趣味と仕事に関する話題です。
よく「好きな事を仕事にできた人は幸せだ」という人がいますが、私はそうではないと思ってます。いやむしろ「好きな事を仕事にしてしまった人は、好きな事が一つ減って、かわいそうだ」と思っています。
これは私の職業感なのですが、仕事って、好きだからするのではなく“必要だからする”“やらなければならないからやる”ものだと思っています。もしも“好きだからする”のであれば、それは同時に“イヤならしなくていい”という事になりますが、仕事って、好き嫌いで選べるものではないでしょ? 嫌な客でも(程度の問題だけれど)引き受けなきゃいけない事があるのが仕事だし、苦手な案件だって(これも程度の問題だけれど)引き受けにゃならぬのが仕事じゃない? そういうモロモロを飲み込んで生業としていくのが仕事…だと私は思うのです。だから「好きな事を仕事にしてしまった人はかわいそうだ」と思うのです。
それに、好きな事を仕事にしてしまうと、仕事人間になりかねません。だって、仕事が楽しくて仕方なくなるからね。それって、幸せなの?って思うわけですよ。昭和的な価値観でいけば、仕事が楽しくて仕方ないのって幸せな事なんだけれど、21世紀になった今、人生が仕事一色になってしまうのは、どうなのかな?って思うわけです。ライフワークバランスってヤツを少しは考えようよ…って言いたいし、仕事以外のあなたは何者ですか?…とも言いたくなってしまうわけよ。だから、好きな事は仕事にしない方が良いと思っています。
私は、好きな事は趣味にして楽しむべきだと思ってます。趣味なら、ある意味、無責任ですから、自分の好きを追い求める事ができるし、万が一、それがイヤになったら止めてしまえばいいのです、趣味なんだもの。好きって、それくらいに無責任にできなきゃ辛くなるよ。
一方、得意な事は仕事にすればいいのです。自分の特技を社会のために使っていくのは、とても大切な事だと思います。得意な事を仕事として行い、さらに技を磨いて、より得意にして、社会に還元していく…のが良いと思うわけです。
「じゃあ、好きな事と得意な事が一致している人はどうすればいいの?」
基本的には趣味にして、二番目に得意な事を仕事にすればいいと個人的には考えています。自分のために行う事(趣味)と、生活のために行うこと(仕事)ならば、好きな事は自分のために行えるように聖別しておきましょうって思うわけです。
世の中には、二番目に得意な事なんて無いくらいに、好きな事と得意な事が一致して、どうにもならない人ってのがいます。もうそういう人は、覚悟を決めて、好きな事を仕事にするしかないのかもしれません。で、昭和的な仕事人間になるしかないのかもしれません。そういう生き方は、私は選択したくありませんが、それは私の主義主張であって、そういう選択をして生きていくのもアリです。好きな事を仕事にしてしまった人に対しては、その好きが一生好きなまま続けられるといいですね、とお祈りさせていただきます。
まあ、世の中の多くの人は私も含めて「下手の横好き」ですから、そんな事、心配する必要はないのですがね。
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コメント
すとんさん
では、こんな仕事イヤだ、と思っていたら、意外と楽しくて、好きになってしまったら、どうでしょうか?
ドロシーさん
突き進め! 好きなものを仕事にするのは不幸ですが、仕事を好きになるのも、ある意味、不幸です。ただし、前者の不幸は「好きなものを失う不幸」で、後者の不幸は「仕事に人生を奪われる不幸」です。後者の不幸は、楽しい不幸ですから、それを望む人もいるでしょう。でも不幸は不幸なので、後者の場合、私に出来ることは「体を壊さないようにご自愛ください」とアドバイスするくらいです。