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第九の練習程度じゃあ、新型インフルエンザにはかからない?

 第九の練習に行ってきました。いやあ、たぶん3年ぶり。久しぶりに行ってきました。

 3年ぶりだけれど、周りにいる人たちは3年前とほぼ同じ。実にここだけ時が止まっているかのようでした。変わった事は、練習会場の入り口にアルコール消毒のポンプがあった事(部屋に入る前に、これで手をキレイにしてねって事だ)と、首から名前とパート名が書かれた名札をぶら下げるようになった事。それくらいかな。

 名札はともかく、新型インフルエンザには気をつけないとね。あんな狭い部屋に200名近い人間がいるんだから、インフルエンザの一つや二つ、交換しあっても不思議じゃないけれど、まあ、皆さん、その割には平気な顔をしてました。一説には「年配者は抗体を持っているので新型にはうつらない」のだそうです。ま、そんな話を聞いた事はあるけれど、それって真に受けていいの?

 まあ、私は新型には、きっとうつらない(根拠のない自信:笑)からいいけれど、合唱の練習が原因でインフルエンザが広がったら、シャレにならないよね。

 ところで、今年の参加人数は例年と比べて、ちょっと多めでした。女声はソプラノ・アルトともに定員(各70名ずつ)いっぱいなのは、毎年の事だから全然気にならないけれど、今年はなんと、バスまで定員(30名)を満たしました! いやあ、驚き! さらに言うと、テノールにはなんと、20名も参加者がいました! 一体、何が起こったのだろうというくらいの盛況ぶりでした。いやいやいや…。

 200名予定の合唱団なのに、190名もいるんだよ。すごいなあ…。それにしてもテノール多すぎ。ちょっと全体的なバランスが悪いかもしれない(笑)。なにしろ、テノールの人って、一人で他のパートの人の10人分くらいの声出す奴ばかりだから(口の悪い奴ふうに言うと「テノールは叫ぶから、人数いらない」って事ね)、アマチュア合唱団の場合は、もっと少なくてもいいくらいだよ。いや、本当の話、そうなのね。

 約190名のうち、全くの新人さんは30名ほどです。いらっしゃいませ~って感じですね。難しいだろうし、落ちこぼれるだろうけれど、イヤにならずに最後までおつきあいくださいね。

 年齢構成的には…たぶん、私は男声の最年少者かもしれない(笑)。少なくとも若い方から数えたら、すぐだね。皆々様、お年を召しても、お元気な方ばかりで…。

 その点は、女声の方がバランスはいいと思います。20代30代も結構いるし、40代50代は主力だね。もちろん60代以上の方もかなりたくさんいらっしゃいます。ちなみにガールズの最年少は小学校5年生(たぶんちゃんとは歌えないだろうけれど、最後まで出席して欲しいなあ)だそうです。

 今回は、初回練習と言うこともあり、事務連絡もたくさんあったし、市長の挨拶もあったし、色々あって、発声練習はほぼカットになりました。発声練習は疲れちゃうので、パスしたい私にはうれしい限りです。

 合唱の練習そのものは、初心者もいるので、譜読みからスタートです。まず最初に「ラララ…」で合わせてみて、次にパートごとに音程を確認したら、言葉を載せて合わせてみる。これのくり返し。今回は257~264小節、285~292小節、543~590小節の三カ所の譜読みをしました。

 譜読みと言っても、音程の確認はそこそこに、時間の大半はドイツ語の発音の確認に費やされました。ドイツ語の母音の響き、ドイツ語の子音の立て方などを綿密にやりました。特にカナカナっぽい発音や英語っぽい発音は徹底的に注意されました。とにかくドイツ語、ドイツ語。それも標準ドイツ語の発音で歌うように、単語の一つ一つを丁寧にやりました。私はドイツ語が苦手なので、気を抜くと英語っぽい発音になってしまうので、ちょっと苦戦しました(し、注意も受けました:汗)。

 今年の第九の個人目標は「小さな声で目立たないように歌おう」なんですが、どうもダメですね。休憩中に妻に「一人でテノール(パート)を歌わないように…」と注意されました。ダメですね(汗)。でもでも、50%くらいの声で歌っていたつもりなんだけれど…、まだ声が大きいみたいです。休憩後は30%程度の声にまで絞りました。

