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私が上達しない理由[上達するには、こう考えよう!]

 実は、今回はダンスレッスンはありませんでした。体調が悪かった事もあったけれど、元々、日程的に練習場所が確保できなかったんです。街のダンス教室とかサークルとかでダンスを習っているわけでないので、妻先生と二人、広い場所を求めて、毎週毎週、あっちこっちの場所にあたって、空いているようなら貸して貰ってレッスン受けてますが、今回はどこにも空きがなかったんです。

 自宅にダンスフロアがあれば、こんな苦労も必要ないのでしょうが、ダンスフロアを作れるほどの、金持ちでなければ、田舎住まいでもありません。ううむ、残念。

 と言うわけで、今回はエッセイでお茶を濁します。

 私が社交ダンスを習いながら思った事ですが、この事自体は社交ダンスに特化した事ではなく、習い事全般に通じる話だと思いますので『ダンス』と書かれている部分は、それぞれの皆さんが習っているモノに置き換えて読んでくださると良いかなって思います。
 
 
 そもそも、私が社交ダンスを始めてから、さほど月日が経っていないにも関わらず「ちっともダンスが上達しないじゃん」とブツブツ思うようになった私を、もう一人の私が見ておりまして「こいつ、何、生意気な事を言ってんじゃい」と思ったので、それを記事にしてみました。

 だいたい、冷静に考えれば、私は馬鹿なんですよ。そんなに簡単に短期間でダンスが上達するわけないじゃない。でも、初心者の私は、まだほんのちょっとしか習っていないくせに「ちっとも上達しない!」って不満を感じているんです。

 そこで、習い事に関しては、すでにベテランの域にいる、もう一人の私、つまり“アマチュア歌手”である私が、くそ生意気な“ダンス初心者”である私に「習い事/芸事って、そんなに簡単に上達するもんじゃないよ」って感じで説教していると思ってくださいませ。

 行きますよ(笑)。
 
 
1)まずはどれだけダンスの事を知っているの?

 まず今習っているワルツだって、最初は「こんなもの、三拍子に合わせて、動けばOKだろ?」程度にしか思っていなかったろう? でも踊り始めてみて、事はそんなに簡単じゃないって事、知ったろ? 初心者という奴はモノを知らないから、困ったものだよ。

 まあ、初心者なんだから、モノを知らないのは当然としても、ダンスを自分の知っている範囲の底の浅いモノだと勘違いしてしまいがちなのは、残念だね。たしかにダンスが、初心者が想像できる程度の“底の浅いモノ”なら簡単に習得できるし、あっと言う間にマスターしちゃうだろうけれど、本当のダンスは、初心者の君が思うよりも、ずっとずっと、底が深くて大変なものなんだ。

 だいたい、ダンスが底の浅いものなら、誰もダンスなんて習わないでしょ。ダンス教室なんて商売が成り立つわけないでしょ。プロダンサーなんて存在できないでしょ。

 それだけ底が深くて、学ぶべき事が多いダンスを、簡単に習得できると勘違いしているとは…君はダンスをなめているのかい? 覚悟が足りないと言うか、見通しが甘いと言うか…。

 いつまで経ってもダンスが上達しない~(涙)と嘆く前に、きちんと覚悟を決めて、ダンスの習得にとりかかりなさいよ。

 ダンスを上達したかったら、まずは、ダンスに対して真摯な気持ちで取り組みなさい。ダンスをなめてかかっちゃダメだね。
 
 
2)どれだけ練習しているんだい

 上達しない、上達しないと愚痴る前に、一体君は、毎日、どれだけの練習をしているんだい? 芸事の上達と言うのは、日々の鍛練の上に花咲くものだよ。私は音楽の練習に毎日1~2時間は時間を費やしているよ。真面目に音楽に取り組んでいる人から見れば、全然少ないだろうけれど、自分の生活の中から最大限の時間を捻出して、音楽に取り組んでいるつもりだよ。それでも私の上達速度なんて、遅々たるもので、あたかも蛇口からポトポト落ちる水滴をコップで集めているような感じなんだ。

 え? ダンスは、しっかりした床の広い場所がないから、家では練習できない? レッスンに行った時しか練習できないって? それじゃあ、メキメキ上達するわけないじゃない。でもね、それでも毎週レッスンに行っているなら、全然踊らない人よりは上達しているはずだから、たとえ上達速度が遅くても、焦らず腐らずに練習していくんだね。

 芸事は練習しないと上達しないんだよ。上達したければ、まずは練習時間と練習スペースを確保しないとね。才能の有無で文句を言う前に、やれることを、まずやろうよ。
 
 
3)プロのダンスは見た事あるかい?

