すると一つの音ですから、その音が奇麗に響く事が重要なのですね。
またいつか録音をアップされることを楽しみにしています。
え?私?私はそんな無謀なこと、できません。万年へっぽこですから。。。
funkyhassyさん
ムラマツADは、H先生曰く“修理できるフルート”ですね。だからと言って、プロ用の銀磨きですか? キレイにはなったでしょうが、少し笛の質量が減ったんじゃないですか?
私は音を誉められましたが、音だけですよ。演奏はダメですから(笑)。あと、フルートの音って、楽器の素の音の部分が大きいですから、音がキレイと誉められても、ちょっと素直な気持ちには慣れません。もっとも「音が汚い」と言われるよりも、100倍ぐらいはうれしいです。
>またいつか録音をアップされることを楽しみにしています。
そう言えば、最近、フルートの音源をアップしてませんね、それどころか録音してません。まあ、発表会とかあれば、その準備のために練習もして録音もアップしますが、その手のものがないので、録音したりアップしたりというチャンスがないんです。ご勘弁(笑)。
愛用の楽器に傷は残念ですが、音に支障が無い箇所ならば
すとんさんがおっしゃるように自分の楽器だと言う刻印みたいな感じで
一層愛着が持てる気がしますよね。
私もあまり神経質な方でないので音に支障の無い傷なら
自分の楽器の証と言う実感や、使い込んでいる感じが出ていて
それはそれでアリかな・・・と思います。
楽器も使ってナンボなので、音に支障のある傷には気を使いますが、
そうでない所では異常に神経質になるのもどうかな・・・と思います。
そう言う観点で行きますと、楽器では無いのですが携帯とか
ちょっとした傷とかやたらに気にするようなのはどうも好きになれません。
あれだって、通話してナンボなので、細かい傷なんてどうでもいいのに
と思っちゃいます。
最近はスマホとか画面が大きいので、画面が読みにくい程の傷が
無ければ他の部分はOKと言う感じです。
私はやたらに携帯を地面に落とすので傷だらけですが、
電話としてしかほとんど使わないので全然気にしてないです。
まだ携帯がそれほど普及していないころに仕事で携帯(自前の)を
使っていましたが、仕事で使うと言う用途だったので、
逆にピカピカで傷ひとつもない携帯は恥ずかったです。
携帯ピカピカ→傷がつかないほどに使っていない→仕事が忙しくない
みたいな感じでした。
ですから、敢えて乱暴に扱ってました(笑)
神楽坂さん
>仕事で使うと言う用途だったので、
逆にピカピカで傷ひとつもない携帯は恥ずかったです。
分かります。仕事で使うものは、年季が入ってナンボですよね。
逆に言うと、フルートが傷だらけだとか、サビで黒々していると、その演奏者が凄腕に思えませんか? ですよね、思うでしょ。
ならば、私はフルートを常に新品のようにしておかないと、腕前を誤解されるなあとビビってます。だって、フルートが黒々としているのに、演奏者がヒヨコちゃんだったら、聞いている人は、すっご~く、ガッカリすると思います。
さっそく、フルートをピカピカに磨こうッと(嘘)。