 小さな声で歌うと、お腹で声を支えるのが難しくなります。お腹の支えが弱くなると、当然、音程もフラフラします。かと言って、しっかりお腹で声をしっかり支えちゃうと、思わぬ大きな声が出てしまい、自分も周りもビックリします(何? この人って感じで見られます…)。小さな声で歌うのって、なかなか難しいです。いい練習になります。

 とにかく歌っていて、ついつい音程がフラフラして「しまった!」と思うと、合唱指揮のS先生がすぐに音楽を止めて、私の目を見ながら注意します。注意とその解決方法を教えてくださるので、音楽再開後、その点に留意して、何とかその個所を切り抜けると、ニコニコしながら、先に進みます。これって、やっぱり、私のせいで音楽止めたんだよなあ…。

 ま、いつもいつも私のせいで音楽が止まるわけじゃないけれど、今回も3~4回は、音楽を止めた後に私の目を見ながら注意されていたから、私はかなりの戦犯だよなあ。ほんと「声の大きな音痴」って迷惑だよね。でも、これって、気の弱い人なら、きっと泣きながら逃げ出しちゃう場面だな。

 これは私が下手というよりも(いや、確かに私は下手なんだけれど、それ以上に)、私の声がよく聞こえて、私のミスが全体のミスのように聞こえるから、音楽を止めて注意せざるを得ないというのが事実でしょうね。30%の声量(つまり、鼻唄程度って事ね)のつもりで歌っていますが、それでもまだ、全体のバランスの中では、声が大きめなんでしょうね。いつもの事ですが、困ったものです。よく通る声(当社比)というのは、独唱では有利ですが、合唱には不利ですね。

 ちなみに、本当に下手な人は、発声も下手なので、観客席はもちろん、指揮者にだって、声が届かないので、何をどのようにミスしようが、大勢には何の影響もない。だから、何の指導もされなかったりするので、実は合唱をやっていても、単にそれだけなら、全然歌はうまくならないのね。で、時折、取り出して一人で歌わせてみると「アチャー」って事があったりなかったりするわけよ。でも、本当に歌がうまくなりたかったら、その度ごとに、きちんとダメ出しをしてもらわないと上手になりません。合唱を長年やっていても、一人では歌えない人が大勢いるのは、そういう理由なんだと思います。

 さてさて、私の声は、近くで聞くよりも、離れて聞いた方がよく聞こえるので、私自身が思っている以上に、きっと指揮者にはバッチリ聞こえちゃっているんだろうなあと思います。独唱だったら、壁からの反響音でそういうのも調整できますが、合唱だとそういうわけにはいかず、声の調整がうまくできません。そういう意味では、私は合唱が下手下手なんですが、まともに合唱もできないようでは、この先、色々と困るので、ここらでしっかり頑張って、合唱にも適応できるようにならないとね。課題は山積みです。

 次回の練習までに、なんとか「お腹でしっかり支えた、弱い声」が出せるように、ちょっと練習しておきましょうか。でも、どうやって?

 今回、S先生がおっしゃっていた、たくさんの言葉の中から、三つの言葉を心に刻んでおきます。

 「身体は末端から温め始めること。声帯は一番最後に温めること」…これは、声を守るためには、とても大切なことですね。声を出す前に、血流をよくする事が肝心ですね。とにかく声ってコワレモノですからね。声は大切に扱わないと。

 「口の中が開いていないと、声は平べったくなります」…私はよく声が平べったくなるのですが、それは口の中が閉じてしまうからなんですね。そう言えば、声が平べったくなるたびに、キング先生からも「ノドの奥!」って注意されますが、同じことですね。しかし、同じことですが、違う先生から違う言葉で言われてハッとするなんて、ダメだね、私。

 「その歌は、間違っていないけれど、狂ってる」…私の目を見て、そう言うのね(汗)。指導者にじっと目を見つめられながら「(あなたは)狂っている」って言われると、ドキドキしちゃうね。「狂っている」の内容は「音程が上がる時の幅と比べて、下がる時は広めに下がっているので、間違っているというほどの違いはないけれど、正しくないです」という意味です。ま、俗に言う「ぶら下がっている」って奴です。キング先生にも口を酸っぱくして言われているけれど「音程は必ず上から取ってくださいね」とジェスチャー入りで指導が入りました。どの先生も言うことは一緒、ってことは、みなさん私に対して、的確な指導をしているってことだね。いやいやいや…、なかなか上達しないオジサンで、皆さん、ごめんなさい。