 君は一流のプロのダンスを見たことはあるかい? できれば直接その目で、それが叶わなくともテレビやビデオで見たことはあるかい? え? ロクにない?? それじゃあ、本当に素晴らしいダンスがどんなものかは、知らないってわけだね。

 音楽の世界でも、似たような事はよくあるよ。ピアノなら『親に言われて始めた』とかフルートなら『部活でフルートを吹く事になって』とか、そんな理由で演奏することから音楽の世界に入ったという人の中に、ごくまれだけれど、他人の演奏に関心がないって人がいるんだよ。自分が演奏する事は嫌いじゃないけれど、他人の演奏を聞くのはちょっと苦痛…っていうタイプの人だな。おそらく、そういう人は、スポーツ感覚で音楽を楽しんでいるんだと思う。

 音楽の楽しみは人それぞれだから、そういう人はそれでいいと思うけれど、そういう人は決して他人を感動させられるような演奏レベルにまで上達する事はないんだよ。なぜなら、本当に上手な演奏を聞いた事がないからさ。登山に例えれば、山頂がどこか分からずに登っているわけで、ま、登山と言うよりも、山歩きとかハイキングのレベルだね。山歩きは山歩きで楽しいさ。でも、いくら山歩きが上達しても、それでは本格的な登山ができるようにはならないわけだよ。もしも君が登山をしたければ、きちんと登山の訓練をしないといけないように、楽器演奏を上達したいなら、頂上に相当する一流のプロの演奏を聞き、その高みを自覚し、そこを目指す練習をするべきなんだ。

 プロのダンスも知らずに、上達しない上達しないなんて愚痴るなんて、山のふもとのお土産屋さん街から一歩も出ずに、頂上を目指すようなものだよ。

 どんな芸事であれ、上達したければ、その世界のトップの技を知るべきなんだよ。
 
 
4)カラダは鍛えているかい?

 別にジムに通って、筋肉ムキムキになれと言っているわけじゃない。ただ、ダンスを上達したいなら、君のカラダはダンスができるカラダになっているのかい?って事サ。

 ダンサー体型って言葉がある通り、ダンスに必要な筋肉と不必要な筋肉というものがあるんだよ。君は、ダンスに必要な筋肉がしっかりとそのカラダについているかい? ダンスは筋肉で踊るんだよ。もしもまだダンスに必要な筋肉が身についていないから、ダンスが上達しなくても仕方ないじゃないか。まずはカラダを作ること。カラダの準備ができなければ、身につかないテクニックだってあるはずなんだよ。ダンスに必要な筋肉は、たくさん踊ることで身につくはずだよ。

 ダンスを上達したいなら、たくさん踊って、ダンスに必要な筋肉を養うことだよ。

 ちなみに、筋肉は老化しないよ。どんなに年を取ったとしても鍛えれば身につくし、いくら若くても怠けていれば、衰えるものだよ。筋肉は年令をいいわけにできないんだよ。
 
 
5)どこを目指しているんだい?

 君はダンスでどこを目指しているんだい? プロになるわけじゃないから…って、アマチュアとして楽しむにしても、目標は必要だろう? そうでないと、日々の練習がだらけてしまうよ。適切な目標を設定し、そこに向かって努力していくからこそ、上達していくものだよ。

 音楽だったら、発表会とか、演奏会とか、そういう場があるとないとでは、上達の速度が全然違うよ。ダンスだって、デモに出るとか、級やメダル獲得を目指すとか、うまく目標を設定できると、うんと上達するって聞くじゃないか? そんな大袈裟な目標でなくても、いついつまでにこのステップをマスターしようとか、次のパーティーまでに、このダンスを踊れるようにしようとか、思わないのかい?

 あるいは、憧れのプロダンサーとかいないのかい? ああ、そうか、プロのダンスを知らないんだよな。じゃあ、誰々よりも上手くなってやるとか…そういう目標とかライバルとかはいないのかい? せめて、パートナーに感心される程度に上達しようとか…それならいいだろ?

 とにかく、目標を立てて、そこを目指していかないと、いつまでたっても上達なんか、しないんだよ。
 
 
6)忙しいってか!

