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初心者は安い洋銀フルートで十分?

 フルート界には「初心者は安い洋銀フルートで十分。上達するにつれ、頭部管銀、管体銀、総銀とフルートを買い換えていくのが良いのであって、最初から総銀なんかを買ったって、吹けるはずがない。大切なのは、高い楽器を持っていることではなく、腕前を磨くことだ」というのがあります。この手の理屈(!)は、特に中高生たち、吹奏楽部のフルート吹きさんたちが、たくさんたむろっている掲示板などで、よく目にします。

 全くの間違いではないと思うし、この理屈で救われる子もたくさんいると思うので、まんざら屁理屈と、こきおろすことはできないのですが、でもやっぱり、オジサン的には「えーーー」って思う理論展開なわけです。

 まず、この理屈で救われる子とは、どんな子か。それは貧乏人の子。具体的に言えば、学校備品の楽器でフルート吹いている子とか、安いフルート(失礼)しか親に買ってもらえない子とか、バイトのお金を貯めて、精一杯背伸びをして安いフルート(失礼)を買った子。こんな子が救われると思う。

 私自身も貧乏人の子だったし、中学生の頃は吹奏楽部に入りたかったけれど、楽器を買ってもらえなかったため(ウチの地元の学校では、吹奏楽部は自分の楽器を持参するのがデフォルトなのね)、泣く泣く吹奏楽部への入部を諦めた私(なので、時折パーカッションでトラをやってました)ですから、そんな子の気持ちは分かるつもり。

 だから、最初に手にする楽器が安い楽器になるのも仕方がないと思う。ヤマハのスクールモデルや、安い中国製のフルートをうれしそうに吹いている子を見ていると、私は「がんばれ!」と声をかけたくなるし、「初心者は安い洋銀フルートで十分」という言葉を支持したいと思います。

 それに、実際、初心者、それもスポーツ嫌いの女子中学生あたりが、いきなり総銀フルートを入手したところで、やっぱり吹きこなすことは無理だと思う。だから、結果としては、この理屈は正解だと思う。

 でもね、その先の買換えってのが、納得いかないんだ。なんか、所持しているフルートを武道の胴着の帯の色か何かと勘違いしているんじゃないの?って思うのよ。

 洋銀フルートを吹いている人は、総銀フルートを吹いている人よりも格下なの? 洋銀フルートでも、頭部管銀と管体銀では、管体銀の所有者の方がエラいの? まだ下手な子が管体銀フルートを持っているのは生意気なわけ? 管体銀フルートを持っている後輩は、持っているフルート管体銀だからと言って、頭部管銀の先輩にいじめられても仕方がないの? …なんか訳分かりません。でも、この手のことで、よく若い笛吹きさんたちの掲示板が荒れてますよね。おそらく、彼らにはこの手の問題は、かなり切実な問題なんだろうと思います。

 オジサンが思うには、上手な人は、どんなフルートを持っていても上手に吹けると思うし、たとえ総洋銀フルートを吹いても、アンコンで上位入賞できるし、人の心をゆさぶるような演奏ができると思う。

 下手な人はどんな高価なフルートを使っていても下手だと思う(胸が痛い…)けれど、上手な人が高価なフルートを持っていれば、やはり表現力の幅が広がって、安いフルートで演奏するよりも、より心に染みる演奏ができるとも思う。

 上手な人同士の中で、腕前の優劣を競うなら(例えば音大入試とか、コンクールとかね)、高価な楽器を所有している方が、たぶん有利でしょう。

 要は、所持しているフルートの値段なんて、道具としての値段の差でしかなく、その道具をどれだけきちんと使えるかが大切なポイントなんだと思う。だから、最初は安い楽器であっても、上達するに従って、より高価な楽器にシフトしていくのは当然だと思う。けれど、なぜそこで順番を踏んでいかないといけないの? 総洋銀の子が、いきなり総銀フルートやゴールドフルートに行ってはいけないわけ? 