 さあて、第九の練習も始まりました。三年ぶりに楽譜を開いて、色々と忘れている事に気付きました。さあ、本番までにしっかりと思いだして、ちゃんと舞台を勤めあげられるようにしましょう。

 ガンバ、ガンバ。

 そう言えば、歌う前の準備体操の時に気づいたけれど、私一人だけ、皆さんと体型が違うのよね。私って、誰よりもタッパもハバもある。有意に身体容積が大きいのだよ。いわば、楽器が違うって状態だね。これだけ楽器が違うと、そりゃあ、合わせるのに、苦労するはずだよね、ハハハハ…。

コメント

  1. Cecilia より:

    ついに練習が始まったのですね!
    私はきっと一生歌う機会がないのでしょうね~。
    すとんさんの記事を拝見させていただいて、一度は経験してみたくなりましたが。
    「メサイア」とどっちが疲れるでしょうか。

  2. すとん より:

    >Ceciliaさん

    >「メサイア」とどっちが疲れるでしょうか。

     これは「短距離競争と長距離競争のどちらが疲れるでしょうか」というのと、同じ質問だと思う。第九はしんどいけれど、所詮はたったの15分です。そこへ行くとメサイアは休み休みとは言え、カットカットで短くしても2時間、省略無しでいけば3時間かかるでしょ。「しんどい15分間」と「休み休みの3時間」のどちらが疲れるかという話です。

     私自身、まだメサイアをきちんと歌ったことがないので、比較できないのですが、歌った後の感じは、メサイアは心地よいのだそうです。心地よい疲労なんだそうです。その点、第九は「とにかくしんどい」とか「ああ、大変だった」という感想になります。

     歌がある程度歌える人たちからは、第九よりもメサイアの方が人気ありますよね。それはきっと、その辺の事情もあるかと思います。

     ああ、メサイア歌いたいなあ…。今年こそ、どっかのシンガロングに潜入して、メサイアを歌ってこようと思ってます。そのためには、危ないところをきちんと音取りしておかないといけないのだけれど…時間がないよー(涙)。

  3. たく より:

    こんばんは

    合唱のことは何も知らない私ですが
    先日、友人が所属する合唱団の定期演奏会を鑑賞しました。

    一緒に行った方の調子が優れず、一部のみの鑑賞しかできなかったのですが、宗教曲を3曲聴いてまいりました。

    曲目は以下のもので
    ☆Laudate ニーステッド作曲
    ☆MesseよりKyrie,Sancutus マルタン作曲
    ☆Ave Maria サンドスレーム作曲
    Laudateはソプラノ→バスを左から右に配置した形だったのですが、次の曲からは男性コーラスを真ん中にする変わった?配置を見ながら、司会の説明を聞くと「ダブルコーラス」という演奏法?で合唱をされていました。

    演奏の方はアマチュア合唱団では全国大会金賞を受賞するところでもあり、「シンフォニックホール」という関西でもかなり有名なホールでの合唱でしたので、宗教曲が持つ、「神聖な雰囲気」や「狂喜の世界」を表現したものを聞き、歌も奥が深いなとすごく感激しておりました。

    すとんさんに質問ですが、合唱前に指揮者の方がその曲のキー音を吹くのですが…
    あれって出だしの音がパートによって違う場合は混乱しませんか?
    素人考えですみませんが、声楽をされている方に素朴な質問ということでお許しください。

    ちなみに「Ave Maria」について、私のイメージの曲と違い、すごく幻想で混沌な雰囲気が出ており、自分の宗教曲のイメージが変わりました。
    パンフレットにはサンドスレームのこの曲は精神的な持続力を求められる難曲で演奏会でも取り上げることが少ないとのことが書かれていました。

  4. すとん より:

    >たくさん

     私はその三曲と言うか、その三人の作曲家、知りません。うわー、すっげーマニアックな選曲! これはとても、プロの団体では演奏できないねえ…。だって、このプログラムじゃあ、客呼べないでしょう…。こういう、とてもお客を呼べそうもない企画を平気でやっちゃうところが、アマチュア団体の真骨頂だったりするわけで、いやみじゃなくて、アマチュアの良い部分が出ていますね。

    >合唱前に指揮者の方がその曲のキー音を吹くのですが…
    あれって出だしの音がパートによって違う場合は混乱しませんか?