 ん? 仕事が忙しい? 他の趣味で忙しい? そんなの言い訳にするなよ。忙しかったら時間を作れよ。時間が作れないほど忙しいなら、健康のために、ダンスなんて辞めちゃって、その分の時間で休息しろよ。

 でも、ダンス、踊りたいんだろ? 上達したいんだろ? だったら、時間を作らないと…。忙しいのを『上達しない理由』にしちゃダメだ。『時間は作れない、でも踊りたい』のなら、今は上達する事を念頭に置かずに、現状維持で行くしかないだろ。人生、色々あるものだよ。時間なんて、やがて現役引退でもすれば、毎日イヤになるほど出来るようになるさ。今はその時に備えて、健康を維持し、経済的にも生活基盤を作って、その日が来るのも心待ちにすることだよ。

 忙しい人ほど、時間のやりくりが上手だって言うからなあ。本当に上達したいなら、生活を見直してみることだよ。
 
 
7)ハングリーかな?

 ダンスを学ぶ事で何が満たされるんだい? そこをもう一度よく考えるべきだろう。そして、それを君が本当に望んでいるのなら、すぐにでも上達できるさ。でも、その気持ちが曖昧なままでは、上達しなくても不思議はないんだよ。

 君は身銭を切ってダンスを学んでいるわけじゃないから経済的にキツいわけじゃない。ダンスレッスンが男女の出会いにつながっているわけでもないから、恋愛エネルギーがダンスのモチベーションになるわけじゃない。級やメダルを狙っているわけでもないし…。 純粋にダンスが上達したい…わけないよな。一流のプロのダンスを見たこともなければ、プロダンサーの一人だって知らない程度だし。

 強いて言えば、元ダンス教師である奥さんとの夫婦関係をより緊密にしたいんだろうけれど、元々、奥さんとは仲がいいんだろ? なら、ダンスをしてもしなくても、夫婦仲が良いことに変わりがないわけじゃないか。

 ハングリーさのない君が、ダンスの上達が遅いのは、ある意味、必然の出来事ではないかな? 本当にダンスを上達したいなら、ハングリーでなければならないだろうよ。
 
 
8)ママの腕の中にいるうちは、半人前なんだ

 ママがパパだろうと、先生としか踊れないうちは、まだまだ半人前なんだよ。半人前ってのは恥ずかしいことではなく、一人前になる前の大切な修行期間なわけで、そこでしっかりと学んでおかないと、立派な大人(一人前)にはなれないものさ。

 上達うんぬん騒ぐ前に、まずは半人前状態から卒業しないとね。ひよこちゃんが何を言っても誰も聞いてくれないものさ。そのためには、しっかり先生の元で、基礎をしっかりと学び、腕を磨くことだね。

 やがて、音楽ならばアンサンブル、じゃないけれど、色々な人とも踊れるようになるだろうし、そういう人たちから多くのことが学べるようになるさ。そうなると、君のダンスだって上達してくるというものだよ。でも、それは次の段階の話さ。

 今はまだ初心者なんだから、上を目指すのではなく、足元を固めることが先だよ。足元をしっかり固めておかないと、高くジャンプする出来ないだろ? ぬかるみに足を取られているうちは、まだまだなんだよ。

 上達が遅い事を嘆くより、上達するための基盤作りに励んでいるんだという自覚をもって、しっかり基礎を固めていくのが、実は遠回りに見えて、一番の近道なんだよ。

 「急がば回れ」「ローマには一日にしてならず」だよ。どんなものであれ、芸事なんだから、10年計画で臨まないと、成果なんて見えないものだよ。
 
 
 分かったかな>自分

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コメント

  1. ごぐまより より:

    最近合唱団入る事にしました。メサイアの記事感謝。楽譜も読めない英語も苦手な私ですが単語読み?捜していましたら老いた犬の記事読みました。経験豊かなアドバイスに感謝です。私も同じ経験しそうですが、頑張ってみます。また合唱挑戦して良い情報お願いします。

  2. すとん より:

    こぐまよりさん、いらっしゃいませ。それとも、こぐまさんかな?