 ではなぜ、この手の買換えの話は止まないのかと言うと、貧乏人の子の気持ちを救って上げる以外にも、ある種の真理をついているからだと思う。そのある種の真理とは、おそらく経験則でえられたものであり、だから、根拠が分からなくても、人は何となく納得してしまうのだと思う。

 では“そのある種の真理”とは何か…? それは“体の成長”ではないかと思う。

 一般的に行って、フルートは値段が上がるにつれて、吹きこなすのに息の力が必要になってきます。幼い未完成な子どもの体に、強い息を要求するのは酷な話だし、それが原因で体を壊すことや、体が変形してしまうことだってありうる。それに音楽を志す子の大半は、運動が嫌いで、体が弱く、筋肉が未発達な脆弱な子が多いこともあり、そんな子たちに無理強いはできないわけだ。そんなこんなが、先の理屈へと結実していったのだと思う。

 だから、すでに体もできあがり、お金もそれなりにあるオジサンから見れば、えーーーっと思う理屈なんだけれど、成長期にあり、お金にだって不自由している若い子たちには、これは一面の真理なのだと思う。

 だから、あの理屈は子ども向けの理屈であって、大人には全く当てはまらないと思います。

 大人は…最初から、大人買いよ! ババンと、高いフルート、買っちゃえ! 内需拡大だあー! 人生、残り少ないぞ、最初からお気に入りのフルートで遊んじゃえ! 今が一番体力あるのか、大人だぞ。段階踏んでいるうちに、体が弱ってきたら、いい笛が吹けなくなるぞー。

 …てね(笑)。

 ちなみに、もしも息子君がフルートを買ってくれとか言い出したら…たぶん、ヤマハのYFL-221を買ってやるかな。Eメカすら付いていない、一番安い奴。「これで苦労しろ!」って感じかな? もっとも“苦労”と言ったって、音程的にはバッチリだし、音色的にも問題はないだろうし、音量的にはむしろ、アゲハよりもいいんでないの? 何か、文句あっか!って感じ。もっといいフルートが欲しければ、大人になって、自分のサラリーで買え!って感じでしょ。

 「僕は、フルートで音大に行くんだ」と妄言を言い出したら、即、家から追い出します(笑)。自分の好きな道に進みたければ、自分でその道を切り開いて来いってわけだ。

 バッチ、コーーイ! ってんだ!

コメント

  1. 小夜子 より:

    いつもながらお見事!な切り口です(^^)
    私も、学生のうちは総洋銀で良いと思います。
    でも。ちゃんとしたメーカーのヤツね。
    もし、ウチの娘がフルートをすると言ったら…多分私の「み~や」をお下がりで(使用に耐えればですが)渡すでしょう。
    その後、「み~や」に寿命が来たら、前述の総洋銀ですよ。
    自分でお金貯めて買うなら「お好きにどうぞ」ですけどね。
    実際、私もみ~やは学生時代のバイト料で買ったし。

    買い替えは…段階を踏む必要は全然無くて、自分の気持ちとお財布と相談して決めれば良いとおもう。
    社会人なら尚更ですよね。最初は総洋銀もしくはレンタルで、ずっと続けたいと思ったら、次はバーン!と好きな楽器を買うべき。

    娘が「音大」とか言っても、経済的に無理なので(^^;
    働いてお金貯めて自分で行くなり、奨学金もらうなり、宝くじ当てるなり…自分で何とかしてね♪ってのは我が家も一緒です。

  2. たかさん より:

     ほんと、その通りですね。洋銀製のフルートの音って決して悪くありません。安い楽器だからとばかにしたり、卑屈に思ったりする必要はないのに、そんな論理がネットでは見受けられますよね。

     まず、腕を磨いてからといいたいですね。

  3. 野鳥 より:

    大人は体力が落ちていく一方なので吹きたいフルートを経済力に応じて買えばいいと思いますよ、私も。
    あと何年フルートを吹けるかと考えて、楽器が育つのに何年かかるかも考えれば、いきなり本命が正解でしょう。

    大人の趣味は心の潤いのためですから、持っているだけでも嬉しくなるフルートを買うのが一番。大変な思いをして働き続けているのですから、大人買いは自分へのご褒美ということで。

