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劇団四季の「ライオンキング」を友人たちと見てきました

 標題の通り、先日、男友達たちと劇団四季の「ライオンキング」を見てきました。一緒に行った友人たちは、普段はミュージカルはおろか、映画すら見ない。劇場なんて行った事はなく“○○鑑賞”と言えば、家でビールを飲みながらの、スポーツのテレビ中継を見るくらいの人たちです。昨日はサッカー、今日はラグビー、明日は野球…ってな感じで、特に思い入れのあるスポーツとかチームとかは無いようですが、とにかく、ほぼ毎日、なんらかのスポーツ中継を見ているという人たちです。
 そんな彼らを、だまくらかして(笑)ミュージカルに連れて行った私です。彼らの中から、一人でも二人でも、ミュージカルファン、できればそこを入り口に、オペラファンが生まれやしないかという、邪な考えでの行動だったわけです。
 劇団四季の「ライオンキング」の公演は、いつもながらの安定の素晴らしさです。有名な歌手はいないけれど、公演のレベルは日本トップクラスだよね。なので、今回は「ライオンキング」の素晴らしさには触れません。だって、素晴らしいのが当たり前の劇団四季の公演に、何をか言わんやって事でしょ?
 それよりも面白かったのは、私が連れて行った友人たちの感想です。
 始まる前は、本当にワクワクなんですよ。私なんて、劇場とかホールとかに慣れちゃっているせいもあって、特別な気持ちにはならないのですが、彼らは劇場に到着するだけで、すっごく興奮しているんです。ほんと、特別な場所にやってきた…ってカラダで感じているようなのです。劇団四季の劇場なんて、今回やってきた夏劇場に限らず、どこも安普請で、豪華さのかけらもなくて、別に感動するポイントなんて、探しても見つからないのになあ…なんて、私は思うんだけれど、彼らは見るもの聞くもの、すべてに大興奮なんですよ。
 そう言えば、劇場って、ハレの場だもんな。
 ちなみに、一応、彼らにはドレスコードを守らせて、カジュアル禁止令を出しておいたんです。いわゆる平服ってヤツを強制したんです(簡単に言えば「ネクタイしてこい!」)が、それも影響あるかな。だって、スポーツ観戦とか音楽ライブとかなら、ネクタイなんてしないじゃない。TシャツだってOKじゃない。それなのに、ミュージカルでは(私に言われたせいもあって)Tシャツ禁止どこか、ネクタイ着用を義務付けられたわけで、それだけでなんか特別な感じがして、興奮しちゃったのかもしれません。
 あ、ちなみにオペラはともかく、ミュージカルは、Tシャツで見に行ってもかまわないっちゃあかまいません。ただ、Tシャツで行くと、周りから浮くけれど…ね。そんなわけで、ミュージカルで平服着用は私の個人的な趣味です。
 さて、座席は一階中央の一番良い席を確保しました。コンクールなら審査員が座る場所ね。彼らの初ミュージカルをベストな場所で鑑賞できるように配慮したわけです。私の好みで言えば、砂かぶりのもっともっと前の席が好きなんですが、さすがに入門者に最前列でのミュージカル鑑賞はキツイだろうって考えたわけです。
 ちなみに、劇場内では飲食禁止というのは、私には常識ですが、彼らには初耳だったようで、ビールを飲みながらミュージカルが見られない事に、不満を言ってたヤツもいました。確かに、スポーツ観戦なら、酒飲みながらでもOKだよね。
 ミュージカルが始まりました。「ライオンキング」って、ビジュアル的に反則的なミュージカルって事もあって、友人たちは大喜びです。やはり、初心者に見せるなら「ライオンキング」はベストです。ウォーっとか叫びながら見てました。
 前半が終わって休憩に入ったところでの彼らの感想は「…腰が痛い(涙)」でした。一時間近くも身動き取れずに椅子に座り続けるのが、彼らには相当辛かったようです。え? そんな事で音を上げるの? って、私には信じられない気がしました。この程度で音を上げていたら、ワーグナーのオペラなんて、絶対に見れないじゃん!
 とにかく、まだ、もう一時間あるから、腰回りのストレッチをよくしておくように指示を出しました。あと、休憩時間中に、トイレに行かせて、飲みたいヤツはビールでもワインでも売店で販売しているから、ロビーで飲み終えてから戻ってこいと言っておきました。私自身は(眠気防止のために)ペットボトルのブラックコーヒーを一気飲みしておきました)。
 そうそう「マイクを手に持っていないけれど、マイクはどこにあるの?」という質問が出ました。そうか、世間の人は、ミュージカルマイクってヤツを知らないんだな。なので「かつらの両耳のあたりに超小型マイクが仕込まれているんだよ」と教えておきました。
 あと「伴奏はカラオケだろうけれど、歌は生歌?」という質問も出たので「原則的に歌は生歌だけれど、一部、演技をしながらとかダンスをしながらでは歌えないような難しい歌は、事前に録音されていて、それに合わせてクチパクしている時もある」と答えました。まあ、そうだろうねという返事でした。
 後半が始まり、そしてミュージカルが終わりました。
 ミュージカルを見終えた彼らの感想は…「納得できない!」でした。何が納得できないのかと言えば「なぜシンバは、父親の思い出と会話したくらいで、故郷に戻って、王位奪還を目指したのか? そこが納得いかない!」と言うわけです。彼らが言うには、まずシンバは王位奪還の前に、自分自身に王としての資質とか適正とか覚悟とかがあるかって事を考えないのかとか、われ彼の兵力差を考えないのかとか、それ以前に、相手の事をほとんど知らないまま、なかば特攻状態で襲撃するなんて、正気な沙汰とは思えないとか…エトセトラエトセトラ。
 言われてみれば、まあ、その通りなんだけれど「あなたたちはミュージカルに、物語としての整合性を求めるんだ!」と思ったのです。私なんて、ミュージカルを見る時には、ストーリーなんて、ほぼほぼ気にしないよ。私が見るのは、歌とダンスであって、ストーリーなんて、歌とダンスのきっかけを与える舞台装置のひとつぐらいにしか思っていないんだけれど、彼らにとっては、歌よりも、ダンスよりも、何よりも、ストーリーが大切で、ストーリーを見ていたわけで、だからストーリーに納得いかないと、もう思考はそこで止まっちゃうわけです。
 ちなみに「納得できない」に対しての私の答えは「原作に当たるアニメでも、そのあたりは、特に触れていないから、考えなくていいんだよ」ですが、それに対する彼らの返答は「アニメが原作だからダメなんだ!」でした。おお、この人たち、天下のディズニーアニメに喧嘩売っているよ。
 帰りは、売店でお土産のグッズをたくさん買っていましたよ。家で待っている奥さんや娘さんたちへのお土産のようでした。そうか、ミュージカルを見て、お土産としてグッズを購入するって発想は、私にはなかったなあ(汗)。
 もしかすると、私は、相当スレた客なのかもしれません。ならば今後は、そういう自覚を持っていないとダメだろうなあと思った次第です。

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