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平成は未婚者が増えた時代

 昨今の報道では、勤労統計問題がやたらと話題に上がっていますが、それでも私は統計が好きです。当然ですが、正しく調査された統計が好きです。

 昔は統計を見るために、国勢図会等を購入していましたが、ネットの発達とともに、それらを購入せずとも、いつでも最新の統計を見ることができるようになりました。ほんと、いい時代になったものです。

 で、本日のお題は『性別生涯未婚率および初婚年齢』って統計です。初婚年齢ってのは分かるけれど、生涯未婚…って何?って感じですね。これ、50歳の時の未婚率を言います。つまり「50歳過ぎたら、もう結婚しないだろうから、50歳の段階での未婚者は生涯未婚者とみなしていいよね」って話です。

 まあ、少数の例外的事例はあるにせよ、概ね、そうだよね。しかし、改めて「50歳の段階での未婚者は生涯未婚者」と言われると(自分は該当しないけれど)ドキッとします。

 この統計を見ると、男女問わず、生涯未婚率にせよ、初婚年齢にせよ、年を追うごとに上がっていると言えます。とは言え、1980年までの生涯未婚率は、概ね横ばいと言えなくもないです。問題は、男で1985年から、女で1995年から、生涯未婚率がグイグイと上がっています。特に2000年以降は男女ともにすごい上がり方です。

 1960年の段階で、男の生涯未婚率が1.29%、女が1.88%と言った誤差程度の数値で、ほぼ0%だったのに、50年後の2010年だと生涯未婚率が、男で20.14%で、女では10.61%になってます。つまり、2010年の段階で50歳の人にとっては、彼らが生まれた時代は、男女ともに、ほぼ全員結婚していたのに、彼らが50歳になった時には、男性の2割が、女性の1割が結婚していなくて、その時点で結婚していない人は、おそらく、そのまま結婚しないで人生終わりそうって事です。

 もちろん今は2019年なので、生涯未婚率は、もっと上がっているでしょうね。なんか恐ろしいです。

 少子化少子化と言いますが、まずは少子化を憂う前に、生涯未婚率の引き下げを考えないといけないような気がします。

 今の若い人たちって、別に結婚したくないわけではなく、お金がないので、結婚したいけれどお金が貯まるまで待ってから結婚しましょうって感じの人が多いと聞きます。なので、働いて貯金して生活に余裕が生まれてから結婚…って考えているので、自然と初婚年齢も上がるわけだし、貯金をしているうちにあれこれあったりして、結婚相手とも結局別れてしまって、お金が貯まった頃には独り身で、結婚しそびれたりするわけです。

 初婚年齢が上がっていくのって、ほんと、問題だと思うのです。

 特に女性の平均初婚年齢が、今やほとんど30歳になっている事は大問題かもしれません。結婚適齢期という言葉が死語になって久しいですが、出産適齢期(あるいは妊娠適齢期)という言葉は頑然としてあります。実は出産適齢期ってのは、女性の25-30歳を指すとか、いやいや18-29歳を指すんだとか、色々ありますが、いずれにせよ30歳の手前までが適齢期なわけで、つまり初婚年齢が30歳では、妊娠出産するのにはやや遅いわけです。ですから、実際、お医者さんの中には「30歳になったら、不妊治療を始めましょう」という人も出てくるわけです。

 30歳で不妊治療? 新婚早々不妊治療? 早すぎない?

 それでも30歳で不妊治療をして妊娠できる確率は、すでに20%程度まで下がっているそうです。つまり、案外女性が出産に適した年齢って、そんなに幅広くはないようです。現に、不妊治療に通う夫婦っは(言っても仕方ないのだけれど)たいてい年配のご夫婦が多く、不妊以外に問題の無い方々が大勢いるわけで、そういう方々は、少なくとも5年、10年若ければ、不妊治療なんて不要だったのに…残念って感じがします。

 生物としての理想は、女性は20代で産み終えておくこと。少なくとも初産を20代で済ませておく事は大切だと言われています。なので、平均初婚年齢が上がる事は、女性の妊娠出産の確率が大きく下がる事を意味し、それがひいては少子化に拍車をかける事になるわけです。