  4. まきりん より:

    リハビリ待ち時間、携帯からです。
    ここ数日の日記楽しませていただきました[E:happy01]

    どのかたのHPだったのか失念しましたが…
    色々な笛をお持ちになり、音源を公開されているなかに、そのヤマハの笛で吹かれている曲もありました。
    明るい音色で吹く人が違うとこんなにキレイなのね!なんです。

    私の先生のお生徒さんの話なんですが、
    フルートを始めるにあたって、最初から総銀の笛で始めたんだそうです。
    でも、音は出ないし、苦しいし新しい笛を買ったそうです。何の笛買ったと思いますか?

  5. すとん より:

    >小夜子さん

     同感いただけて感謝です。

     それにしても、音大進学はお金がかかります。と言うか、本来は単なる進学なんですから、お金がかかるはずもないのですが、そこにいたる様々な付帯的な条件の方にお金がかかってしまい、結果として「音大進学はお金がかかる」というイメージになってしまうわけです。

     おまけに音大を卒業したからといって、金銭的に恵まれることなど、まずありえませんから、費用対効果という点では悪い悪い。決して資本投下した分の回収などできません。そういう意味では、貧乏人の子弟には、きびしい選択ですね。

     私の教え子たち(以前は高校の先生をやっていた時期もあるんですよ)も、数名、音大に入ってます。中には、かなり私が関わった子もいます。お金は…かかりますね(汗)。親御さんと話をしていると、やはり「娘一人、家一軒」と言ってました。つまり、娘をひとり音大に入学させる(入学してからのことはまだ計算に入っていない!)ために、使ったお金で家が一軒建ってしまうとの事。

     もちろん、入学後だって、プライベートレッスンやらなんやらで、芸大ならともかく(ここは案外お安く済みます)、そうでなければ、本人のバイト料ではとても足りないので、やはり親がかりだし、卒業後だって音楽を続けている限りは親がかりだし…、留学したい(しなければ演奏家として一人立ちできませんから)なんて言い出したら、これもまた親がかりだし…。親にとっては、かなりきちんとした覚悟が必要です。

     とは言え、貧乏な家の生まれで、(ローカルレベルですが)立派に演奏家として生活している人もいるので、なんとかなると言えないわけでもないのですが…ううむ、親としては難しいですね。

     やはり子どもが「音大に行きたい」と言い出さないことを願ってます。

  6. すとん より:

    >たかさん

     そうそう、洋銀フルートの音色も捨てたものではない、と言うか、趣味趣向の範囲の話だと思います。音楽ジャンルによっては、総銀やゴールドよりも洋銀の音色の方が合うものもあります。例えば、ジャズとかボサノヴァとかね。いやむしろ、その手の音楽では、積極的に洋銀を選択しているプロ奏者もいますからね。

     たぶん、吹奏楽やフルートアンサンブルだって、洋銀フルートで十分なはず。総銀やゴールドは、元来クラシック系音楽のための音色だと思ってます。だから、クラシック系(室内楽とかオーケストラ曲とか)をやるのでなければ、総銀にこだわる理由はないと思ってます。

     プロ奏者は、音楽ジャンル以前に、外見も大切なので、営業の時は、黄色っぽいフルートで吹かないと、ハッタリが効かないという事情もおありのようですが(笑)。

  7. すとん より:

    >野鳥さん

    >大人の趣味は心の潤いのためですから、持っているだけでも嬉しくなるフルートを買うのが一番。

     まさに、それです。そこですよ、私が言いたいのは。確かに色々な事情はあるだろうけれど、「持っているだけで嬉しくなるフルート」を、たとえ分不相応と言われようと、それを我が愛器にするのが、大人の趣味というものです。“自分へのご褒美”という側面だって、忘れちゃいけない。

     フルートは体力が必要な楽器だと思います。いい楽器は元気のあるうちでなければ吹けませんから。いきなり本命で大人の道というものですよね。

  8. すとん より:

    >まきりんさん

     リハビリごくろうさまです。まだ、フルートの方は再開されないのでしょうか? フルートは、素人考えですが、肩に負担がかかりそうな楽器ですから、無理をせずに、できるところからコツコツとお始めになるとよろしいと思います。

    >何の笛買ったと思いますか?

