余所の発表会、と言っても、BEEさんの発表会に行ってきたんです。
感想はご本人に直接伝えたので、ここでは簡単に…。BEEさんの歌は、なかなかよかったです。ジーンときました。それに声が立派です。あのホールにちょうど良い大きさで、うまくホールの響きを捕らえて歌ってました。ドイツ歌曲とイタリアオペラアリアを一曲ずつ歌うなんて、準備が大変だったと思います。それと、ドレスが素敵でした。ゴールドの服に青い薄物といういい感じのドレスでした(ファッションに関しては、極端にボギャブラリーが少なくてスンマセン)。
で、今日の記事のテーマは、そんなBEEさんの話ではなく(失礼)、例によって、余所の発表会を見せていただくと“他山の石”ではありませんが、色々と学ぶ事や考えさせられることがあるので、そういう点を、ブログにメモっておきたいなあと思い、書いてみました。
ちなみに、BEEさんの発表会は、声楽だけでなく、色々な楽器の方も出演するタイプの発表会でしたので、声楽以外にも、フルートとヴァイオリン(とピアノ)の方々の発表をたっぷり見せていただきました。すごく楽しかったです。特に、ヴァイオリンの発表会を見るのは始めてだったので、もうワクワクでした。
しかし、素人の音楽の習い事って言うと、1位ピアノ、2位ヴァイオリン、3位声楽、4位フルートって事になるのでしょうか? やはり、この4つの出演者がダントツに多かったですよ。
そうそう、会場のホールは、すごく良いホールでした。百席程度の小さなホールでしたが、天井は5~6階程度はあって、容積が半端じゃなかったです。あんな、いいホールで歌えるBEEさんが、すっご~くうらやましかったです。
さて、それじゃあ、いきます。
音楽は既定の速度を守って演奏しよう 私自身がよくやってしまうのですが、指がまわらないからと言って、曲本来の既定速度よりも、ゆっくり演奏すると、音楽はその表情を大きく変え、全くの別物になってしまう事もあります。やはり演奏と言うものは、一般的な演奏速度というものに準拠すべきだし、速い曲はその速さに対応できるように、練習に励まないとマズいなあって思いました。
譜面立ての高さや位置に気をつけよう レッスンの時は、自分の好みの位置に譜面立てを置いてもOKですが、ステージでは譜面立ては遠慮気味に置き、きちんとお客さんに演奏している姿を見せるべきだと思いました。譜面立てを、あまり演奏者の側に寄せて譜面を見やすい位置に置くと、演奏者が譜面立ての陰になって、客席から演奏者の顔や楽器が見えなくなります。それじゃあ本末転倒でしょう。もちろん、そのためには、当日の譜面はチラ見程度で済むように練習をして、可能なら暗譜をしておかないといけないでしょうね。
リズムのキレは大切 発表会だから、演奏の上手い下手はあって当然なので、それに関しては言わないけれど、同じように演奏していても、上手いねえ…と思えるのと、ううむ…と思うものの違いって、案外、リズムの切れにあるかもしれないなあって思いました。同じように演奏していても、野暮ったくモッタリしたリズムで演奏しているとカッコ悪いです。それをほんのちょっとだけでもキレよく演奏できれば、だいぶ印象が変わります、そう思いました。リズムって大切なんだよねえ。
下手なら下手なりに堂々と演奏しよう 発表会って色々な方が出てくるわけで、当然、学習途上のまだまだな初心者さんたちもたくさん出演します。その中には、超絶句技巧を披露してくださる方も大勢いらっしゃいますが、その演奏者が堂々としていると、ミスも微笑ましく見えるものですし、こちらもなぜか優しい気持ちになります。対して、演奏者が自信なさげだと、ミスが痛々しく見えるし、こちらはとっても悲しい気持ちになります。お客さんを不安がらしちゃダメだよね。下手は下手でいいから、堂々と演奏しましょう。
自信を持って演奏しよう 上の話とも通じますが「あちゃ~」と思うような、超絶句技巧を披露してくださる方の演奏も、よくよく見ていると、私ができないような中級テクニックをサラッとやっていたりします。おそらく、あの方々の平素の演奏は、私なんかよりもずっと上手なんだと思います。あれだけのテクニックが使えるんだから、もっと自信たっぷりで演奏できれば、印象がかなり違うと思います。いわば、ハッタリですが、そのハッタリを上手にかませられると、いい感じで演奏できると思います。ハッタリかますには、まず自信が必要です。自信を持って演奏することって、すごく大切なんだなって思いました。
緊張も味方にしよう 発表会を見に行って、いつも心配になってハラハラドキドキに思うのが、すごく緊張するタイプの方々の演奏。うわ~、あの人、緊張している…と思うと、客席にいるこっちまで血圧が上がってしまうような気がします。
