クラシック系のリアルな音楽家にとって、ドイツ式音名はほぼ常識でしょう。私のようなアマチュアバンド上がりの人間にとっては「ゲー」だとか「ハー」だとか「ツェー」だとかって、「はあ?」の世界でしたが、別にこれはアルファベットをドイツ式に呼んでいるだけと知ってから、別になんて事ないと思いました。
C(ハ) D(ニ) E(ホ) F(へ) G(ト) A(イ) H(ロ)
これがドイツ式音名です。アメリカ式とはロ音の名称が違う程度ですね。もっとも呼び方はドイツ式になりますので、C(ツェー)・D(デー)・E(エー)・F(エフ)・G(ゲー)・A(アー)・H(ハー)と呼びます。
嬰(♯)はそれぞれ字尾に“is”を付け、変(♭)には“es”を付けますので、嬰ニ音はDis(ディス)、変ニ音はDes(デェス)になります。変ロ音だけは特別にHesではなくB(ベー)と呼びます。
オクターブを越える音に関しては、日本式に近く、一点ハ音はc1、二点ハ音はc2。ハ音はc、は音はC、下一点は音はC1となります。カタカナが小文字、ひらがなが大文字で、上下点の区別は無し、って感じですね。
でも、ドイツ式でオクターブを越える音名って、あまり使わないと思います。クラシック界の人たちは日常の中で「G(ゲー)の音下さい」とか「そこはB(ベー)でお願いします」とか、話の流れでどのオクターブかは言わなくても分かるだろうって感じで、音名を使っています。オクターブを越える場合は固定ドと同じように「上の~」とか「高い~」とか呼んでます。
もっとも「Aの音を下さい」と言った場合は、一点イ音(アメリカ式だとA4)を指す事がとても多いです。おそらくチューニングの関係でここが基準音になるからなんでしょうね。
リアルな世界の(クラシック系の)音楽家にとってはデフォルトなドイツ式音名ですが、ネット社会ではあまり使われていないような気がします。それはおそらくネットで音楽の話をする人の大部分が、クラシック系でもなければ、リアルな音楽家でもない人が多いからでしょうね。
では、ネットではみんなアメリカ式音名とか日本式音名を使っているのかと言うと、案外そうではないのです。アメリカ式や日本式が多いのですが、もうひとつ、第三勢力と言うのでしょうか? 無視できない、おもしろい音名を使うグループがいます。
次回は、そんな人々が使っている音名の話をします。
コメント
第3勢力・・・気になります~!
ドイツ音名しか使わない人の中ではドイツ音名が言えないと気恥ずかしいし、使わない人の中で使うのも知識をひけらかすようで気恥ずかしいし・・・何かと気を使います。
昔声が出なくなった時に通院した耳鼻咽喉科の先生、初診の時、「2点C(ツェー)の音出して!」と。
音感に自信がなかったので不安になりました。(そこは声楽家がよく行くところでした。)
気になりますか…では、近いうちにアップしましょう。
日本式とかアメリカ式とドイツ式とかイタリア式(いわゆるドレミ)とか、色々な音名が飛び交っている我が国の音楽業界って、どんなもんだろうと、このシリーズを書きながら思うことしばしです。
同じ音指しているなら、呼び方統一すりゃ便利だろうに! そうすれば「はあ~?」って思ったり「気恥ずかしさ」もなくなってすっきりできるのにねえ…。と思いますが、そこはやはり越えられぬジャンルの壁なんでしょうかね。
おっと、コメントがグチになってしまいました。あしからず。