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なぜジャズフルーティストはゴールドフルートを使わないのか

 これは私の疑問の一つです。だって、たいていのジャズ系CDのジャケットで微笑んでいるフルーティストが持っているフルートって、ほぼ“銀色”じゃないですか。それに対して、クラシック系のフルーティストは猫も杓子もゴールドフルート。別にゴールドフルートはクラシック専用フルートってわけでもないだろうに、なぜ、ジャズフルーティストはシルバーのフルートばかり使っているのか? シルバーにこだわる理由は何?

 疑問でしょ?

 そこで、単刀直入に、この疑問を笛先生にぶつけてみました。以下、先生の答えを聞いて、私なりに理解したものと、そこから思い浮かんだ事などを加味して書きます。つまり「文責 すとん」という事でよろしく。

 まず「どうしてジャズフルーティストはゴールドフルートを使わないのですか」と聞いたら、先生、即答で「使うよ~」でした。あれ? いきなりの前提崩し?? 「ジャズの人もゴールドフルートは使うけれど、クラシックの人ほどたくさんではない」という答え。さらに「若い世代ほどゴールドを使う」そうです。

 どういう事かと言うと、ジャズフルート界でも、クラシックフルート界ほどではないけれど、少しずつゴールドフルートの使用者が増えてきているそうです。でも、クラシックほど、圧倒的ではなく、やはりまだまだ多くの奏者たちはシルバーフルートを使用しているのだそうです。ちなみに、笛先生は、パウマツのシルバーです。

 ジャズフルート界でもゴールドを使用し始めるようになった理由は…楽器が良いから(笑)。いやあ、単純な話ですね。そりゃあ、確かに、高額な楽器はそれなりに丁寧にきちんと作ってあるわけで、素材うんぬんの癖の問題を度外視しても、ゴールドフルートの楽器としてのレベルは、間違いなく良いです。良い楽器は使いやすいし、そりゃあいいよね。

 それに、音ですね。音色の好き嫌いはあるにせよ、ゴールドフルートの音は確かに美しいですし、現代という時代が“フルートの音”として想像する音色は、確かにゴールドフルートの音であることは間違いないです。ま、これはクラシックフルートの影響なんでしょうが、ゴールドフルートの音色が現代のフルートの音色であると言うのは、決して過言ではないでしょう。

 じゃあなぜ、クラシック界のように、堰を切ったように皆がゴールドに流れないのかと言うと…高いから(笑)。納得です。一部のプロを除き、みんな自腹で自分の楽器を購入するんだもんね。そりゃあ、お高いゴールドをバカバカ買えません。

 あと、ジャズフルートは、クラシックと違って、演奏をする上で、音色以外にも大切な事がたくさんあり、音色命のクラシックフルートとは違い、音色以外の要素を重視した結果、あえてシルバーを選択するという奏者もたくさんいるそうです。これも分かります。具体的に言えば“マイク乗り”ってのを考えると、ベストチョイスは洋銀フルートかもしれませんしね。

 なので、ジャズフルート界でもゴールドフルートの使用率は増えてきているけれど、クラシックフルート界ほどの高率にならないのは、そういう理由なんですね。

 さらに考えないといけないのが、おそらく、時代背景です。私のような地方に住んでいるジャズ入門者がジャズを聞く場合、ライブ会場に通って…というわけにはいかず、やはり過去の名盤CDを中心に録音を聞く、という形になりやすいです。で、その録音が…やっぱり古いものが多いんですよ。でしょ? ジャズの名盤って、1940~60年代が中心? この時代って、クラシック界だって、フルートはまだまだシルバーの時代で、ゴールドを使っていた人はごくごく少数だった時代。ですから、この時代の演奏を中心に聞いていれば、フルートはシルバーばかりなのは、当然と言えば当然なのです。

 さらに言うと、ジャズの名盤って、たいてい外国人奏者(大半はアメリカ人)のCDでしょ。実は今でもそうだし、クラシック界でもそうだけれど、外人奏者って、案外シルバーフルートが好きだよね。と言うか、日本の奏者がゴールドを偏愛しているような気がします。クラシックフルートだって、外国人奏者はシルバーを使っている人、結構沢山いるもんね。