緊張の仕方も人によって色々だけれど、緊張の余り、声が出なくなっちゃったり、ガクガクふるえながらヴァイオリン弾いていたり(弓まで震えるので、とても聞き苦しいです)、青ざめた顔でピアノ弾いていたり…、それって緊張のしすぎだし、緊張を敵にまわしてしまっているのだと思います。ステージでは、やらなきゃいけないことが満載なのに、さらに緊張まで敵に廻したら、そりゃあ、撃沈しちゃうよね。緊張はいい感じで味方にしないとね。元気玉じゃないけれど「みんなの元気をオラに分けてくれ~」って気持ちでいかないと、大変な事になると思います…って、それができれば、緊張しないんだよね。
無駄に動かない 手が不必要にたくさん動く歌手さんは、歌よりも手の動きが気になります。やっぱり、歌っている時の動作は無意味な動きを極力減らさないと…。逆に動きが少ない人は、聞いていて歌に集中できて好感持てます。かく言う私は…無駄に動くタイプです。ああ、反省だあ~。
ヴァイオリンの弓は不用意に弦の上で止めちゃダメ 弦の上で弓が止まった瞬間に音楽に急ブレーキがかかるものですね。たとえ休符であっても、弓を弦の上で止めてはダメだと思いました。止めるのではなく、弓を弦から離さないと…。
メモ的な感想は以上です。
しかし、フルートで演奏する「リベルタンゴ」って絶品だな。私も演奏してみたいですよ。
それと、BEEさんのところの発表会の特徴として、声楽というくくりでも、クラシック声楽の人と、ミュージカルの人が混在していた事が興味深いです。そして若い人は、やはりミュージカルをやっている人が多かったです。やはり、若者はオペラよりもミュージカルなのかな?
オペラとミュージカルって、似ている部分もあるけれど、違う部分も多々あって、特に発声に関しては、マイク使用の有無で、歌い方のテクニックがだいぶ変わってくると思います。本格的なミュージカル発声の人は、滑舌も良くリズムも音程も素晴らしいです。しかし、それらを優先するために、音量はどうしても犠牲になってしまいます。ミュージカルの子たちに、生歌はやっぱりキビシイね。彼女たちにはマイクを使わせてあげたかったですよ。
でも、さすがは都会ですね。ミュージカル発声をきちんと学べる場があるというのは、素晴らしいなあと思いました。ウチの地元だと、クラシック声楽とカラオケ用のヴォイトレは学べますが、ミュージカルのちゃんとしたレッスンはなかなか難しいです。やはり芸事を学ぶなら、都会に限るんだろうね、特に若い人はドンドン都会で勉強すべきなんだと思います。
あと、一人で複数の楽器の演奏を披露していた人がいておもしろかったです。私がここの生徒さんだったら、一回の発表会で、歌とフルートとヴァイオリンを同時に披露するわけで…そりゃあ、すっげえ、大変じゃん。
ああ、ほんと、見ていて楽しい発表会でした。また、チャンスがあったら、見に行っちゃおうっと。
コメント
おはようござります。
なんか、えっらいほめて頂いてお恥ずかしいかぎりです。
ありがとうございます。
超絶句技巧ってよく読んだら超「絶句」技巧なんですね。(爆)
舞台は場数って何度も先生に言われてきました。
確かにそうですね。
中学生だった子が高校卒業するころには、激的に変わっています。
試験やなんやを含めて人前で演奏する回数が半端なく多いのだと思います。
そういう子たちを毎年見続けるのも楽しいし、とても励みになります。
リベルタンゴ、良かったですよね。
私は地下で聞いていましたが、ピアノ伴奏も大変そうでした。(^^;)
そうそう、今回の私の歌では、ピアノ伴奏がとっても重要で難しく、先生からはピアノが重要な役割を果たしているところではピアノに任せて歌は頑張るなと何度も言われてきました。
曲としての全体の構成を考えろってことだろうと思うのですが、まったくそこまでたどり着けませんでした。(^^;)
夏までにまた精進精進です。
本当にありがとうございました。
>BEEさん
別に“えっらい”ほめているわけじゃなくて、素直な感想ですよん。
ピアノって大切ですねえ。ついつい“伴奏”とか呼んでしまって、付け足しのような表現をしてしまいがちですが、きちんとした曲のピアノパートは、歌のパートと同等か、それ以上の難易度だったりする事がありますし、音楽上の役割的にも同等ですね。私たち歌う人は、ピアニストさんへの感謝を常日頃から忘れないようにしないといけませんね。
>ピアノが重要な役割を果たしているところではピアノに任せて歌は頑張るなと何度も言われてきました。
私もチョクチョク言われます。「歌は頑張るな」という部分まで一緒(汗)。歌は、いつでも自分が主役のつもりで、ついつい頑張りすぎちゃうんですよね。反省反省。
夏も楽しみにしてます。