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歌の上手さと音感は、たぶん無関係

 皆さんは、YouTube等で山口めろんさんの歌を聞いたことはありますか?
 「山口めろんって誰よ?」
 フジテレビで番組改編期に特番として放送される事が多い“芸能界特技王決定戦 TEPPEN”のピアノ部門によく登場するタレントさんです。過去には優勝した事もある、芸能界きってのピアノ上手な方です。
 まあ、それはそのはずで、学歴的には日本大学芸術学部音楽学科ピアノコース卒業なので、一般的には“音大卒業生”なのです。絶対音感だって持っているんだそうです。
 そんな彼女の歌唱が、少し前から話題になっているのです。最新の話題に疎い私は最近知って、ビックリしているわけです。
 例えば、こんな感じなのです。
 ううむ…はっきり言っちゃえば、音痴ですね。音大卒業しているのに音痴です。あんなにピアノが上手なのに音痴なんです。絶対音感を持っているのに音痴なのです。
 ちなみに、この歌唱はネタではなくマジなんだそうです。にわかには信じられませんが、彼女は歌っている時は気持ちよく歌っているだけで音程を外しているとは全然思っていないのだそうです。ちなみに歌い終わった時に録音を聞くと、音程を外している事は少しは分かるそうですが…。(本当に分かっているのかな?)
 キング先生に習っていた時、うまく音程が取れなかった私は「音感が無い(つまり音痴)」と言われ、音叉を持ち歩かされて、暇さえあらば音叉の音を聞いて、絶対音感を身に付けろと言われて、そりゃあもう、頑張ったのだけれど、中年になって、音叉の音をポーンポーンと聞いているだけで、絶対音感なんて身に付くわけないし、歌もうまくならなかったなあ…。
 いやむしろ、キング先生に習っていた頃は、どんどん歌が下手になっていたと、当時のブログの読者さんたちから複数の指摘があったものだ。いやあ、懐かしい(涙)。
 どうも、めろんさんの例を見ても、音感があっても、歌が下手の人は下手だし、音感を持っていても、音程正しく歌えないわけで、それはなぜかというなら…私が思うに、音程正しく歌うためには、音感を持っているだけでは不足で、発声技術も合わせて持っていないといけないのだと思います。
 つまり、歌がうまく歌えるかどうかは、歌がうまく歌えるように発声できるかどうかだと思うわけです。とは言え、それに必要な発声技術とは、この場合、あまり大げさに考える必要はないです。鼻歌が歌える程度の発声技術で十分です。
 具体的に言えば、音感という感覚だけでなく、「ド」なら「ド」という音を発声できるように、筋肉をコントロールする事ができるかどうかが大切です。アウトプットができる事が肝心なのです。
 つまり、頭の中で「ド」がイメージできて(ここは音感の問題です)、なおかつ自分の声で「ド」が発声できる事(ここがアウトプットの問題です)が必要なのです。この両方が必要で肝心で鍛えないといけないのです。
 あと、歌っている本人が聞こえている自分の声って、音程や音色を含めて、他人が聞いている声とは全然違うんですよね。我々は、他人の声を空気振動で聞いていますが、自分の声は骨伝導で聞いているわけで、そこの違いがあります。そこも音程がうまく取れない原因の一つです。
 指導者がそこを間違えて、音感の指導ばかりしていても、アウトプットの訓練が疎かならば、いつまでも生徒の歌が上達せず、むしろ下手になってしまうのも当然の話なのです。実際、私はキング先生のところでは、発声技術については、ほとんど習っていなかったわけで、だから今のY先生のところで基礎の基礎から学んでいるわけです。
 だいたい、音楽を楽しんでいる段階で、音感が無いわけないのです。音程正しい歌えない人は、音感の有無よりも、発声技術が圧倒的に不足しているために音程正しい歌えないわけで、指導者ならば、正しく適切に発声できるように訓練すれば、おのずと音程正しく歌えるようになります。
 というわけで、めろんさんの場合は、きちんとヴォイトレを受ければ、歌はうまくなるし、キング先生の指導法は不適切で正しくなかったというわけです。

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