     合唱団入団おめでとうございます。こぐまさんが、楽しい合唱ライフが送れますように。

     ハモるという経験は、一人で歌っていると感じられない悦楽です。特に純正律でピピ~ンとハモった時は、鳥肌がゾゾって立つほどです。4声で歌っているのに(倍音の響きで聞こえる)5声目のパートの存在を感じた時には「合唱、たまんねーなー」って気になります。私も合唱やりたいな。

     …でも歌わせてもらえる合唱団が近所に無くて…。

     合唱団に限らず、人間が集まる団体では“人間関係”って奴が難しいですね。私のように、人間関係でへマラないように、お局さんたちに目をつけられないようにしてください(笑)。

  3. だりあ より:

    いろいろと自分の過去の趣味や現在の状況に置き換えてしみじみと読ませていただきました。ほんとうに吹奏楽器の演奏は、かんたんそうな動きの少ない見た目にだまされますね。吹けばあの音がするんなら自分にもできそう・・・やってみたいかな、と思ったところが間違いのはじまりでしたね。
    トンネルでも洞穴でも、奥の深さは、入って見なくちゃわからないものですね。入ったらすぐ出口がみえるトンネルとか、あっというまに突き当たりの洞穴もありでしょうけどそういうのはつまんないですもんね・・。

  4. すとん より:

    だりあさん

    >トンネルでも洞穴でも、奥の深さは、入って見なくちゃわからないものですね。

     おぉ、ナイスな表現ですね。まさにその通り、そのうち、使わせてもらいます。

     さすれば、芸事とは、どこまでも続く鍾乳洞に入っちゃったようなもの…かもしれませんね。入り口は大きくて見事で人目を引き付けるけれど、いつまでもどこまで続いていくわけだし、行けば行くほど、びしょ濡れになってくるし…。

     簡単そうに見えるものほど、実は難しかったりするんです。どの世界でも、プロって呼ばれる人は、修練と修行の結果で得た物を、サラっとやるもんだから、素人はその難しさや大変さに気付かないだけ…なんですよね。

     ああ、ダンスも、フルートも、歌も、難しい難しい。

  5. Tata より:

    本当に・・・。
    特に「練習」のあたりは共感です・・・。

    実は、「最初っから楽しくって、夢中になってやってるうちになんだか上手くなってきた」ってのが私の理想だったんですが、なんとハイヒールで満足に歩けるようになるまでに1年半かかりまして・・・。楽しいどころではなかった・・・。スタート地点にすら立てない自分を嘆きましたー。そして今も上達しているのか分からない状態。
    しかしこの状態を何とかできるのは、やっぱり自分の練習しかないのですよね。(^^;

    音楽もダンスも、間口が広くて、奥の深い、脇道、迷路いっぱい?な世界!
    もう入っちゃったんだから、私も行けるところ(満足するところ?状況が許すところ?)まで行きたいです。

    あ、でもプロの演技ってのは、ご覧になっていらっしゃるような。以前マリトースキー(ラテン世界チャンピオン)の動画をはっていらっしゃっいました。私もよく動画みます。そういう意味で、インターネットにめちゃ感謝です。

  6. すとん より:

    Tataさん

     女性はハイヒールの問題がありますね。確かにあれは歩きづらそう、いや、歩くどころか踊るわけだから、そこに苦労がありそうですね。声楽でも女性はハイヒールなので、やはり苦労があるみたいです。本番近くなると、女性はハイヒールを履いて歌う練習をするくらいですから。

    >そして今も上達しているのか分からない状態。

     いや、ほんと、そうですよね。器楽ならば教則本がありますから、教則本の進み具合で自分の上達の程度もある程度把握できますが、ダンスや声楽は教則本がありませんから、自分がどれほど上達しているのか、よく分かりません。ダンスは…踏めるようになったステップの数が上達の程度を表しているなら良いのですが、どうやらたくさんのステップを踏める事と、上手に踊れることは別のようなので、ステップは目安にならないみたいです。

     私はやってませんが、定期的にビデオをとっておき、たまにそのビデオを見返すと、昔の自分の程度がしれて、今の自分の上達度が分かるようになるのかな? 私は音楽では録音をしていますので、昔の録音を聞き返すと…死にたくなります(涙)。

    >でもプロの演技ってのは、ご覧になっていらっしゃるような。

     それがねー、全然なのよ。ブログに貼っているのは、単にステップを紹介するためで、丹念に見ているわけじゃないんです。

     それに、まだ“ダンスの目”が出来ていないので、どれを見ても全然分からなくて、学べないんです。一応、先月あたりから、テレビ(CS)で放送している社交ダンスの番組を見るように心掛けていますが、全然分かりません。元プロの生解説を聞きながら見ているにも関わらず、どこをどんなふうに凄いのかも分からずに見てます。

     今の私では、一流のプロのダンスも、町のダンスサークルのオジサンのダンスも、それほど違っては見えないんです。これって…呆れちゃうでしょ。でも、まだ私の“ダンスの目”なんて、そんな程度なんです。

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