 と言うわけで、威勢よく掲げた「なぜジャズフルーティストはゴールドフルートを使わないのか」という命題ですが、答は「ジャズフルーティストもゴールドフルートは使う。ただし、クラシックフルートほど多くの奏者が使うわけではないし、使い始めたのも、ごくごく最近からで、CDなどでは、なかなかお目にかかれないだけ」の話となります。

 お粗末さまでした。

コメント

  1. アリサ より:

    私も考えてみました。
    費用対効果で、シルバーがいいのかなと思います。

    マイクを使うことが前提にありますし、タバコの煙があるようなところで吹いておられますよね。
    持ち替えがあって、フルートのスタンドにつっこんでおくこともありますよね。
    そういう場面で、ゴールドを使うような気分にはなれません。

    洋銀のフルートはあまり種類がなさそうですし。
    音色の幅というのですか、その広さを思うと、個人的にはシルバーの方が好きです。
    そしたらシルバーですかねえ。

    ビッグバンドに入るなら、まわりとの音色の解け合い方というのですか、その辺も考えるでしょうね。

    ソロなら、ゴールドの音色が好きだとか、輝きが好きだとか、そういうことであればゴールドを使うかもしれないですね。

  2. はっチャン より:

    ビックバンドでは音負けしないように勢いよく吹きますが、周りの音に消されます。だから、音色より音量重視です。ラッパ部隊の奴らPで吹けよて思います。ソロの時はソロマイクで吹きますが、マイクに直接着けてブーてね。(笑)!
    本体がシルバー製で歌口とか接続部分が金メッキ辺りがいいかも。

  3. すとん より:

    >アリサさん

     費用対効果と言うか…ゴールドフルートは、材料費である金の値段が高いのは承知してますが、それでもやはり高すぎます。

     私がプロ奏者ならば、自分の稼ぎと生活費のバランスを考え、よほど自分の稼ぎが良くないと、商売道具とは言え、なかなかゴールド購入には踏み切れないかな…って思います。少なくとも、余裕でマネージャーの数人を雇い、自分の事務所を構えられるほどに稼げないと、なかなかゴールドは難しいかなって思います。

     もちろん、アマチュアの方は、自分も含めて、フルートでは稼がないので、そんな事は考えずに、単純にゴールドか欲しいか?、その購入資金があるか? その二点で考えて、買っちゃえばいいと思います。

     私の知り合いのプロのカメラマンは、良いカメラを持っていますが、それでも最高級品というわけではありませんし、レンズも良いものを持っていますが、やはり最高級品というわけではありません。いや、むしろ、機材のランクとしては、平凡なアマチュアカメラマンにも負けちゃうかもしれないって程度の機材しか使ってません。

     一度の機材の事で尋ねたことがあります。そうしたら、二つの答えが返ってきました。一つは「カメラが仕事をするんじゃない。オレが仕事をするんだ。(だから、カメラは最高級品でなくても、自分が欲しい絵が取れるカメラならなんでも良い)」、もう一つは「高いカメラなんか買ったら、支払いに追われて、イヤな仕事だってやんなきゃいけなくなるだろ。仕事は選びたいんだよ。それにこいつ[アシスタントさんを連れていました]の給料だって払ってやんないといけないしな」でした。プロカメラマンにはプロカメラマンなりの理由と事情がありました。あ、そうそう、おまけに言ってたのは「オレはケチじゃあないぞ、その最高級品のカメラでないと取れない絵があるなら、躊躇なく、オレは高いカメラを買うよ」だそうです。

     たぶん、日本のプロ奏者にゴールドフルート奏者が多いのは、それだけ稼げるって事なんだろうと思います。

    >タバコの煙があるようなところで吹いておられますよね。

     そうそう、これはシルバー、ゴールド関係なく、パッドに影響があるでしょうね。どうしても、ジャズの演奏会場って、酒とタバコはつきものです。タバコの煙がモクモクする中で演奏すれば、当然、パッドにヤニがついてすぐにダメになってしまいますね。酔っぱらいも大勢いますから、様々なトラブルだってありますしね。

     タバコと音楽については、根が深い問題になりそうなので、今日のところは、このくらいで勘弁してやります。いづれまた、チャンスがあれば…。

  4. すとん より:

    >はっチャンさん

     そうですね、ビッグバンドではブラス連中がいるんですよね。そうなると、吹奏楽と同様にボリュームが求められるわけだけれど、何をどうやっても、ブラスには勝てないでしょう。勝てないけれど、挑み続けなければいけないのだから、色々と大変だろうなあと思います。

     フルートの音量問題って、ブラスが関係する現場では、永遠の課題なのかもしれませんね。なにか良い手はないものでしょうかね?

