スポンサーリンク

いくら流行りだからと言って…

 先日、通勤用のコートを買い替えました。昨シーズンまで着ていたヤツをクリーニングに出したところ、クリーニング屋から「こんなボロいのをクリーニングに出すんですか、お金もったいないです」という主旨(実際は、もっと丁寧な口調だったのはもちろんです)のお返事をいただき、改めて我がコートをつぶさに見たところ…ああ、確かにボロくなっているなあ。このコート、5年くらい着ているもんなあ、冬場は雨の日も晴れの日も毎日着ていたもんなあ。
 仕方がない、買い換えるか。
 というわけで、行きつけのデブ専用の衣料品店に行きました。私くらいのサイズになると、普通の店では着れる服なんて売ってないので、服はオーダーメイドにするか、デブ専用店で売っている既製品をチョイスするか…ぐらいしか選択肢がありません。今回は防寒用のコートなので、わざわざオーダーして作る必要もないだろうと考えて、既製品を買いに行ったわけです。
 店に行ったところ、昨今の風潮の影響でしょうか、店舗面積が少し狭くなっていて、輸入衣料の取り扱いを止めていました。品揃えもだいぶ貧弱になっていて「ああ、儲かっていないんだな」という雰囲気が漂っていました。オシャレって余裕がないと出来ないものね。今のコートは日本製ですが、その前のヤツはイタリア製でなかなか良かったので、今回もいいのがあればイタリアのコートを買おうと思っていたので、輸入衣料の取り扱い中止は、何気に残念でした。
 店に入り、ビジネスコートのコーナに行ってみたら、あんまり品がありません…ってか、ほとんど無いんですよ。輸入衣料を止め、日本製だけに品を絞ったにしても、ちょっとこれはひどくない?
 こりゃあひどい、別の店に行こうか…と妻と相談していたら、店員さんがサッとやってきて「ここからここまでがコートの売り場ですよ」と示して、さも品揃えが良いでしょって顔をしましたが…そのコーナに置いてあるのは、どう見てもカジュアル系の服ばかりだったんです。
 私が難色を示していると、今の流行りは、フォーマルにもカジュアルにも、両方に通じるデザインなんですよと店員さんは言うわけです。そうなの? 私の目で見ると、大半のコートがカジュアルに振り切っているように見えるんですけれど…。少なくとも、アクセントとして腕に鎖が付いているような緑色系のコートは、フォーマルでは着れないと思うのだけれど、私の感覚が古いのかな?
 それでも店員さんはめげずに、私が好みそうな、いかにもビジネスっぽいコートを探して持ってきます。で、試着してみろというわけです。
 試着してみると、どれもこれも丈が短いのです。せいぜい腰ぐらいまでしかなくて、まるでジャンパーを着ているかのような感じです。これのサイズって、ショートコートって言ったっけ? 私が欲しいのは、ロングコートなんだよね。妥協するにしても、せめてハーフコートじゃないと、寒くて歩けないでしょ?
 店員さん曰く、今は丈が短いのが流行りなので、どれもみんなこんなサイズなんですよ…と言うわけです。なので「流行りの服が着たいわけじゃない、自分が着たい服を着たいだけなんだ」と言い返してやりました。実に嫌な客です(ごめんね)。
 ここはデブ専用の店なのに、いくら流行りだからと言って、丈の短い服を売るなんて、ちょっとセンス的にどうかと思いました。だって、デブさんたち、特に背の低めのデブさんが、丈の短い上着を着たら…ダルマさんにしか見えないじゃい(笑)。デブ服の基本は、縦のラインを強調する事でしょ? デブに丈の長い服を着せるのは最低限のお約束じゃない? 専門店なのに、そこんとこが分かっていないってのは、実に残念です。
 やがて私がロングコートを所望している事が伝わると、店員さんがどこからかロングコートを持ってきました。探せばあるじゃん…って感じで、さっそく着てみたら、それはサイズ的に厳しかったです。なんでも、これらのコートは、デブ用ではなく、普通サイズを大きくしただけの服なので、デブの体型にはあまり合っていないんだそうです。サイズ的には普段着ている服のサイズ(私はだいたい3L~4Lを着てます)と同じなんだけれど、なんかちょっと厳しい。やはり、普通サイズの拡大版では、デブには厳しいのかもしれません。
 …ってか、普通サイズならロングコートも置いてあるわけ?
 そうこうしているうちに、今度はバックヤードから何着かコートを持ってきました。どれもロングコートでした。今度のはデブ用なんだそうです。実はお店に丈の長いコートもあるじゃん。ただ、流行りじゃないからって並べていなかったわけだね、いやあ、粘ってみるもんだね。
 ってわけで着てみたら、今度はなんだか大きいです。聞けば、サイズは8Lなんだって。うひゃあ、それは大きすぎますね。丈的にちょうど良いし、ボディの部分はかなり大きいけれど、中にあれこれ着込めば、これはこれでアリだけれど、そでが長すぎます。ほぼ、ハタ坊か扇ちゃんだよ。せっかくだけれど、これは無しだね…と言ったら、袖丈は直してくれるんだそうです。袖口をカットするのか思ったら、そうではなく、一度袖を肩から外して、切って短くしてから、それを再び縫い合わせて、袖丈を直してくれるんだそうです。かなり手間暇がかかる直し方なんだね。
 たぶん、このコートもショート~ハーフサイズぐらいのコートなんだと思います。ただ、このコートは8Lなので、本来3Lサイズの私が着ると、ロングコートぐらいの丈になる…って話なんだと思います。3Lの人間に8Lの服を持ってくるなんて…店員さんの機転だよね。
 正直、それでもまだ「うーむ」とは思ったものの、この店員さんの熱意に半ば負けました。何としても逃さない。せっかく着た客を手ぶらで返してたまるものかと思いが、ひしひしと伝わってきます。これだけのオーラを出されたら、そりゃ断るわけには行きませんね…結局、このコートを買いました。紳士用のコートなんて、いくら既製品とは言え、10万円近くもするわけで、決して安い買い物じゃないのに、根負けして買っちゃうなんて、勝ち負けで行ったら、今回は私の負けです。
 これから数年は、超デブ仕様のコートを着て出勤する私です。コートなんて、ぶかぶかでも大丈夫だよね。
蛇足 むしろ問題なのはサイズが大きい事よりも、きっちり防寒仕様になっている事の方かも。とにかく、新しいコートは生地が分厚くて、それだけ着ているだけでも十分暖かいです。さらにふかふかのインナーが付いているので、これを付けるともう無敵です。私はデブなので暑さに弱く、すぐに汗を大量にかいてしまいます。本当に寒い日じゃないと、このコートを着るだけで、汗まみれになりそうです。今までのコートって、ほんとペラペラだったもの。それでも、結構暑さを感じていたのに、こんなにきちんとした防寒仕様のコートなんて、着る機会があるのかな? もしかすると、薄めのコートが別に必要かも…。

↓拍手の代わりにクリックしていただけたら感謝です。

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

コメント

タイトルとURLをコピーしました