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独奏系演奏者に必要な事

 音楽の演奏者には、独奏系演奏者と合奏系演奏者がいると思います。もちろん、両者は明確に棲み分けがされているわけではなく、殊にプロの世界では往々にして両者を兼ねている方が大勢いらっしゃいますが、今回は便宜上、この2つを分けて考えてみたいと思います。
 独奏系演奏者とは独奏&独唱,指揮を主に担当する演奏者であり、合奏系演奏者とは合奏&合唱を担当する演奏者です。具体的に言えば、個人で音楽を引き受け、自分の個性を前面に出して演奏するのが独奏系演奏者であり、指揮者や指導者が指し示す音楽を忠実に再現していく演奏団体を構成する一人として活躍するのが合奏系演奏者です。簡単に言っちゃえば、独奏系演奏者とはソリストの事であり、合奏系演奏者とはそれ以外の演奏家の事を言います。
 先程も書きましたように、プロの世界では、一人の演奏者がこの2つの側面を持って活動する事が多いのですが、アマチュアの世界では、独奏系に専念する人、合奏系に専念する人と、案外棲み分けが行われています…ってか、アマチュアの場合、合奏系を嫌う演奏者はあまりいませんが、独奏系を嫌う方は少なからずいるので、自ずと棲み分けっぽい感じになるのだろうと思います。
 アマチュア音楽には、ソロ、つまり舞台で一人きりで演奏する事を嫌う人が少なからずいるって話です。そんな彼らでも、音楽演奏そのものは好きなので、合奏系ならば喜んで舞台に立つのです。“音楽を演奏する”点において、両者に違いは無いわけだし、だからこそ、プロの世界では両者を兼ねる人も大勢いるのに、アマチュアの世界では、独奏系を嫌う人がいるのは…単純に、一人で舞台に立つのがイヤだからでしょう。
 なぜイヤなのか。その理由の多くは、恥ずかしい…とか、緊張する…とか、目立ちたくない…とかの、心理的な要因によるものが大半です。つまり、音楽を演奏したり、練習したりするのは好きだけれど、人前で披露する…となるとイヤで、みんなと一緒に団体の構成員として参加して演奏するなら良いのだけれど、たった一人でスポットライトを浴びて演奏するのはイヤというわけです。
 ひと言で言えば“シャイ”なんだよね。
 確かにシャイな人だと、独奏系演奏家して活動するのは困難かもね。独奏系演奏家ならば、シャイとは真逆な、目立ちたがり屋さんである事が必要だからです。
 つまり…自分を見てほしい。他人よりも目立ってナンボ。衆目を集めるのがうれしい…と心の底から願っている人です。格好良く言えば「表現者でありたい」人です。
 これは独奏系演奏家だけでなく、俳優やダンサー、芸能人などにも共通する特徴だと思います。自分自身の身体を使って表現をする人たちに共通する特徴なのです。
 同じ表現者であっても、作品を作って表現する人(画家や写真家、建築家、陶芸家など)は、必ずしもそうではないのかもしれません。ならば、合奏系演奏家を志向する人は、気質的には作品を作って表現する人たちに近いのかもしれません。そう考えるならば、彼らにとって演奏とは、自分とは別の“作品”であって、身体表現ではないのかもしれません。
 結論、独奏系演奏者に必要な事とは、目立ちたがり屋さんである事…です。

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