7月1日から、日本の格安航空会社のジップエア社(日本航空系)で、国際線の機内食の一部に、その材料として食用コオロギを使うことを決定したそうです。コオロギを使って作るのは「トマトチリバーガー」と「ペスカトーレ」の2メニューだけで、もちろんその他のメニューにはコオロギは不使用となります。
詳しくはこちらを御覧ください。
この会社はLCCなので、そもそも機内食はオプション・サービスなのです。事前予約をしておかないと食事にありつけないのだそうです。うっかり予約を忘れてしまうと、機内で購入できるのは、ドリンクと軽食(ってなんだろ?)ぐらいなので、国際線に乗るなら、数回の食事を事前に予約しておかないと厳しいのです。その予約の時に、このコオロギメニューを選ぶか選ばないかって話になるようです。だからコオロギを食べたい人だけが注文すればいいのです。
それにしても、今なぜコオロギ?なのでしょう。
コオロギって、牛や豚等と比べて、エサの消費が少なく、温室効果ガス(つまり呼吸で出すCO2)の排出量が少ないため、地球に優しくて環境負荷が減る…というわけで、SDGS(持続可能な社会)的視点からの導入のようです。まあ、意識高い系の人々に向けた宣伝効果を期待しているわけですね。材料費を考えれば、普通に牛豚を使った方がコストも安く儲けも出るだろうに…。
ちなみに、コオロギは丸々使うのではなく、粉末にして使うのだそうです。まあ、粉にして姿が見えなくて、味が良くて美味しくいただけるなら、問題は無いだろうね。昆虫食の問題は、その姿のグロテスクさだものね。
かつて深海魚が食卓に現れた時も、食べる際に深海魚の姿を見せずに、切り身で売られたり、加工食品の材料に使われたりしたのと同じだね。深海魚って海上に上げちゃうとブヨブヨのグデグデになって、かなり薄気味悪い姿になってしまうのが多いからねえ。姿を見せなかったのは、賢明な判断だと思います。
昆虫食の普及も、同じような道筋を通っていくのでしょう。そうやって、我々の生活に昆虫食が馴染んでいくわけです。なにしろ深海魚だって、当時の人たちには“気味の悪い魚”だったのかもしれないけれど、今の我々には普通の食材だからね。昆虫も同じ同じ。
よく、バラエティ番組等で昆虫食が罰ゲームになっているのは、そのままの姿で食べるからであって、さすがに昆虫をそのままの姿で食べるのは無理って人、多いでしょ? 例えば、イナゴの佃煮なんて、実に美味しくて私は好物だけれど、食べ慣れていない人には無理でしょ?
なんて書いちゃう私だって、イナゴは食べ慣れているからいけるけれど、これが蜂の子とかザザムシとかになると…いくら美味しいと言われても、普段食べていないので、かなり勇気はいります。ましてや、ダガメとかセミとかゲンゴロウとかアリとか今回のコオロギとか…伝統的に日本では食用とはされていない昆虫は、かなり無理です。
でも、これらも粉末になっていて“ただのタンパク質の粉”になっていたら…案外、イケちゃうかもしれません。だって、いくら昆虫であっても、粉になっていたら、プロテインと同じじゃん(笑)。加工食品に配合されていたら、気づかずに食べてしまうでしょう。
そもそも信州等で伝統的に昆虫食が普及したのは、単純に昔は貧しかったからで、そのために身の回りにあって安価に入手できるタンパク質として虫を食べていただけで、他に食べられるタンパク質があったら、虫を食べるという伝統は生まれなかったと思います。
今や、昆虫食に手を出さざるをえない日本…と言うか現代社会は、以前と比べると貧しくなってきた…って事なのでしょうか? 人が増えすぎて食糧不足となり、昆虫を食べざるを得なくなってきた…という事なのでしょうか?
私は、昆虫が美味しければ食べてもいいけれど、長い歴史上、昆虫食が決して普及していない事実を踏まえても、昆虫ってそんなに美味しいものじゃないと思ってます。実際、イナゴだって佃煮にして味付けを濃くして、やっと食べられるわけで、生とか塩焼きとかで食べられる、魚とか豚牛鶏とは、食べ物としてのレベルが違うと思うのだよ。
イナゴの刺し身とか、イナゴの塩焼きとか、私は絶対に食べないからね。そういう事よ。
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