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首もとをつかんで、やさしくこちらに引き寄せて、深く口づけをして彼女を温める

 めっきりお寒くなりましたね。これだけ寒いとフルートを吹くのがツラくないですか? 私はフルートを口元に当てるだけで、思わず震えちゃいます。だって、アゲハって、氷のように冷えきっているんだもの。あんまり冷たいので、吹いているうちに冷たくて震えちゃいます。体温、奪われるんだよねえ…。

 そうそう、先日、笛先生に、チューニングのことを相談しました。演奏前にフルートをチューニングしても、演奏を始めると、すぐにチューニングが狂ってしまうことです。どうして? どうして? って感じですね。

 笛先生いわく「それはフルートが冷えているからです。演奏前やチューニング前は、必ずフルートを温めてください」だと。フルートが温まっていれば、演奏中にチューニングが狂うことも少なくなるし、フルートを口元に当てた時に、寒い思いをしなくてすみますとのことです。まことに、一挙両得なお話です。

 それでは、フルートの温め方。

 1)左手でフルートの、頭部管と胴部管の接続部付近をしっかりワシづかみにする。まずは手の体温でフルートを温めましょう。右手は足部管のあたりをやさしく持ちましょう。

 2)歌口を人間側に向けて、こちらに引き寄せて、おもむろにクチビルで歌口全体を覆い被す。

 3)あたたかい息をしっかり流し込む。すると、フルートがみるみる火照ってくる。2~3回も息を吹き込めば、もうフルート全体が人肌並のあたたかさに。

 4)フルートがほっかほっかになったら、出来上がり。以上。

 これだけ。たったこれだけで、フルートがほっかほっかになって、演奏中もチューニングが狂いづらくなります。ポイントは演奏直前にこれを行うということ。というのも、フルートって銀製だから、あったまるのも早いけれど、さめるのも実に早いのです。そこが長所であり、短所であります。

 ちなみに高音部が出づらい時ってありませんか? 特に休憩後とか、音出しの時とか。そんな時、私はフルートを温めます。すると、あら不思議。さっきまでカスカスだった高音部が豊かに鳴ってくれるではありませんか。おもしろいでしょ、お試しあれ。

 ちなみに同じように息を吹き込んでチャイナ娘を温めようとしましたか、反応が極めて鈍かったです。息を吹き込むと、多少はほんのり温まりますが、アゲハのように火照ってくる感じは全くありません。材質とか管厚による違いなんでしょうかね? とにかく鈍い子です。当然、チューニングや高音部の発声にも、大した影響ありませんでした、そりゃそうだ。全然ダメでした。

 ちなみに、これをやると、アゲハちゃん、いい感じで温まるけれど、中はびちょびちょ。歌口から中をのぞくと、たっぷり濡れています。…水滴、多すぎ! いきなり温めると、そりゃ結露も激しいって。そこが、このやり方の欠点だね(笑)。

 あんまり濡れ過ぎの時は、新兵器“ロング・クリーニング棒”の出番です(笑)。普通のお掃除棒の2倍の長さのお掃除棒を、アゲハに突っ込んで、これでもか~とグリグリやります。やりすきるとアゲハちゃんが壊れちゃうので、大胆かつ繊細に手早く拭いてあげます。これで無問題だよ。

 おまけ。左側に見えている広告は、ロングクリーニング棒こと「YAMAHA(ヤマハ) フルートクリーニングロッドロングタイプ」へのアマゾンのリンクですが、なぜか画像が間違ってますねえ…。この画像はおそらくバスクラリネット? でもここで注文すると、きちんと、普通の2倍の長さのお掃除棒が届きます。間違って、パスクラが届いてもおもしろいんだけどね。

コメント

  1. 野鳥 より:

    おはようございます。

    フルートの暖め方とても参考になりました。昨日は高音スランプだったので、今日はフルートを暖めてから練習します。

  2. smilekumi より:

    歌口を全部塞いで息を吹き込む。
    なんとなく温めた方がいいかなと思って、やってました。
    冬より夏の方が調子がいいのも、温度に関係があるんですね。
    自分のやる気かと思っていました(^^;)
    私自身、熱しやすく冷めやすい性格なので、
    フルートの気持ちわかるかも(笑)

  3. すとん より:

    >野鳥さん

     フルートの温め方って、たぶん基本技なんだと思うし、ベテランの人たちはみんなやっていると思うのだけれど、なぜか[初心者向けの]教則本の類には書いてないので、書いてみました。

     楽団の人なんかは、楽団で見よう見まねで覚えるのだろうけれど、独学とか個人レッスンのみの人のために書いてみました。こんな簡単なことで、高音が(比較的)楽に出たり、音出しの時間を短縮できるなら、それにこしたことないものね。

     ただ、管内の水滴にはご注意を。日によって違うのですが、本当に水滴がたくさん付く時があります。そんな時は、温めたら、まず水滴をぬぐって、それから演奏ですよ。中が濡れたままの演奏は、楽器を傷めるから注意注意。

  4. すとん より:

    >smilekumiさん

    >自分のやる気かと思っていました(^^;)

     真面目な人なんですね。自分のせいにする前に、まずは楽器その他を疑いましょうよ。

     フルート自体に破損個所や要調整個所などのハードウェア的な不具合はありませんか? 次にフルートの組み立て方や自分の服装や装身具やその他、動きの邪魔をするものはありませんか? 厚すぎたり寒すぎたり寝不足だったり騒がしかったり、集中力をそぐものはありませんか? そういう外部的な状況をチェックしても、なおかつ原因が特定できない時、はじめて自分を疑ってみれば?

     私の話をしますと、入門時、フルートの高音や低音を出すのって、とても難しかったです。特にレやドの低い方。高音のミとかそれより上の音とか、すごく苦労していたと言うか、まず鳴らせませんでした。「いやあ、低い音とか高い音とかって、難しいなあ…」と思ってましたが、楽器をアゲハに取り替えた瞬間から、悩みがなくなりました。

     いやあ、アゲハだと、上も下も楽に鳴るんですよ、これが。つまり当時の私が低い方や高い方を鳴らなかったのは、私のせいではなく、単純に楽器のせいだったんですね。

     私と楽器の相性が極めて悪かったか、あるいは相当の腕前の人でないと、その楽器から低音高音が出せないほど、扱いの難しい楽器だったか、単純に楽器が故障しているか…。まあ、そんなところです。

     その楽器(チャイナ娘)は笛先生だと、上から下まできれいに鳴るので、壊れているわけではなさそうですが、私は今でもその楽器では、低いレやドは鳴らせません。

     だから、アルテの5課に入る前にアゲハに買い換えて正解だったと思います。もしもフルートを買い換えていなかったら、たぶん今でもまだアルテ5課を終了できずにいます。あるいはそこでフルート挫折?だって、低音部の音が出せないんだもの。

     というわけで、楽器のせいでできないことを、自分のやる気や努力の不足のせいにしたら、自分がかわいそうですって。私はそう思ってます。

  5. より:

    こんにちは。
    寒いと楽器もほんと冷えてますね~~。
    高校生~大学生のとき使っていた楽器がひょんなところから、十数年ぶりにでてきました。 
    ヤマハの581という今はないモデルです。(現在は684にモデルチェンジとか)
     それが、まだ使えるみたいなんです。いろいろ思い出の楽器です。しかも、ムラマツより高音がきれいに出るんです。出しにくいけど。
    ムラマツより音自体はよくね?と思っちゃいました。ヤマハ、あなどれません。
     ていうか、最近のムラマツってがさつになってきてるのかなあってやっぱり確信してしまいました。でも、ムラマツのほうが鳴らしやすいんですけどねえ~~。
     高音がきれいで透明感があるのが、最近の好みです。やっぱりムラマツ先生はそろそろ潮時かもしれません。

  6. すとん より:

    >かさん

     ほんと、冷たい季節に冷たい楽器はつらいですよねえ…。

     ヤマハはやせても枯れて“世界のヤマハ”ですから、決してナメてはいけません(キッパリ)。ただ、フルート専業メーカーではありませんから、そこんとこの善し悪しをどう判断するかでしょうね。ま、基本は『メーカーにこだわらずに、試奏してみて、気に入ったら買う』でしょう。

     おそらく、かさんの好みが変わってきて、ムラマツ先生には無い音色を求め始めたのでしょうね。時間をかけて、色々とあたってみるといいと思いますよ。経済的な問題も当然生じるでしょうが(だって、フルートって高いもの)、本当に縁のあるフルートと出会えたときは、その辺の問題も同時に解決するはずです。世の中、そういうものです。

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