     ええと、最初から総銀の笛を購入されたという点から考えても、その生徒さんは、大人の方で、経済的にはそれなりにゆとりのある方とお見受けしました。総銀が苦しいということを考えると、それなりの年配者でしょう。その年代でフルートというなら、おそらく女性でしょう。

     ある程度の年齢にいった、経済的余裕のある女性の初心者が、購入したいフルートは…?

     今さらYFL-221とは考えづらいですねえ…、だいたいオシャレじゃないですし…、年配者は本物志向だし…、

     ……ううむ、となると、ゴールドフルートですね。それも9Kとか10Kとかオーラマイトとかの、金の使用量の少なめのゴールドフルート。この手のフルートなら、総銀と比べても吹きやすく鳴りやすいので、総銀にへこたれた人でも十分使えますしね。

     まきりんさんの先生の生徒さんってなると、地域的な問題がありますね。その辺を考慮にいれると……海外メーカーとかは考えづらいなあ…。やはり国内大手メーカーのフルートとなりますでしょうか。…となると、ヤマハYFL-911か、ムラマツ9K-GOLDでしょう。先生のお口添えがあると仮定すると……ムラマツ9K-GOLD!

     ムラマツ9K-GOLD でファイナル・アンサーということで!

     いやあ、ドッキドッキだな。

  9. ムラマツEXⅢ より:

    >初心者は安い洋銀フルートで十分。上達するにつれ、・・・

     自分を探る・・という使い方として大人も学生さんも最初の1本目に入門モデル、というのは賛成です。ただ、根性論で学生さんが何度も買い換えを親にさせるのは(?)です。大人が好みにあわせて自分で買いかえることは大賛成。

     私は浮気性ですので、なかなか本命が決められません。『上達につれ・・』とはちょっと違うかもしれませんが、自分の場合はムラマツの頭部管銀製モデルが初めての相棒になりました。スチューデントモデルです。1日2時間ほど吹いて3ヶ月ごとにメンテナンス。で、その待ち時間にいろいろなモデルを毎度試奏させてもらってます。

     そのとき感じますのが、以前は吹ききれなかったけど次の回ではとても素敵な音色を出すことができたモデル、以前は吹きやすかったけど今回はちょっと物足りなく感じるものなど、本当の初心からちょこっと吹けるようになってくるだけでガラッと好みが変わってしまうことでした。それでいまだに本命を決めることができていません。

     レンタル期間などでその好みや自分の体力などが分かってこればいいのですが、本命はきっととても高価な買い物になると思います。ですので最初に入門モデルでその辺りを探ってみるのも一つの手かな?と最近感じます。1年あれば相当選択眼が養われると思います。

    >「持っているだけで嬉しくなるフルート」

     はい。これは是非私も早く手に入れたいですね。。。
     地元の演奏会に精力的に足を運んで、可能なときはフルートの機種とかもそのとき伺ってきて楽器屋さんで試奏し、今3~4機種程に候補を絞りました。まだまだ候補は変わるかもしれませんが、これはこれでとても楽しい期間です。まだ本命に出会えていない人の特権(?)でしょうか。毎月のフルート積立金もモチベーションを支えてくれています!

     ・・きっと本命が決まってしまったら試奏が怖くなると思います。本命より素敵な相手と出会ってしまったら心が揺らぐのは人の性でしょうから。。。(苦笑)

  10. すとん より:

    >ムラマツEXⅢさん

    >本命はきっととても高価な買い物になると思います。

     それで良いと思います。

     「二本目のフルートは、長く付き合うフルート」

     これは私の先生が、アゲハを購入する時におっしゃっていた言葉です。だから、思いっきり背伸びをして、今の自分には分不相応で、ちょっと吹きこなせいと思うフルートを選びなさいと言ってました。