  5. しず丸 より:

    はじめまして。
    記事を大変楽しく読ませていただきました。すごい更新量ですね!

    私はサックスからはじめて、ここ10年ほどフルートも吹いているのですが、今回の記事には非常に考えるところがありまして、ぜひとも私の意見を載せていただきたいと思いました。

    ジャズフルーティストはなぜゴールドを使わないか?

    最近はそうでもないみたいですが、ジャズの純粋フルーティストってあまりいないんですね。たいていサックス奏者が掛け持ちでって言うパターンがメジャーです。純粋ジャズフルートの大御所的な存在って言うとハービー・マン(この人も下はテナーサックス)くらいでしょう。ロウズとかバレンティンとかいますけど、ジャズでは超有名でもない。そういうジャズサックスの流れを通ってフルートにいった人が主流と言うことで、当然そんなにフルートの楽器自体に気が回らないし、1番の商売道具サックスに対して投資するから、ゴールドなんて眼中にないわけですよ。大体昔はもっと流通量も少なかったし。下手すると、洋銀から上に行こうとしない奏者もいっぱいいますね。

    それに、ゴールドのブルジョワな雰囲気がジャズやっている世界となじまないものがあるきがします。クラシックの雰囲気とは違いますよ。

    さらに音色ですね。ゴールドのゴージャスで華麗な音よりも、シルバーの渋くて柔らかい音のほうが、おそらくジャズにはマッチすると個人的には感じます。

    それにまぁとにかく高いわけです。14金ごーるどが銀の2倍だったら考えますがあれでは…。9金では逆に軽薄でパワーがなくなってしまってますますジャズ向きではない。

    この問題、では一体なぜクラシックフルート奏者はあれほどゴールドが多いのか?という問題と表裏一体だと思いますよ。はっきし言ってこれは異常な事態です。あんな小さな木管楽器であれほどの投資をするのはありません。クラリネットの最高だって50万程度だし、サックスも然り。フルーティストって金あるなぁ…まったく釈然としませんね。

    これはおそらくね、ランパル、ゴールウェイという2人のカリスマ的存在の罪なのです。あの人たちが「クラシックはゴールドなんだ!」という刷り込みをいやと言うほどしまくってきた。それがクラシックフルート界に浸透してしまい、「ゴールドでなければクラシックの一流奏者ではない」みたいな不文律のようなものを作ってしまった。それに、クラシックやるのに音大子供に行かせるうちってやっぱり財力あって、ゴールドぐらい買い与えちゃうんだよね。そうするともう、ゴールド奏者の一丁上がりで、あっちにもゴールドこっちにもゴールドの連鎖で、もはや常識になってしまった。忌忌しきことです。

    私はクラシックでも銀の音が好きでCD買うのにもなるべく銀の奏者を選んでいるのですが、なんか偏屈でしょうね。

    長くなりますが、カリスマとか当時の常識的なものが現在のわけわからない常識を作っていくことは結構あります。ジャズの世界では60年代当たりに作られたオールドのサックスが最高ともてはやされていて、これを求めるアマチュアも多い。実際音は違うんです。当時の材質や製法は現在再現できない。このカリスマ的ジャズサックス奏者の音への回顧のようなものが無批判的にあるんだね。
    だから、もし、ランパルゴールウェイが銀の笛のカリスマだったら、現在の金に普及率はぜんぜん違ったと思いますよ。

  6. すとん より:

    >しず丸さん、いらっしゃいませ。

     すごいすごい、実に読みごたえのあるコメントをありがとうございました。私の中でモヤモヤしていたモノのいくつかが解決した気がします。

     何と言っても、おっしゃるとおり、ジャズマンにとって、フルートは主力楽器でないというのは事実です。

     実際「ジャズのフルートは、サックス奏者の持ち替え」というのが一般的ですね。ああ、確かにそうなんですよ。私はクラシックの(それも声楽)世界からこっちに来ているので、ジャズ界の常識のようなものがしばしば抜けているのですが、この常識が抜けていたのは、ちょっと恥ずかしいです。

     サックス奏者にとって、一番オカネを投入するのは、当然サックスでしょうね。テナーサックスの人なら、テナーサックスにまずは資金投入です。次に自分の持ち替え楽器に資金投入でしょうが、それはおそらく、別の音域のサックスじゃないでしょうか? 例えば、テナーサックスの人なら、アルトサックスとかバリトンサックスとか…。フルートは、おそらくその次くらいのポジションでしょうね。ならば、当然、資金投入はあまり期待できないわけで、ゴールドという選択肢はおのずと消える…納得です。

     ゴールドのブルジョワな雰囲気は確かにジャズっぽくないかもしれないし、音色とかパワーとかは好みもあるだろうけれど、確かにジャズっぽくないと言えるかもしれない。

     ジャズフルーティストさんの多くが、アメリカっぽいジャズではなく、ラテン系のブラジルっぽい音楽を好むのも、楽器の音色と音楽のジャンルの雰囲気から、どうしてもそうなってしまうのかもしれません。

     それにしても、やはりランパルとゴールウェイが犯人ですか! ある意味、フルート製造メーカー的には大恩人な二人ですね。私だって、ランパルの音色には憧れますし、そのおかげでゴールドが欲しくて欲しくてたまらないのですから…。この二人は罪が深いです。

     それにしても、このコメントは、ここのコメント欄に沈めておくにはもったいないなあ…。

  7. 河童 より:

    ジャズってグラブなどの聴衆には金持ちがいても、多くの奏者はそうではないでしょう。というか、奏者が聴衆よりリッチの雰囲気ではまずいでしょう。それに、聖歌の歌声のように澄み切った音色のジャズなんて考えられません。

    あと、楽器の値段を見ましたがフルートってべらぼうに高価ですね!!
    持ち替えの楽器が自分のメインより高いなんて考えられない。

    ともあれ、高額なフルートがどんどん売れること(日本製が売れること)は、日本の経済活性化に少しは役立つでしょう。

  8. すとん より:

    >河童さん

    >あと、楽器の値段を見ましたがフルートってべらぼうに高価ですね!!

     クラシック系の楽器屋さんに置いてあるフルートは、べらぼうに高価ですね。総銀で100万円前後は当たり前ですが、実際にプロ奏者やハイ-アマチュアの方々は、注文品を使っていますので、もっと高価ですね。クラシック系の方々が当たり前に使っている総14Kは400万円前後が相場です。ちなみに、ムラマツの総24Kが1000万円前後です。

     これらを高価と見るか、安価と見るかは、どこにスタンスを置くかで変わると思います。おそらく、クラシック系の弦楽器の人から見れば、300万円の楽器なんて、極めて安価なんだろうと思いますよ。なにせ、彼らのプロ仕様の楽器は億単位であったりしますからね(微笑)。ピアノだって、演奏会で使うようなコンサートグランドだと1000万円以上するし…。

     クラシック系の楽器は、総じて高価ですから、フルートの値段があんなものであっても、それはそれでそんなもんなんだと思います。

     一方、同じフルートでも、ジャズ系の楽器屋さんに、サックスなんかと混ざって売られているようなものは、そんなに高くないですよ。20~30万円で十分実用的な楽器が売られています。もちろん、そこには国産フルートはなく、多くはアメリカ製だったり台湾製だったりしますが、ジャズや吹奏楽などのとびっきりの美音を重視されない音楽なら、これらで十分だと思います。ジャズで持ち替えで使われている楽器は、このクラスなんだと思います。

    >持ち替えの楽器が自分のメインより高いなんて考えられない。

     当然ですね。でも、サックスも高価なものは高価なんじゃないですか? 私の友人のサックス吹きは、まだらに錆びている、ボロボロのソプラノサックスを「たった100万円で購入できた」と言って喜んでいましたよ。わざわざボストンまで行って手に入れたそうです。なんか、とても安い買い物なんだそうです(私はサックスの相場は知りませんが、彼がのウキウキした顔を見ると、本当にお買い得だったんだろうなあと思います)。

     とは言え、ボストンまでの交通費を入れても、総14Kのフルートの価格ほどにはならないから、やっぱりフルートは高価かな?

