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歌には、大きな声は必要だけれど、声を張るのはちょっと違う気がします

 クラシック声楽の世界では、大声は正義です。

 音楽ですから観客に聞こえなきゃ話になりません。マイクを使わずに歌う事もあり、とにかく大きな声で歌えなければダメなのです。声は大きければ大きいほど良いのです。

 …特にプロはね。

 先日聞いたコンサートで歌われた若いソプラノさんの声は実に見事でした。音量十分だし迫力もあったし、私は好きなタイプでした。

 でも、ちょっと気になった事があります。それは、明らかに声を張っていたからです。

 張った声が好き…という人はいるでしょ? 私も嫌いじゃないです。だからその時は別に気にしませんでした。しかし後で考えてみると、張った声は苦手とか嫌いとかいう人もいると思いますし、少なくともクラシック声楽では正統的な発声とは言えません。声は張らずに自然な感じで、しかし十分に響かせて必要な音量で歌うべきです。ですから、張った声で歌うならば、聞き手の側に好き嫌いが生じても仕方ないです。

 若手のプロの方だから「惜しいなあ…」って思うのです。

 癖って個性だと思います。だから、適度な癖は個性の発露ってヤツで問題ないと思うのですが、癖が強くなればなるだけアンチが増えます。癖も強すぎれば毒になります。

 張らない声で歌うのが常態で、そこにたまに表現効果として声を張るくらいなら良いのかもしれませんが、始終張った声で歌うというのは、どうなんだろ? って考えてしまいました。

 ノドに力のこもった声で歌うプロもいれば、開けっ放しの声で歌うプロもいるのだから、張った声で歌ったっていいじゃないか! まあそうなんですよ。私が気にする事もないのかもしれませんが…でも、惜しいなあって思うんですよ。

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