「歌なんて、習っても上達しないし、習うだけ、時間とお金の無駄だよね」
これは私の知り合いが言ってたセリフです。仮にこの知り合いをAさんとしましょう。別にAさんが私に直接言ってきたわけではないので、私は返答しなかったのですが、それを言われた人(ロックバンドのヴォーカルさん)は「いやいや、やっぱりきちんと先生について学んだ方がちゃんと歌えるようになるよ」と返事をしていたけれど、Aさんは全然納得していなかったようでした。
Aさんは小さな声でブツブツ言っていたのですが、私はそれを聞いて、分かる気もしたのですよ。
まず、歌って、誰でもある程度歌えるじゃないですか? たまに、最初っからメッチャうまく歌える人もいるし、アマチュアバンドとかだと、そういう“最初からメッチャうまく歌える人”がヴォーカルを担当するケースが多いわけです。
それで、さほど歌がうまいわけじゃない人が、歌を学んだとするじゃないですか? その人が、半年とか1年とか歌を習ったところで、劇的に上手になるわけじゃありません。多少うまくなったとしても、最初からうまく歌える人ほどはうまく歌えなかったりする事も無いわけじゃありません。
これが楽器なら…例えばフルートなら、全くフルートが吹けなかった人が半年も真面目にフルートをやれば、そこそこ吹けるようになりますし、1年も真剣にやれば、若い人なら、アルテが終了するかもしれません。つまり、大抵の曲が吹けるようになるわけです。
フルートなら1年習えば、全然吹けなかった人が、大抵の曲が吹けるようになるくらいに、劇的に成長するのです。しかし、歌の場合は、先生について習ったとしても、多少歌がうまくなる程度で、楽器と比べて、そんな劇的な変化はありません。
、そういう現状を見ちゃうと「歌って、才能だよね。うまい人は最初からうまいし、下手な人は多少練習したところで、たかが知れてるし、歌なんて先生について習うだけ、時間とお金の無駄だよね」
これ、近視眼的に見れば、正しいです。半年、1年という期間ならば、否定できない事実だと思います。おまけに才能の差は大きく、後天的な短期の学習では簡単に覆せません。
歌の場合、5年10年学べば、確実に上達が保証できるけれど、それはあまりに時間が掛かります。
そういう意味で“声楽を習う”事は、習い事の中では、かなりコスパが悪い習い事なのかもしれません。
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