     その合唱団のレベルによっても違うでしょう(笑)。各パートの出だしをきちんとピアノで鳴らしてから演奏し始めても、混乱する団体は混乱するし、音の確認を一切せずに、指揮者の棒でいきなり無音からきれいなハーモニーを奏でる団もあります。

     無伴奏の曲でしたか? 無伴奏の曲に挑戦する団体は、かなりレベルの高い団体で、当然団員もかなりのレベルの人間が揃っています。みな、高度な相対音感を持っているでしょう(だから、キー音だけで十分なんです)し、おそらく絶対音感を持っている人も多数いらっしゃることでしょう。

     一般論で話せば、程度の差もあるでしょうが、練習をくり返している過程で、出だしの音って、覚えちゃうものなんですよ。だから、その音ズバリでなくても、キー音とか和音とかでもOKだったりします。もちろん、練習の時から、そういう形で音を取っている必要はありますが。

     音感って、ずばり、記憶力なんですね。(だから、年を取ると苦手になってくるわけだ…)

     ちなみに、現代合唱曲を演奏するには、団員それぞれが絶対音感を持っていないと、かなりキツイそうです(汗)。私には到底無理だな…。

  5. たく より:

    私のつたない質問に回答いただきありがとうございます

    キーの件は
    わかりにくい質問ですみませんでした
    すとんさんのご指摘のとおり無伴奏曲でした
    そういえば友人は小学生のころからフルートを吹いており、今はジャズバンドでフルート(ピッコロ)を演奏する人なのですが、多分…絶対音感は持っていると思います

    だってカラオケでフルートの練習をするときに曲を適当に選び、その曲の調を聞き分けながらメロディとおかずを吹くので…

    その合唱団の演奏会では現代作曲家(信長貴富吉さん?)に作曲をお願いした曲も初演されていました

    かなりのレベルの団体なんですね
    すべての曲を聞きたかったな
    まぁ仕方がないか

  6. かなりや♪ より:

    お久しぶりです。
    ついに、合唱に挑まれているのですね!
    小さな音量で、支えながら歌う・・・まさに、ずうっと、自分の中で課題になっていることです。大きな音量なら、自然に支えることができても、小さな音量となると、難しい・・・。
    指導者が違っても、同じ指摘を受ける・・・あらためて、自覚させられますよね。
    新型インフルに負けず、集う歌好き人々!
    また、レポート楽しみにしています。

  7. すとん より:

    >たくさん

     誤りの件はさっそく訂正しておきました。

    >だってカラオケでフルートの練習をするときに曲を適当に選び、その曲の調を聞き分けながらメロディとおかずを吹くので…

     その方は絶対音感も持っているかもしれませんが、このケースでは、十分に訓練された相対音感の持ち主なんだと思います。絶対音感しか持っていない人は、案外とカラオケって苦手なんですよ。と言うのも、カラオケって移調されているケースが多いのですが、絶対音感しか持っていない人は、移調した音楽には対応できない人が多いのですね。

     普通に音楽の演奏を楽しむなら、相対音感が十分にあれば良いそうで、絶対音感は場合によりけりですが、音楽を楽しむ幅を狭められるという方もいます。ま、私はその両方も持っていないので、自分の意見としてはなんとも言えないのですが。ただ、プロの音楽家としてたつならば、絶対音感がないと、かなり厳しいという話は聞きます。

    >かなりのレベルの団体なんですね

     演奏された曲目から見ても、かなり高いレベルの合唱団だと思いますよ。ま、きっと、またチャンスがあるでしょうから、その時は、お聞き逃しのないように。

  8. すとん より:

    >かなりやさん

     ほんと、久しぶりの合唱です。なんかもう、色々な事を忘れています(笑)。合唱は独唱とはまた違った楽しみがあって良いですね。

     いやあ、小さな音量でしっかり声を支えながら歌うというのは、実に難しいです。おっしゃるとおり、大きな音量なら、ババーンと歌い飛ばせばいいので、楽なんですがね(笑)。でも、小さな音量で歌えないと、市民合唱団では遊べませんから、ここは我慢して、そのテクニックを磨かないと…。

     こんな調子で、ヘコヘコしながら合唱の練習に励んでいきまーす。

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