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録音音源は、やはり新しいモノの方が良い

 「マリア・カラスは素晴らしい」
 「マリオ・デル・モナコの声は絶品である」
 「フルトヴェングラーの指揮は神がかっている」

 私が若かった時に、よく聞いた、クラオタの代表的な声を書いてみました。実際、あの当時聞いた、カラスもデル・モナコもフルトヴェングラーも素晴らしかったと思います。あの頃は同時代だったために、人気が高くても評価が低かったカラヤンとかドミンゴだって、私は素晴らしい演奏家だと思っていましたし、あの頃は、熱心に聞いていました。

 私のレコード棚(という名のCD置き場)には、そんな若い頃に集めた音源がたくさん唸っています。あの頃の私は、それらの音源を熱心に集めて、聞き惚れていたのです。

 還暦を過ぎた今、これらの演奏を懐かしく思いますし、当時に変わらず、素晴らしい演奏だなあ…と思うものの、昨今の、21世紀になってからの、新しい録音音源の素晴らしさには、これらの古い音源は叶わないかもなあ…と思うようになりました。

 昔のレジェンドの演奏は素晴らしいものの、今の現役の演奏は、それらの演奏に負けていないし、それらを凌駕する素晴らしいモノも多々あります。実際に、両者を聴き比べてしまうと、今の人の演奏の方が良かったりするのです。

 おまけに、録音技術が全然違います。昔の録音は、霞がかかったような解像度の低い録音で、演奏の素晴らしさを十全に伝えきれていないと思いますが、現在の技術で録音された今の演奏は、演奏以前に演奏音が素晴らしいのです。とても新鮮に感じる音で録音されています。

 昔のレジェンドたちの録音には、我々老人の若き日の思い出補正がかかっています。だから、我々はついつい「昔の演奏家は良かった」と言いがちですが、これってただの偏見であり、バイアスが掛かっているだけの話で、それらの偏見とかバイアスとか取り除くと、今の若い演奏家たちの最新の録音の方が、かつての名録音よりも良かったりします。

 昔を懐かしむのも悪くないけれど、長生きしている現状を喜び、最新の録音を聞ける素晴らしさを満喫すべきだ…というのが、今の私の考えです。

 もっとも、だからといって、昔の録音をゴミ箱に突っ込む勇気は、まだないのだけれどね。

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