     アゲハは、当初予算の三倍の価格のフルートです(笑)。でも、後悔してません。良い買い物をしたと思ってます。

     もっとも、フルートの楽器としての良さとお値段は、ある一定以上なら、関係ないと思います。メーカーや販売店的には、より高価な楽器のご購入を心からお待ち申し上げまくっているでしょうが(笑)、ユーザー的には、メーカーや値段は無視して、本当に自分の好みの音色で、自分の手に合ったフルートを探すことが大切です。

    >きっと本命が決まってしまったら試奏が怖くなると思います。

     それが案外、平気なものです(笑)。自分のフルートよりも良いフルートには、なかなか出会わないものです。もっとも、そのためには、きちんとたっぷりと試奏をしておく必要がありますがね。

     愛着も含めて、自分の手元で育てたり育てられたりしているフルートって、やっぱりいい音を鳴らします。どんなに高嶺の花であっても、所詮は余所の子ですから、ウチの子ほどにはかわいくありません。

     私の場合、パウエルのメカ金木管フルートが「アゲハよりも良い!」と思った唯一のフルートですが、だからと言っても、これを買うかというと???です。たぶんお金があっても、迷うかもしれません。

     購入してからの試奏は「どれだけウチのフルートは良いフルートか」を確認するための試奏です。それに、試奏をして、本当に今のフルートよりも良くて、ぜひ買換えたいと願ったなら、それは神様のお引き合わせなんだから、素直に買換えですってば(笑)。

  11. まきりん より:

    すとんさん ども!

    いや~、すとんさんの推理お見事!
    正解!です。
    メーカーまではわかりませんが、
    ゴールドのフルートに買い替えたという事です。
    お金…あるところには、あるのねえ…

  12. すとん より:

    >まきりんさん

     やったー! 正解。

     実は、世間では「ゴールドフルートは吹きづらい」とか「鳴りづらい」とか、言いますが、金の含有量の少ないゴールドフルートは、むしろ総銀よりもずっと吹きやすく鳴りやすいと思ってます。よく、ライザーとかリッププレートに金を使った総銀フルートというのがありますが、あれは銀に金の音色をプラスするという側面もある一方、吹きにくく鳴りにくい銀のフルートを吹きやすくするという目的もあると思っている私です。

     実際、年をとってよぼよぼになったら、ゴールドフルートを吹いてみたいと思っている私です。もっとも、その頃は、お金もなくて、ヒイヒイ言っているはずですから、ゴールドフルートなんか買えないでしょうが(笑)。

     ところで、例のアレは、リクエストどおりに消しましたが(笑)、不思議なものですね。私「221と、その40倍のお値段のフルート(おそらく、ムラマツSR)と、どちらのフルートで演奏した方が好きですか?」って尋ねられたら、たぶん「221の方」って答えちゃいます。 同じ方の演奏ですから、演奏そのものはほぼ同じで、違いは録音環境と使用楽器の差だけです。単純に、この方のムラマツの音よりもヤマハの音の方が、私好みなんだろうなあって思いました。

     ご本人は、ムラマツラブの方のようですが、221でこれだけの演奏をなさるのですから、ビジューとかメルヴェイユとかを演奏したら、きっと、すっごい良いんだろうなあと思いました。

     それにしても、ヤマハYFL-221って、良い楽器ですね。

  13. ダリア より:

    うーん。実は、最近買い替え問題で悩んでいる日々が続いているんですよ。今日のすとんさんの記事の、終わりのほうの数行が背中をドンドン押しています…、っていうかバンバンと平手でぶっ叩いているようです。
    「買っちゃえ~買っちゃえ~思い切って買っちゃえよ~~」っていうすとんさんの声が幻聴のように聞えてきます。
    うーんうーん。考えちゃうなあ。

  14. すとん より:

    >ダリアさん

     あ、分かります? はい、背中を平手でバンバンぶっ叩いておりますです。

     なーんてね(照)。

     内需拡大でーす、自分へのご褒美でーす、子どもじゃないんだから、それなりの楽器を持ってないと、大人としてのステイタスが…、とかネ(照々)。

     それはともかく(笑)。

     フルートは高い買い物です。だからこそ、買い時と言うのがあると思います。その買い時というのは、市場の傾向とか、状況が整ったらとか、の周辺状況が整ったら買うのではなく、…