 別に私は「女は子どもを産むマシーンである」とは全然考えていないけれど、女性しか子どもを産めないのも事実だし、そこに生物としての年齢制限があるのなら、先端医療に頼る前に、生物として適する時期に出産して欲しいと思ってます。

 少子化問題を解決したいなら、男女ともに、まずはもっと若い時に結婚をし、若い時に妊娠出産できるような世の中に戻っていかないと行けないのだろうと思います。

 戻る…と書きましたが、かつての日本は平均初婚年齢も低く、生涯未婚率なんて誤差程度しかなく、両親が20代のうちに多くの子どもたちは生まれたわけです。そんな世の中こそが、少子化問題のない世界だ…と言ってしまえば簡単だけれど、じゃあ世の中をそんな昭和の時代に戻せばOKかと言えば、水は逆さまには流れないわけで、今更我々に昭和の社会に戻っちゃえというのは、あれこれ酷な話です。

 少なくとも、昭和の時代には、スマホもネットもパソコンも無かったわけで、それらの無い社会なんて、今の若者たちには想像もできない太古の昔なわけで、そんな社会に今更戻れるわけもないです。

 我々はどうすればいいのでしょうね。

 社会が悪い? そう言っちゃえば簡単だよね。でもね、今よりも昭和の時代の方が人々は貧しかったんだよ。貧しかったけれど、みんな結婚して家庭を作ったわけで、お金が無い事が結婚できない理由にはならないわけです。

 たぶん、今の若い人たちは、そこを履き違えているんだと思うのです。つまり「結婚するならお金がなければいけない」ってね。だから、お金が貯まるまで結婚を延期してしまうのかもしれません。あるいは年収が増えるまで結婚を延期してしまうのかもしれません。

 でもね、昔から「一人口は食えぬが二人口は食える」というわけで、実は一人暮らしよりも二人世帯の方が暮らしは楽なんだよ。お金がなくて厳しいからこそ結婚して世帯を一つにした方が経済的に楽に暮らせる…んだけれど、そう思わないのだろうね。

 具体的に言えば、男の年収が300万円、女の年収が200万円だとして、それぞれの収入で一人暮らしで…苦しいけれどなんとかあるのかもしれないけれど、やっぱりこの年収だと苦しいよね。しかし、この二人が結婚して世帯収入が500万円となると、楽ではないだろうけれど、なんとか生活できる収入になるわけです。

 でも、一人暮らしで生活が苦しかろうと、それでもなんとか暮らせていける…のが今の世の中で、なんとか暮らせちゃうから、結婚が後回しにされてしまう…のかもしれません。昭和の時代では、一人暮らしを支える、コンビニもコインランドリーもネットショッピングもスーパーの深夜営業も無かったからね。世の中が良くなって便利になったからこその一人暮らしであり、それで結婚しないでもなんとかなって、その結果、結婚に踏み切らない若者が増えているのであれば、社会が悪い…どころか、むしろ社会が良い事が結婚の阻害要因でなってしまっているとも言えます。

 つまり、社会が良くなったから、結婚しない? 実際、人口減って、豊かな先進国の話であって、生活の苦しい発展途上国には無縁の話だものね。

 とは言え、今の若者たちは(客観的には豊かであっても)主観的には貧しいと感じているわけで、だからお金を貯めたり年収が増えてから結婚しましょう…って考えるわけで、平均初婚年齢が上がってしまうのだろうと思います。

 でもね、結婚生活って、1+1=2 じゃないんだよね。むしろ、0.5+0.5=2 になるのが結婚生活なんだ。

 今、経済的に厳しくても、それは結婚を延期する理由には、本来はならないわけです。ましてや(男性に多いのだけれど)、結婚生活を 2+0=2 って考えちゃうと、どうしても若い時代の結婚なんて無理無理無理って考えてしまって、結婚が遠のくんだよなあ。

 若い時代は、二人で家計を支えていけばいいじゃない。

 ま、統計から言える事は、平成という時代は、未婚者が増えた時代であるという事です。社会が悪いと言うのなら、平成という時代は、悪い時代だったって事になるだけです。

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コメント

  1. ドロシー より:

    別に女性だけのせいでもないと思います。
    「子供を考えれば、女性は若くして結婚しないといけないけど、男性は年齢関係ないから、いくらでも遊んで、落ち着いてから結婚すれば良い」なんて、よく聞きましたけど、男性だって、40過ぎでは難しいですよ。子供が大学卒業する前に定年ですから。
    少子化を考えれば、思春期前から周囲の大人が、「どんな状況で出産しても協力してあげるから大丈夫。妊娠したら産みなさい」と言うしかないと思いますが、親や学校からは「不純異性交遊」だの「望まない妊娠」だの、ネガティブな教育しか思春期には受けていません。
    そして、日本は失敗した人にはとても冷たい。こんな国でリスクのあることはできないから、出産と起業も増えないのだと思います。

  2. すとん より:

    ドロシーさん

     確かに女性だけのせいでは、もちろん無いけれど、妊娠出産育児に関しては、やっぱり女性が主役であって、男はいなくても、どーにでもなる程度の脇役でしかありません。動物たちの世界を見ても分かる通り、男は所詮、種馬だからね。少子化問題を語ると、どうしても若い女性のライフスタイルに、あれこれ言いたくなります(ごめん)。

    >男性だって、40過ぎでは難しいですよ。子供が大学卒業する前に定年ですから。

     そうなんですよ、だから若い時に結婚しないとマズイと私は思います。

     で、今回はあえて触れなかったけれど、実は離婚の問題もあります。

     一説には、日本は離婚が多い国だという説があります(ほんと?)。私はまだ詳細に調べていませんが、3組に1組は離婚するとかしないとか? もしもそれが本当ならば、男に頼った子育てを前提とする事に、無理があるのかもしれませんし、初婚年齢を下げると同時に、離婚率を減らす事を考える必要があるかもしれません。

     だからと言って、仮面夫婦が増えることも良しとはしないわけです。

    >親や学校からは「不純異性交遊」だの「望まない妊娠」だの、ネガティブな教育しか思春期には受けていません。

     まあ、教育現場を中心に、純潔教育が生き残っているからですが、日本の世の中、とっくの昔に、純潔から遠い社会になっているんだけれどね。学校って、ほんと、世の中と乖離しているんですわな。そこでバカを見るの、そこで育つ子供たちです。

     今回の件とは別に、学校教育って奴にも、問題は多々あるわけで、そういう事も世間の人たちはよく知って、学校教育をアップデートしていかないといけません…が、それと同時にガッコの先生の報われない労働に関しても、世間の人たちは知らなすぎるわけで、ああ、やっぱり教育現場と世の中は、ほんと乖離しているなあ。

  3. ドロシー より:

    すとんさん

    まあ、妊娠と出産は女性しかできないけど育児は男性でとできますよ。この説からして、若い男性が結婚を焦らない、気楽な風俗を選んでしまう、という弊害が起きています。笑
    夫婦のあり方以前に、どんな境遇の人でも、安心して子供が産める世の中ではないのだと思います。ぶっちゃけ、クズの男性に騙されて妊娠して逃げられても、安心して産める世の中だったら、信頼できる人が誰もいない若い女性が生後間もない赤ん坊を殺す事件も起きないですしね。

    今思うと高校生で出産したら、大学卒業時に子供は就学児になっていて、仕事と子育ての両立の問題は解決するかも。まあ、古くさい教育者なら「学業優先」というでしょうが、それだって、社会人の仕事と比べたら、大したことことないでしょう。

  4. すとん より:

    ドロシーさん

     男は基本的に、多かれ少なかれ、クズなんです。そのクズさを隠さない男と、頑張って隠している男がいるだけです。本質的に、男はみんなクズ。だから、結婚したがらない。責任を負いたくないわけさ。

    >クズの男性に騙されて妊娠して逃げられても、安心して産める世の中だったら

     昔は村社会だったし、大家族だったし、クズに騙されても子育てできたけれど、今の世の中では難しいです。昔は良かったなんて言うつもりはないけれど、今の時代は、かなり不幸な時代なのかもしれません。

     外国には当たり前にある、大学の夫婦寮が日本には無いと言うのが、日本の不幸の一例なんだろうなあって思ってます。

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