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やっぱり原調版の方が歌いやすい

 何の話をしているのかと言えば、今、レッスンで課題曲として歌っている、シューベルト作曲「美しき水車小屋の娘」の 6番「Der Neugierige/知りたがる男」の話。
 今、先生の指示で中声版で歌っています。中声版は、♭が4つなので変イ長調です。最低音が五線(ト音記号)下のDで、最高音が五線上部のE♭です。原調版は、♯が5つですからロ長調になります。楽譜上では1音(カラオケ的には+3)高くなります。ですから、最低音がE♯(つまりF)で、最高音がF♯になります。どう考えても、テノールの私には原調版の方が歌いやすいのではないかと思われました。
 で、歌ってみたら…+3ってのは大きいね。まず発声が全然違います。中声版だと、ちょっと声を下に押さえないと歌えない感じだし、実際、歌いづらさを感じていますが、原調版だと上に響かせる感じで歌えます。これは原調版の方が楽だ。たぶん発声的にも原調版の方が良いかもしれません。
 なぜ中声版でレッスンを受けているのかと言えば、教育的効果ってのを先生が考えた上でのチョイスだし、おそらく(この歌曲集を歌うと決めたのが2年前の2019年だから)当時の私の力量的には中声版の方が良かったのかもしれません。実際、次の7番には、原調版では高いAの白玉音符があるわけで、これは今の私でもギリギリ発声できるかな?できないかな?という感じの音で、2年前の私にはまず無理な高さだったから、中声版を選ばざるを得なかったという事情があるのかもしれません。
 7番を原調版で歌うのは、今でもスムーズにはいかないだろうし、もし歌うとなると、高いAを出すことに私が集中してしまい、リートを歌うという事から外れてしまうかもしれません。そんなこんなで、教材としては中声版が選ばれたのだろうなあと、自分の中で納得はしています。
 それでもやっぱり6番は原調版の方が歌いやすいし、Aが出てくる7番以外は、原調版の方が歌いやすいし、声にも良いと思われます。
 レッスンで歌う時は中声版にせざるをえないけれど、自宅ではなるべく原調版で練習した方が声のためには良いかな? それともやはり自宅でも中声版でしっかり練習しておくべきかな?
 最近、そんなつまらない事に悩んでいる私でした。

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コメント

  1. 如月青 より:

    へへへ。6番、勝手に原調で歌ってます。音域もちょうどよく、気分いいですよ!
    中声用は最初が出しづらいでしょうね。冒頭しっかり出そうとすると、声が潜って、後の音が出しづらい。つい支えを緩めて口先でごまかそうとしてしまいます。先生があえて中声を選ばれたのは、このあたりの訓練のためでしょうか。
    高音部の曲でも低音がないわけではないので。(ベートーベンのとち狂った合唱などを除いて)
    7番も原調のほうだとノリがよくて楽しいです。a2は私も出にくいですが。先生はこういうときは喉に負担をかけないよう、と低いバージョンにしますが、高音の一番の敵は苦手意識かもです。
    私はこのところのレッスンで、g2が上がってない、とガンガン言われて、練習でも高跳びのバーの前で立ち止まり、の状態になることがあります。かえってgis2やa2のほうがすっと出たりします。

  2. すとん より:

    如月青さん
     私はテノールですから、曲の中に高音があれば、そこにばかり執着してしまいます。まあ、テノールという生き物の性質上、仕方ないのですが、それじゃあダメなんですよね。何しろ、歌の大半は中低音で出来ていますから(笑)。高音なんて、高声版の楽譜を使っても、ほんの僅か、曲によっては1音とか2音しかありません。
     だから、私に中低音を勉強させるために、わざと高音の無い中声版の楽譜を使う…というのは理解できています。ちょっと残念ですけれど、まあそんなモンです。
    >高音の一番の敵は苦手意識かもです。
     奇遇ですね(笑)。私もそうです。高音発声に必要なのは、テクニックはもちろん、強いメンタルではないかと思ってます。本番になると、練習では歌える高音に失敗したり、音程が全体的に♭してしまうのも、メンタルの弱さが原因だとは分かっていても、それをどうにもできないのもメンタルの弱さが原因なんですよ。
     で、メンタルの弱さを克服するために、それを超えるほどの練習量しかないとも分かっていますが、なかなか練習を積み重ねることができません(涙)。

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