     神様の声が聞こえたら、即、購入です! はい。

     神様の声は、人を介して伝えられます。おそらく伝えてる人も、それが神様の声だとは気づかずに伝えていますが、後から考えると、まさにその瞬間に神様がやってきて、背中をぶっ叩いているのだと気がつきます。

     私の場合は、笛先生の「金のフルートを吹いてきなさい」が、まさにそれでした。そこから、おもしろいように状況が回転していって、一カ月後には、アゲハが手元にありました(笑)。それも当初予算の3倍の楽器です(大笑)。でも、世の中、そんなもんです。

     私には全くその気はありませんが、もし、私の言葉で背中を押されていると感じるなら、ひとまず、この週末、楽器店に出かけてみたらいかがですか? もしかすると、状況が動き始めるかもしれませんよ。

     老婆心ながら、アドバイスをするなら、明日、もし良いフルートと出会っても、予約だけして、まだお金は支払ってはいけませんよー。フルートは、衝動買いなどして良い買い物ではありませんからね。でも、気に入ったら、予約をして、取り置きしておかないと、逃げ出しちゃうから、必ず“予約”を入れてねー。

     では、良い出会いがダリアさんにございますように。

  15. tomomi-aloooha より:

    ふふふ。
    大人買い~のくだりに、笑っちゃいました。
    うんうん、と思える私も、自分でお金を動かせる、大人になったのだなァ、と。
    若い頃(学生時代)には戻りたくありませぬ。

    一緒にアンサンブルをしてる兄さんが、色んなフルート遍歴をお持ちなのですが、
    最終的に行き着いたのが10万円程度の国内メーカーの某楽器で、
    それがまた、い~い音するんですよね。
    ガックリですわ。苦笑
    といいつつも、いつか頭部管買い!の光を捨てきれないワタシ。
    銀座行きたい~。

    いや、それより基礎ですわ。
    Come on! TAFFANEeeeeeeeL!

  16. すとん より:

    >tomomi-alooohaさん

    >若い頃(学生時代)には戻りたくありませぬ。

     うんうん、健康と美貌に関しては、若者の方がいいけれど、それ以外はねえ、今の方がずっといいね。私も貧乏学生の頃には戻りたくないです。やっぱり、世の中は大人の方がおもしろいね。

    >最終的に行き着いたのが10万円程度の国内メーカーの某楽器で、それがまた、い~い音するんですよね。ガックリですわ。苦笑

     うん、それ、よく分かる。アマチュア・フルーティストは、総銀とかゴールドとかの笛にすぐ憧れるけれど、果たして、それらがその人に合っているかとか、洋銀のちゃんとしたフルートの音を落ち着いて聞いたことはあるのとか、言いたい事は山のようにあります。

     ゴールドはもちろん、総銀だって、あれをきちんと鳴らすには、日々、相当の努力と時間が必要だよね。その時間が取れないのなら、もっと鳴らしやすい、身の丈にあった楽器の方がいいと思う。決して、洋銀系フルートを馬鹿にしてはいけません。あなどれない楽器は山のようにあります。

     なんて事を言い出すと、楽器屋並びに楽器メーカーへの商売妨害になるかな?

     実際に、私、ソナーレの管体銀(15~6万円程度)のフルートが欲しいのよ。あれ、結構、いい音するしね。

    >銀座行きたい~。

     ふふふ、明日行きます。さあ、何を吹いてこようかな…。

  17. Cecilia より:

    興味深い記事で楽しませていただきました。
    大人でもドンとお金を使えない私ですが・・・。(涙)
    うちの娘たちがもっと幼くてピアノを頑張っていた頃に楽器店の社長がさんざんグランドを薦めてきました。
    社宅だったので物理的に無理だったけれど(それでも薦められた!)、あの時買っていたらどうなっていたのでしょう??
    まあフルートとは事情が違いますね。(笑)
    ヤフオクで色々見ていたら今よりいいヴァイオリンが欲しくなってきました。
    でもこれはベルを買うより難しいですね~。

