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実はすごいぞ、ファーウェイ!

 現在、アメリカと中国との間で起きている、貿易摩擦?/貿易戦争?で一躍注目を浴びるようになった、ファーウェイですが、実は結構すごい会社なんですよね。

 いわゆる通信機器メーカーで、そもそもは中国でインフラ整備やプロバイダー運営などをやっていた会社で、そこから発展して、スマホやタブレット、ノートパソコンなどの端末の販売にまで手を広げた会社です。社名を漢字表記するなら“華為”で、英語表記(ってか、ローマ字表記)をするなら“Huawei”となります。新聞などでは字数制限からか“華為”と表記されているのが、このファーウェイです。

 どれくらいすごい会社なのかと、スマホの販売台数で見てみると、こんな順位です。ちなみに、これは日本国内の2018年夏の順位です。

 第1位 アップル(38.4%)
 第2位 ファーウェイ(15.2%)
 第3位 シャープ(12.8%)
 第4位 ソニー(10.9%)
 その他(22.7%)

 なんと、アップルに続いてシェア第2位の会社だったのです。そんなに売れているんですよね。ちなみに、この会社の製品の強みは、コストパフォーマンスなんだそうです。値段が圧倒的に安いのに、スペック的には高価なスマホとほとんど同じ…なので、格安スマホの普及とともにシェアを伸ばしてきたんだそうです。

 つまり、安くて性能の良いスマホを作る庶民の味方がファーウェイってわけで、そりゃあ売れるよね(私は買わないけれど:笑)。でも、私の周囲の人でファーウェイを使っている人って皆無なんだけれど、そんなにたくさん売れているなら、どんな人たちが買っているのか、興味あります。

 ちなみに、日本国内ではなく、世界市場という規模で考えると、こんな順位になるそうです。

 第1位 サムソン(20.9%)
 第2位 ファーウェイ(15.8%)
 第3位 アップル(12.1%)
 第4位 シャオミ(9.3%)
 その他(41.9%)

 シャープもソニーも消えてなくなります。日本企業全敗! これが現実なんだな。もっとも、シャープはだいぶ前から日本企業ではなくなっていますが(涙)。

 第1位のサムソンは、韓国の家電メーカーです。サムソンって、こんなに世界で売れているのに、日本じゃ、そんなに売れてないわけです。残念。第4位のシャオミはファーウェイ同様、中華なメーカーさんです。漢字が書くと“小米”、ローマ字にすると“Xiaomi”なんだそうです。つまり、世界的な視点で見ると、スマホは韓国製か中国製がデフォルトなんだね。

 いやいや、アメリカのアップルがあるじゃないですか? 確かにアップルはアメリカの会社ですが、アップルは企画と販売だけで、製作はしていません。だいたい、工場持ってないし…ね。かつては日本の東芝がアイフォーンを作ってましたが、現行モデルは台湾のホンハイ(鴻海精密工業)が作ってます。ただし、ホンハイは台湾と言っても外省人の会社、つまりは中国共産党配下になる会社なわけで、台湾にある中華な会社と言えます。つまり、アイフォーンだって実質的には中国製みたいなモノなんです。そう考えると、世界のスマホは、やっぱり韓国製か中国製なんだな。

 サムソンが韓国を代表するメーカーなら、ファーウェイは中国を代表するメーカーってわけです。スマホの売上高だって、2017年で約10兆円だし…ね。で、スマホのような端末もすごいけれど、ファーウェイのすごいのは、基地局で使われている機材でのシェアなんだそうです。今でもかなりの数の基地局でファーウェイの機材が使われているのだけれど、今度、電波の規格が5Gに変わるわけで、そこで機材の一斉入れ替えが行われるのですが、そこでの一番手がファーウェイで、電波が5Gに変わると同時に、世界の基地局の機材がほぼほぼファーウェイ製になってしまう…という近未来がつい最近まであったそうです。

 で、中国は韓国を含む我々とは、経済体制が異なる国なわけで、ファーウェイは民間企業の皮をかぶっていますが、完全に民間企業とは言えず、せいぜい国策企業、もっとはっきり言っちゃえば、中国共産党が経営している民間企業(実質的には国営企業)とも言える会社なわけです。

 そうそう、ファーウェイの創業者は、中国人民解放軍の出身者だそうです。軍人さんが作った会社なんです。そもそも、ファーウェイは1980年代前半に、当時の最高指導者だった鄧小平の命令で作られた会社なんだよね。だから人民解放軍の人が創業者なんだよ。

 もっとも、中国人民解放軍の出身者が作った会社としては、他に、レノボやハイアールなどもそうなんだよ。ファーウェイがヤバイ会社なら、レノボも同程度にはヤバイだし、かつては日本パソコンの代表だった、NECも富士通のPC部門も(もっと以前にはアメリカを代表するIBMのPC部門も)今やレノボに買われてしまい、レノボの1ブランドでしかないのです。ちなみに、東芝のPC部門はホンハイに買われてしまっています。シャープなんて、会社ごとホンハイに買われちゃったわけだし…。なので、かつて世界でブイブイ言わせていた日の丸パソコンは、今や立派な中華なパソコンになってしまったのです。

 ブランドにだまされちゃいけません。

 安全なPCが欲しければ、今や自作にするか、立川製のパソコンぐらいしか無い時代になってしまったのです。日本メーカー、ダメじゃん。

 とにかく、そんなわけで、ちょっと前まで大成功していたのがファーウェイなのです。

 でも、今後はどうなるんでしょうね。多くの会社がファーウェイの取引を止めたり、中断したりしています。グーグルがそうだし、マイクロソフトやインテルもそう。アマゾンもファーウェイ製品の取扱を止めたそうです。日本でもパナソニックが取引を中止したそうです。こんなに世界中からいじめられたら、いくら中国共産党がバックについているファーウェイとは言え、潰れちゃうかもしれません。そんな事が起こったら…かつてのABC包囲網じゃないけれど、中国とアメリカでリアルな戦争が起こるかもしれません。

 もっとも、今の時代、色々な会社がつながっています。ファーウェイが潰れてしまうなら、ファーウェイと商売をしている日本の会社だって、潰れちゃうよ。なにしろ、ファーウェイは日本の会社から部品を毎年7千億円ほど買っているんだって。つまり、ファーウェイとのお付き合いを止めると、7千億円の赤字が生じるわけで、おそらく、ファーウェイが潰れる前に、多くの日本企業がつぶれてしまうような気がします。

 それくらい、ファーウェイって大きな会社なんだよ。それにあっちは国家がバックについているけれど、こっちはそうじゃないわけで、そこはルノー(フランス政府が最大株主)と日産の関係みたいなものかもしれません。ヤバイのは常に日本側なんだよね。

 とにかく、ファーウェイって、耳慣れない会社なんだけれど、実はあれこれすごい会社なわけで、だからアメリカ大統領が率先して潰しにかかっているわけです。

 年寄りは古い情報を後生大事に頭の中にしまいこんでいますが(それを世間では“頑固”と表現するわけです)、これからの時代、たとえ年寄りと言えども、情報は常にアップデートし続けていかないと、世間の常識から放り出されてしまう時代になっちゃったと言えます。

 

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