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ファルセットが自由に出せるようになりました

 このブログの古くからの読者さんは知っているでしょうが、以前の私はファルセットが大の苦手でした。はっきり言っちゃえば、ファルセットで歌うどころか、ファルセットが出せませんでした。

 ま、当時の私は、テノールがファルセットで歌うのは負けだと思ってましたし、キング先生時代はファルセットで歌うことは言われなかったので「ファルセットなんて出せなくてもいいや」と思っていました。

 ファルセットと言うのは、裏声と呼ばれる種類の声で、クラシック系女声の歌声はファルセットから出発しますので、女性でファルセットが出せない人…と言うのは、まずいないのですが、男声は基本的にファルセットを使わないので、男性の中にはファルセットが出せないという人もいます。私がそうでした。男性でファルセットを用いて歌うのは、カウンターテナーとかメールアルトとかソプラニスタとか呼ばれる例外的な声の持ち主だけであって、一般的な男声ではファルセットは、まず使いません。

 …と言うのは、教科書的な答えであり、理想形であって、実際、バスやバリトンはともかく、テノールでは、やむをえず、ファルセットを多用していたりします。

 例えば、合唱テノールですね。団にもよりますが、高いEやFから上の声は、ファルセットで発声しなさいと統一している団も、実は結構あります。

 合唱では音色の統一ってヤツが大切です。いくらテノールであるとは言っても、合唱テノールの中には、EやFあたりで苦労する人もぼちぼちいます。出せる人は実声で歌い、無理な人はファルセットで歌う…では団としての統一性に欠けるので、そのあたりの音程からテノールは全員ファルセットで歌う事にしている団は多いです。また音色の統一だけでなく、EやFを出せたとしても、乱暴な声で発声されてはハーモニーぶち壊しだったりもするので、優しい音色のファルセットを重宝に使う事もあります。

 合唱でテノールをやるなら、ファルセットを自由に使えることは、必須テクニックなのかもしれません。

 また、独唱であっても、ファルセットは発声テクニックとして必要です。高音をPPで歌う事はありますが、そんな時はファルセットを用いて切なく歌うというのもアリなんです。

 まあ、独唱の場合、通常の歌唱では、どんなに高音でもファルセットは用いませんが、だからと言って、ファルセットが出せないというのはマズいんですね。

 と言うのも、私もそうでしたが、ファルセットが出せない人と言うのは、ガチガチにノドに力が入っているからファルセットが出せないわけで、ノド声なんですよ。ですから、そんなノド声で無理に高音を出そうとして、ノドにフタが覆いかぶさったように息が止まってしまうか、それをむりやり突破しても、音程がぶら下がった苦しげな声にしかなりません。それじゃあダメなんですね。

 むしろ、高音を出そうとして、失敗をしてファルセットになってしまうくらいの方がマシなのです。だって、ノドから力が抜けていて、声がスっぽ抜けてしまうからファルセットになってしまうだけなんですから。もちろん、声がスっぽ抜けてしまうのはマズいんですが、ノド声よりは(比較の問題ですが)ずっとマシなんです。

 テノールの高音は、ファルセットになりそうで、ギリギリならないあたりの声で用いるのです。だから、ファルセットで歌っちゃダメなんだけれど、ファルセットでも歌えるようでなければ、テノールとして先が無いんです。

 だから、テノールとして頑張っていくなら、ファルセットが出せるのはもちろん、ファルセットで歌えないといけません。むしろ、ファルセットで歌うのが得意なくらいの方が良いかもね。

 Y先生に代わって、ノド声対策をするようになり、徐々にノドの力を抜いて楽に歌えるようになったところ、少しずつファルセットで歌えるようになりました。まだまだ、ファルセットで歌うのが得意…とまではいきませんが、ひとまず発声としてのファルセットは、割りと自由にできるようになりました。

 ノド声からだいぶ離脱できてきた…って感じでしょうか? 次はファルセットで歌うのではなく、その手前で踏ん張って歌えるようになれたら、うれしいなあって思ってます。

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