  18. すとん より:

    >Ceciliaさん

     グランドを買っていたら…おお、おそろしい。ピアノ教室でもやらない限り、民家にグランドは不要でしょう…と言うか、ピアノ部屋を作らないとダメだよね。

    >ヤフオクで色々見ていたら今よりいいヴァイオリンが欲しくなってきました。

     ヴァイオリンは危険だよ(笑)。フルート以上に上限がないし…。楽器って、上を見るとキリがないからね…。それにヤフオクだと楽器の状態が確認できないしねえ…ヴァイオリンはフルート以上に個体差があるから、オークションはかなり危険だと思うよ。安い買い物じゃないから、本当に欲しいのなら、都会に行って弾き比べないと…サ。

     ちなみに、今日、1000万円のフルート(いっせんまんえん…だよ。打ち間違えたわけじゃないよ。もちろん一本のお値段だよ)をたっぷりと吹いてきました。このフルート一本で家が建つなあと思ったら、ちょっと頭がしびれました。

  19. 橘深雪 より:

    すとんさんのブログ・たかさんのブログをみて何となく私も書きたくなったのでリンクはらせていただきました。
    ご迷惑になりましたら、御連絡願います。

  20. すとん より:

    >橘さん

     読みました。全然OKです。ちなみに、そういう時は、トラックバックというのを送るといいんだよ。

    橘さんの記事はこちらです。
    http://kleinelilie.blog.so-net.ne.jp/2009-03-30

  21. inti-sol より:

    私は、ムラマツEX(C足、オフセットリング)を使っています。目下のところ、この楽器で完全に満足していて、それ以上の楽器を購入する予定はないのですが、このフルートを購入した某楽器店のムラマツ・フェアでDS、SR(H足)、PTP、14K、24Kと試奏したことがあります。
    この中で一番音色が印象深かったのは、SRとPTPなんです。SRの音色が「違う」と感じたのは多分H足だったからだと思いますが(試奏した他の楽器は全てC管でしたので)。
    14Kはとても吹きやすかったし、音色もきれいだったけど、EXの10倍の価格でもほしいかというと、正直私には・・・・・。24Kは、お値段700万円だったか800万円だったか、楽器も重いし、値段の重さに腕が震えました。
    音もやや鳴りにくかったです。(もちろん、3オクターブまでちゃんと音は出ましたけど)ま、話の種としては良い物を吹かせていただいたと思います。

    高価な材料ほど吹きこなしにくいとよく聞きますが、このとき吹いた楽器の中では14Kが一番吹きやすかった気がします。一番高価な24Kは、確かに一番吹きにくいと思いましたが。いずれにしても、24金以外は、EXと比べて吹き易さにそんな大きな差があるようには感じませんでした。(でも、H足は音色は印象的だったけど、最低音は私の技量ではうまく音が出ませんでした)
    こういうのは好みの問題でしょうが、総銀製のSRやPTPは、「いつかもっと上手くなったら欲しいなあ」という気持ちがなくはないです。金のフルートには、それはあまり感じませんでした。

  22. すとん より:

    >inti-solさん

     実は私、先日、ムラマツの全モデルを一通り吹いて参りました。その件に関しては、来週あたり(今週は記事の予約が一杯なの)、書いてアップするつもりです。

     ちなみに24Kは、素の状態で約900万円。それにEメカつけたり、H管つけたり、彫刻したりすると、1000万円超えるそうですし、実際、私が試奏したのは、その1000万円越えしたものだったらしいです(爆)。高いねえー、下手するとマンション買えるよ。

     ムラマツはEXであっても、十分コンサートなどで使えるクオリティのフルートですね。あれは、すごいと思いました。腐ってもムラマツ(って、別にムラマツは腐りませんが)なんだなあと思います。