  9. しず より:

    こんばんわ!
    コメントありがとうございました。

    今回も前回の付け足しか繰り返しみたいな感じになるのですけど、また少々お付き合いください。

    私、盲目的迎合って恐ろしいと思うんです。なぜこうしたいのか?と問うんでなくて、周りがこうしているからだとか、風潮がこうだからとか、こうしないと周りが認めてくれない(それはそれで差し迫っていますけど)とか、そういう理由で、なぜこうしたいの?と言うのを置き去りにして、自分がいなくなってしまうのが怖い。

    でも、そういうことってそこらじゅうで起きてるわけです。

    金のフルートだって、なんか上達したら金なんだと言う図式みたいのがあって、それは私の独断ではランパルやらゴルウェイのせいがかなりあると思うんだけども、一種の集団的な「思い込み」のせいでしょう。銀の笛で機能的性能的には十分なのに、なにかすがるものを求める。

    ジャズサックスだってそうなのですが、往年のプレーヤーがヴェンテージサックスを使っていたからってその音を現在も踏襲しなきゃとか、そうするのが本物なんだ!みたいなすがりつく姿勢がある気がします。
    もちろんそういう風潮に反抗して、現在の楽器が最高なのだ!という主張の渡辺貞夫みたいな人もいて、分裂している。

    まず、私はどうしたいんだ!っていうのを大きなパーセンテージにしないと健全じゃないんじゃないか?なんて考えますね。その点は多分欧米のほうが進んでいるんじゃないでしょうか。結構銀のプレーヤーも多いみたいですし。

  10. すとん より:

    >しずさん

    >一種の集団的な「思い込み」

     …あるでしょうね。そしてそれを巧みに利用したり煽ったりしている人の存在もね。

     ただ(プロはともかく)アマチュアには「憧れ」と言うのがあって良いと思います。ランパルやゴールウェイに憧れて、彼らと同じモデルを使う、それがかなわないなら、レプリカを、それもかなわないなら、見かけが似ているモデル、同じ素材で作られているモデルを使いたい。…ね、かわいいでしょ。

     私のエレキギターはリッケンバッカー325のレプリカです。なんでレプリカを使っているのかと言うと…当時はリッケンバッカー325を取り扱う日本代理店がなくて、国内ではホンモノが買えなかったのでレプリカを買いました。現在は、日本代理店が存在するので、楽器店で注文すれば誰でもホンモノが買えますが…。あ、リッケンバッカー325と言うのは、ビートルズのジョン・レノンが使用していたことで有名なギターです。

     アマチュアは憧れでも構わないと思うし、それでユーザーも楽器販売店も楽器製造メーカーも幸せになるなら、それはそれで良いことでと思ってます。

     実際、私もランパルにちょっと憧れてますよ。ゴールドのオールドヘインズ、欲しいです(笑)。

    >なんか上達したら金なんだと言う図式みたいのがあって

     あるあるある…。これって、逆に、初心者のゴールド購入を阻んでいて、よく無いような気がしますね。「あいつ、下手くそなのにゴールド使っている」って言われそう。本当は楽器の素材と楽器の腕前は関係ないのにね…。

     結局は、しずさんのおっしゃるとおり「自分は何をしたいのか」が大切なんだろうと思います。善くも悪しくも、個人主義的な欧米人たちは、他人に流される事が少ないので、銀のプレーヤーが多いんでしょうね。

  11. より:

     たしかに、そういわれてみればそうですね。七不思議?
     私も考えてみたのです。音楽はファッション性も大事。イメージも大切なのでしょうかねえ。
     
     ジャズはもともと反体制から生まれてきているから、ブルジョワなイメージ、サロン的なイメージのあるゴールドフルートより、わざとくすんだいぶし銀的なシルバーフルートが好まれるのではないか、というのも理由のひとつかもしれません。スタイルとしての楽器。
     楽器のかっこよさや美しさも、フルートの愉しみですからねえ。