    >高価な材料ほど吹きこなしにくいとよく聞きますが、このとき吹いた楽器の中では14Kが一番吹きやすかった気がします。

     ムラマツはどの材料でフルートを作っても、鳴りやすいフルートを作る会社だと思ってます。だから、ムラマツで考えるとダメだと思いますよ。ちなみに、ムラマツのフルートは、14Kとか18Kあたりが、色々な意味でバランスが良いフルートだと思います。

  23. inti-sol より:

    EXを購入したとき、試奏したのはあとヤマハとミヤザワ、サンキョウでした。個人的にはアルタスにも興味があったのですが、たまたまその時、アルタスは頭部管銀クラスの楽器の在庫がなかったので、試奏できませんでした。あと、理由は覚えていないけどパールも試奏しませんでした。
    で、試奏した中ではサンキョウとムラマツは結構特徴的な音色と思いました。サンキョウは明るく、ムラマツは暗い。でも、何ででしょうね、私はムラマツのEXの音が一番いいなと思ったんです。音も一番でかかった気がします。

  24. すとん より:

    >inti-solさん

     ヤマハ・ミヤザワ・サンキョウ・ムラマツの四つのメーカーの頭部管銀のクラスからチェイスしたのですね。うわあ、選択、難しいなあ。これ。私だったら、どれを選ぶかな。アルタスもパールもないんですよね(この二つが何気に私のお気に入りフルートメーカーなんです)。ううむ、ううむ、

  25. tamotamokinoko より:

    珍しいブログなのでつい書いてしまいます。
    やはり楽器は第一に腕、才能能力であるのは当たり前だが、すべての音を出す、楽器音響機器はその材質、完成までのやって来るゆえん、密度時間がやはりものをいう、さらに作り物である以上その作成さん、職人の技がものを言うのは古来の日本の伝特工芸芸術品、家具小物にいたるまで、先端科学でさえもその職人技に究極は頼らざるを得ないのが実情です。ですから、楽器の材質に関していえば、その材質そのものの持つ、発する音、振動音色が好きか嫌いか、好みにあっているかどうかだろう。フルートでいえば金がいいか銀がいいか、プラチナがいいか安いニッケルクローム洋銀でいいかさまざま、名音色がする。又その合金の配合比率ですべて変わってくるのでしょう。だから楽しいのだと思う。どの金属の発生する呼気振動音が素敵かは、あながち金属の値段的価値とは関係ないように思える。まずははじめに弘法の腕があり好みの筆を選ぶことで、プロなら聞き手の好みも考えるのだろう。やはり弘法は筆を選ぶのだ、されどやむなき貧筆しかなき場合はいかにせん。本当の木管フルートのことを考えたら懐と技量にあったフルートを買わざるを得ない。もともと笛なんていうのは、そのようなものなのでしょう。
     私自身は年寄りの冷や水で、金もないが、見得もないのでムラマツのいちばんやすいもので苦労している。がやはりPTPリングキー位はほしいと思っている。
    試奏はした事はないが、どんな音色がするのか気になる今日この頃です。

  26. すとん より:

    >tamotamokinokoさん、いらっしゃいませ。

     確かに材質が変われば、音が変わります。でも、それは音質の違いであって、必ずしも、音の善し悪しとはつながらない。まあ、好き嫌いとはつながるかもしれないけれど…。

     高価な楽器ほど、手工業品としての完成度は高いと思います。でも、少なくとも国産品ならば、低価格品と言えども、十分な品質があるので、それで十分と言えば言える。今月のザ・フルートだったかな、パユも一番最初はヤマハのスクールモデルからフルートを始めたそうだから、子どもが吹くなら、そのあたりからでいいのかもしれない。

     ムラマツは一番安いとは言え、コンサートなどで使える品質のフルートだから、決して卑下する必要なんて、ないですよ(笑)。それにしても、ムラマツ使いの人って、PTPを欲しいという人が多いですね。プラチナメッキってのは、ムラマツ使いの心をつかんで離さないモノなんでしょうか?

     オカネとチャンスがあれば、大人はどんどん楽器を買い換えるべきだと思います。

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