     クラシック界では、ランパルやゴールウェイらが実際にゴールドフルートで新しい可能性を開いたゴールドフルートの実力をしり、ゴールドフルートに「挑戦する」動きが出てきたというのもあるでしょうね。フルート音楽の可能性に挑戦するのも、プロ音楽家の大切な仕事だと思っていますから、そういう姿勢を応援しています。そこで、あえてシルバーを選ぶ、というのも「自分のフルート音楽への挑戦」でしょう。

     ところで、昔、音楽とか無縁の彼氏だった人に
    「何で、クラシックの人は日本人なのにタキシード着たり、あんなドレス着るの?」
    って言われたのですが、そういわれてみるとそれも七不思議です。これはどうしてか、自分でも納得いく解答ができなくて・・・以前の発表会では着物を着てしまいました。私の場合、着物のほうが西洋のドレスより似合う気がした、ドレスを買ったり借りるのはもったいない、などの理由で・・・
     

  12. すとん より:

    >かさん

     音楽とファッションとは常に密接な関係がありますし、ジャズが反体制から生まれているというのも事実です。ブルジォワ的なものを否定する気持ちも当然あるでしょうし、その観点からゴールドを避けている人も必ずいると思いますよ。ただ、最近のアメリカでは、ジャズがクラシック扱いを受け、何となく体制側に組み込まれつつあるという時代の流れもあり、それが昨今の若い世代のゴールドフルートの使用につながっていくのかなとも思います。

    >楽器のかっこよさや美しさも、フルートの愉しみですからねえ。

     うんうん、そうそう。全面的に同意します。

    >何で、クラシックの人は日本人なのにタキシード着たり、あんなドレス着るの?

     確かに「日本人なのに…」というのは、私も疑問です。

     元々西欧社会では、音楽奏者というのは、身分の低い卑しい階級の者が担当していたわけで、そういう身分の低い人が、貴族たちの前に出る時は正装をするという当たり前の事があり、その伝統が今に至るまで引き継がれているので、クラシック系の音楽家がタキシードやドレス着用ってのにつながっていったらしいです。

     日本でも、芸能関係者を「河原乞食」と蔑称する風潮が、今でもなくなったわけではありませんので、そういう西欧社会でのルーツもまんざら分からないでもありません。

     でもそこで「なぜ、日本人なのにタキシード?」というのは、確かに疑問です。おそらく、その部分は、西欧のマネなんでしょうね。無邪気な模倣です。でも、私はタキシードを来て、本番舞台にあがると、誇らしい気持ちになるので、たとえ西欧人の猿まねであっても、まあいいかと思います。

  13. eichan より:

    ジャズフルートって管楽器としては特殊中の特殊だと思っちゃいます。何故かってゆうと音がナマだと聞こえないからです。ヴォーカルやギターの人の様にマイクやアンプが付いて一人前な楽器なのに吹く人は生で聞こえると思っちゃってんですよね。特に微妙なニュアンスを表現する為には音を増幅する工夫を演奏者が持ち込むのが必要じゃないでしょうか?マイクを通して我当たり前の楽器なんだと思います。ですからシルバーで十分だと思います。私はピアニストですがフルートも好きです。ピアノでさえマイクがないとドラムやベースに負けちゃうんです。

  14. すとん より:

    eichanさん

     ジャズ系のフルートさんたちは、マイクを普通に使いますよ。専用のフルートマイクがありますから、それをフルートの頭部管にチョコンと付けて演奏します。フルートマイクがなければ、ヴォーカルマイクを使います。マイク無しで演奏するジャズ系のフルートさんって、たぶんいないよ。

     こんな私でも、ジャズの時はマイク使いますし(笑)。

     音量的に負けているのに、当人は聞こえていると思っているのは、ジャズじゃなくて、吹奏楽系のフルートさんでしょう。まあ、あれも色々な事情があって、ああいう事になっているのですが、ほんと、客席にいると、フルートの音って聞こえないんですよね。

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